奴隷区 僕と23人の奴隷

奴隷区 僕と23人の奴隷

岡田伸一の小説『僕と23人の奴隷』を原作に、オオイシヒロトによってコミカライズされた作品。東京を舞台に、相手を奴隷にできるアイテムを巡った勝負や、極限まで追い詰められた登場人物らの顛末を描く。

正式名称
奴隷区 僕と23人の奴隷
ふりがな
どれいく ぼくとにじゅうさんにんのどれい
原作者
岡田 伸一
漫画
ジャンル
サスペンス
関連商品
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世界観

現代の東京が舞台であり、SCMと呼ばれる敗者を奴隷にすることができ、どんな命令でも下すことができるようになるアイテムを駆使して、意中の相手や憎むべき存在を奴隷にするために、さまざまな勝負が繰り広げられる。

あらすじ

第1巻

頭の回転が早く観察力にも優れているが鬱屈とした毎日を送っていた荒川エイアは、ある日、大田ユウガと出会い、任意の勝負に勝つことで他人を奴隷にできるSCMという器具を見せられる。その効果を疑うエイアだったが、SCMを使って自分を試したいと話すユウガに興味を抱き、ユウガが誰かの奴隷になった際には必ずその相手を敗北させ、ユウガを解放すると約束する。そんな中、東京で都内ではほかに杉並ルシエ目黒マサカズ、そして豊島アヤカと新宿セイヤによるSCM勝負が行われていた。

第2巻

元カノである葛飾ジュリアとの勝負に負けた新宿セイヤは、間接的にジュリアの主人である江戸川リュウオウの奴隷となってしまう。これによりセイヤは、リュウオウのスパイとして荒川エイア大田ユウガの情報をジュリアに流すことになったが、エイアとユウガはすでにセイヤの前では重大な話をできないことを見抜いていた。その頃、秋葉原では足立シヲリを女王様と崇め、自ら奴隷になりたいと願う中野タイジュが、シヲリにSCMをプレゼントしていた。

第3巻

中央アタル江戸川リュウオウの指示で、足立シヲリを暴力的な手段で奴隷にした文京ゼンイチのもとへと向かっていた。しかし、ゼンイチはアタルの到着より前に、墨田ズシオウマルとの勝負に敗北し、奴隷となっていた。アタルはスキを突いてシヲリを救出し、間接的にリュウオウの奴隷にする。その後二人は、逃走したズシオウマルとゼンイチを探して奔走していた。その中で、アタルたちは荒川エイア大田ユウガと対面し、一目で自分たちをリュウオウの奴隷だと見抜いたその実力に、いずれ勝負することになるだろうと予感する。

第4巻

江戸川リュウオウ品川ゼロを敗北させたことで、奴隷を九人にまで増やしていた。しかし奴隷にしたはずのゼロが、リュウオウの命令に背いて脱走してしまう。追撃してゼロを捕縛することに成功したリュウオウたちだったが、ゼロは脳内で別の声を聞いたと話し、リュウオウはSCMのバグが起きたのではないかと考える。また時を同じくして、奴隷にしたはずの目黒マサカズ杉並ルシエ文京ゼンイチが「あたまのおかしい人」を名乗る謎の人物に奪われてしまった。静かな怒りを見せるリュウオウの姿に、葛飾ジュリアはリュウオウとの出会いを思い出す。

第5巻

「あたまのおかしい人」を名乗って勝負に誘う手紙が大田ユウガのもとにも届いた。その数日後、ユウガから「あたまのおかしい人の奴隷になってしまった」という連絡が入り、荒川エイア墨田ズシオウマルを連れて救出に向かう。しかし、ユウガは奴隷になってなどおらず、むしろエイアを協力者で居続けさせるため、ズシオウマルを奴隷にしてしまう。これでもっと刺激的な毎日を楽しめると安心したユウガだったが、その後、「あたまのおかしい人」こと台東フジコの策略にハマり、本当にフジコの奴隷となってしまう。

第6巻

大田ユウガ荒川エイアによって救出され、さらに台東フジコ江戸川リュウオウの奴隷となった。フジコと葛飾ジュリアはリュウオウの指示により、新たなSCMの反応を探るためある学校へと潜入する。そこで出会ったのは、練馬ムオンの孫娘である北ミナミと、J-SCMを装着した生物学の教師・世田谷ツバキだった。J-SCMの効果でフジコを奴隷にしたツバキは、ジュリアをも手中に収めるためミナミを焚きつけ、勝負を仕掛けさせる。しかし、リュウオウ以外の奴隷になることを拒んだジュリアは、自らのSCMを噛み砕き、周囲を困惑させる。

第7巻

葛飾ジュリア台東フジコが潜入した学校には、SCMを装着しないままSCM装着者同士の接近アラームが聞こえる特異体質の持ち主・板橋ゲッコウがいた。ゲッコウはインターネットの動画配信者である千代田マリアに心酔しており、マリアの命じるままジュリアの監視と、そして品川ゼロとの接触を果たす。一方、練馬ムオンを奴隷にした世田谷ツバキは、ムオンに奴隷の買い取りをビジネスにしないかと持ちかけ、拒否権すら与えず承諾させていた。無力感に苛まれるムオンのもとに、北ミナミが現れる。

第8巻

練馬ムオン北ミナミの勝負の結果、ムオンは再びミナミの奴隷となった。しかしその直後、その場に荒川エイアが現れ、2時間でより多くの金を集める集金ゲームを持ちかける。みごとミナミとムオンを奴隷にしたエイアに、ムオンは「エイアならばツバキを倒せるかもしれない」と予感を抱いていた。場所は変わり、千代田マリアはかつて品川ゼロの母親・江東キヨと出会った頃を思い出していた。ゼロの肉体に宿ったキヨの心に請われるまま、ゼロを手助けすることを誓ったマリアだが、そのマリアの前に港タキオが現れる。

第9巻

世田谷ツバキJ-SCMを使用して、次々に江戸川リュウオウの奴隷たちを獲得していく。しかしその裏側で、港タキオもまた奴隷の大量獲得に向けて暗躍し始めていた。ツバキがリュウオウをも奴隷にし、油断しきったタイミングでタキオが千代田マリア品川ゼロを率いて襲撃、一気に大量の奴隷を獲得することに成功する。その後、タキオはハンティングと称して奴隷たちを標的にしたサバイバルゲームを開始する。

第10巻

板橋ゲッコウ立川シンノスケの協力を得て、荒川エイア港タキオのもとに辿り着く。全員をSCMから解放するため、二人はタキオに勝負を申し込み、タキオの奴隷たち全員と戦うことを承諾した。難なく次々に勝利を収めていくエイアたちだが、追い詰められたタキオが次にエイアとの対戦を命じたのは江戸川リュウオウだった。難問クイズを解いていく二人。しかしある問題で、回答時間をオーバーしてしまったエイアは、シンノスケと共にタキオの奴隷となってしまう。

モデルになった町

物語の舞台は東京23区。また、原作者である岡田伸一が「皆様が読み終わった時に東京23区すべてを覚えていただければいいな、と思いながら原作を書いてました」とコメントしているとおり、登場人物の名字がそれぞれ23区の区名になっている。

単行本の装丁

コミックスのカバー表紙にはその巻の最も重要な人物の通常時の姿と拘束具などを着用した姿が描かれ、カバー裏表紙には手錠をされた登場人物たち複数人が並んでいる。カバー折り返しにはSCMの説明と、原作者である岡田伸一、コミカライズを担当したオオイシヒロト両氏のコメントが記載されている。

関連作品

本作『奴隷区 僕と23人の奴隷』の続編として、『大奴隷区 君と1億3千万の奴隷』がある。本作が現代の老若男女が「SCM」に翻弄される広い範囲を舞台とした作品であることに対し、『大奴隷区 君と1億3千万の奴隷』では超進学校として知られる大八島学院高等学校を舞台に、閉ざされた環境下での戦いが描かれる。

メディアミックス

小説

双葉社から2012年3月21日に、本作『奴隷区 僕と23人の奴隷』の原作小説である『僕と23人の奴隷』が刊行されている。作者は岡田伸一。スマホ小説投稿プラットフォーム「E☆エブリスタ」の人気作を単行本化した作品。

実写劇場版

2014年6月28日、佐藤佐吉監督による本作『奴隷区 僕と23人の奴隷』の劇場版が公開された。荒川エイアを秋元才加、大田ユウガを本郷奏多が演じている。原作では女装家の青年である中野タイジュが35歳の映画監督になっていたり、犬である墨田ズシオウマルが人間であったりと、配役の設定にはアレンジが加えられている。

登場人物・キャラクター

荒川 エイア (あらかわ えいあ)

ショートカットの細身の女性。年齢は20歳、職業はフリーター。肩を出した服やブーツ、ショートパンツなどロックテイストの衣服を好んで着ている。非常にサバサバとした性格で、観察力に優れ知識も豊富で機転が利く。冷静すぎることから「無機質」と呼ばれたことがある。荒川エイアの友人が大田ユウガに振られたことをきっかけに、友人とともにユウガのもとへ向かう。 その際に「SCM」を渡され、ユウガの協力者となった。自身では奴隷を所有したいという欲はなく、SCMによる勝負の危険性に気づいてからはSCMはなくすべきと考えるようになる。

大田 ユウガ (おおた ゆうが)

黒髪短髪の21歳の青年。かなりの自信家であり、野心家。知力と行動力に長けつつも、根回しや下準備を怠らない周到な性格を持つ。彼女と別れるためにゲイのふりをして綺麗に諦めてもらおうとするなど、優しさと機転の良さも持ち併せる。この出来事をきっかけに荒川エイアと知り合い、協力して「SCM」を解明していこうとする。かつて友人の立川シンノスケと起業しようとしていたが、SCMに出会って魅了され、シンノスケと貯めた起業資金の300万円を持って姿を消した過去を持つ。

新宿 セイヤ (しんじゅく せいや)

ホストの青年。金髪で、前髪を左寄りの位置で分けて肩まである襟足を外にはねさせ、いかにもホスト然とした派手な出で立ちをしている。かつて葛飾ジュリアと交際していたが、豊島アリスに「SCM」での戦いで敗れてアリスの奴隷となり、ジュリアと破局させられた。その後、荒川エイア、大田ユウガとの戦いに敗れたことをきっかけに、アリスとともにSCMを巡る戦いに巻き込まれる。

豊島 アヤカ (としま あやか)

新宿セイヤを偏愛している女性で、ゴシックロリータ服を好んで身につけている。長い金髪をツインテールにしており、右目に眼帯をつけている。セイヤをNo.1ホストにするためにデリヘルやソープなどで働いて金を稼いでいたが、セイヤがSCMを使用したじゃんけんでアヤカにわざと負けるように言ったことで、自分のことを奴隷にしようとしていることを悟った。その際、油断しているセイヤに勝利を収め、逆に彼のことを奴隷にする。

葛飾 ジュリア (かつしか じゅりあ)

キャバクラで働く20代の女性。かつて新宿セイヤと交際していた。前髪を真ん中で分けたロングヘアに、ゆるくパーマをかけている。落ち着いた物腰で誰にでも優しく接するが、愛する人のためならどんなことでもやり遂げる強靭な精神力を持つ。江戸川リュウオウの奴隷として「第二段階」に突入しており、心から崇拝するリュウオウの命令を受け、北ミナミや板橋ゲッコウが通う高校へ潜入する。 のちに「第三段階」まで到達する唯一の人物。

江戸川 リュウオウ (えどがわ りゅうおう)

白髪のくせ毛の9歳の少年。口調は年相応だが並外れた知力の持ち主で、数多くの奴隷を所有している。長期間にわたる「SCM」の実験を記したブログ「春のジャマイカ」の著者で、そのブログ名で呼ばれることもある。練馬ムオンから莫大な額の借金をしている母親がムオンの経営する風俗店で働かされており、母親を解放する条件として3000万円の返済を命じられ、奴隷集めに奔走している。

練馬 ムオン (ねりま むおん)

風俗界の大企業「ムオングループ」の会長である壮年の男性。黒髪のオールバックに金髪が混じっている。鼻の横にある大きなほくろが特徴で、色付きの眼鏡とコミカルなネクタイを好んで着用する。口調は優しく丁寧だが非常に冷徹で残酷な性格をしている、裏社会の大物。江戸川リュウオウが奴隷集めに奔走するのも、ムオンから母親を取り戻すためである。 孫の北ミナミを溺愛している。

中央 アタル (ちゅうおう あたる)

江戸川リュウオウの奴隷にして、最も信頼されている手下の1人。眼鏡をかけ黒髪をオールバックにした身なりのいい壮年男性で、常にスーツを着用している。頭が切れ、リュウオウとともに作戦を立案する他、指揮を執ることもある。かつて自らの力を試したいと就職もせずに奔走していたがうまくいかず、当時交際していたさくらの死をきっかけに心を入れ替えて就職した。 その後、接待で訪れたキャバクラにて葛飾ジュリアに「SCM」での勝負を申し込まれ敗北。以降、リュウオウの奴隷の1人として動くことになる。

足立 シヲリ (あだち しをり)

お姫様に扮して接客をする「お姫様カフェ」で働いている20代の女性。金髪のロングヘアで、サイドを刈り上げている。前髪は上げていることが多い。お姫様を演じてはいるものの実際は男勝りな性格で、言葉使いも粗暴。しかしその反面、実直で人情に厚く義理堅い。常連客である中野タイジュに勝負を挑まれたことから、「SCM」を巡る争いに参加する。

中野 タイジュ (なかの たいじゅ)

足立シヲリの働く「お姫様カフェ」に足繫く通う少年。シヲリを「理想のお姫様」とあがめ、シヲリの奴隷になることを切望する。普段は短髪だが女装癖があり、シヲリに「SCM」での勝負を挑んだ時もウィッグを付けスカートを穿いていた。普段はおとなしいがシヲリの身に危機が迫ると取り乱し、凶暴な性格になる。文京ゼンイチに奴隷にされたシヲリを助けるために葛飾ジュリア、中央アタルに協力を要請し、その際に自身は江戸川リュウオウの奴隷となってしまう。

文京 ゼンイチ (ぶんきょう ぜんいち)

スキンヘッドに褐色肌の巨漢男性。眉毛には剃り込みがあり、顔立ちはいかにも悪人然としている。非常に短気で好戦的な性格をしており、気に食わないことをすべて暴力で解決しようとする。豊島アリスが眼帯をするようになったのもゼンイチの暴行によるものである。練馬ムオンに自分の後継者にならないかとそそのかされて、「SCM」を装着するようになる。

品川 ゼロ (しながわ ぜろ)

青色の髪を目が隠れるほど伸ばし、朱色のマフラーを身に着けた少年。引っ込み思案な性格で、学校ではいじめを受けていた。江戸川リュウオウに敗れた男性から「SCM」を受け取り、その後身分を隠したリュウオウと接触する。そこで中央アタルと勝負をすることになるが、リュウオウの術中にはまり敗北する。これをきっかけに、すでに他界した母親の江東キヨが、品川ゼロのもう1つの人格として現れるようになる。 立川シンノスケの弟であるが、本人はその事実を知らない。

北 ミナミ (きた みなみ)

練馬ムオンの孫の女子高校生。黒髪に前髪の一部を脱色したボブヘアで、ボーダーのニーソックスやピンクのパーカーなどを制服の上から着用している。一人称は「あーし」。短気かつ怖いもの知らずな性格をしており、年上の人間に対しても敬語は使わず横柄な態度を取る。祖父のムオンとともに荒川エイアに「SCM」での勝負を挑まれて敗北し、エイアの奴隷となる。

杉並 ルシエ (すぎなみ るしえ)

20代のOL。前髪を切りそろえて襟足を外にはねさせたショートボブの髪型をしている。かつてネットで知り合った目黒マサカズに性的暴行を受け、会社を休み自宅にこもっていた。復讐のためネットオークションで「SCM」を購入し、SCMを手放したがっていた立川シンノスケと偶然出会って、2つ目のSCMを手にした。そのうち1つを復讐のために目黒に送りつけて勝負に勝ち、奴隷にすることに成功。 しかしその後目黒の失態により、文京ゼンイチの奴隷となってしまう。

目黒 マサカズ (めぐろ まさかず)

短髪で無精ひげを生やした肥満体型の中年男性。自分より強いものにはへりくだり、弱い者には横柄な態度をとる卑屈な性格で、パチンコを日課としている。かつてネットで知り合った杉並ルシエに性的暴行を働き、その復讐として「SCM」の勝負を挑まれ敗北しルシエの奴隷となる。その後ルシエの命令でSCMを装着した文京ゼンイチを奴隷にしようと試みるが敗北し、今度はゼンイチの奴隷となる。

千代田 マリア (ちよだ まりあ)

新宿歌舞伎町で美容師として働く恰幅のいい中年女性。黒髪を後ろでまとめ、こめかみあたりから細く前髪を垂らしている。常に黒いゆったりとしたワンピースを着用し、首には十字架のネックレスをつけている。深夜に「マリア」の名前でリスナーの悩みを解決する生放送を行っており、熱狂的なファンである板橋ゲッコウを味方につける。かつて刑務所の中で江東キヨと出会ったことがあり、彼女を崇拝している。 そのため、キヨの息子である品川ゼロの手助けを行う。

板橋 ゲッコウ (いたばし げっこう)

北ミナミが在籍する高校に通っている男子。千代田マリアが深夜に行っているネット放送の熱狂的なリスナーで、マリアのことを崇拝している。「SCM」を装着せずともSCM装着者の接近を感知することができる能力を持ち、この能力のことを知ったマリアに協力を要請される。当初は目も隠れるほどに長い前髪をしていたが、マリアと出会った後は、金髪でサイドを刈り上げたヘアスタイルになる。

台東 フジコ (たいとう ふじこ)

黒髪のロングヘアを後ろでまとめ、長い前髪を横に流している妙齢の女性。常に眼鏡をかけており、厳しい女性教師のような外見している。かつてナンパされていたところを立川シンノスケに助けられてその際に「SCM」を渡され、これをきっかけにシンノスケを慕うようになった。文京ゼンイチ、杉並ルシエ、目黒マサカズを奴隷にした後、「あたまのおかしい人」と名乗り、大田ユウガ、江戸川リュウオウに勝負を挑む。

江東 キヨ (こうとう きよ)

品川ゼロ、立川シンノスケの母親であり、すでに他界している。生前は前髪をカチューシャで上にあげたショートヘアで、快活かつ男勝りな性格をしていた。収監されていた刑務所の中で、千代田マリアと知り合っている。出所後は単身ジャマイカへ渡り、「SCM」の制作者である墨田シンノスケとの間に2人の子供をもうけた。 その後、自宅の火災によって死亡したが、息子であるゼロのもう1つの人格として発現する。

港 タキオ (みなと たきお)

サバイバルゲームにはまっている青年。短髪で細い目をしており、眼鏡をかけている。狡猾な性格をしており、ネット販売で「SCM」を手に入れて、キャバクラで働いていた渋谷サチを奴隷にし、さらに多くの奴隷を獲得するべく暗躍する。

渋谷 サチ (しぶや さち)

葛飾ジュリアが勤めているキャバクラで働いている女子大学生。褐色の肌でロングヘアを真ん中で分け、頭上で大きなお団子にしている。ジュリアが来るまでは店のNo.1だったが、ジュリアにNo.1の座を奪われてからは彼女を妬んでいた。酔うと不要な美容グッズを購入してしまう癖がある。客として店に来ていた港タキオとSCMを使って大富豪で勝負したが、敗北した結果タキオの奴隷となってしまう。

墨田 ズシオウマル (すみだ ずしおうまる)

「SCM」を装着した犬。白い毛に覆われ、首輪には「ZUSHIOHMARU」と記載されている。幼少期の荒川エイアの家族に引き取られしばらく荒川家で生活をしていたが、ある日トラックに乗った雌犬に一目惚れをして飛び出して迷子になり、当時「SCM」の開発を行っていた墨田シンノスケに拾われた。シンノスケの自殺後、再び東京に戻り文京ゼンイチとSCMでの勝負を行う。

墨田 シンノスケ (すみだ しんのすけ)

白髪に口ひげを生やした、体格のいい老人。「SCM」の開発者であり、品川ゼロ、立川シンノスケの父親でもある。大学に研究室を持ち、ここには世田谷ツバキも所属していた。当初はペットのしつけのためにSCMを開発していたが、SCMのデータをツバキに持ち逃げされ、責任感から自殺してしまう。

世田谷 ツバキ (せたがや つばき)

葛飾ジュリアが潜入した学校で教師をしている中年男性。「SCM」を世に広めた張本人でもある。肩まである黒髪を真ん中で分けて軽くパーマをかけ、大きな丸眼鏡をかけている。「この世界には奪う側と奪われる側の2種類の人間しかおらず、奪う側の自分が奪われる側の人間を正しく導く必要がある」という思想のもと、墨田シンノスケから開発中の「SCM」を盗み出して配布した。 特別なSCMである「J-SCM」を使い、次々と奴隷を増やしていく。

立川 シンノスケ (たちかわ しんのすけ)

大田ユウガの親友。口ひげを生やし金髪の髪を逆立て、よくサングラスをかけている長身の男性。明るく女好きでよくナンパを行っているが、情に厚く硬派な一面も持ち併せる。「SCM」を一度は手に入れるが、その危険性に気付いて手放した。ユウガと2人で起業するために金を貯めていたが、その起業資金を持ち逃げされて以来、ユウガのことを探している。 品川ゼロの兄であるが、本人はその事実を知らない。

さくら

中央アタルの恋人。前髪を真ん中で分けたミディアムのボブヘアの若い女性。かつて自分の力を過信したせいで、周りから人が離れていったアタルを、ずっとかたわらで支えていた。重い病気を患っていたが、その事実をアタルに打ち明けないまま亡くなった。さくらの死後、アタルは心を入れ替えて就職活動を始めるようになった。

その他キーワード

SCM (えすしーえむ)

装着した者同士で勝負を行い、敗者の脳に特殊な刺激を与えて罪悪感を増幅することで、勝者の命令に逆らえない奴隷にする。奴隷は基本的に主人の命令には逆らえないが、感情は支配されることはなく、生命の危機に瀕する命令は聞かない。なお、勝負の内容はお互いが納得すれば何でもいい。装着者同士の距離が一定以内になると「SCM」が振動し、その存在を認知することができる。 長期間1人の主人の奴隷になることで、心も主人に服従する「第二段階」へと変化する。第二段階が一定期間続き、主人への忠誠がより強くなるなにかしらの事件が起こると、偶発的に「第三段階」へと変化する。第三段階に移行した人間はSCMを装着せずともSCM装着者と主従関係をかけて勝負ができる。 本作で第三段階まで到達したのは葛飾ジュリアのみである。なお、短期間に主人が複数回入れ替わると、頭痛と吐き気が引き起こされる。

J-SCM (じぇーえすしーえむ)

世田谷ツバキが所有している「SCM」。「J」とは「JUDGEMENT(ジャッジメント)」の略で、勝負をせずとも強制的に相手を奴隷にすることのできる「SCM」である。なお、具体的な効果は強制的にSCM装着者の罪悪感を思い出させて増幅させるというもので、一度誰かの奴隷になったことがある者にしか効果がない。

クレジット

原作

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