感謝知らずの男

感謝知らずの男

ロンドンのバレエダンサー、レヴィを主人公に、個性的な性格の彼と、彼の周囲の人々の間に起きるトラブルを描いた短編。レヴィの初出は、同作者・萩尾望都のバレエ漫画『ローマへの道』の脇役としてである。

正式名称
感謝知らずの男
ふりがな
かんしゃしらずのおとこ
作者
ジャンル
バレエ
レーベル
コミック文庫(女性)(小学館)
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概要・あらすじ

騒音が多い建物に住んでいるため、不眠の日々が続いているバレエダンサーの青年、レヴィは楽譜屋の伝言板で見つけた防音壁つきの共同アパートに引っ越すことにした。しかし、そこの隣人である音楽学校の学生であるモリスは、親切でおせっかい焼き。独りで静かに暮らしたいレヴィは、彼と彼の恋人であるミリーの親切の押し売りに疲れきってしまう。

その上ミリーは次第にレヴィに惹かれ、いつの間にか三角関係の構図が出来上がってしまう。

登場人物・キャラクター

レヴィ

17歳の青年。家を出て独り暮らしをしながら、バレエダンサーをしている。個人主義的な、独立心の高い性格。性格を理解してくれている整体師のシグや、同じくダンサーのミツグとはいい友人関係を築いている。不潔恐怖症で入院している兄のショーンと、彼の担当看護師であるドーラを慕っている。音楽学校の学生であるモリスが募集していた、防音壁つきの空き部屋に引っ越すが、モリスと彼の恋人であるミリーの過剰なフレンドリーさに神経を参らせてしまう。

モリス

音楽学校の学生で、ヴァイオリン奏者。メガネをかけた青年。声楽科のミリーと付き合っている。山で昼寝をしていたレヴィを、倒れていると勘違いして叩き起こしたことがある。共同アパートの家主が増築した部屋の入居者募集を楽譜屋の伝言板に貼ったことから、新しい部屋を探していたレヴィと共同生活を送ることになる。明るくポジティブだが、相手のことを考えないタイプ。

ミリー

音楽学校の声楽科に通う学生。黒髪の女性。同じ学校に通うヴァイオリン奏者のモリスと付き合っている。明るく世話焼きで、料理上手。モリスの住む共同アパートに引っ越してきたレヴィを何かと構う。レヴィの出演しているバレエの舞台を見たことから、次第に彼に惹かれてしまう。

ショーン

レヴィの五つ年上の兄。不潔恐怖症を患い、入院している。レヴィにも接触できないが、看護師のドーラだけは平気。心優しく、感受性の高い人物。

ドーラ

大柄な女性の看護師。不潔恐怖症で入院しているショーンの担当をしており、彼が外出するときは付き添いをすることも。レヴィに慕われている。

ミツグ

17歳の日本人青年。バレエダンサー。レヴィとは同じバレエ団に在籍しており、友人同士。明るい性格だが、時に本質をついたことを言うしっかり者。レヴィを介して出会ったミリーが好みのタイプであるらしく、アプローチをかけようとする。

シグ

大柄で強面な整体師の青年。レヴィの友人で、不安定な彼を何かと心配している。ジムで鍛えており、かなりの筋肉質な体格。

書誌情報

感謝知らずの男 小学館〈コミック文庫(女性)〉

(2000-08-10発行、 978-4091912589)

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