テンプリズム

テンプリズム

亡国の王子であり、救世主の証とされる黄金の眼を持つ主人公ツナシが、敵国である骨の国と戦い、国の再興を目指すさまを描くヒロイックファンタジー。

正式名称
テンプリズム
ふりがな
てんぷりずむ
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

骨の国に制圧され滅んだカラン王国の王子ツナシは、救世主の証とされる黄金の眼を持ちながら、国の再興を望まれる重圧を嫌い、読書に逃げ込む生活をしていた。しかし、ある日彼の従者であり剣の指南役でもあるユイ・サンセルの行動により光の剣士として覚醒する。そんなおり、ツナシたちに骨の国から刺客が放たれる。

ツナシは従者である事九らと別れ、バラバラに行動することに。世慣れたツナシの前に、骨の国の隠密兵の少女、ニキ・メノンが現れる。ニキはツナシの人柄を知り、敵と知りつつもツナシに惹かれてゆく。

登場人物・キャラクター

ツナシ

骨の国に制圧され滅んだカラン王国の第110代王。16歳の青年。赤ん坊の頃に国は滅んでおり、従者の事九たちに育てられたため、王としての自覚は薄い。救世主「光の剣士」である証「流星の金」と呼ばれる金の瞳を右目に持つが、自分の意思では外すことのできない眼帯に覆われている。また、光の剣士のみがその威力を発揮できるという王家伝来の伝説の剣、金霰打剣(きんあられうちつるぎ)を持つ。 国の再興を望まれる重圧から読書に逃げる傾向があったが、とある事件を機に光の剣士として覚醒。王としての自覚が生まれ、大きく成長する。判断力が高く世慣れているものの、仲間に対する責任感が強く、危機を承知で乗り込もうとするなど、勇気と無謀を併せ持つ。

ニキ・メノン (にきめのん)

骨の国の軍に所属する15歳の少女。魔力を使い機械兵を操る隠密兵と呼ばれる兵士で、魔力の申し子と呼ばれるほどの天才。また、任務を見られたという理由で幼い子供を殺すような、任務や国家に対する忠実さと冷酷さを持つ。アイリッカ国の征服の際、父と共に出陣、現れた光の剣士のために200機の機械兵を失い、父が失脚したことから光の剣士を憎悪している。 努力家ではあるが激情的な一面があり、人の言葉によって大きく意思を変える事が多い。また、嫉妬心が強く、感情に振り回される一面がある。

ユイ・サンセル (ゆいさんせる)

ツナシの従者のひとりで、剣術の指南役を務める17歳の青年。カラン王国出身。他国から度々スカウトがやってくるほどの腕前だが、ツナシに対する期待と忠誠から申し出はすべて断っている。王としての自覚の薄いツナシに憤りを感じ、行動を起こす。

事九 (こときゅー)

ツナシの従者のひとり。従者の中では長老的役割を果たす。禿頭に口ひげとあごひげを生やした老人。先祖代々カラン王国に仕えており、ツナシを育てた親代わりでもある。ツナシにカラン王国の知識や歴史を伝える。国の再興を願うも、自覚の薄いツナシに手を焼いている。高い魔力を持つ。

アップン・デザロート (あっぷんでざろーと)

関西弁で話す18歳の青年。ヒンチョ国にあるデルメールという街で、賭け事のトラブルで男達に絡まれていたツナシを助けたことから同行するようになる。正義漢や責任感が強く、男気のある性格。自分は侍だと称し、日本刀のような刀を使って戦う。骨の国に制圧された国の出身で、骨の国から追われている。幼い頃は両親が忙しく、獣人のお手伝い、シモーヌに育てられた。 骨の国に征服された後、シモーヌは処刑されることとなったが、これをかばおうとした両親は強制収容所に送られている。

ムラート・ヒッキーニ (むらーとひっきーに)

国王の命を受けスカウトマンとして働く男性。眼鏡をかけ、髪型はオールバック。有能な人材を求めて様々な国を旅しているため、情報通。ユイを国王の剣術指南役として雇おうとして断られた。また、その後のユイの行動の手助けをしたことからツナシと知り合い、様々な要件を請け負う。

ゴート

高速で飛ぶ巨大なタカを操る長髪の男性。バブの飼い主。ムラート・ヒッキーニの紹介でツナシと出会う。金にはうるさいが、得た金の分の仕事はきっちりとこなす。料理や薬草などの知識も豊富。

バブ

ゴートが世話をする巨大なタカ。騎乗することができ、ゴートが育てるタカの中で最速を誇るが、簡単にはなつかないため乗りこなすには相当な特訓が必要と言われている。しかし、ツナシとはすぐ仲良くなり、彼を骨の国へと運んだ。

アモウ・スーラ (あもうすーら)

骨の国でスーラ騎士団の団長を務める17歳の青年。ベルナ・スーラの兄。若き英傑(エクスバルテン)と賞賛されるほどの実力と人気を誇る。ニキ・メノンとは幼なじみの間柄で、同じ皇立魔力初等科に通った仲。ニキのことが好きで、常に気にかけている。

ベルナ・スーラ (べるなすーら)

アモウ・スーラの妹。16歳。ニキ・メノンとも幼い頃からの付き合いがあり、仲が良い。恋愛経験豊富でオシャレ。表向きは明るく人好きする性格だが、暗い一面を隠している。魔力がないため諜報部で働いており、変装や騒擾術に長ける。骨の国以外の国を嫌っている。

バスコン

スーラ騎士団でアモウ・スーラの副官を務める男性。あごひげを生やし、バンダナのようなものを巻いている。アモウに対し、的確な助言を行う。

場所

カラン王国 (からんおうこく)

ツナシたちが生まれた国。小国ではあるが、その歴史は創世記まで遡ることが出来る。王家は人智の及ばない特別な力を持った人物を多く排出したが、それらの人々はその力を国と民の幸福のために使用したため、国民のみならず他国からも敬われていた。また、魔力を吸い取る部屋など、王宮には不思議な技術が存在した。しかしながら、現在は骨の国に征服され、骨の国の一部となっている。

骨の国 (ぐうのくに)

東の大陸に存在する小国だったが、ライタイトを作成する技術を手に入れ、他国への侵略を開始。世界の2/3を支配するに至る。努力と研究により、持たざるものが研鑽し得るに至った力こそ尊いという思想を持つ国だが、制圧した国々にその主義を押しつけるほか、異物は抹殺するという価値観から獣人を皆殺しにする、それに抗議した人物を強制収容所に連行するなど、圧政を強いるため反発する者が多い。

その他キーワード

ライタイト

骨の国で製造される魔力を含んだ石。火でも蒸気でもないエネルギーとされ、機械兵の動力源になるほか、大都市の建設のために利用されるなど、様々な方面に使われている。鉱山を摩因度計と呼ばれる魔力を計測できる機械で調べ、反応が出た石を採掘。その石にある物理の計算式を利用して化学反応を起こさせるとライタイトに変化するという。

光の剣士 (おろめておーる)

カラン王国やアイリッカ国などに伝わる救世主伝説。金の瞳と金霰打剣(きんあられうちつるぎ)を持つ救世主が邪悪を討ち、世界を救うという。また、その剣士が使う特殊な力や金の瞳を指して「オロメテオール」と呼ぶこともある。ツナシはこの光の剣士とされている。

機械兵 (もりびーん)

骨の国で生産される機械の兵士。高い戦闘能力と索敵能力を持つ。ライタイトと呼ばれる石からエネルギーの供給を受け、隠密兵の指揮よって操作される。人の3倍ほどの大きさで、生命体ではないため攻撃を受けても動き続けるが、頭部に衝撃を受けると何秒間か目が回ったような状態になる弱点を持つ。戦闘時には特殊な弩を使うほか、口から炎のような熱線を放射する。

クレジット

原案

瑞木 奏加

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