カラダ探し

カラダ探し

ウェルザードの小説『カラダ探し』のコミカライズ作品。50年前に発生した殺人事件を発端とした、夜の高校校舎内で行われるサスペンスホラー。殺人鬼でもある死霊「赤い人」と、強制的に参加させられた高校生達の命がけの追いかけっこ。「カラダさがし」に失敗すると、時間を巻き戻されてしまう。そのため、同じ夜を延々と続けなくてはならず、参加者達は次第に精神に異常をきたしていく。そんな極限状態における葛藤、そして新たに生まれる友情を描く。集英社「少年ジャンプ+」2014年9月26日から2017年12月8日にかけて配信された。2022年10月実写映画化。

正式名称
カラダ探し
ふりがな
からださがし
原作者
ウェルザード
漫画
ジャンル
オカルト
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊1巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第壱章・前編

50年前、とある少女が暴行を受けて殺害され、遺体をバラバラにされるという凄惨な事件が起こった。これを発端に、ある高校ではその犠牲者が死霊「赤い人」となり、生徒の肉体を八つに分割するという怪談「赤い人の呪い」が語り継がれるようになった。これは身体を分割された生徒が、校舎内に隠された自分の「カラダ」を集めて欲しいとほかの生徒に頼むという内容で、すべての「カラダ」を集め終わるまでは時間が巻き戻り、何度もそれを繰り返すことになるというルールだった。11月9日の夜、森崎明日香伊勢高広柊留美子浦西翔太杉本健司鳴戸理恵の六人が突然、夜の校舎に集められる。いぶかしがる六人の前には不気味な雰囲気をまとった三神遥が出現し、自分の「カラダ」を探して欲しいと依頼してくる。当初は半信半疑の六人だったが、その後すぐに校舎内で「赤い人」に遭遇し、全員が惨殺されてしまう。さらに怪談どおりに時間が巻き戻されたことで、明日香たちは事の重大性を認識し、この恐ろしいデスゲーム「カラダ探し」に本気で挑むことで、事態を収集しようと奔走するようになる。カラダ探しにはいくつものルールがあり、始まった11月9日を繰り返す中で、明日香たちはいくつかのルールや法則を発見する。何よりも校舎内で八つの「カラダ」を見つけ出し、生徒玄関ホールに置かれた棺桶(かんおけ)に収めていくことが重要となる。明日香たちは時には自らを犠牲にしながらも、命懸けで発見した「カラダ」を棺桶に収めていく。当初は恐怖のままにカラダ探しに参加させられていた明日香たちは、「赤い人」の行動を観察しながら、彼女から逃れる方法をはじめとする攻略方を見出していく。そして不可解な出来事や謎に何度も遭遇する明日香たちは、謎解きの中でカラダ探しの背景に隠された事件の真実も追い求めていくことになる。だが、そんな狂気渦巻く状況の中で次第に自分を見失っていった健司は、カラダ探しの最中に、以前から気になっていた理恵のことを襲い出す。さらに健司は怪力を身につけていき、「赤い人」と同様の強力な生霊のようになってしまう。実は健司の祖父である山岡雄蔵は、かつてバラバラ殺人事件を起こして「赤い人」を生み出した張本人であった。さらに雄蔵の罪を被(かぶ)せられる形で殺害された山岡泰蔵の思念が、健司の体に乗り移って暴走していたことが判明する。

第壱章・後編

事態が混迷する中、森崎明日香たち六人の生徒たちによる「カラダ探し」は、すでに9日目を迎えていた。かつて「カラダ探し」をさせられた経験を持つ教師、八代友和の協力を得られたのもあって、明日香たちのチームワークと結束は深まり、今までより調査は順調に進んでいたかに思えた。しかし、山岡泰蔵に取り憑(つ)かれた杉本健司という伏兵の登場により、夜の恐怖はさらに深まってしまい、あと三つの「カラダ」を発見できぬままで残りの未調査箇所は少なくなっていく。健司と「赤い人」に追われながらも、明日香たちは右脚を発見し、棺桶に収めることに成功。だが、新たな「カラダ」を発見していくごとに、世界には少しずつ変化が訪れ、カラダ探しの依頼主であった三神遥はなぜかクラスの人気者になり、それに対して明日香たちの存在感は薄くなっていく。残す「カラダ」があと一つになったところで、明日香たちは健司の情報から、「赤い人」がいつも抱えているぬいぐるみの中に、最後の「カラダ」である頭が隠されているのではと推測する。そして迎えた11日目の夜、健司との和解も果たし、この日のうちに「カラダ探し」を終わらせようと団結した明日香たちは、命懸けで「赤い人」に立ち向かっていく。あらかじめ決めておいた作戦で「赤い人」からぬいぐるみを奪い、棺桶を目指したリレーを試みた結果、明日香は友人たちの死という犠牲を払いつつ、すべての「カラダ」を集め終えることに成功する。棺桶にすべての「カラダ」を収めた瞬間、「赤い人」と小野山美紀の生霊が現れ、明日香に礼を言う。死亡した者たちが今回の記憶を消されたうえで蘇(よみがえ)ることを聞かされた明日香は、これですべてが終わったと悟り安堵(あんど)する。しかし同時に聞かされたのは、「カラダ探し」と明日香の運命を揺るがすような衝撃的なルールだった。

第弐章

すべての「カラダ」を集めた森崎明日香が最後に聞いたのは、「カラダ探し」をクリアした者は新たな依頼者となり、体をバラバラにされて校内に隠される、という衝撃的なルールだった。最終日に死亡していたメンバーはカラダ探しの記憶を失い、生き残っていた明日香は一人で棺桶に封印されて、カラダ探しにかかった日数分の眠りにつくが、目覚めた彼女はクラスの大半から存在を忘れられ居場所がなくなっていた。さらに明日香は、次のカラダ探しにおける新たな依頼者となり、伊勢高広柊留美子浦西翔太の三人に加え、相島美雪袴田武司二見結子の前に現われ、自分の「カラダ」を探して欲しいと涙ながらに訴える。こうして新たなカラダ探しが開始されることなるが、武司と結子は終わるまで保健室のベッドで過ごすなど、非協力的に振る舞っていた。一方、「赤い人」のターゲットになった美雪は、必死に逃げながら「カラダ」を見つけようと奮闘する。しかし武司の妨害により、六人の関係を揺るがす事件が発生。美雪が見つけた腰の部分を、武司が持ち去ってしまったのだ。その後は武司の妨害を防ぐ作戦を立てたうえで挑むようになるが、いくつかの出来事を経て、美雪はカラダ探しの元凶となっている呪いを解く方法を探すようになる。そのため、小野山邸を訪れた美雪たちは、生前の小野山美子と小野山美紀の幻を目にし、「赤い人」が誕生した謎にせまっていく。やがて複数の「カラダ」が集まったことで、美雪の家族にある変化が訪れるようになり、その過程で彼女と留美子は、武司の妨害の理由が袴田あゆみを救うべく時間を止めようとするためだったことを知る。しかし、時間が巻き戻されても純粋な時間経過は止まらず、武司はあゆみの病状が悪化していくことに気づく。美雪は未来永劫カラダ探しを終わらせるために、今まで対立しがちだった武司と結子にも協力を求める。考察を続ける美雪は「赤い人」や美紀との接触を経て、「赤い人」と美紀がそれぞれ別の呪いに結ばれていること、そして美紀の呪いから解放された「赤い人」が校外に出てしまうリスクについて知る。

最終章・前編

八代友和の協力を得ながら進めていった相島美雪たちの「カラダ探し」は、誰も命を落とすことなく無事に終了した。しかし、小野山美紀からカラダ探しを完全に終わらせる方法を聞かされた美雪は、森崎明日香を救いみんなの日常を取り戻そうと、自ら棺桶に入りって眠りにつくことを決意。美雪たちに救われた明日香は、美雪が棺桶に入る直前、呪いを解くもう一つの方法を託されていた。そして時が流れ、新たなカラダ探しがスタートしたが、その依頼者として現れたのは予想外人物、村田幸恵だった。幸恵は新たなメンバーとして明日香、三神遥袴田武司の三人のほか、同じクラスの中島悠斗小川卓也香山日菜子を選別していた。だが、悠斗だけは一人で暴走しがちで、武司をスタート時に殴り殺したり、仲間を囮(おとり)に利用したりなど自分勝手な行動を取る。さらに頼りになるはずの武司は、袴田あゆみを失ったショックでまったく動かず、何も言わずに悠斗に殺されることも増えていく。明日香が遥とぎくしゃくしがちなこともあり、かつてない異変が続出する新たなカラダ探しの中で、明日香はすべての謎と呪いを解く鍵を探し続ける。仲間を殺すことも厭(いと)わない卑劣な悠斗に、放心状態の武司など難題が山積みな中、明日香の前に美紀が突然現れ、小野山邸に潜む「黒い人」を追い出して欲しいと頼んでくる。3日目は卓也のおかげで「赤い人」のぬいぐるみに隠されていた右腕を収めることに成功し、明日香が四つ目となる胸も見つけるも、直前に死亡して失敗に終わる。一方、今回のカラダ探しに不参加だった伊勢高広は、自分の代わりに明日香を守って欲しいと武司に頭を下げ、彼の言葉を聞き続けるうちに武司は活力を取り戻していく。武司復活の兆しに安堵した明日香は、改めてみんなで協力してカラダ探しを乗り越えようと決意するのだった。4日目、明日香は美紀の言っていた「黒い人」の正体を突き止めるべく、高広と友和といっしょに小野山邸に赴く。廃墟の中で新たに地下室を見つけるが、そこには何かの儀式を行ったかのようなおぞましい光景が広がっていた。

最終章・後編

日菜子の兄を殺害した通り魔が三神遥だったと判明し、森崎明日香たちは遥が過去のカラダ探しで体験した出来事を知る。一方、明日香たちに「カラダ探し」を依頼した村田幸恵は放送室から妨害を仕掛け、いつもと違う状況に明日香たちは翻弄されていく。4日目、袴田武司の復活もあって団結した明日香たちは、相島美雪の残した計画を引き継ぐために、残りの「カラダ」を見つけようと行動を開始。異常な校内放送など予想外のトラブルが続く中、明日香は右脚を発見した小川卓也と遭遇するが、それは彼によく似た人物に化けた「黒い人」であった。「黒い人」に騙(だま)された明日香は、死ぬ間際にある光景を目に焼きつけながら死亡する。5日目、呪いについて調べる明日香は遥、伊勢高広と共に小野山美子の墓に向かい、美子の遺体に新品の赤い服を贈る。ようやく結束できたはずの明日香たちには、「黒い人」によってさらなる恐怖と混乱がもたらされ、残るは左胸一つだけになったところで発見が難航し、「赤い人」にも執拗(しつよう)に追われる。6日目、明日香たちは再び小野山邸を訪れるが、呪いに関する収穫はないままでカラダ探しの時間が訪れる。今夜で終わらせると決めていた明日香たちはすべての「カラダ」を集め終えるが、復活した幸恵の口から、明日香たちを巻き込んでいた理由が明かされる。幸恵は自分が助かることよりも明日香たちを苦しめることを望み、今回のメンバーを悪意ままに選んでいたのだ。再び明日香たちを巻き込もうとする幸恵は小野山美紀に殺害され、存在を消去される。自ら棺桶に入った卓也と約束を交わし、今回のカラダ探しを終えた明日香たちは眠ったままの美雪の目覚めを待つ。そして11月28日、目覚めた美雪は呪いを解く方法を実行するが、「赤い人」に利用され、美紀もろとも殺されてしまう。カラダ探しの世界が崩壊する中で武司と柊留美子は気絶し、しばらくして目覚めた留美子は、本当の呪いの解き方が分かったと告げ、中庭に隠された美子の心臓を掘り出す。すべてを終わりにすべく二手に分かれ、留美子たちは美子の遺体に心臓を返す役割を担い、明日香と伊勢高広は小野山邸の地下室に突入する。 

原作小説

本作『カラダ探し』は、ウェルザードの小説『カラダ探し』を原作としている。原作小説版はスターツ出版「ケータイ小説文庫」から刊行され、イラストは嘉村朗が担当している。

メディア化

Webアニメ

2017年7月から8月にかけて、本作『カラダ探し』および本作の原作小説『カラダ探し』のWebアニメ版が、スマートフォンアプリ「タテアニメ」で配信された。監督は布施木一喜、作画は宮崎栞理と林佳璿が務めている。キャストは、森崎明日香を阿澄佳奈、伊勢高広を江口拓也、赤い人を田中あいみが演じている。

実写映画

2022年実写映画化。10月14日より公開。監督は羽住英一郎、主人公の森崎明日香を橋本環奈が演じる。また、この映画版のストーリーをもとに『カラダ探し 異』が、同年9月24日より集英社「少年ジャンプ+」にて連載開始。漫画は引き続き村瀬克俊が担当。映画脚本は土城温美。

登場人物・キャラクター

森崎 明日香 (もりさき あすか)

「カラダ探し」に参加することになった女子高校生。茶髪のロングヘアで、運動が苦手で気弱な性格ながら、カラダ探しに挑むうちに勇気を奮い立たせ、周りを動かすリーダーシップを発揮していく。両親との三人暮らし。走るのが遅いという致命的なハンデを抱えているものの、仲間思いで極限状態の時でも勇気ある行動を見せている。また、ギスギスしがちなほかのメンバーをなだめては人間関係を改善させ、カラダ探しを終えるという共通の目的のために、周囲を団結に導くことも多い。三神遥に依頼されてカラダ探しメンバーとなり、ほかのメンバーをまとめながらカラダ探しを進めていく。またその過程で、以前から気になっていた伊勢高広と思いが通じ合い、正式に付き合ってはいないものの恋仲になっている。紆余(うよ)曲折を経て遥の「カラダ」を集めていき、仲間と協力しながら最終日に生存する。しかし復活した遥の罠にはまり、棺桶に封印されて次のカラダ探しの依頼者となる。友人の相島美雪とは昔から親しい関係で、友人の少ない彼女にとっては数少ない理解者となっている。美雪たちにカラダ探しを依頼する際には、悲しそうに涙を流し、謝罪しながら彼女たちの前に現れた。美雪たちに救われて復活した際に、カラダ探しにまつわる呪いの秘密を聞かされており、これ以降はカラダ探しを進めるだけでなく呪いの解き方も考えるなど、彼女の計画を引き継いでいる。その後は村田幸恵が依頼者となった新たなカラダ探しのメンバーとなり、これまでとは違う状況に翻弄されながらも、仲間をまとめながら呪いを解く方法を見つけていく。カラダ探しを進めるうちに「黒い人」に遭遇し、小野山美紀からは「黒い人」を追い出すよう依頼されている。カラダ探し参加者からは外れたものの、過去の記憶を保持している高広にも助けられている。11月28日に美雪が目覚めたあとは高広たちと共に再び小野山邸に向かい、「黒い人」に立ち向かった。誕生日は10月12日で、血液型はO型、身長は158センチ。将来の夢は保育士になること。趣味はキーホルダー集めで、好きな食べ物はアボカド。

相島 美雪 (あいしま みゆき)

「カラダ探し」に参加することになった女子高校生。森崎明日香の友人で同級生で、明日香が依頼者となったカラダ探しに参加する。黒のショートヘアで、性格はおとなしく外見も地味なため、明日香以外には友人がいない。人付き合いが苦手なことにコンプレックスを抱えているが、極限状態でも目的のために勇敢さや行動力を見せることがある。浦西翔太と同様に、考え事をすると独り言を呟く癖がある。実は翔太に劣らぬほどの頭脳派であり、カラダ探しに参加する中で優れた洞察力を発揮し、過去には不可能だった「赤い人」や小野山美紀とのコミュニケーションを取りながら、カラダ探しにまつわる呪いの真相に近づいていく。カラダ探しに参加して以来、翔太からは好意を抱かれているが、鈍感なためまったく気づいていない。進学校を選ばなかったことから家庭では孤立しがちで、特に父親からは落ちこぼれ扱いされ、妹の相島真冬とも不仲状態。しかしカラダ探しを通じて、伊勢高広をはじめとする新しい友人を得ると共に、「カラダ」をある程度集めた頃に訪れた変化の影響で、家族仲も良好となる。しかしカラダ探しの進行と共に現れる変化に伴い、真冬が事故で死亡するという不幸に巻き込まれる。明日香を救いみんなを不幸な状況から守るには、何度も繰り返されてきたカラダ探しを根本から終わらせる必要があると考え、単に「カラダ」を集めるだけでなく呪いや謎を解明するための行動を起こす。最終日では仲間の協力もあって、死者を出さずにカラダ探しを終了させるが、自らが棺桶に入って新たなカラダ探しの依頼主となり、呪いを解くきっかけを作ることを選択した。これらの決断と意志は明日香たちに引き継がれ、その後のカラダ探しに大きな影響を与えることになる。また棺桶に入る直前には、復活したばかりの明日香に呪いに関する秘密を伝えている。11月28日に目覚めて明日香たちと再会し、家族が全員亡くなっていることに絶望しつつも、呪いを解くために「赤い人」との交渉を試みる。誕生日は9月14日で、血液型はA型、身長は155センチ。将来の夢はなし。趣味はぼんやりと空を眺めることで、好きな食べ物はメロンパンとミルクティー。

伊勢 高広 (いせ たかひろ)

「カラダ探し」に参加することになった男子高校生。森崎明日香、鳴戸理恵とは同級生にして幼なじみでもある。両親との三人暮らしで、近くの漁師町には祖母が住んでいる。三神遥に依頼されてカラダ探しメンバーとなる。茶髪の短髪で耳にピアスを付けており、腕っ節が強くケンカっ早い。カラダ探しを始める前は、明日香と理恵以外には仲のいい相手がおらず、当初は浦西翔太や柊留美子と揉(も)めることが多かった。特に袴田武司とは犬猿の仲で、時には殴り合いを含む激しいケンカをしていた。正義感にあふれる情熱的な熱血漢で、女子からの人気は高く、当初は相島美雪や三神遥にも好意を持たれていた。また、小川卓也をはじめとする一部の同性からも、男らしく勇敢な性格にあこがれを寄せられている。幼い頃から明日香に思いを寄せており、のちに告白して思いが通じたものの、正式には付き合っていない。勉強や考察は苦手で説明も下手だが、腕っ節の強さと行動力を発揮して、最終日では瀕死(ひんし)になりつつも生存していた。このため明日香が依頼主となった次のカラダ探しでは、唯一前回の記憶と明日香との関係性を保持した状態で参加者となる。何よりも明日香を復活させるために奮闘し続け、美雪の気づかいなどもあって、以前から対立しがちだった武司とも和解していく。仲間たちの奮闘もあって最終日に生存し、これ以降はカラダ探しに直接参加していないものの、過去の記憶を保持する理解者として明日香を心配し、時には外側から協力している。この中で武司に対しては、自分の代わりに明日香を守って欲しいと頭を下げて懇願しており、意気消沈していた彼の復活に貢献している。11月28日に美雪が目を覚ましたあとは明日香たちに合流し、明日香と共に「黒い人」に挑む。誕生日は8月5日で、血液型はB型、身長は182センチ。将来の夢は宇宙で星を見ること。趣味は夜空を眺めることで、好きな食べ物は肉類とコーラ。

柊 留美子 (ひいらぎ るみこ)

「カラダ探し」に参加することになった女子高校生。森崎明日香のクラスメイト。三神遥に依頼されてカラダ探しメンバーとなる。母親と祖母との三人暮らし。明るい茶髪のロングヘアで、両耳にピアスを付けたヤンキー系ギャル。美人だがサバサバしたがさつな性格が災いし、なかなか理想の男性に巡り会えないことに悩んでいる。胸が小さいのもコンプレックスで、巨乳の鳴戸理恵をうらやましがっている。明日香や理恵と比べてはっきりものを言うタイプで、当初は浦西翔太や伊勢高広と口ゲンカをすることも多かったが、本来は友人思いな優しい性格で、明日香になだめられるうちに協力するようになっていく。またカラダ探しを通して、元は違うグループで学校生活を送っていた明日香や理恵とのあいだには友情が芽生え、カラダ探しが始まるまでの時間は三人で過ごすことも多くなっていく。ポジティブでムードメーカー的な存在で、殺伐とした状況を笑顔で和ませ、明日香たちを安心させることも多い。最終日では死亡してカラダ探しに関する記憶をなくしてしまうが、その後は明日香が依頼者となったカラダ探しに参加することになる。前回の記憶を失っているため、明日香たちとの友人関係もリセットされているが、明日香と過ごした時間に関する記憶はうっすらと残っていた。相島美雪たちの奮闘により最終日は死亡することなく乗り越え、これ以降はカラダ探しに直接参加していない。しかし前回のカラダ探しの記憶は残っているため、時おり明日香たちの相談に乗っている。11月28日に美雪が目を覚ましたあとは明日香たちに合流し、ある人物から呪いを解く最後の方法を教わり、小野山美子の遺体に心臓を返すという役割を担って最後の戦いに参加した。誕生日は4月4日で、血液型はO型、身長は166センチ。将来の夢は玉の輿(こし)に乗ること。趣味はショッピングと買い食いで、好きな食べ物は煎餅と饅頭(まんじゅう)。

浦西 翔太 (うらにし しょうた)

「カラダ探し」に参加することになった男子高校生。森崎明日香のクラスメイト。三神遥に依頼されてカラダ探しメンバーとなる。両親と兄の四人暮らし。明るい茶髪の短髪で、黒縁の眼鏡をかけている。体力はないが成績優秀で頭脳明晰(めいせき)。考察や頭脳プレイを得意としており、当初は自分の考えに自信を持ち過ぎてほかのメンバーを捨て駒のように扱ったことなどから、伊勢高広や柊留美子と険悪な状況になっていた。このため、一人で独自の計画を立ててカラダ探しを進めていたが、思いどおりにいかず失敗を経験するうちに、次第に考えや態度を改めて協調性を学んでいく。また、明日香になだめられるうちにケンカしていたメンバーとも和解し、彼女たちと友情で結ばれることとなる。これ以降は作戦の立案などでメンバーを引っ張り、頭脳面で攻略に貢献している。ケンカや運動には自信がないものの「男の意地」にこだわりがあり、仲間のために勇敢な行動を見せることもある。相島美雪と同様に、考え事をすると独り言を呟(つぶや)く癖がある。最終日では死亡したために記憶を失ったが、後日には明日香が依頼者となったカラダ探しに参加することになる。記憶はなくなったままだが頭脳と洞察力を活かし、理知的に進めながらメンバーをサポートしている。また、カラダ探しを通して共に行動するうちに美雪に好意を抱き、留美子には早くから気づかれていたものの肝心の美雪にはまったく気づかれていない。それでも美雪を大切に思い、時には自らを犠牲にしてでも彼女を守ろうとしている。最終日では無事に生存したが美雪が棺桶に入ってしまい、次以降のカラダ探しには参加していないものの記憶は残り、彼女がいなくなったことにショックを受けて気を落としている。時おり明日香から相談を受けることがあり、美雪のために考察や作戦立案などの面で協力することがある。11月28日に美雪が目を覚ましたあとは明日香たちに合流するが、美雪が死亡したため学校の屋上に残り、彼女の亡骸を守っていた。誕生日は1月1日で、血液型はAB型、身長は163センチ。将来の夢は公務員になること。趣味はクロスワードパズルで、好きな食べ物はざるそば。

杉本 健司 (すぎもと けんじ)

「カラダ探し」に参加することになった男子高校生。森崎明日香のクラスメイト。三神遥に依頼されてカラダ探しメンバーとなる。両親と祖母の四人暮らし。おとなしい性格のオタクで、ふだんは一人でゲームをしていることが多い。当初は目立った行動を行なっていなかったが、カラダ探しを続けるうちに正気を失っていき、4日目のカラダ探しの最中に以前から好意を抱いていた鳴戸理恵を体育館で襲ってしまう。これ以降はメンバーからの信用を失うと共に、5日目には理恵以外のメンバーを包丁で殺害する。6日目からはカラダ探しが始まるたびに、山岡泰蔵の霊に憑依(ひょうい)されて不気味な表情で怪力を発揮するようになり、「赤い人」と同様にメンバーを追いかけて襲うようになる。実は50年前に小野山美子を殺害した山岡雄蔵の孫であり、小野山邸の近所に住んでいる。暴走の原因が泰蔵に取り憑かれているためだと自覚しながらも、理恵への謝罪を経てメンバーと和解していく。また、「赤い人」が持っているぬいぐるみ(美沙)の中に、最後の「カラダ」が隠されていることにいち早く気づき、最終日には泰蔵の怪力を活かしつつもコントロールしながら、「赤い人」からぬいぐるみを奪ってメンバーに託すことに成功する。しかしその直後に死亡して、そのままカラダ探しに関する記憶を失い、それ以降のカラダ探しには参加しておらず、明日香たちとも会話していない。相島美雪が目覚めた11月28日に記憶を取り戻して明日香たちのもとへ駆けつけ、泰蔵の力を借りながら「赤い人」の足止め役として最後の戦いに参加した。誕生日は11月3日で、血液型はA型、身長は178センチ。将来の夢はアニメーターになること。趣味はゲームで、好きな食べ物はフライドチキン。

鳴戸 理恵 (なると りえ)

「カラダ探し」に参加することになった女子高校生。森崎明日香、伊勢高広とはクラスメイトにして幼なじみでもある。三神遥に依頼されてカラダ探しメンバーとなる。スタイル抜群で巨乳を誇り、よく柊留美子からうらやましがられている。温厚かつ臆病な性格で、怪談が苦手。家族は両親と姉が一人、双子の弟がいる。明日香とは元から親しかったが、カラダ探しを通して留美子ともなかよくなり、カラダ探しが始まるまでの時間は三人で過ごすことが多くなる。当初は目立った行動はなかったが、4日目のカラダ探しの最中に、正気を失った杉本健司に襲われてしまう。健司とはあまり話したことはなかったものの、優しくされたことが何度かあったため、彼の性格はよく理解していた。このため健司に襲われたショックは大きく、この事件がトラウマになってからは健司に対して憎悪に近い嫌悪感を抱くようになる。さらには「赤い人」に襲われた健司を見殺しにしたり、「赤い人」を利用して自分もろとも彼を死に追いやるなど、冷たい態度を見せるようになる。のちに健司が山岡泰蔵の思念にあやつられていることを知り、彼から直接謝罪されたこともあり、少しずつ和解していく。臆病で体力に自信があるわけでもないが、校舎外に出るためのロープを見つけたり、誰も思いつかなかった「カラダ」の隠し場所に気づくなど、機転を利かせたり優れた行動力や洞察力を発揮することがある。最終日で死亡したため記憶を失い、これ以降はカラダ探しには参加していない。明日香たちともほとんど関わらずに過ごしており、復活したばかりの遥と親しくしている。誕生日は6月29日で、血液型はA型、身長は164センチ。将来の夢はパティシエになること。趣味は水泳で、好きな食べ物は甘い物全般。

三神 遥 (みかみ はるか)

森崎明日香たちに「カラダ探し」を依頼した女子高校生。真ん中分けの黒のロングヘアで、明日香たちの前に出現するたびに、生気のない不気味な表情で自分の「カラダ」を探すよう依頼してくる。当初は明日香たちのクラスメイトと思われていたが、これはほかのクラスメイトをはじめ、人々の記憶が改ざんされていた事象によるものである。外見が小野山美子や小野山美紀の、小野山家の人々と似ているが、関係性は不明。逃げたり殺したりすることはできず、次第に風呂やトイレ、布団の中にも現れるようになり、毎回のように明日香たちを怖がらせている。実は以前にもカラダ探しを経験し、その時は依頼者ではなく依頼された側として参加していたが、仲間との連携がうまくいかず終了するまで、1年も費やしていた。ほかのメンバーは記憶を失ったまま卒業しており、親しい友人が学校に残っていないこともあって、無関係な明日香たちに依頼する羽目になっていた。最終日にこれらの事情を話したあと、依頼者としての役割を明日香に押し付ける形で棺桶から解放されて復活するが、その後は村田幸恵が依頼者となったカラダ探しに参加する羽目になる。再びカラダ探しに巻き込まれたことに嘆きながらも、過去の経験と記憶を活かして積極的に行動している。明日香とは関係がぎくしゃくしがちだが、頭の回転も速く冷静なことから、彼女たちにとっては頼もしい存在となっている。伊勢高広に思いを寄せているように思われていたが、過去の体験から誰のことも信用しておらず、少々怒りっぽく荒(すさ)んだ性格になっている。実は過去にカラダ探しを共にしたメンバーを憎んでおり、特に犯罪行為を楽しんでいた日菜子の兄には強い復讐心を抱き、通り魔に扮して彼を殺害したこともある。こんな世界はなくなってしまえばいいと発言していたが、明日香や 香山日菜子との交流を通して次第に改心していく。父親が会社の社長で裕福な家庭だったが、カラダ探し進行による変化で家庭が崩壊し、無理心中を図った母親に何度も殺され、自ら母親を殺した過去を持つ。

袴田 武司 (はかまだ たけし)

「カラダ探し」」に参加することになった男子高校生。森崎明日香のクラスメイトで、二見結子と付き合っている。茶髪のモヒカン頭で、乱暴な言動や態度が目立ち、クラスメイトから恐がられている。伊勢高広とはライバル関係にあり、以前からしょっちゅう殴り合いを含むケンカをしている。家族は袴田あゆみと両親の四人暮らし。あゆみを溺愛しており、彼女と結子だけが心を許せる相手となっている。明日香が依頼者となったカラダ探しのメンバーとなるが、当初は極めて非協力的で、終了するまで結子と保健室で過ごすなどメンバーを不快にさせることもあったが、その理由は明かさないままだった。次第に相島美雪たちの邪魔をするようになり、結子とはケンカ別れしていたが、実際は別れたフリをしながら結子と内通している。妨害していた理由は、あゆみが病気になって入院しているという状況にあり、彼女を救うべく時間が止まったままにしようと考えていたためである。結子にもそのために協力してもらっていたが、カラダ探しが進行すると共に生じる変化により、病状が悪化したあゆみが死亡してしまう。あゆみの死後は美雪たちの決死の説得を受け、カラダ探しにまつわる呪いを解くことであゆみを救おう考え、美雪たちに協力しカラダ探しを終了させる。それでもあゆみが復活しなかったため、意気消沈して学校に行かず家に引きこもるようになる。その後は村田幸恵が依頼者となったカラダ探しのメンバーとなるが、あゆみが死んだショックによりカラダ探しがスタートしてもまったく動かず、以前より恨みを買っていた中島悠斗に無抵抗で殴り殺されることもあった。しかし、高広から明日香を守って欲しいと懇願されるうちに気力を取り戻していき、当初はバカにしていた小川卓也とも親しくなっていく。また卓也からは高広と共に、男らしく強い性格があこがれの対象であったと告げられている。最終日では仲間の奮闘もあって生存し、11月28日に美雪が目覚めたあとは結子と行動を共にしながら、最後の戦いに挑む。誕生日は3月22日で、血液型はA型、身長は183センチ。将来の夢は大金持ちになること。趣味はあゆみのためのお菓子作りで、好きな食べ物はハンバーグとポテトサラダ。

二見 結子 (ふたみ ゆうこ)

「カラダ探し」に参加する事になった女子高校生。森崎明日香のクラスメイトで、袴田武司と付き合っている。「第二夜」で「カラダ探し」のメンバーとなる。武司の妹の事情を知っているために「カラダ探し」には非協力的であり、保健室で武司と性行為にふけっていた。その後、武司と喧嘩別れしたと見せかけて、相島美雪に協力的になるが、それはどうにかして武司の妹を救いたいと考えてのもので、裏では武司とつながっていた。

香山 日菜子 (かやま ひなこ)

「カラダ探し」に参加する事になった女子高校生。森崎明日香のクラスメイト。「第三夜」で「カラダ探し」のメンバーとなる。明るい性格だが気分屋なところがある。実は兄がおり、過去に三神遥と共に「カラダ探し」をした経験があるが、その時の事で兄と遥のあいだに溝が生じてしまい、悩んでいる。

中島 悠斗 (なかじま ゆうと)

「カラダ探し」に参加する事になった男子高校生。森崎明日香とは同学年だがクラスは違う。「第三夜」で「カラダ探し」のメンバーとなる。普段は優等生だと思われているが、実は極めて自己中心的な性格をしており、小川卓也を暴力と陰謀で支配している。「カラダ探し」が始まってすぐにその本性が露見し、ほかのメンバー達と敵対する事になる。 当初、腑抜けていた袴田武司を好きなように利用していたが、のちにやる気を取り戻した武司にボコボコにされ、付き従うようになる。

小川 卓也 (おがわ たくや)

「カラダさがし」に参加する事になった男子高校生。森崎明日香とは同学年だがクラスは違う。「第三夜」で「カラダさがし」のメンバーとなる。太めの体型で、内向的性格の冴えないオタクなため、当初は中島悠斗に付き従っていた。だが、カラダさがしを通じて袴田武司と親しくなり、少しずつ自信を取り戻すようになっていく。

村田 幸恵 (むらた さちえ)

森崎明日香の復活後に、新たな「カラダ探し」を依頼することになった女子高校生。明日香たちのクラスメイトであり、小太りな体型で顔にそばかすがある。陰湿な性格で思い込みが激しく、カラダ探しを依頼する際には毎回嫌がらせをするかのように、不気味な姿で現れるうえに、始まってからも放送室から参加メンバーの行動を妨害することがある。明日香を含むメンバーとは明確な接点がなく、クラスでも目立たない存在だったため彼女たちを困惑させる。実は妄想に近い思い込みをもとに、一方的に明日香たちのことを嫌い、依頼者となる形でカラダ探しに巻き込でいた。それらの事情を知らない明日香たちがすべての「カラダ」を集め終えて棺桶から復活した際には、クラスメイトへの嫌悪に満ちた悪意と本音を吐き出しながら、次のカラダ探しでも彼女たちを巻き込むために自ら棺桶に入ろうとした。しかし、以前より放送室から追い出されていた小野山美紀の怒りを買い、彼女に首を飛ばされて殺害され、美紀が作り出した世界から存在を消されてしまう。伊勢高広には歪(ゆが)んだ好意を抱いており、彼に対する思い込みも激しく、明日香や三神遥には以前から嫉妬していた。

赤い人 (あかいひと)

幼女の姿をした死霊。「カラダ探し」をしている校内に血まみれの姿で出没し、参加者達を殺して回っている。「カラダ探し」の参加者を発見すると、ペタペタと足音を立てて近寄り、恐ろしい怪力で参加者を殺していく。ほかにも、「赤い人」の姿を一度でも見た人が後ろを振り返ると、その背後に瞬間移動して体を引き裂くという能力もある。 その正体は、50年前に山岡雄蔵に強姦後に殺された、「小野山美子」という幼い女の子で、小野山美紀の双子の妹。いつも熊の人形を抱えているが、それを生まれてこなかった自分の妹だと思っている。現在は美紀の作った「カラダ探し」のルールに縛られており、高校の外に出る事はない。

小野山 美紀 (おのやま みき)

幼女の姿をした死霊。「カラダ探し」のアナウンスを務めている。「赤い人」こと「小野山美子」の双子の姉で、美子が殺害されたあとに謎の変死を遂げた。「カラダ探し」を自身の作ったルールで支配している存在。通常の人間と同様にコミュニケーションを取る事が可能で、無邪気な子供のように「カラダ探し」を楽しんでいる。ちなみに、「赤い人」が外の世界で暴れる事がないのは、美紀が作った「カラダ探し」のルールによるもの。 「第二夜」では相島美雪に、「赤い人の呪い」を解いて「カラダ探し」が行われなくするためのヒントを与えた。

黒い人 (くろいひと)

「赤い人」に取り憑き、コントロールしようと目論む悪霊。小川卓也に化けたりと、さまざまな手口で「カラダ探し」参加者達の妨害をする。

山岡 雄蔵 (やまおか ゆうぞう)

杉本健司の祖父で、山岡泰蔵の弟。暴力的な性格で、家族に対して日常的に暴行を振るっていた。50年前、「小野山美子」を強姦したあとに殺害し、遺体をバラバラにした真犯人。この事件が「赤い人」およびその怪談が生まれるきっかけとなった。なお、これに先駆けて泰蔵も殺害しており、自殺に見せかけて、この事件の濡れ衣を着せている。

山岡 泰蔵 (やまおか たいぞう)

山岡雄蔵の兄。知的障害を持っており、雄蔵から日々暴行を受けていた。優しい性格で、「赤い人」こと「小野山美子」や小野山美紀と仲がよかった。50年前に雄蔵に殺害され、美子を強姦して殺害した濡れ衣を着せられてしまう。

松木 一夫 (まつき かずお)

「赤い人」こと「小野山美子」や小野山美紀と小学生時代にクラスメイトだった男性。当時二人と仲がよかった。彼女達が暮らしていた小野山邸の近所に住んでおり、50年前に小野山邸で起きた強姦バラバラ殺人事件の真相について、今でも疑問を抱いている。のちに山岡泰蔵に憑依されてしまい、「赤い人」に関する調査を行おうと小野山邸を訪れた「カラダ探し」参加者達に襲いかかる。

八代 友和 (やしろ ともかず)

森崎明日香たちが通う高校の農業科教諭を務める男性。年齢は25歳だが、外見は30代半ばに見える。ギョロっとした瞳と、死人のような風貌で不気味な表情が多いものの、生徒に対しては協力的で、明日香たちにも親身に接する。いつもは旧校舎の職員室にいることが多いが、「カラダ探し」について調べている明日香たちに遭遇したのをきっかけに、彼女たちにカラダ探しに関する情報を提供するようになる。小野山家や小野山美子が殺害された事件について独自に調査しており、自宅には大量の資料が保管されている。実は高校時代にカラダ探しに参加したことがあり、話したこともないクラスメイトの女子に依頼されたのをきっかけに巻き込まれるようになった。しかし、当時はメンバーにまったく恵まれず、初日の悪気のない失敗をきっかけにメンバーの信用を失い、完了するまで5年もの年月を費やした。現在の見た目が実年齢よりも老けたように見えるのも、カラダ探しに5年もかかってしまったためであり、当時参加していたカラダ探しの記憶や情報はすべて保持している。カラダ探しに巻き込まれる前は爽やかなイケメンで、当時はラグビー部で活躍し、いつも友人に囲まれる明るい性格の人気者でもあった。また、同じクラスの千春という女子とひそかに付き合っており、彼女もいっしょにカラダ探しに参加していた。明日香をはじめとするカラダ探しに巻き込まれた生徒に問い詰められた際、知っている限りの情報を提供し、時には車を出して情報収集に付き合ったり、カラダ探しが始まるまで生徒たちを自宅に招いて匿(かくま)ったりしている。生徒たちからは不気味に思われがちで見た目も頼りないが、小野山家やカラダ探しについて知る希少な情報提供者として頼りにされている。11月28日に相島美雪が目を覚ましたあとは、呪いを解こうと奔走する明日香たちに協力し、生徒たちを送り届けたり「赤い人」を足止めしたりする形で、最後の戦いに参加した。

杉本 キヨ (すぎもと きよ)

杉本健司の祖母。山岡雄蔵の妻でもあるが、再婚したあとは杉本姓となる。腰が曲がった小柄な体型で、おだやかな性格のおばあさん。健司の両親、孫の健司といっしょに暮らしている。健司を問い詰めるために家に訪れた森崎明日香たちを優しく迎え、雄蔵たちについて話す。元・夫である雄蔵からは暴力を振るわれたことがある。雄蔵の兄である山岡泰蔵とは親しく接しており、子供好きな彼の優しい性格を理解している。このため、小野山美子殺しの犯人とされていた泰蔵のほかに真犯人がいると考え、泰蔵はその真犯人に殺されたのではないかと、現在でも疑っている。

日菜子の兄 (ひなこのあに)

高校生男子で、香山日菜子の兄。日菜子との兄妹仲は良好だが、内には残虐な本性を秘めている。過去に三神遥と共に「カラダ探し」に参加していたことがあるが、カラダ探しの影響で時間がループされたり他人の記憶がリセットされたりするのをいいことに、友人たちと女性への暴行をはじめとする犯罪行為を楽しんでいた。その暴行の被害者には遥も含まれていたために以前から恨まれており、通り魔に扮した彼女によって惨殺される。

明日香の母 (あすかのはは)

森崎明日香の母親。明日香によく似た容姿で、茶髪をセミロングヘアにしている。娘の明日香との親子仲は良好。明日香が「カラダ探し」の依頼者となったあとは、カラダ探しにまつわる呪いの影響で、娘がいたという記憶自体がなくなっている。明日香からカラダ探しを依頼されたあとに、家を訪れた伊勢高広たちを優しく出迎えた。明日香の存在を忘れてはいるものの、彼女が使っていた部屋がついこの前まで誰かに使われていたような感覚が無意識に残っており、学習机やベッドを片付けずにそのままにしている。

相島 真冬 (あいしま まふゆ)

相島美雪の妹で、彼女とは別の進学校に通っている高校生。姉の美雪によく似たボブヘアの少女。美雪が偏差値の高くない高校に進学した頃から、彼女とは不仲になって会話すらしない状態が続いている。美雪と異なり、両親との仲は良好だが、進学校にこだわる両親の過剰な期待から、本音ではプレッシャーを感じていた。「カラダ探し」とは無関係だったが、美雪が参加したカラダ探しが進行したことによる変化で、美雪とは仲のいい姉妹となった。しかし美雪と買い物に出かけた際に、呪いの影響を受けて交通事故で死亡してしまう。自ら棺桶に入っていた美雪が目を覚ましたあとも生き返ることはなく、両親と共に死亡したことになっている。

美紗 (みさ)

「赤い人」がいつも抱いている、ウサギのぬいぐるみ。「赤い人」と同様に、血まみれになって汚れている。名前は生前の小野山美子が、生まれてくる予定であった妹に付ける予定だった名前がもとになっている。「赤い人」となった美子から奪おうとした時は、彼女が激怒して発狂し、小野山美紀が定めたルールを無視して暴走することが多い。「カラダ探し」においては、頭の部分が一部の「カラダ」の隠し場所となっていたが、「赤い人」からぬいぐるみを奪う必要があるため、かなり難易度の高い隠し場所となっている。

福井 あずま (ふくい あずま)

森崎明日香たちと同じ高校に通う女子。3年C組に在籍している。「カラダ探し」とはまったくの無関係だが、後ろ姿が三神遥と瓜二つである。このため、明日香をはじめとするカラダ探しの参加者からは何度も遥だとカンちがいされており、そのたびに彼女たちを無自覚に驚かせている。ただし、正面から見た時の容姿は遥とまったく似ていない。部活は陸上部に所属し、陸上大会の100メートル走で優勝するほどの実力者でもあり、かなりの俊足。部活前にはジャージを着て校舎内の廊下で昼寝をするのが日課となっている。

小野山 美子 (おのやま みこ)

「赤い人」の生前の姿。約50年前に学校の校舎が建つ前の周辺地域で起きた、強姦・バラバラ殺人事件の犠牲者となった11歳の少女。遺体は当時建設中だった校舎のあちこちに、犯人によってバラバラに隠されるように散らばっていた。死後になんらかの呪いに縛られ、「赤い人」となって「カラダ探し」に出現している。小野山美紀の双子の妹として生まれ、彼女と瓜二つの容姿で黒のロングヘアの美少女だった。生前は美紀、両親と共に暮らしていた。美紀とは性格が正反対で、気が強く仕切り屋な美紀の決めたルールに縛られ、それを破るたびに彼女に叱られていた。しかし感情を溜め込む性格なため、たまにケンカをしながらも美紀の束縛に苦しむ日々を送っていた。また死亡する直前、美紀が着ていた赤い服を取り合って、彼女とケンカをしていた。妹か弟が生まれてくる予定だったが流産で生まれてくることはなく、姉になれなかった悲しみから大切にしているウサギのぬいぐるみに「美紗」と名づけてかわいがり、「赤い人」となってからはこのぬいぐるみを奪われると激怒・発狂する。「赤い人」としての行動原理や参加者の殺害方法は、美紀が独自に決めたルールによって縛られており、全身や服に付いた血を洗い流さなければ、自らの意思で話すことができない。遺体は小野山家の近所の鳥居の向こう側に作られた小さな墓に土葬されているが、森崎明日香たちが掘り返した際にはきれいな状態で残っていた。

袴田 あゆみ (はかまだ あゆみ)

袴田武司の妹。兄の武司を慕うブラコンであるとともに、友人の少ない彼が溺愛して心を許している数少ない相手。当初は「カラダ探し」と無関係だったが、武司が参加したカラダ探しの進行とともに訪れた変化を受け、病気になって入院する。この変化は、武司がほかのメンバーと対立してカラダ探しの進行を妨害していたことが要因となっている。しかし、その後の武司の行動にかかわらず変化を食い止めることはできず、病状が悪化して死亡する。死亡後は、小野山邸の地下に魂が封印されたような状態になっている。伊勢高広とは以前から知り合いで、最後の戦いで小野山邸の地下を訪れた彼に呼びかけて助けを求めていた。

その他キーワード

棺桶 (かんおけ)

「カラダ探し」でバラバラにされた依頼主の生徒の体を収納する箱。すべてのパーツを内部に収納する事で、依頼主の生徒が復活する。ただし、その際には新たに体をバラバラにされて依頼主となる生徒が必要で、それは「カラダ探し」をクリアした者の中から選ばれる事になる。

カラダ探し (からださがし)

「赤い人」の怪談にまつわるデスゲーム。小野山美紀の定めたルールにすべて則って行われる。50年前、幼女が強姦後に殺害され、遺体をバラバラにされたという凄惨な事件が起る。その後、高校ではその犠牲者の幼女が死霊「赤い人」となって、生徒の体を八つに分割するという怪談が語られるようになった。体を分割された生徒は生霊となって現れ、自分の身体を探してほしいと、ほかの生徒に頼むという。 この怪談は現実であり、依頼された生徒は毎晩学校に集合し、八つの身体のパーツを集めて棺桶に収める事が義務づけられる。ちなみに、「カラダ探し」中は高校内に「赤い人」が出現し、参加者を殺して回るため、目的の達成は困難を極める。失敗した場合は前日の朝に戻り、その夜に再び「カラダ探し」に参加しなくてはならない。 ちなみにその際に巻き戻るのは時系列だけで、それまでに流れた時間は正常に経過しているため、時間を止める作用はない。

カラダ

「カラダ探し」において参加者が集めなければならない肉体のパーツ。その時のカラダ探しの依頼者となった人物が、「赤い人」によって全身をバラバラにされたうえで校舎のあちこちに隠されており、調査対象には旧校舎や体育館も含まれている。「カラダ」は全部で八つあり、頭、右胸、左胸、腰、右腕、左腕、右脚、左脚に分かれている。いずれの「カラダ」も見た目は生々しく体温があるものの、血は流れていないために持っていても服が汚れることはない。しかし見た目よりもずっと重たく、急いで運ぶのが困難になっている。「カラダ」は棺桶に収めた瞬間に自動的に結合され、すべて集めると終了となり、依頼者となっていた人物が復活する。ただし、「カラダ」を発見しても棺桶に入れることができないままメンバーが全滅した場合、入れられなかった「カラダ」は次の日のカラダ探しで別の場所に隠されてしまう。

クレジット

続編

カラダ探し 解 (からださがし かい)

ウェルザードの原作小説を村瀬克俊がコミカライズした『カラダ探し』の続編。謎の少女に死を告げられ、呪いのデスゲーム「偽のカラダ探し」に巻き込まれていく、柊留美子をはじめとした高校生たちの姿を描いたサバイ... 関連ページ:カラダ探し 解

書誌情報

カラダ探し 1巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2015-02-04発行、 978-4088802916)

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