ナポレオン -獅子の時代-

ナポレオン -獅子の時代-

フランス革命が起きた17世紀、フランス陸軍の軍人ナポレオン・ボナパルトが諸外国との戦争を経て実権を握るまでを描く歴史漫画。必ずしも史実に忠実な内容でなく、登場人物たちは過分にデフォルメされている。

正式名称
ナポレオン -獅子の時代-
ふりがな
なぽれおん ししのじだい
作者
ジャンル
戦争
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概要・あらすじ

フランスがロシアと衝突したアウステルリッツの戦い。フランス軍を指揮するナポレオン・ボナパルトは見事な作戦と指揮でロシア軍を壊滅させた。歴史に名高いフランス皇帝ナポレオンは、元はコルシカ島の出身の貧乏軍人に過ぎなかったが、フランス革命後、ヴァンデミエールの反乱鎮圧で名を上げ、イタリア方面軍司令官に抜擢された。

この戦いでオーストリア軍を完膚無きまでに叩きのめしたナポレオンはその後アフリカに侵攻。エジプトシリアで捨て身の戦いを繰り広げた後、わずかな側近を連れてパリに戻ったナポレオンは、クーデーターを起こして権力を掌握。「革命軍は地上最強ォォ」のかけ声と共に第一執政の座に駆け上っていく。

登場人物・キャラクター

ナポレオン・ボナパルト (なぽれおんぼなぱると)

コルシカ島出身の天才軍人。フランスの第一執政。後のフランス皇帝。妻は元ボアルネ子爵夫人のジョゼフィーヌ。若き日のナポレオン・ボナパルトは野心的な目をした長髪の青年で、出身地による差別を受けながらもフランス陸軍幼年学校を卒業し、砲兵士官となった。 「わらっ鼻」は幼年学校時代のあだ名。フランス革命後、砲兵隊長として赴任したツーロン攻囲戦で名を上げ将軍となる。だが、ジャゴバン派と目されて逮捕されことで一時軍を休職することとなった。その後、ヴァンデミエールの政変鎮圧でバラスに与して活躍し、復帰をとげた。イタリア方面軍司令官となったナポレオンは死闘の末オーストリア軍を撃破。 イタリアを手中にし一躍英雄となるが、バラスを中心とする総裁政府から疎まれ、中枢から遠ざけられる。その後、エジプト及びシリアと戦ったアフリカ遠征を経てパリに帰還。ブリュメールのクーデーターを成功させ、フランス第一執政の座につき、権力を掌握した。 実在のフランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトをモデルとする。

サン=ジュスト (さんじゅすと)

フランスの革命家。ロベスピエールの第一の同志でジャコバン派の大物。軍籍を抹消されたナポレオン・ボナパルトを大尉として軍に戻した。ロベスピエールが処刑されたテルミドールのクーデターを生き延び、以降は闇に潜む暗殺者となる。ロベスピエールのサングラスを受け継いだが、バラス暗殺を謀った際、ナポレオンに奪われてしまう。 実在のフランスの革命家ルイ・アントワーヌ・ド・サン=ジュストをモデルとする。

ロベスピエール

フランスの革命家。ジャコバン派領袖。市民と革命への愛を徹底するため、特定の誰かを愛することをせず、生涯童貞を貫いた。常に丸いサングラスを身につけている。公民会議からジロンド派を追放し権力を掌握した後は恐怖政治を断行し、反対派を次々とギロチン台に送った。 さらにジャコバン派のエベール派、ダントン派までも粛正するが、テルミドールのクーデターで失脚し、ギロチン台にて処刑される。このクーデーターを背後で操っていたのは、後の警察長官ジョゼフ・フーシェであった。ロベスピエールの丸いサングラスはサン=ジュストを経て、ナポレオン・ボナパルトの愛用品となった。 実在のフランスの政治家にしてテロリストのマクシミアン・ロベスピエールをモデルとする。

ジュノー

ナポレオン・ボナバルトにもっとも古くから従う側近の軍人。ナポレオン一家がコルシカ島から落ち延びたツーロンで身を寄せた古い屋敷に先住していた男。この時、ナポレオンの妹ポリーヌに一目惚れし、以降つきまとうようになった。ツーロン攻囲戦にも参加し、この時は勇猛な兵として活躍を見せた。 その後、ナポレオンが軍を休職したことで困窮してもそばを離れず、その生活を援助した。イタリア方面軍司令官となったナポレオンの戦いにも従軍し、ロンコの戦いでは、絶体絶命に陥ったナポレオンを盾となって守り、重傷を負う。極端に無口な男でほとんど言葉を発しない。 一時、ナポレオンの妻ジョゼフィーヌの侍女と良い仲になりかけたが、そのせいでポリーヌにふられてしまった。実在したフランスの軍人でポルトガル総督のジャン=アンドシュ・ジュノーをモデルとする。

マッセナ

ナポレオン麾下の指揮官のひとり。幼少時に両親を亡くし、石鹸作りの叔父に養われる。その影響か戦場でも石鹸作りの巨大な鋤を凶器としてふるう。極めて有能な軍人で指揮能力も高いが、金銭への執着が極度に強く、隙あらば略奪を繰り返す。また、好色で性欲が強く、戦場に愛人をともなうこともある。 フランスの実在の軍人で帝国元帥のアンドレ・マッセナをモデルとする。

マルモン

ナポレオンの麾下の指揮官のひとり。ツーロン攻囲戦でナポレオンに出会い腹心となった。かつては上官を選ぶ兵士で、無能な上官を危険地帯に連れ出したり、砲撃の標的となるよう細工をしたりした。しかし、ナポレオンには忠実でラルティック要塞攻略時には豪雨の中最後まで砲を打ち続けた。 その後、ナポレオンがジャコバン党親派として投獄された際には、ジュノーとともに脱獄計画を練って面会に赴いた。イタリア戦役、エジプト戦役でも活躍したことで、ついには将軍に昇進した。フランスの実在の軍人で帝国元帥のオーギュスト・マルモンをモデルとする。

ジョゼフ・フーシェ (じょぜふふーしぇ)

稀代の陰謀家。保身のためテルミドールのクーデターを影から操り、ロベスピエールをギロチン台に送った人物。その後、バラスを中心とする総裁政府の警察長官となった。無数の密偵を使ってあらゆる情報を集めており、パリの情勢のすべてを掌握している。当然、ナポレオン・ボナパルトによるブルメールのクーデーターに関する情報もつかんでいたが、勝ち馬に乗るつもりで情報を握りつぶし、静かに事態を見守った。 クーデーターの数日後、この時のジョゼフ・フーシェの日和見行動を揶揄した「サン=クルーの風見鶏」という芝居が上映されたが、彼は笑ってそれを許容した。以降、サン=クルーの風見鶏は彼の渾名となる。 フランスに実在した政治家ジョゼフ・フーシェをモデルとする。

バラス

テルミドールのクーデターの首謀者のひとりで、ロベスピエールを葬った後、総裁政府の中心人物となった。ヴァンデミエールの反乱鎮圧に功のあったナポレオン・ボナパルトを庇護した人物でもある。テルミドールのクーデーターの際には、逮捕者の自爆に巻き込まれ、左手を失い、顔にも大火傷を負う。 以降、左手に義手をつけ、顔に包帯を巻くようになった。総裁政府の首魁だが、さほど政治力もなく、頭もよくない。結果、ブルメールのクーデターで地位を失い田舎に引きこもろうとするが、その道中でサン=ジュストに殺害されてしまう。ナポレオンの妻となるジョゼフィーヌはもともとバラスの愛人であった。 フランスに実在した政治家ポール・バラスをモデルとする。

ミュラ

ナポレオン・ボナパルト麾下の指揮官のひとり。騎兵を指揮する。容姿に自信のある伊達男で大の女好き。しかし騎兵としてはすこぶる優秀で卓越した戦闘力の持ち主。軍を休職し本屋となっていたナポレオンの店で客として出会い、バンデミエールの反乱鎮圧任務で再会した。大の目立ちがり屋で、ストイックな性格のランヌとは犬猿の仲である。 フランスに実在した軍人でナポリ王国国王のジョアシャン・ミュラをモデルとする。

ジョゼフィーヌ

ナポレオン・ボナパルトの妻。後のフランス皇后。元はボアルネ子爵夫人で二人の子をもうけている。フランス革命後、カルム監獄に投獄されたが、ロベスピエールの死で釈放される。その後、バラスの愛人となっていたが、ナポレオン・ボナパルトに求愛され再婚した。 ナポレオンより6歳年長。エキゾチックな風貌の美女だが、大変な浪費家で浮気性。ナポレオンの出征中は、若い美男子を引きづり込み浮気を繰り返した。ナポレオンの親族との折り合いも大変悪い。フランスに実在したナポレオン・ボナパルトの妻にしてフランス皇后のジョゼフィーヌ・ド・ボアルネをモデルとする。

オージュロー

ナポレオン・ボナパルト麾下の指揮官のひとり。ジャコバン派の軍人でなまりのある言葉で話す。粗暴な性格だが、戦場では有能であり、その勇猛さは比類がない。軍服を規約通り着ることを嫌い、戦場では上半身裸でいることが多い。また、独特の美意識の持ち主で、常に乳首毛専用の櫛を携帯し、手入れに余念がない。 イタリア遠征で師団長として活躍した後、ナポレオンの命でパリに戻り、フリュクチドールのクーデターでは部隊を指揮して王党派戦った。フランスに実在した軍人シャルル・ピエール・フランソワ・オージュローをモデルとする。

ベルティエ

ナポレオン・ボナパルト麾下の優秀な参謀長。後に陸軍大臣となる。頭でっかちで風采の上がらぬ小男だが、軍務の管理能力は誰にも負けない。有能ゆえにナポレオンに徹底的に酷使され、常に苦労が絶えない。だがベルティエはナポレオンの能力を誰よりも認め、彼に仕えることに大きな喜びを感じている。 独身であるが、イタリアのビスコンティ公爵夫人を敬愛し、純粋な愛情を捧げている。フランスに実在した軍人でフランス帝国元帥ルイ・アレクサンドル・ベルティエをモデルとする。

ランヌ

ナポレオン・ボナパルト麾下の指揮官。身体能力が高く禁欲的な軍人。しかし激すると極端な行動に出るきらいがある。イタリア遠征時にナポレオンの配下として加わるが、この時の階級は軍曹。もともとは少佐だったが、一度軍籍を抹消され軍曹に格下げされていた。しかしすぐに戦場で頭角を現し、半旅団長に昇格。 常人離れした運動能力で兵の先頭に立って突撃し敵を撃破し続けた。「どこでも闘える兵士」にならんとストイックに鍛えるその姿勢にナポレオンも親近感をいだき、階級を超えて友として接することを許している。常に兵の先頭に立つことから負傷も多く、左右の頬に大きな傷がある。口ばかり達者で軽薄な人間を嫌っており、ミュラとは犬猿の仲である。 フランスに実在した軍人でフランス帝国元帥ジャン・ランヌをモデルとする。

ビクトル

元処刑人見習いでツーロン攻囲戦に新兵として参加した。その後、ナポレオン・ポナバルドを指揮官とする戦いにすべて参加し、その都度悲惨な目にあうツキのない男。無能な兵士だが耐久力と脚力だけはある。エジプト遠征では敵の捕虜となり、男に貞節を奪われた。ナポレオンが側近のみを連れてエジプトを脱出した際には、その他大勢の兵士と共に置き去りにされてしまう。

ダヴー

ナポレオン・ボナパルト麾下の指揮官のひとり。幼年学校の1年後輩。薄い頭髪のせいで老けて見えるが、ナポレオン麾下の将軍の中では一番の年若である。過剰な厳格さと粗野さから敵味方ともに恐れられ、アウステルリッツの戦いでは常識はずれの機動力で味方を勝利に導いた。幼年学校時代はフェンシングの名手として鳴らし、上級生のナポレオンと戦ったこともある。 フランスに実在した軍人でフランス帝国元帥ルイ・ニコラ・ダヴーをモデルとする。

タレイラン

元僧侶の伊達男の政治家。名門貴族の家系に生また。片足が義足であり、杖を手放せない。フリュクティドールのクーデーターで暗躍し、バラスに認められ総裁政府の外務大臣に就任した。その後、エジプト遠征から帰還したナポレオン・ボナパルトに接近し、ブリュメールのクーデーターで共闘する。 優れた知能と政治力の持ち主でヨーロッパ各国の有力者との間に多彩なコネクションを有す。ナポレオンは何故か彼のことをタユイランと呼ぶ。フランスに実在した政治家・外交官のシャルル・モーリス・ド・タレーラン=ペリゴールをモデルとする。

ルスタム・レザ (るすたむれざ)

ナポレオン・ボナパルトの側近で元マルムーク。剣と武術の達人。常に近くに侍り護衛の任についている。エジプト遠征の折、宦官にされる直前でナポレオンに助け出された。以降、ナポレオンに比類なき忠誠を誓う。実在したナポレオン・ボナパルトの従者ルスタム・レザをモデルとする。

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