地獄の子守唄

地獄の子守唄

漫画家・日野日出志を名乗る主人公が猟奇的で奇怪な自分の半生を物語り、結末で読者に呪いの言葉を残す。

正式名称
地獄の子守唄
ふりがな
じごくのこもりうた
作者
ジャンル
ホラー
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概要・あらすじ

怪奇漫画家の日野日出志が読者に自己紹介しながら、自分の少年時代を語る。陰気で猟奇的な子供だった日野日出志はある日、3人組のいじめっ子から殴る蹴るの暴行を受ける。強い恨みを抱いた日野日出志は精神を病んだが常に口ずさんでいる地獄の子守唄を歌いながら、3人が地獄で死ぬ様子を絵に描く。

すると3人は日野日出志が空想した通りに死亡。いっぽう日野日出志に暴力を振るうようになる。そこで日野日出志を呪って地獄の子守唄を歌うと、は失踪。その死体が地下の下水道に浮かんでいることを知っているのは日野日出志だけだった。こうして人を呪い殺すすべを知った日野日出志は、成長した後も狂ったように殺人を重ねる。

そして自分の物語を語り終えた後、読者に向かって「次は私の秘密を知った君が死ぬ番だ」と告げる。

登場人物・キャラクター

日野 日出志 (ひの ひでし)

物語の語り手。怪奇と恐怖に取り憑かれた漫画家。工場と煙突に囲まれた崩れそうな家の2階にいる。部屋は猟奇的な本、赤ん坊のミイラや動物の臓物などのコレクションであふれる。恐ろしい発作を起こしては自分の指や耳を切り落としているという。子供時代は病弱で陰気ないじめられっ子。犬や猫を殺して内臓をコレクションするなど猟奇趣味に耽り、殺人願望に取り憑かれる。 精神を病んだ母が歌う地獄の子守唄を聞き覚え、地獄の空想にのめり込んだ。やがて恨んだ相手を呪い殺すすべを身につける。

(はは)

精神を病み、家の2階で人形を抱きながら地獄の子守唄を歌う。日野日出志を「鬼の子」と呼んで恐れている。

(ちち)

自宅の裏で工場を経営し、朝から晩まで働く。母が日野日出志のコレクションを見つけて大騒ぎを起こすと、日野日出志を縛り上げて殴った。後に日野日出志の呪いで工場の機械に挟まれて死亡。

(あに)

日野日出志曰く「ひどいヤクザ」。カネをせびりに来る以外、自宅に寄りつかない。後に日野日出志の呪いでケンカ相手に刺殺される。

女中 (じょちゅう)

精神を病んだ母に代わり、日野家の家事を担う。醜い容貌をした娘で、日野日出志を嫌っている。

いじめっ子 (いじめっこ)

3人組。日野日出志からカネを奪おうとして暴行し、呪い殺される。

漫画編集者 (まんがへんしゅうしゃ)

日野日出志の漫画をコケにして彼に恨みを買い、呪いでロードローラーに轢き潰される。

その他キーワード

地獄の子守唄 (じごくのこもりうた)

『地獄の子守唄』に登場する歌。地獄の底に落ちて責め苦を味わえ、と歌う。

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