二次元JUMPIN'

二次元JUMPIN'

出版社「明嶺社」に編集者として配属された安倍春樹が、マンガ家や同僚との関わり方、そして編集者としてのあり方を探っていく。マンガ家がマンガを生み出すためのバイタリティーと同時に、「編集者」や「サラリーマン」が抱える闇を筆者独自の視点で描くヒューマンドラマ。

正式名称
二次元JUMPIN'
ふりがな
にじげんじゃんぴん
作者
ジャンル
出版・マスコミ
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概要・あらすじ

出版社「明嶺社」の新人研修を経た安倍春樹は、念願のマンガ編集部への配属が決定する。しかし、自分が想像していたような明るさや華やかさはまったくなく、マンガ界の大御所である坂口セイゴからは出勤初日からダメ出しを受けてしまう。気落ちして坂口の家で酔いつぶれてしまった春樹は、坂口に引き取られている茶倉ナオが彼のゴーストライターであることを知ってしまう。

自身がとんでもない業界に来てしまったことを痛感する春樹だったが、それでも彼は仕事やトラブルに正面から立ち向かっていく。

登場人物・キャラクター

安倍 春樹 (あべ はるき)

出版社「明嶺社」に入社し、希望していたマンガ編集部に配属された男性。過去にいじめられていた経験から、困難にぶつかっても少々のことでは折れない打たれ強さを持つ。問題に突き当たった際も、自分で解決しようと取り組む強い意志を見せる。マンガ業界に少なからず失望する場面もあるが、茶倉ナオと出会い、マンガの本来の魅力を知ることとなる。

茶倉 ナオ (ちゃくら なお)

坂口セイゴに引き取られ、一緒に生活している少年。人と交流するのが苦手で、基本的には家に引きこもってマンガ執筆や読書にふけっている。小さい頃にひどい虐待を受けたことでマンガの世界に閉じこもっていたが、その影響で人並み外れた読解力と想像力を身につけている。安倍春樹と接していくうちに、人と関わる楽しさを知る。

坂口 セイゴ (さかぐち せいご)

出版社「明嶺社」の看板マンガを描いているマンガ界の大御所。不思議な質問を投げかけて人を試すなど、編集者を信頼し切っていない節がある。一方で茶倉ナオの才能に気づき、自分のためではなく彼のために自分のマンガ人生を捧げるなど、純粋にマンガや人に対して真摯に向き合う心の持ち主でもある。

太田 (おおた)

出版社「明嶺社」に勤める男性。安倍春樹の指導係となり、坂口セイゴに引き合わせた。普段はだらしないが、春樹に「編集者は動物園の飼育係みたいなものだ」と仕事において大切なことを教えている。春樹のことを買っており、彼が金森にはめられて危機に瀕した際には救いの手を差し伸べる。

霧笛 純 (きりふえ じゅん)

「カロリーハニー」というマンガを連載していた女性作家。安倍春樹が初めて担当を任された作家で、普段はゴスロリの恰好をしている。夢を叶えてマンガ家になったのものの、連載を抱えてからはスランプが続いている。メンタル的に弱いところがあり、霧笛純のマンガを読んだ茶倉ナオからは、作品に嘘があると指摘されてしまう。

御陵 ななえ (ごりょう ななえ)

出版社「明嶺社」に勤める女性。安倍春樹の2年先輩。編集者としての腕は高く、春樹に対して助言やアドバイスを送ることも多い。極めて面倒見が良く、春樹が悩んでいる時に飲みに誘われた際も付き合うが、裏では編集長の松永に情報をリークするなどのしたたかな一面も持つ。

西郷 日向子 (さいごう ひなこ)

タレントとして活躍中の女子高生。テレビやグラビア誌に引っ張りダコの人気者で、自分には限りない才能があると信じている。マンガにも興味があり、自分で描いたマンガを世に出すため出版社「明嶺社」に訪れた際に安倍春樹と出会う。その才能は茶倉ナオも認めるほどだったが、金森によって原稿を消されてしまう。

西郷 真樹子 (さいごう まきこ)

西郷日向子の母親。芸能関係者で、松永や金森とは古くからの付き合いがある。日向子には今後の芸能活動での可能性を感じており、芸能活動の妨げになるのではないかとマンガを描くことを快く思っていない。過保護な部分があり、離婚した前夫がマンガに携わっていることもあって、日向子がマンガに関わろうとするとナイーブになる。

松永 (まつなが)

出版社「明嶺社」のマンガ編集部の編集長。マンガの質よりも売り上げを重視しており、金が儲かるならば人を切ったり陥れたりすることもためらいなく実行する。金森と共謀して安倍春樹を陥れる一方で、春樹がタンカを切った「4億稼ぐ」という言葉をアテにする調子のいい性格。

金森 (かなもり)

出版社「明嶺社」に勤めるマンガ編集者の一人。物事を自分の思い通りに動かそうとする傲慢な性格で、自分の思い通りにならないものは徹底的に排除する。西郷日向子のマンガ出版の件で、自分に盾突いた安倍春樹を松永と共に社会的に陥れようとした張本人。大谷一馬とは親子関係にある。

大谷 一馬 (おおたに かずま)

大学生の青年。マンガ家を目指しており、何度か機関紙などに掲載した経験もある。金森は戸籍上の父親であるが、彼のことを親とは認めておらず、また彼のいる出版社からマンガを出版したくないと拒絶している。内向的な性格で、茶倉ナオにはマンガを通してその傾向を指摘される。

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