ローマへの道

ローマへの道

花形スターになるという野心を抱きドミ・ド・リールバレエ団に入団した青年マリオ・キリコが、自らのルーツである実母と実母が起こした事件に向き合うことで、芸術家として成長する様を描いた人間ドラマ。

正式名称
ローマへの道
ふりがな
ろーまへのみち
作者
ジャンル
バレエ
レーベル
コミック文庫(女性)(小学館)
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概要・あらすじ

パリの人気バレエ団ドミ・ド・リールバレエ団の入団テストに合格したマリオ・キリコは、スターになるという野心を持っていた。しかし同期入団ながら役を獲得していくディディ・アンデルセンラファエラ・ロッティたちに比べて、冴えない立場の自分に焦り始めるマリオ。そんな時、養母の死と共に、死んだと聞かされていた実母がローマにいることを知らされたマリオは、深い混乱の中に沈んでいく。

登場人物・キャラクター

マリオ・キリコ

ドミ・ド・リールバレエ団のバレリーノ。20歳。イタリアローマ生まれだが、4歳で伯母シモーヌの家庭に引き取られ、ベルギーのブラッセルで育つ。5歳からバレエの道に入り、ブラッセルのバレエ学校ではずっと主役だった。ベルギーでの兵役を終え、ドミ・ド・リールバレエ団に入団。 しかしドミ・ド・リールバレエ団の中では伸び悩み、ドミ・ド・リールには自分の心の秘密を知らなくてはならないと言われてしまう。黒髪ばかりの伯母一家の中で、唯一の金髪。家がスタジオに近いという理由で、レヴィとルームシェアをしている。同期入団のラファエラ・ロッティとは、同郷であることを知ったのをきっかけに恋人となる。 シモーヌから、実父アントニオと実母アンナは死んだと聞かされていたが、後にアンナが生きていたこと、そして母が父を殺したということを聞かされる。それ以来精神不安になり、ラエラに暴力をふるいがちになってしまう。

ラファエラ・ロッティ

ドミ・ド・リールバレエ団のバレリーナ。20歳。技術と共に華を併せ持つダンサー。イタリアローマ生まれだが、13歳の時に両親が離婚、母親についてシェルブールに引っ越した。内気そうに見えるが、母語であるイタリア語だと感情が込めやすいのでよく喋る。同郷であると知ったマリオ・キリコと恋人同士になるが、彼の抱えた秘密とその感情の暴走に振り回されてしまう。

ディディ・アンデルセン

ドミ・ド・リールバレエ団のバレリーノ。19歳。兵役を終え、ドミ・ド・リールバレエ団に入団。技術は未発達だが感受性の豊かなバレリーノとして、同期ではいち早くドミ・ド・リールの目に留まり、準主役級の役に抜擢される。

シルビア・マレー

ドミ・ド・リールバレエ団のバレリーナ。24歳。リヨンでバレエ学校の教師をしていたが、一念発起してドミ・ド・リールバレエ団に入団。180cmの高身長だが、技術は確かであり、その身長を生かした個性のある役をドミ・ド・リールから与えられる。

レヴィ

ドミ・ド・リールバレエ団のバレリーノ。クラシック・バレエの王子然とした美形で、ロイヤル・バレエ団のソリストだったが、モダン・バレエをやりたくなって2年前にドミ・ド・リールバレエ団に移籍してきた。実力派で、常に主役級の役を務めている。同居の友人が出て行ったのをきっかけに、マリオ・キリコとルームシェアをはじめ、何かとマリオの面倒を見る形となる。

ドミ・ド・リール

ドミ・ド・リールバレエ団の団長。クラシック・バレエの演目を独自解釈し、モダン・バレエの題材とすることを得意としている。脚本、振り付け、演出などもこなしている様子。人を見る目も確かで、周囲の信頼は厚い。

ユーナ・キリコ

マリオ・キリコの従姉。8つの時にマリオが引き取られてきて以来、マリオとはなじめずにいた。アンナが起こした殺人事件を知っており、その上でアンナは死んだと聞かされていたが、母シモーヌの死と同時にアンナが生きていると知り、感情的になって事件のことを知らずにいたマリオに暴露をしてしまう。

シモーヌ・キリコ

マリオ・キリコの伯母。姉「アンナ」の殺人事件の後、拒食症となってしまったマリオを引き取る。アンナの希望通り、アンナは亡くなったものとマリオに教え、自分の子供たち同様に彼を可愛がって育てた。

アンナ・ジェセロ

マリオ・キリコの母親。母子家庭の一家で苦労して育ち、アントニオ・ジェセロと結婚。しかし失明寸前に陥ったアントニオが飲酒しては暴力を振るうようになり、息子マリオをも殴ろうとしたのを見て、思わず殴り返し、打ち所が悪くアントニオは亡くなってしまう。その死を受け入れられず、思わず周囲の掃除をするなどして証拠隠滅のような行動をとってしまったため、保険金目当ての殺人とと思われ大々的な報道をされてしまった。 マリオは妹のシモーヌに引き取ってもらい、自分は死んだと伝えてほしいと願う。刑務所に7年間服役した後、ローマにある老人ホームの手伝いの仕事をして生活していた。

アントニオ・ジュセロ

マリオ・キリコの父親。腕のいいペンキ職人だった。アンナ・ジェセロと結婚し、マリオが生まれてから次第に視力が悪化し、手術をしなければ失明は免れ得ないという症状になってしまったことから、仕事ができなくなり荒れてアンナに暴力を振るうようになってしまう。ある日マリオをめん棒で殴ろうとしたことから、逆上したアンナにめん棒で殴り返され、打ち所が悪く死亡してしまう。

ピエール・キリコ

マリオ・キリコの伯父。妻シモーヌ・キリコの姉アンナ・ジェセロによる殺人事件のあと、アンナの息子であるマリオを引き取るが、騒ぎが起こってローマにはいられなくなってしまう。ベルギーブラッセルに引越して後は、マリオをバレエ学校に行かせるなど、家族の一員として娘たち同様可愛がって育てた。

集団・組織

ドミ・ド・リールバレエ団 (どみ・ど・りーるばれえだん)

『ローマへの道』に登場するバレエ団。パリに所在を置くバレエ団で、団長はモダン・バレエ界の旗手ドミ・ド・リール。ほかのバレエ団のようなスターシステムがないため、抜擢されれば新人でも主役級の役を踊ることができる。

書誌情報

ローマへの道 小学館〈コミック文庫(女性)〉

(2000-08-10発行、 978-4091912596)

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