まもって守護月天! 解封の章

まもって守護月天! 解封の章

桜野みねねの『まもって守護月天!』の3年後を描く続編作品。ただし、本作『まもって守護月天! 解封の章』より前に連載されていた『まもって守護月天!再逢』とは、エピソードの直接なつながりはない。月の精霊、シャオリンと、七梨太助の恋愛や、彼らを取り巻く友人達との日常を描いたファンタジー作品。「MAGCOMI」2015年12月から連載。

正式名称
まもって守護月天! 解封の章
ふりがな
まもってしゅごげってん かいふうのしょう
作者
ジャンル
ファンタジー
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あらすじ

第1巻

守護月天」と呼ばれる月の精霊、シャオリンが、七梨太助のもとへやって来てから3年後。太助は高校生になったものの、3年前から思い続けているシャオリンとの仲はあまり進展せず、ご主人様と仕える精霊という関係のままだった。そんな中、太助は久々にシャオリンと家で二人きりの時間を過ごす。しかし3年越しともいえる特別な夜にもかかわらず、特に何事も起こらず、結局いつも通りの朝を迎えてしまう。中々シャオリンに本当の気持ちを伝えられずにいる太助は、恋に悩み悶々としながらも、シャオリンやほかの友人達と賑やかな日常を過ごしていく。

第2巻

シャオリンが尽くしてくれるのは、あくまで自分が主人であるからで、それ以上の感情はないのではないかと、七梨太助は自分に自信をなくしていた。しかし、不安や悩みで眠れない夜にシャオリンに会った太助は、彼女の仕草や表情を見て意識されていると感じ、再びやる気を取り戻す。後日、愛原花織の提案で、太助とシャオリンを中心とするメンバー達と、遊園地でトリプルデートをする。デートの途中、花織に指摘された太助は、3年前にした告白の返事をシャオリンに求める。だが、自分の中に生まれている太助への恋愛感情に惑うシャオリンは、「ごめんなさい」の一言を返してしまう。

登場人物・キャラクター

七梨 太助 (しちり たすけ)

シャオリンの主人でもある男子高校生。生真面目で、心優しい性格の持ち主。3年前、父親から送られてきた支天輪から守護月天、シャオリンを召喚して以来、彼女と同居している。その後、さらに父親から送られてきた「黒天筒」と「短天扇」からルーアンとキリュウを召喚し、彼女達とも同居している。実家で暮らしているが、家族は長年不在でたまにしか帰って来ない。 そのため、シャオリンと出会うまではほぼ一人暮らしの状態にあり、密かに孤独感を抱いていた。シャオリンに恋心を抱いているが、シャオリンが永遠の命と守護月天の宿命を持つ精霊であるという厳しい現実と、何より奥手な性格が災いして、中々その仲を進展させられずにいる。

シャオリン

七梨太助によって支天輪から召喚された中国の月の精霊。「守護月天」とも呼ばれる。健気でまじめな性格だが、天然な一面も持っている。愛称は「シャオ」で、一部の星神からは「月天さま」と呼ばれている。太助と同年代の少女の姿をしているが、古代中国の時代からさまざまな主人に仕えてきた精霊であるため、実年齢は不明。 現在の主人である太助には、今まで仕えてきた主人とは違った特別な恋愛感情を抱いている。しかし、永遠の命を持たない人間に対して恋愛感情を持ってはいけない、という守護月天の宿命に揺らぎ、その思いを彼になかなか伝えられず、結果的にすれ違ってしまう事も多い。支天輪よりさまざまな星神を召喚でき、彼らの力を借りながら太助を守護している。

ルーアン

七梨太助によって召喚された、中国の太陽の精霊。同じく中国の精霊であるシャオリンやキリュウよりも、年上の女性の姿をしている。主人にあらゆる幸福を授ける役目を持った、「慶幸日天」と呼ばれる精霊で、「黒天筒」という伝説の筒に宿っていた。無機物や食べ物などに、命を与えてあやつる能力を持つ。主人である太助に片思いし、かつては彼とシャオリンの仲を邪魔する事が多かったものの、二人が両想いと気づいてからは、太助の幸福を願って二人の仲を後押しする事が増えている。 食い意地が張っており、よく食べ過ぎてはお腹を壊している。

野村 たかし (のむら たかし)

七梨太助の親友の男子高校生。遠藤乎一郎とも仲がいい。明るい性格をした熱血漢。かつてシャオリンに片思いしていたが、彼女と太助が両思いであると気づき、身を引いている。また、何かをやるたびに周囲を巻き込んだり巻き込まれる事が多いトラブル体質。後輩の愛原花織の存在が気になっている。

遠藤 乎一郎 (えんどう こいちろう)

七梨太助の親友の男子高校生。野村たかしとも仲がいい。3年前からルーアンに片思いしている。中学生時代は小柄で気弱なおとなしい少年だったが、高校生になった今は大柄な体格で、大らかな性格の青年に成長している。

山野辺 翔子 (やまのべ しょうこ)

シャオリンの友人の女子高校生。中学時代は「学年一の問題児」といわれた有名な不良だったが、シャオリンと仲よくなって改心し、不良っぽい振る舞いや服装もやめるようになった。シャオリンを応援しており、七梨太助との仲が進展するように、何かと発破をかけている。かつては太助達と同じ中学に通っていたが、現在は別の高校に通っている。 母親が体調を崩しており、その原因は中学時代に自分が無茶をして悩ませたせいだと、悩んでいる。

キリュウ

七梨太助によって召喚された、中国の大地の精霊。主人にあらゆる試練を与え、成長させる役目を担った「万難地天」と呼ばれる精霊で、「短天扇」という伝説の扇に宿っていた。人や物の大きさを自由に変える能力を持つ。シャオリンと同年代の少女の姿をしている。クールで冷静な性格だが、照れ屋な一面もある。シャオリンやルーアンと同様、主人である太助と同居していたが、七梨那奈からの提案で、しばらく彼らのもとを離れて秘境で修行をしていた。

離珠 (りしゅ)

シャオリンに仕える星神の少女。本作のマスコットキャラクターともいえる存在。幼い少女の姿をしており、体は小さいが頑張り屋。宮内出雲を慕っている。離れた場所からでも、シャオリンにテレパシーを送る能力を持ち、シャオリンが七梨太助のもとを離れる際の連絡係を担う事が多い。ほかの星神と異なって言葉を話せず、シャオリン以外には自身の声を届けられない。 このため何かを伝える際は、紙などに絵を描いて説明や感情表現をしている。

虎賁 (こほん)

シャオリンに仕える星神の少年。虎のような耳と尻尾を持つ少年の姿をしている。スポーツが得意で、球技を中心とする運動全般のコーチができるほど身体能力が高い。離珠と仲がよく、彼女といっしょに登場する事が多い。

軒轅 (けんえん)

シャオリンに仕える星神。龍によく似た姿をした、角の生えた精霊。背中に人を乗せて飛ぶ事ができる。主にシャオリンの移動用として呼び出される事が多い。

瓠瓜 (こか)

シャオリンに仕える星神。ペンギンのような姿をしている。身体は小動物サイズだが、大きな物でも口に入れて体内に格納し、運搬ができる。山野辺翔子や七梨那奈に気に入られており、彼女達のために召喚される事もある。

南極寿星 (なんきょくじゅせい)

シャオリンに仕える星神。小さな老人の男性の姿をしている。シャオリンのお目付け役でもあり、星神の中で唯一彼女の行動を制限し、支天輪に封印できる存在。かつて七梨太助に恋愛感情を抱き始めていたシャオリンを彼から引き離そうとしたが、太助の優しさと責任感を認め、それからは時に心配しながらも二人を温かく見守っている。

八穀 (はちこく)

シャオリンに仕える星神。帽子をかぶった少年の姿をしている。食材や薬草の調達を得意とする星神で、目的に合った薬草を用意したり、最高の食材を見抜く事ができる。主にシャオリンが夕飯などの材料を買う際に、食材選びを手伝っている。

愛原 花織 (あいはら かおり)

七梨太助の後輩にあたる少女。太助に片思いしており、恋愛に何かと積極的で、乙女チックな性格をしている。以前は太助のシャオリンへの想いを知りつつも積極的にアタックしていたが、最近は太助の恋を応援する行動が増えている。また、何かと周囲を巻き込んだり巻き込まれたりするトラブル体質の野村たかしが気になり始めているが、彼に対してはツンデレのような態度をとる事が多い。

七梨 那奈 (しちり なな)

七梨太助の姉。旅行好きな色黒な成人女性で、細かい事を気にしない、少々豪快で行動派な性格の持ち主。宮内出雲の元同級生でもある。太助の父親や母親と同様、家にはたまにしか帰って来ないで、帰って来てもすぐにまた旅に出てしまう。シャオリンが精霊であると知りつつも気に入っており、弟の太助との仲も応援している。また山野辺翔子と意気投合しており、仲がいい。

宮内 出雲 (みやうち いずも)

宮内神社の神主をしている成人男性。七梨那奈の元同級生でもある。容姿端麗にしてスポーツ万能で、女性からの人気も高く、町内にファンクラブができるほど。シャオリンに一目惚れし、最初は七梨太助とライバル関係にあったものの、シャオリンの太助への想いに気づき、身を引くようになる。時おり宮内神社に参拝に来る、シャオリンの相談相手になる。

その他キーワード

支天輪 (してんりん)

七梨太助が、中学生の頃に父親から受け取った伝説の輪。心の清らかな者が覗くと、守護月天、シャオリンを召喚できるという伝説がある。またシャオリンが星神を召喚する際にも使用される。同様の伝説を持ったアイテムとして、ルーアンの「黒天筒」、キリュウの「短天扇」があり、いずれも太助のもとに送られている。

守護月天(精霊) (しゅごげってん)

支天輪から召喚される、中国の伝説の月の精霊、シャオリン。主人をあらゆる災いから守護する役目を担っている。不老不死の精霊であるため、老いて死んでいく主人との別れを何度も経験している。その度に悲しみを乗り越え、また新たな主人に仕えるという事を繰り返している。また、このような厳しい宿命を乗り越えるための妨げとなる恋愛感情は、持つ事を禁じられている。 同様の精霊として「慶幸日天」のルーアン、「万難地天」のキリュウがいるが、いずれも心の清らかな者にしか召喚できない。

星神 (ほしがみ)

シャオリンが支天輪より召喚する精霊。中国の星座をモチーフにしている。普段は支天輪に封印されている。それぞれが何らかの特技を持っており、トラブルや敵との戦闘および日常の雑事など、状況や目的に応じて召喚される。言葉を話せる星神も多く、虎賁はシャオリンを「月天さま」と呼んでいる。

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