ごっこ

ごっこ

30歳の男性と、彼が誘拐した少女が、偽物の親子暮らしをしていくさまを描いたヒューマンドラマ。幼女誘拐、年金詐欺、実子殺害、血液密売など、多様な犯罪がモチーフになっている。3巻の最後には「リアルごっこ」というエッセイ漫画が収録されており、作者と息子とのやり取りを描いている。

正式名称
ごっこ
ふりがな
ごっこ
作者
ジャンル
妊娠・出産・育児
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概要・あらすじ

自殺しようとしていた「ボク」は、窓から見えるベランダに傷だらけの3歳の少女を見つけた。彼は咄嗟に彼女をさらい強姦しようとしたが、その時発せられた「パパ」の言葉に胸をうたれて、ヨヨ子という名前をつけて、育てようと決意する。周囲には自分の子どもという名目にして、父親としての生活をはじめる「ボク」。しかし、幼なじみの婦警・戸神マチには訝しがられる。

とはいえマチ自身もヨヨ子をきちんと育てたいと考えており、情けない「ボク」を叱りつけながらも手を貸していた。ある日たまたま、彼が父親の年金不正受給をしていたこと、ヨヨ子が誘拐された子であることをマチは知ってしまい、逮捕しなければいけないと悩む。一方、ヨヨ子の実の母親であるフキノエキリコが「ボク」の前に現れ、ヨヨ子に起きた真実を知る。

登場人物・キャラクター

ボク

本名は不明。商店街に住む天然パーマの男性。初登場時30歳。「犬道徳」と書かれたつなぎ姿で、フレームとつるのないメガネをかけている。学生時代はいじめられっ子で、気が弱く人付き合いが苦手で、ひきこもっていた。窓から見かけた、傷だらけの少女ヨヨ子を目にし、誘拐。強姦しようとするが、ヨヨ子が「パパ」と呼んだことで「一緒にいたい」と情が目覚め、彼女を養育する決意をする。 次第に自分に対し100%の感情でぶつかってくるヨヨ子を溺愛するようになっていく。父親は、彼が自分で稼げないことを理解していたため自殺、年金詐欺で受け取ったお金を彼の生活費にあてていた。幼なじみの婦警戸神マチはヨヨ子が娘だと思っており、彼が幼稚園の準備などちゃんと世話をできていない点を指摘、手助けしてもらっていた。 ところが彼女が「ボク」の父の自殺とヨヨ子の正体を知ってしまい、追われることになる。

ヨヨ子 (よよこ)

初登場時3歳。ヨヨ子は「ボク」がつけた名前で、元の名前は紅葉。目付きが悪く、全く笑わない。関西弁でしゃべる。常に元気にはしゃぎまわるが、マナーはそこそこ守ることが出来る。BB弾を見つけるのが得意。傷だらけでベランダに佇んでいたところを「ボク」に見つけられて、拉致された。その際彼を「パパ」と呼んだことで、彼に育てられることになる。 母親がいないことを気にしており、一度は犯罪者である厳ノ坂リリアンを母だと思い込んだこともある。「ボク」の幼なじみの戸神マチにも大切にされており、最初は「ボク」の娘だろうと推測されていたが、後に誘拐された子どもであることがバレてしまう。「ボク」のことを強く慕っており仲が良く、誘拐、詐欺、殺人などで逮捕された「ボク」を助けたいと願うようになった。 実際のところ、母親の記憶は残っている。

戸神 マチ (とがみ まち)

「ボク」の向かいに住んでいる幼なじみの女性。正義感が強く、婦警として働いている。何も出来ない引きこもりの「ボク」に厳しい言葉をかけつつ、常に彼のそばにいて行動に目をかけている。ヨヨ子は「ボク」の子どもだと思い込んでおり、彼の教育不足を補うべく彼女の養育の手助けをしていた。ヨヨ子とはとても仲が良く、彼女がへそを曲げて家出した際に自分の家にかくまったことがあるほど。 「ボク」には好意を抱いていたが、ずっと打ち明けられないままだった。「ボク」が、自殺した父親の年金を受け取っていたこと、ヨヨ子を誘拐していたこと、殺人を犯したりしていたことが明るみに出た時、正義感から彼を捕まえなければと葛藤していたが、耐え切れず「ワタシと一緒に逃げよう」と言った。

カナデン

ヨヨ子とほぼ同い年の少年。たまねぎのような形状の頭をしている。ヨヨ子とはプレイランドで出会って以来とても仲が良くなり、いつも一緒に遊んでいる。後に同じ幼稚園に通うようになった。素直な性格だが、母親は妙に現実主義で、考え方がひねくれている。大きくなってからは警官になっている。

カナデンの母 (かなでんのはは)

いつも和服を着て帽子をかぶっている、たおやかな女性。まれに京都弁を使う。現実主義者で、息子のカナデンの夢を全て打ち砕く発言ばかり繰り返している。「ボク」がヨヨ子の子育てで悩んでいた時、相談に乗ったことがある。

ネネ

かつて「ボク」が付き合っていたことがある、180cm近くある背の高い女性。なまけ者体質で、一方的に愛を注ぐ「ボク」との相性が良かったが、次第に温度差が出てきてしまい、別れる。缶詰が好き。

オヤジ

「ボク」の父親。帽子を自分で製造し、帽子屋を営んでいた厳格な男性。周囲には今老人ホームに入っていると思われているが、実は首をつって自殺し、「ボク」のために金を工面していた。死体は家の床の下に埋められている。事後処理は知り合いの原一男に頼んだ。

原 一男 (はら かずお)

「ボク」の話によると「父親の古い知人の知り合いの友人」だが、正体は不明。オヤジが死んだ後の処理や年金の替え玉役を引き受けており、「ボク」に事情を説明した。事件が発覚してからは、警察官である戸神マチに話を聞かれることになる。

畠山 (はたけやま)

イカつい男性。いつもジャージを着てたばこをふかしている。子どもが嫌いで、外でヨヨ子を叱りつけたり、「ボク」にいちゃもんをつけたりしていた。後に親しくなり、「ボク」の子育ての相談に乗るようになる。

デパートのインフォメーション

「ボク」とヨヨ子と戸神マチがデパートに遊びに行った際、ヨヨ子が迷子になったのでアナウンスしてもらうように伝えた女性。冷静で表情を変えず、愛想笑いをしている。迷子アナウンスの際は1万円払うように提示した。

厳ノ坂 リリアン (ごんのざか りりあん)

指名手配犯のポスターに写真が載っていた女性。優しくて家事がうまく、笑顔を絶やさない母性あふれる人間。ヨヨ子が母親について聞いてきた時、「ボク」が咄嗟に仮想母にしてしまった。後に偶然出会ってしまったことで、「ボク」から数日間ヨヨ子の母になるよう相談を持ちかけられる。極度の心配性で、それが祟ってかつて子殺しをしてしまい、指名手配になった。

寺西 (てらにし)

「ハマー幼稚園」の園長。メガネをかけ口が大きく、表情が一切変わらない。重度のロリコンで、子どもの純粋な面を見るのが好きで幼稚園経営をしている。かつてはロリコンもの動画や書籍をネットオークションに出品しており、その一部を「ボク」がいつも買っていた。幼い少女アミを娘に持つ女性と結婚し、アミのことを狙っている。

アミ

寺西が再婚した女性の娘。ポニーテールに大きなリボンをつけた快活な少女。ロリコンの寺西は彼女のことを狙っている。清純そうに見えるが、公園ではロリコンに接触してお金をもらっている。

マリっぺ先生

通称「カムラちゃんのパパ」。イケメンの男性。幼稚園の送り迎えの際、「ボク」と自分しか男がいないため、非常に目立っていた。コミュニケーション能力もすこぶる高い。床屋を営んでおり、裏では客の血を買い取って売りさばいている。「ボク」もお金の工面のために、彼に相談を受けて売ったことがある。ドSで、娘のカムラが望む理想的なパパを演じながら、現状が嘘であると彼女にバラすことを妄想しては興奮している。

カムラ

カキツバタの娘。ヨヨ子と同じ幼稚園に通っている少女。とても素直で、夢見がち。実はそれは演技で、騙されて喜んでいる大人を見て楽しんでいる。

フキノエ キリコ

ヨヨ子の本当の母親。市販のルーをかけるカレー屋を営んでいる。生花市場の売り子をはじめた際、「ボク」と出会った。双子のヨヨ子と楓を産んだが、楓が病弱だったことから、家族からの臓器移植が必要と判断、姉であるヨヨ子から臓器を取るため彼女に自殺するように教育していた。ヨヨ子が「ボク」に拉致されたことを知っており、「感謝している」とまで言ったが、真意はまた別にある。 ヨヨ子を人間だと思わない発言が多く、「ボク」の怒りを買い、ある理由で殺されてしまう。

(かえで)

フキノエキリコの娘で、双子のヨヨ子の妹。生まれつき身体が弱い。後に戸神マチと共に暮らすようになる。

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