サーバント×サービス

サーバント×サービス

北海道の某区役所に勤務することになった新人公務員の山神ルーシーと、彼女を巡る職場の人達との人間模様を描いたラブコメディー。

正式名称
サーバント×サービス
ふりがな
さーばんとさーびす
作者
ジャンル
日常
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

山神ルーシーは、新たに区役所の保健福祉課に勤務する事となった。実はルーシーにはでたらめな本名があり、その出生届を受理した職員に、一言文句を言いたいがために公務員になったのだった。(WORK:1)

ルーシーはどこか軽薄そうな同僚の長谷部豊の事があまり好きにはなれなかった。しかし、豊の有能な働きぶりを見るうちに、ルーシーは少しずつ彼の事を見直し始める。(WORK:2)

区役所の臨時職員の千早恵は、淡々とまじめに働く女性だった。そんなある日の事、仕事が休みであるはずの恵が、フリフリのドレスのような服を着て区役所に現れる。それはアニメキャラクターのコスプレであり、ルーシーは恵の意外な一面を知る事になるのだった。(WORK:3)

三好紗耶はその優しい性格が災いして、いつも田中に捕まって長話に付き合わされていた。そのせいで紗耶は通常業務が疎かになってしまい、その事に悩んでいた。(WORK:4)

女子高校生の一宮塔子は保健福祉マニアであり、頻繁に保健福祉課にやって来ては、職員の知識を確かめようとする困った性格の持ち主だった。保健福祉課に新人が入った事を知った塔子は早速、その知識を確かめるために、彼らに試験を課すと言い出す。(WORK:5)

今年から入って来た新人3名の世話係を任された一宮大志は、自分が彼らにしっかりと教育を施せているか、不安に思っていた。その事について大志は恵に相談するが、臨時職員にそんな事を聞くなと叱られてしまう。(WORK:6)

ルーシーが区役所内で泣いている子供の対応に困っていると、そこに豊が現れ、子供の対応を代わりに引き受ける。ルーシーは助かったと礼を言おうとするが、すでに豊の姿は見当たらない。彼を探していたところ、ルーシーは手話を使って対応をしている彼の姿を見掛ける。豊は仕事で使う事を予測し、あらかじめ手話を習得していたのである。それを知ったルーシーは、彼の仕事に対する姿勢に感銘を覚える。(WORK:7)

いつも同じ服を着ている事を恵に指摘されたルーシーは、おしゃれに興味がないと答える。だが実際は、自分に似合う服を見つけられない事がその理由だった。ルーシーの胸が非常に大きい事がその最たる理由だったが、恵はそんなルーシーの悩みをあっさりと看破する。(WORK:8)

塔子の保健福祉マニアぶりを見たみんなは、どうしてそんな風に育ったのかと気になり、その疑問に大志が答える。一宮家は母子家庭であるうえに、母親が病気がちであるためにお金に困っていた。そして、いつも幼い塔子の世話をしていた高校生の大志も、家計を助けるためにアルバイトを決意する。すると、塔子が区役所から助成金をもらえる事を調べて、大志にアルバイトをする必要はないと止める。それ以来、塔子は保健福祉について詳しくなったのだった。(WORK:9)

豊はルーシーのメールアドレスを知りたがっていたものの、なかなか聞く機会がなかった。そこで豊はルーシーを食事に誘うが、断られてしまう。ルーシーは趣味の本につぎ込んでしまったせいで、食事に付き合う金がなかったのである。それを知った豊はルーシーを心配し、彼女に食事を奢りたいと言い出す。(WORK:10)

田中の長話に付き合わされて仕事がままならない紗耶のために、みんなでその対策会議を開く事になった。すると、それを聞いた塔子が田中に迷惑だと言うべきだと意見するが、沙奈は田中を傷つけたくないと、その案を却下する。(WORK:11)

雷雨の日、雷が苦手のルーシーは、怖がっている姿を周囲に見られたくないがために、倉庫に逃げて事務仕事をこなしていた。しかし、沙奈が回って来た資料を渡すために、いなくなったルーシーを探し始める。それを見た豊はその資料を預かり、ルーシーに渡しに行く。(WORK:12)

ルーシーは豊に手話を教わっていた。しかし、ルーシーはセクハラなどに無頓着で、豊が手をにぎって来てもそれを許してしまう。二人のそんな姿を見た恵達は、ルーシーのスキのあり過ぎる様子を心配する。(WORK:13)

大志はルーシーの頭から生えているハネ毛が気になって、思わず髪を触ってしまう。そんな中、二人の様子を見ていた塔子がそれに嫉妬して、ルーシーに怒りを向ける。(WORK:14)

突然、ルーシーは豊から付き合ってほしいと告白される。それを断ると、豊は大してショックを受けていなさそうな素振りを見せる。その一方で、ルーシーは豊から告白された事に激しく動揺し始める。(WORK:15、WORK:16)

ルーシーは働き始めてから一度も、保健福祉課の課長に会った事がなかった。それを大志に伝えると、彼は言葉を濁した。実は保健福祉課の課長、百井兼蔵は超恥ずかしがり屋で、自宅から機械仕掛けのウサギのぬいぐるみを遠隔操作しつつ、福祉課に出社している変わり者だったのだ。そのため、大志は今まで新人達にその存在を黙っていたのだ。(WORK:17)

恵は、ルーシーが豊といっしょに定期的に食事に行っていると聞いて驚く。そして、恵はルーシーに対して、豊には気をつけるようにと忠告するが、ルーシーは食事に行っているだけだと言って、豊の真意にはまったく気がついていなかった。その鈍感過ぎるルーシーに、恵は呆れてしまうのだった。(WORK:18)

兼蔵は、新人達が職場に馴染めているかどうかを確かめる事にした。そこで人形である事を活かして各々の肩に乗って、その仕事ぶりを観察し始める。(WORK:19)

兼蔵がみんなと飲み会に行きたがったために、みんなで居酒屋にやって来た。そこで豊が泥酔したルーシーを介抱し、自宅まで送ってあげる事にする。(WORK:20) 

第2巻

山神ルーシーが朝目覚めると、なぜか知らない場所で眠っていた。長谷部豊は飲み会にて泥酔していたルーシーを家まで送り届ける事ができず、代わりに姉の長谷部薫に引き取ってもらったのだ。それを知ったルーシーはお詫びをさせてほしいと豊に詰め寄る。(WORK:21)

ルーシーは先日のお詫びをするために薫の家を訪れる。すると、薫はこれから豊の家に行こうと突然言い出した。そして、豊はルーシーと薫の突然の来訪に驚きつつも、彼女達を家に招き入れる。(WORK:22)

一宮大志は、職場恋愛は止めた方がいいと豊に忠告する。実は大志は同僚の千早恵と付き合っており、その大変さを誰よりもわかっていたからだ。(WORK:23)

恵は一宮塔子の留守を見計らって、大志の家にやって来る。そんな恵に大志はこんな自分と付き合っていていいのかと尋ねる。すると恵はその言葉に怒り、塔子の部屋に逃げ込む。そして、なぜか塔子の制服を着て現れる。(WORK:24)

ルーシーがくしゃみをした拍子に、ブラジャーのホックがちぎれてしまう。ルーシーはそれを周囲に隠すために上着を着て誤魔化そうとするが、胸が大きいせいで周囲にはすぐにバレてしまう。しかし、気を遣って直接的には言えないみんなは、それをどうルーシーに指摘すべきかと悩んでしまう。(WORK:25)

百井兼蔵は今年の新人達は自由奔放だと言い出し、昔のお堅い役所と比べると随分変わったと口にする。しかし、みんなからすれば変わり者の兼蔵がいる時点で、昔の役所は柔軟だったように思えるのだった。(WORK:26)

兼蔵の娘、百井花音が、父親の忘れ物を届けるために保健福祉課を訪れる。すると偶然そこで出会った塔子とは友人関係であった事が判明した。塔子に友達がいるのかと心配していた大志は、二人の仲のよさそうな様子を見て安心する。(WORK:27)

三好紗耶田中や塔子の対応に追われ、疲れ切っていた。そして、人気のないところで思わず仕事を辞めたいと口にすると、それを偶然そこにいた豊に聞かれてしまう。それを誤魔化すために、紗耶はこの仕事を始める事になった経緯を豊に話す。(WORK:28)

塔子は保健福祉課のみんなが兼蔵と話している姿を見て、ぬいぐるみに話し掛けているのだと勘違いしてしまう。そして、自分のせいでみんなの心が病んでしまったのだと落ち込んでしまった。(WORK:29)

ルーシーは自分の本名で苦労した事を豊に愚痴る。すると、豊はルーシーに改名してはどうかと提案。しかし、ルーシーは親に気を遣い、改名はしたくないと、その提案を断る。(WORK:30)

大志と恵は恋愛関係である事が周囲にバレないように、職場ではできる限りそっけなく接していた。すると、兼蔵が二人の仲が悪いのかと勘違いしてしまい、それを解消すべく気をまわしてしまう。そして、兼蔵により大志と恵は二人きりで資料室の物品整理をする事になった。(WORK:31)

紗耶は田中から突然、孫と結婚してほしいと言われた。しかし、今は誰とも付き合う気がない紗耶は、それをどう断っていいかを悩み、周囲に相談する。(WORK:32)

田中の孫、田中譲二が紗耶に会うために保健福祉課を訪れる。そこで譲二は豊を見つけ、彼につかみ掛かった。譲二と豊のあいだには浅からぬ因縁があったのだ。そして、譲二は豊が保健福祉課にいるとわかってからは、彼に会うためにそこを訪れるようになってしまう。(WORK:33、WORK:34)

譲二は学生時代、豊にどんな事でも勝てなかったのを悔いていた。そこで譲二はルーシーを食事に誘い、彼女を口説き始める。譲二は豊が気に入っているルーシーを口説き落とせば、豊に勝った事になると考えたのだ。するとその場に豊が現れて譲二を殴りつける。(WORK:35)

先の一件によりルーシーに本格的に惚れ始めた豊は、彼女をデートに誘う。ルーシーは豊に借りがあった事からそれを断り切れず、2か月後にデートの約束を取りつけられてしまう。さらにルーシーはデートではスカートで来る事を豊に約束させられてしまう。(WORK:36)

花音と塔子が喫茶店でしゃべっていると、そこに偶然恵が現れる。そして、花音は恵が大志の彼女である事に気づいてしまう。しかし、同時にそれを塔子が知らないのにも気づいた花音は、その場にいる事に気まずさを感じ始める。(WORK:37)

真夏日であるにもかかわらず、庁内の冷房が切られる事となった。それにより普段から厚着をしているルーシーは暑さに苦しむ事となり、仕事も手につかなくなってしまう。そんなルーシーの様子を心配した恵は、彼女の汗を拭くためにいっしょに別室に向かう。(WORK:38)

ルーシーと沙奈は薫に誘われて、いっしょに食事に行く事になった。そこで二人から譲二と会った話を聞いた薫は、彼が笑いのツボであるのだと言い出し、譲二についての昔話を始める。(WORK:39)

夏のイベントのコスプレ衣装を作っていた恵は、連日連夜その作業をする事で寝不足になっていた。そんな恵の様子を見た大志は、同僚として彼女を心配し始める。すると恵は大志に彼氏として嫉妬してほしいがために、わざとそれを引き出させるような発言をし始めた。(WORK:40)

ルーシーのデート服のコーディネートを担当する事になった恵は、彼女といっしょに服を買いに行く。そんな中、恵はルーシーに豊とのデートが終わったあと、そのままホテルに連れ込まれないようにと忠告する。その忠告に問題ないと答えるルーシーだったが、彼女は自分のスキの多さを自覚していなかった。(WORK:41) 

第3巻

長谷部豊三好紗耶との話で、山神ルーシーが結婚を予定していると勘違いしてしまう。それを信じられなかった豊だが、ルーシーの生き生きとした様子を見て、それが本当かも知れないと、ますます勘違いを深めてしまう。(WORK:42)

ルーシーが目を離しているスキに、百井兼蔵が自分そっくりのぬいぐるみと間違えられて、誰かによって連れ去られてしまう。ルーシーが兼蔵を発見した際、兼蔵は幼い女の子といっしょにいた。そして、兼蔵は幼い女の子を悲しませたくないという理由で、その場を去れずにいた。(WORK:43)

千早恵は今日こそは一宮塔子に、一宮大志と付き合っている事を伝えるために、彼女のもとを訪れる。その途中、恵は塔子が公務員試験の勉強をしている傍ら、大学模試の勉強をしている事に気づき、塔子が大学に行きたがっているのではないかと考える。(WORK:44)

三好紗耶は道中で偶然、田中譲二と出会う。そして、彼に豊やルーシーにかかわらないようにと忠告するが、譲二は聞く耳を持たない。そこで紗耶が少々厳しい口調で再度忠告すると、譲二は自分の行いを悔いて涙を流し始めた。(WORK:45)

ルーシーは本の買い過ぎで家計が危うくなり、その結果パンの耳を食べて糊口をしのぐ生活を送っていた。それを知った豊は彼女を心配して、本の買い過ぎを止めるように忠告する。(WORK:46)

百井花音は、塔子が保健福祉課で長話をしているのを待つあいだ、その辺をうろついて時間を潰す事にした。そこで花音は保健福祉課のみんなとしゃべる事により、その変人さを痛感して疲れてしまうのだった。(WORK:47)

紗耶は話のなりゆきで、譲二といっしょに食事をする事になった。食事中、譲二は豊の話ばかりをしてしまい、紗耶はそれに呆れてしまう。そこで紗耶は譲二に、豊以外の話をしてほしいとお願いする。しかし、豊は譲二以外の話をうまくしゃべる事ができなかった。(WORK:48)

恵はイベントのコスプレ衣装作りで寝不足になっており、明日からの3日間はその作業で忙しいから、大志に連絡はしないようにと忠告する。実は恵は心配してほしくて敢えてそう言っていたのだが、鈍感な大志はそれを鵜呑みにしてしまう。(WORK:49)

ルーシーは豊とのデートを明日に控え、恵の用意したデート服を確認する。しかし、その服はルーシーの思っていた以上に露出度が高く、ルーシーはその服を着る事に戸惑いを覚える。そこでルーシーは豊とのデートを先延ばしにしようとするが、メールアドレスを知らないためにその連絡をする事ができなかった。仕方なくルーシーはそのデート服を着て、豊との待ち合わせ場所に向かう。(WORK:50)

豊はルーシーとのデートを堪能したあと、その途中で付き合ってほしいと真剣な素振りで言う。しかし、その途中で豊に急な用事が入ってしまい、豊はルーシーの返事を聞かないままその日は別れる事となる。その次の日、豊は深刻そうな表情で仕事場に現れ、ルーシーの出生届を受け取った人物が父親であった事がわかったと、みんなに明かす。(WORK:51、WORK:52)

豊はルーシーの恨んでいる人物が自分の父親であるとわかり、彼女に嫌われたくない事からそれを言い出す事ができない。そして、豊は後ろめたい事もあって、ルーシーに対していつものように接する事ができなくなっていた。するとルーシーは豊が自分に対して冷めてしまったのだと勘違いしてしまう。(WORK:53、WORK:54)

塔子は大学に進学する事に興味を持ち始めていたが、家の経済事情を理由に、それを大志に言い出せずにいた。すると紗耶が奨学金を活用してみてはどうかと提案するが、塔子は自分が経済的に自立できなければ、大志を自分の世話から解放させてあげられないと、その提案を却下する。(WORK:55)

豊は、自分の父親がルーシーの出生届を受理した人物である事をルーシーに伝えようとするが、それをなかなか言い出せずにいた。そんな中、恵がこのままではルーシーが不憫だと豊に忠告する。そこで豊はルーシーに自分の正直な気持ちを伝えつつ、だからこそ困っている現状を教えるのだった。(WORK:56、WORK:57)

ルーシーは好きな作家の新刊を探すために本屋を巡っていた。その途中、ルーシーは知り合い達に偶然出会うが、仕事の時と服装がほとんどいっしょである事を驚かれてしまう。(特別編①)

恵は塔子の家を訪れ、彼女とババ抜きをして遊ぶ事になった。その際、負けた方が勝った方の言う事を聞く事になるが、塔子は恵に連敗してしまう。そこで勝つたびに恵は塔子にコスプレの衣装を1着ずつ渡していくが、塔子はコスプレをさせられている事に気づかない。(特別編②)

紗耶は休日にやるべき事がないせいか、ついだらだらと過ごしてしまう。そこでこれでは駄目だと思い直して街へと出掛ける事にして、その先で同僚達に出会う。(特別編③) 

第4巻

いきなりの雨に降られた百井兼蔵の身体は濡れてしまい、携帯電話は防水機能がないために故障してしまう。しかし、一宮大志は彼から書類を受け取らなくてはならず、早急に兼蔵と連絡を取ろうとする。(WORK:58)

山神ルーシーは、千早恵に服を作ってもらったお礼を返したいと言い出す。そこで恵はルーシーにマジカルフラワーズのコスプレをしてもらう事にした。そして、恵はマジカルフラワーズの仲間全員のコスプレ要員を集めるために三好紗耶一宮塔子百井花音を呼び集める。(WORK:59)

ルーシーは街で偶然、長谷部薫に出会う。そこで薫は父親の件について謝罪しようとするが、その途中でルーシーが未だに父親の件について知らない事に気づいた。それにより薫は長谷部豊とルーシーのあいだにすれ違いがある事を知り、それについて責任を感じてしまう。(WORK:60)

塔子が修学旅行で家を留守にする事から、大志は恵と夜遅くまで付き合う事にした。そこで酒に酔った恵は大志をホテルに誘おうとするが、その途中でそれを止める。恵はこのままでは塔子に後ろめたい感情を持ち始めてしまう事に気づいたのだ。恵のそんな複雑な感情を知った大志は、優柔不断である自分に罪悪感を覚える。(WORK:61)

紗耶は恵の様子がおかしい事から、大志とのあいだに何かあったのかと心配し始める。そんな中、紗耶は大志の口から恵について無神経な事を耳にした事で、思わず彼に罵声を浴びせてしまう。(WORK:62)

恵との関係をしっかりするようにと紗耶に説教された大志は、恵の家を訪れる。そして、恵に自分の正直な気持ちを話した結果、大志と恵のあいだにあるすれ違いが解消された。(WORK:63)

紗耶は他人に余計な一言を言ってしまう悪癖を悩み、元気をなくしていた。そんな中、完全な部外者の田中譲二相手であれば、好きに愚痴っても問題ないと気づき、彼を自分の話に付き合わせる。(WORK:64)

豊はルーシーに対して後ろめたい感情がある事から、彼女を食事に誘えなくなっていた。そんな中、ルーシーがまた本の買い過ぎにより不摂生な生活をし始めた事を知り、勇気を出して彼女を食事に誘う。しかし、ルーシーからはその誘いを断られてしまう。それにより豊は早くルーシーとのあいだにあるわだかまりをなくして、堂々と食事に誘いたいと決意を新たにする。(WORK:65)

以前恵との関係を見つめ直した大志はそれ以来、恵を頻繁に食事などに誘うようになる。しかし、恵は大志の誘いを断り、そんな恵が大志には機嫌が悪そうに思えた。だが、それは大志の勘違いで、恵はそれを嬉しく思うあまり、顔のにやけを抑えるのに必死だった。(WORK:66)

ルーシーは豊が何を考えているのかがわからず、自分の鈍感さを自覚するようになった。そこでルーシーは周囲にその事を相談し始める。(WORK:67)

ルーシーは道を歩いている途中、偶然兼蔵に会って抱きつかれそうになる。そんな中、兼蔵を荒っぽく止める男性が現れる。その人物は兼蔵と同期である事を口にして、その場をあとにした。のちにその男性は豊の父親である事が判明する。(WORK:68)

恵は塔子と食事をする事になった。そんな中、塔子は恵に対して進路について悩んでいる事を相談をして、その悩みが若干ながら解消される。(WORK:69)

ルーシーとの一件に豊が悩んでいる事を知った譲二は、豊のもとを訪れる。そこで豊に勝負を持ち掛け、それに豊が負けたらルーシーに自分の気持ちを伝えるようにと約束を交わした。そんな中、譲二はイカサマをして豊に勝つ。それにより豊は譲二にルーシーとの仲を応援されている事を悟り、彼のためにもルーシーに気持ちを伝える事を決意する。(WORK:70)

豊はルーシーを呼び出し、自分の気持ちを告白する。するとルーシーはその告白を受け入れた。しかし、豊にはその後、父親がルーシーの出生届を受け取った人物である事を伝えなければならなかった。だが、豊はルーシーを悲しませたくないと思うあまり、その告白を先延ばしにしてしまう。(WORK:71)

塔子は大学に行くか、就職するかで進路を悩んでいた。そんな塔子の悩みを知った花音は自分が進路について悩んでいるという体で、塔子を連れてその相談に訪れる。その相談を受けた豊は自分の人生経験を話し、それを聞いた塔子は大学に行く事を決意する。(WORK:72)

塔子は大志に大学に行く事を伝えようとする。しかし、それを話す前に大志から恵と付き合っている事を告白される。それにより塔子は、自分を遠方にやりたくて恵が進路について応援していたのだと勘違いしてしまうが、考える内にそれが勘違いであった事に自ら気づく。そして、塔子は恵と大志の仲を認め、さらには大志に対して恵をもっと大事にしてあげるようにと忠告をする。(WORK:73)

ルーシーは、豊から彼の父親がルーシーの出生届を受け取った人物である事を聞かされる前に、その真実を知ってしまう。それによりルーシーは豊が名前の事で自分をからかっていたのだと勘違いしてしまい、それに大きなショックを受けてしまう。豊はその誤解を解こうとするが、その最中に風邪を引いて倒れてしまう。そんな中、豊のもとにルーシーがお見舞いに訪れる。(WORK:74、WORK:75)  

登場人物・キャラクター

山神 ルーシー (やまがみ るーしー)

区役所保健福祉課勤務。20歳。本名は「山神ルーシー喜美子明江愛理史織倫弥由保知帆子彩乃…」と延々と続く長い名前となっているため、作中では「ルーシー(以下略)」とも呼ばれている。また、「山神留子」という表記を使うこともある。名前に関してコンプレックスを持っており、名付けた両親にではなく、その名前を受理してしまった当時の担当職員に対して文句を言うために公務員となった。 眼鏡にアホ毛が特徴。また、非常に巨乳で、力むとブラのホックが弾けとんだり、好みのデザインがなかったりすることで悩んでいる。大の本好きで、食費を本の購入費に充てたりしている。似たような地味なデザインの服ばかり着ており、女子力はかなり低め。 料理も不得意。

長谷部 豊 (はせべ ゆたか)

区役所保健福祉課勤務。22歳。ルーシーの同期。ちゃらちゃらした雰囲気の男で、ノリも軽い。仕事に関してはすこぶる有能で、知識も豊富だが、勤労意欲は薄く、抱えている仕事をさっさと片付けてサボるのが好き。祖父の代から公務員の家系で、特にやりたい事もないため、公務員となった。ルーシーに対し、はじめは普通に接していたが、徐々に意識するようになり、ついには自ら告白するに至るほど、好きになってしまう。

三好 紗耶 (みよし さや)

区役所保健福祉課勤務。24歳。ルーシーらと同期だが、大学院(中退)を経ているため年上。人当たりが良く、大人しい性格のため、役所に来る市民には人気が高い。昔から、的確に相手の心に突き刺さる一言を言ってしまう癖があり、そのため「一言多い」「冷たい」と言われてきたことを気にして、普段は相手にはっきりとものを言わないようにしている。 ただし、焦ると無意識のうちにきつい一言が口に出てしまう。

千早 恵 (ちはや めぐみ)

区役所保健福祉課の臨時職員。20歳。ルーシーの指導係で、仕事もそつなくこなすが、あくまで臨時職員のため、専門的なことは対処できない。コスプレに傾倒しており、自分がするだけでなく、他人に衣装を作って着せることも好き。「コスプレイベントに自由に参加できなくなる」という理由で正規職員にはならず、臨時職員を続けている。 一宮大志と付き合っているが、特に周囲には公言していない。

一宮 大志 (いちみや たいし)

区役所保健福祉課勤務。26歳。ルーシーたちの先輩で教育係。優しい性格だが、ネガティブな面もあり、なにかと自分のせいだと思い込んでしまう癖がある。また、妹をとても大事にしており、彼女ができても、クリスマスイブに妹の誕生日を優先するので、たいてい振られてしまう。千早恵とひそかに付き合っているが、あまり恋人らしいことはしてあげられず、やや不満に思われている。

百井 兼蔵 (ももい けんぞう)

区役所保健福祉課課長。50歳。ルーシーたちの上司。恥ずかしがり屋のため、機械仕掛けのウサギのぬいぐるみを遠隔操作して、ルーシーたちの前に姿を現す。また、ウサギの姿のまま仕事もしている。長谷部豊の父親とは同期の間柄。

一宮 塔子 (いちみや とうこ)

高校生。16歳。幼い頃から兄の大志に親代わりに育てられたので、極度のブラコン。一住民として役所に意見しにくるふりをして、実は兄に会いに来ている。ただし、自分にはブラコンの自覚はほとんどない。社会保障法令を暗記するのが趣味。高校卒業後は兄と同じ職場で働きたいと思っているが、大学進学にも興味を持っている。

長谷部 薫 (はせべ かおる)

長谷部豊の姉。27歳。公務員。気を抜くと長谷部そっくりになると言われるほど、よく似ている。酔いつぶれたルーシーを長谷部が薫の部屋に連れてきたことから、ルーシーと知り合い、たまに食事をしに行ったりするようになる。

百井 花音 (ももい かのん)

高校生。百井兼蔵の娘。一宮塔子のクラスメイトで友達。ぬいぐるみ姿の父のことをまったく気にせず、むしろ家ではメンテナンスを手伝ったりしている。そのせいもあって理系に強い。

田中 (たなか)

下の名前は不明。保健福祉課の常連の老婆で、ほぼ毎日来庁しており、大半は窓口で三好紗耶に愚痴を聞かせている。紗耶のことが気に入り、孫で銀行員の譲二との結婚話を持ちかけたりしている。

田中 譲二 (たなか じょうじ)

銀行員。長谷部豊の幼馴染み。高校の時に長谷部に対し不用意に放った一言で彼を傷つけたと思い込み、贖罪の意味も込めて同じ大学に進学するなどストーカーじみた一面を見せた。そのため、長谷部には敬遠されている。祖母の勧めで三好紗耶に会いに保健福祉課にやってくる。

長谷部の父 (はせべのちち)

区役所職員。百井兼蔵と同期。ルーシーが産まれた時の戸籍住民課の職員で、ルーシーの名前を受理してしまった張本人。その理由として、「息子の豊が高熱を出していたため、業務に集中できず、普段なら受理しないような書類もうっかり通してしまった」と百井に語っている。

集団・組織

保健福祉課 (ほけんふくしか)

『サーバント×サービス』に登場する部署。課長は百井兼蔵。区役所の1階にあり、他の部署の場所を尋ねる来庁者が保健福祉課の窓口を頻繁に訪れる。そのため、本来の業務よりも、むしろ来庁者の案内に時間を取られてしまうことも多い。なお、ルーシー、恵は福祉給付事務係、一宮と長谷部は福祉第一係、紗耶は福祉第二係に配属されている。

マジカルフラワーズ

『サーバント×サービス』に登場する架空の戦隊。恵のコスプレの元ネタ。花をモチーフにした5人の魔法少女が悪の組織と闘うという女児向けアニメに登場する。エコロジーをテーマとしているが、毎回、戦闘のあおりですさまじい環境破壊がおこってしまうという。メンバーはガーベラピンク、ローズブラック、ブルーハイドランジア、ミモザイエロー、ルピナスパープルの5人で、コスプレはそれぞれ恵、ルーシー、紗耶、塔子、花音が担当している。

アニメ

サーバント×サービス

北海道の某市にある区役所で保健福祉課の福祉給付事務係に配属された、主人公の山神ルーシー(略)。そこはちょっと個性的な職員たちが働く区役所だった。そして、新人公務員の山神ルーシー(略)と、周囲の職員たち... 関連ページ:サーバント×サービス

SHARE
EC
Amazon
logo