弐十手物語

弐十手物語

江戸の南町奉行所の同心を主人公に、大小さまざまな事件が描かれる。最初は藤掛飯伍が主役だったが、途中で菊地鶴次郎にバトンタッチした。原作小池一夫。続編に『新 弐十手物語 つるじろう』がある。

正式名称
弐十手物語
ふりがな
にじってものがたり
原作
作画
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

徳川八代将軍徳川吉宗の治世。南町奉行の大岡越前守の下には、藤掛飯伍菊地鶴次郎といった、個性的な定町廻り同心がいた。将軍家ご落胤を騙った天一坊事件などで活躍した飯伍だが、途中から脇役になり、鶴次郎が主役になる。十手者としてかかわった愛する女性が、次々と死んだり行方不明になるという不幸を血肉にして成長した鶴次郎は、数奇な人生を歩んで隠然たる力を獲得。

その過程で得た、たくさんの愛する女性たちと共に、十手者の本分を全うしていく。

登場人物・キャラクター

藤掛 飯伍 (ふじかけ はんご)

南町奉行所の定廻り同心。後に、隠密廻り同心になった。腹の底から怒ると痙攣が始まり、手がつけられなくなるため狼の睾丸と呼ばれる。大岡越前守に見込まれ、さまざまな大事件を担当する。途中で菊地鶴次郎が主役になると、脇役に回った。

菊地 鶴次郎 (きくち つるじろう)

最初は脇役だったが、途中から主役になった。十手者としてかかわった、愛する女性たちが、次々と死んだり行方不明になるという不幸を背負う。また、南町奉行所の定廻り同心を振り出しに、八丈島の島役・大坂東町奉行所の同心・公儀お庭番・吉原総名主・南町奉行など、数奇な人生を歩んだ。 その過程で得た、たくさんの愛する女性たちと共に、世の中を良くしようと奮闘する。

大岡 越前守忠相 (おおおか えちぜんのかみただすけ)

江戸の南町奉行。藤掛飯伍や菊地鶴次郎を活用して、江戸の治安を守る。情味豊かな性格だが、大局を見据えての行動から、非情の人と思われることもある。実在の人物である大岡越前守忠相がモデル。

ろう女 (ろうめ)

人形づくり師。大岡越前守の紹介で、藤掛飯伍と出会い、男女の仲になった。嫉妬心が強い。

我毛 大軒 (がもう だいけん)

南町奉行所の隠密廻り同心。長年にわたる大岡越前守の友人であったが、今の身分に不満を感じて、越前守の命を狙った。趣味は腕相撲。

袖屋 摺吉 (そでや しゅうきち)

豪商「袖屋」の息子だが、御家人株を買って、南町奉行所の見習い同心になる。口八丁手八丁。惚れた女スリを御縄にした一番手柄で、大きく成長した。

鬼神のお松 (きじんのおまつ)

菊地鶴次郎が、初めて惚れた女性。凶悪な女賊だったが、鶴次郎と愛し合うことで、人間の心を取り戻す。鶴次郎を叱咤激励しながら処刑された。

服部 鞍馬 (はっとり くらま)

公儀お庭番猫座の者の一員。上からの命により菊地鶴次郎の命を狙うが、紆余曲折を経て結ばれ、妻となった。以後、鶴次郎と共に、幾多の死線を乗り越える。

羽子板の由造 (はごいたのよしぞう)

藤掛飯伍の手下。美貌の持ち主で、女誑し。暴走しがちな飯伍のブレーキ役。岡っ引き制度が廃止された後も、飯伍の手下として、行動を共にした。

下野の新八 (しもつけのしんぱち)

公儀お庭番の猫座の者。忍者とは対照的な生き方をする菊地鶴次郎に魅了され、己の職掌を超えて、何度も助ける。

集団・組織

白虎 (びゃっこ)

『弐十手物語』に登場する組織。世の中から捨てられた四人の女性で構成されている。盗賊まがいのことをしていたが、菊地鶴次郎に諭され、さらに抱かれたことで、改心した。以後、折に触れて鶴次郎の手助けをしている。

猫座 (ねこざ)

『弐十手物語』に登場する組織。徳川幕府の御用を承る公儀お庭番。いつも懐中に猫を入れている。一時期、菊地鶴次郎が所属した。それが縁になり、何度か鶴次郎を助ける。後に鶴次郎が猫座の差配になった。

場所

南町奉行所 (みなみまちぶぎょうしょ)

徳川幕府が江戸に設置した役所。北町奉行所と輪番で、司法と行政を担当した。奉行の大岡越前守忠相を始め、定町廻り同心の藤掛飯伍や菊地鶴次郎など、主要登場人物の多くが所属していた。

その他キーワード

降り半纏 (ふりばんてん)

『弐十手物語』に登場する必殺技。着ている半纏や羽織を相手にかぶせ、視界と行動の自由を奪う。吉原で働く忘八者から、菊地鶴次郎が教わり、大いに活用した。

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