サイボーグクロちゃん

サイボーグクロちゃん

横内なおきの同名漫画を原作とするテレビアニメ作品。原作の残酷描写や過激な描写をマイルドに修正しているが、児童漫画原作の割にはハードな表現が多く、現代社会を風刺した一癖も二癖もあるキャラクター達の生き方や台詞は、哲学的でもあり胸を打つシーンは多い。人気作品だった為、当初の予定より延長した78話を放映する予定だったが、制作会社パブリック&ベーシックの倒産により、66話で打ち切られた。

正式名称
サイボーグクロちゃん
ふりがな
さいぼーぐくろちゃん
原作者
制作
スタジオボギー
監督
高本 宣弘
放送期間
1999年10月2日 〜 2001年1月6日
放送局
テレビ東京
話数
66話
ジャンル
アクション
 
ギャグ・コメディ
 
動物擬人化
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概要・あらすじ

天然な老夫婦の飼いネコのクロは、その戦闘能力に注目していた科学者の手によってサイボーグに改造される。クロを世界征服の為のサイボーグ軍団に組み込むことを考えていたが、クロはこれを拒否し、自由奔放な生き方を選ぶ。

しかし、彼の周りには次から次へと常識外れの人物や事件が舞い込み、銃弾やミサイルが飛び交うハチャメチャな日常を過ごしていく。

登場人物・キャラクター

クロ

元は老夫婦ジーさんバーさんの飼いネコだったが、剛に改造されて強力なサイボーグネコに生まれ変わった。街を全壊させる程の戦闘能力を持ち、お腹から取り出すガトリング砲やなんでも斬れる剣などを武器に暴れ回る。 生まれつき自由奔放な性格で、サイボーグになった後も気ままなライフスタイルを貫く。クロという名前は飼い主のジーさんバーさんから貰った名前だが、クロ自身はマタタビと過ごした野良猫時代の名前であるキッドを本名としている。 次々に現れる変な人物達の騒動に巻き込まれる事もあるが、逆に巻き込んで暴れることも少なくない。恋人を気取ってくるナナのことは、鬱陶しそうに扱っているが、とても大切に想っている。 一般的な正義のヒーロー像とはかけ離れた性格をしているが、子供達にとっては頼りになるアニキ的な存在。

ミー

クロのライバル。剛と一心同体と言えるほど親密なサイボーグネコ。当初は間接的に剛の世界征服計画を潰したクロを目の敵にして付け狙っていたが、途中から悪友のような関係になる。生身だった頃から料理が得意で、剛の女房的存在。 剛から組み込まれたチップの力により、他の機械を取り込む能力があり、強敵と戦う時はよくクロと合体する。割合常識的な感性の持ち主だが、怒ると手が付けられない。

剛 万太郎 (ごう まんたろう)

クロやミーをサイボーグにした科学者。ミーからは命の恩人と慕われているが、クロからはかなり嫌われている。科学者を目指大学に通っていたが、学費を払えず中退してホームレスとなり、社会の底辺でもがきながら生活する。 社会と自分たちを隔てる「カベ」を壊すべく世界征服を目論むが、野望遂行の過程で創ったクロの「カベ」の無い自由な生き様に触れる度に、その情熱は薄れていった。よく変なメカを作っては暴走させ、結果的にクロ達に尻ぬぐいしてもらうトラブルメーカー。

コタロー

クロの友達である人間の少年。パソコン一台で米軍の空母をジャックするほどの天才。頭の良さ故に幼少期に自分の能力の限界と世界の閉塞感を感じ、自暴自棄になっていた所をクロやミーに救われる。友達であるライオンのダンクを救ってくれた剛に師事して、科学者を目指す。 異世界でのシスカとの出会いは知らない世界への好奇心を刺激されたが、シスカに「コタローはもう自分の世界を知りつくしたのか? 」と問われて、自分が生きるべき世界を諭された。

ジーさん

クロの飼い主で、バーさんの夫。とても天然な性格で、自転車を修理するクロや、壊れた家を立て直すマタタビのことを、便利なネコとしか認識していない。奈良県の大仏を見に行くはずがアマゾンに迷い込む程に、バーさん共々酷い方向音痴。 バーさんと共に死にかけのクロを拾い、現在の名前を与えた。

バーさん

クロの飼い主で、ジーさんの妻。ジーさんと同じく天然な性格だが、比較的常識的な感性の持ち主。しかし、やはりクロやマタタビが普通のネコではないと気づいていない。ジーさんと共に死にかけのクロを拾い、現在の名前を与えた。 初期の頃は、クロも二人を心配し、身を挺して守る行動を取るが、ジーさんとバーさんは、どのようなトラブルに見舞われても無傷で生還してしまう不死身の夫婦である。

マタタビ

『サイボーグクロちゃん』の登場人物で、生身のネコ。クロのライバル。クロとは幼少期からの付き合いであるため、彼のことを昔の名前であるキッドと呼ぶ。クロから不慮の事故で右目をえぐり取られた過去があり、当初はその復讐を目的として再会したが、親友であることには変わりはなく、クロの最大の理解者。 サイボーグではない生身の体でありながら、日本語を喋り、箸を扱い、壊れた家を建て直す化け猫と言われる程の器用さを誇る。 性格は生まれついての不真面目で、世界一快楽に溺れやすいネコである。

ナナ

クロの恋人を自称する小型の人型ロボット。尻尾の先に電球が付いている。料理以外が不得手なミーの代わりに家事を行うべく、コタローが箱に入れられたまま廃棄されていた電気スタンドから作ったお手伝いロボット。 自分を作ったコタローとのいざこざから助けてくれたクロに一目惚れする。箱から出されぬまま捨てられ、一度も街を照らす明かりになれなかったという、孤独で残酷な出生故に人間不信であり、極度の寂しがり屋。 役に立たないと思われると極端に傷つき、度々暴走する。

鈴木 一郎 (すずき いちろう)

クロの弟子。ロボットオタク(原作ではガンダムオタク)の小学校教師。頼りにならないことが多いため、児童達からは「ジム」と呼ばれている。普通の人間だが、クロとミーのバトルの際にたまたま居合わせ、クロに憧れて弟子入りする。 抜群のドライビングテクニックの持ち主。

ロミオ

自称クロの友達。かつて地球に落下した単眼の宇宙人の召使いロボットで、恋人のジュリエット共々主人である宇宙人が全滅した後は地球で暮らす。電柱のように細長く、極端な胴長短足だが、足は速い。 抑圧された召使い時代の反発からか、様々な危険アイテムを持参してクロやミー達と遊びたがるが、大抵ろくな結果にならずにトラブルを引き起こす。

中松 (なかまつ)

趣味で日本の平和を守っている「有限会社自衛隊」の隊長(原作では防衛庁の自衛隊の隊長)。桜町に起こる様々なトラブルに対して、何の成果も出すことができないばかりか、メガトンミサイルという危険な兵器(原作では核兵器)をすぐに使おうとする短絡的な思考の持ち主。 あまりの役立たずぶりから、部下や一般市民からの評価は最低で、特に部下からは中松の命令よりもミーの命令を優先されるほど扱いが悪い。

シスカ

異世界サバイバル編で気絶していたコタローを助け、行動を共にした海賊船の女船長。正体は世界の統治者だった前王の隠し子で、謎の遺跡『タブー』を含めた世界の構造に関する研究資料を保有している。その資料は後にコタローの手によってまとめられ、世界自体が驚くべき構造の人工世界であると判明する。 コタローにとっては初恋の相手。「新世界(ニューワールド)」探索の旅に出る際、コタローは同行を望んでいたが、自分の世界を知りつくさないままコタローにとってはファンタジーでしかない異世界に目を向ける不心得を指摘し、突き放した。

バイス

異世界サバイバル編におけるクロのライバル。モグラ型のサイボーグで、一面砂漠の世界を自由に泳ぎ回る。人工世界の創造主である「クリエイター」によって作られ、三百年間世界の秘密を守ってきた「タブー」の守護者。 疲れ果て、使命を全うして死ぬことを望んでいたが、この世界にはバイスを倒せるほど強い者は存在しなかった。クロと出会い、自分を倒せる強者であると見込んで戦いを挑み、激戦の末に敗れ、崩壊する人工世界と共に眠った。

場所

桜町 (さくらまち)

クロ達が生活している町。ネコがガトリング砲でビルを破壊したり、巨大ロボットが闊歩したり、足のある巨大蛇が出現するなど、非日常が日常と化している関係で、住人は大概の事では驚かなくなってしまっている。 町の郊外には大量のスクラップが投棄されている島があり、剛達はここでホームレス生活をおくりつつ、廃棄物から様々なメカを作成している。

異世界 (いせかい)

クロ達が次元の裂け目から迷い込んだ地球とは別の世界。見た目は草木一本無い一面の砂漠だが、砂の粒子が細かすぎて歩くと沈んでしまい、砂の中を魚型のロボットが泳いでいたり、人間は船上で生活していたりと、砂漠と海を掛け合わせたような世界である。 また、空母はあるが飛行機は存在しない。世界の中心には『タブー』と呼ばれる謎の遺跡があるが、常に激しい砂嵐が発生している。その正体は『クリエイター』という存在が人間を閉じ込めるために造った人工世界で、地球平面説のイメージ通りに造形されており、人間達は半球体世界の断面上で生活している。 『タブー』を起動させて人工太陽を突き破ることで、『新世界(ニューワールド)』に行く事ができる。

クレジット

原作

監督

シリーズ構成

山本優

作画監督

飯村一夫 , 土屋英夫 , 丸英男

音楽

若草恵 , 荒川敏行

アニメーション制作

スタジオボギー

原作

サイボーグクロちゃん

桜町を舞台にサイボーグと化した黒猫のクロちゃんが、二足歩行で歩き、ガトリング砲を持って大暴れするギャグ漫画。 関連ページ:サイボーグクロちゃん

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