嘘解きレトリック

嘘解きレトリック

昭和初年を舞台に、人の嘘が分かる特異能力をもった少女・浦部鹿乃子と探偵・祝左右馬が事件の解決に活躍する推理作品。

正式名称
嘘解きレトリック
ふりがな
うそときれとりっく
作者
ジャンル
推理・ミステリー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

昭和初年。人の嘘が分かる少女・浦部鹿乃子は、その能力のため故郷で孤立し、九十九夜町に出てきた。食べる物も住むところもなく一人でいた所を探偵の祝左右馬と友人の刑事端崎馨に拾われる。自分の能力が知られることを恐れていた浦部鹿乃子だったが、祝左右馬は彼女を受け入れ、助手として雇う。金欠に喘ぎながらも、浦部鹿乃子の能力と祝左右馬の鋭い観察眼で、難事件の解決に挑んでいく。

登場人物・キャラクター

浦部 鹿乃子 (うらべ かのこ)

おかっぱ頭に丸眼鏡をかけた少女。数え年で16歳。人の言葉の嘘が分かるという特異能力を持つ。生まれ育った村では気味悪がられ、自分の能力が知られることを恐れるようになる。九十九夜町へ出て、能力を隠して新しい人生を始めようとする。しかし仕事が見つからず一人でいたところを祝左右馬と端崎馨に拾われ、祝左右馬が経営する祝探偵事務所で探偵助手として働くことになる。 嘘をつく人々の複雑な心に戸惑いながらも、自分を受け入れてくれた祝左右馬を信頼し、自分の能力と向き合って人の役に立とうとする。事務所が金欠気味のせいで、食べ物のこととなると祝左右馬と共に目を輝かせる。

祝 左右馬 (いわい そうま)

涼しげな顔の男性。九十九夜町にある祝探偵事務所を経営している探偵。浦部鹿乃子を探偵助手として雇う。浦部鹿乃子の嘘が分かる能力を受け入れ、共に事件の調査をする。少し変わっているが並外れて鋭い観察眼と推理力があり、窮地でも動じない冷静さも持っている。また人を深く信頼し、浦部鹿乃子を勇気づける。 商売や整理整頓が苦手でいつも金欠気味。また興味が無いとあからさまに面倒くさそうな顔をする。

端崎 馨 (はなさき かおる)

眼鏡をかけ堅物そうな外見の男性。九十九夜警察署刑事で祝左右馬の学生時代からの友人。真面目で正義感に溢れているが、単純な思考回路の持ち主。だらしない祝左右馬に文句をいいつつも、彼の信頼に応えようとしている。怪奇映画が苦手。

藤島 千代 (ふじしま ちよ)

お嬢様然とした身なりの明るい活発な少女。祝左右馬の大家の知人・藤島幸弘の娘。裕福な家に生まれ育ち言葉遣いも丁寧だが、思い込みが激しく単純。小説・『名探偵眉目秀麗』を愛読し、探偵の祝左右馬に憧れている。

耕吉 (こうきち)

藤島家の運転手。真面目で藤島千代の面倒をよく見ているため、主人の藤島幸弘の信頼も厚い。

桐野 貫二 (きりの かんじ)

雑誌や広告の絵を描く仕事をしている。純朴な性格。取材先で殺人事件に巻き込まれ、祝左右馬に調査を依頼する。

小百合 (さゆり)

口元にほくろのある大人の雰囲気の女性。カフェー・ローズの女給。客の桐野貫二から好意を寄せられている。九十九夜町で仕事を探していた浦部鹿乃子を断ったことがある。

利市 (りいち)

赤毛でしっぽ髪の若い男性。寺で読み書きを習いながら、様々な仕事をかけもちでしている。浦部鹿乃子と藤島千代と出会う。

倉田 達造 (くらた たつぞう)

角刈りに鉢巻をした男性。「お食事処 くら田」の主人。威勢が良く善良な性格。金欠の祝左右馬にツケで毎日食事をさせている。

倉田 ヨシ江 (くらた よしえ)

「お食事処 くら田」のおかみさん。関西弁で話す気の良い女性。祝左右馬と端崎馨に連れられてきた浦部鹿乃子に食事をさせ、以来、親しく付き合っている。

端崎 雅 (はなさき みやび)

端崎馨の姉。雑誌・『魔境探訪』の記者をしている。祝左右馬とは旧知の仲であり、浦部鹿乃子とは取材旅行中に初めて出会った。自らを「親切心と猜疑心を両立できる」と語る理知的な女性。

綾尾 品子 (あやお しなこ)

端崎馨が取材のために祝左右馬、浦部鹿乃子と共に訪れた先の少女。日本人形のような姿をしている。

天野 展典 (あまの)

作家で雑誌記者の端崎雅と仲が良く、彼女の弟、端崎馨とも顔見知り。祝左右馬は「テンテンさん」と呼ぶ。妻を亡くし、身体の弱い息子、天野満と、女中達と共に暮らしている。

白井 コウ (しらい こう)

刀真島の小さな集落にある豪邸に住む白井家の婦人。取材に訪れた桐野貫二を泊めた晩に殺人事件が発生し、祝左右馬、浦部鹿乃子の調査を受ける。

SHARE
EC
Amazon
logo