空くんの手紙

空くんの手紙

森の中の一軒家で、少年空くん、うさぎ、不思議な赤ん坊ゴジラたちがのどかに生活する様子を描いたメルヘンチックなファンタジー。タイトルの通り空くんから読者へ向けて書かれた手紙という形式で、物語の最初と最後に空くんの詩的で抒情的なモノローグが置かれている。人間も動物も妖精も共存する童話のような牧歌的でリリカルな世界観が、熱烈なファンを生んだ。作者自身が作中に登場したり、楽屋オチ的な番外編もあったりと、コメディ要素もある。作者のデビュー作にして代表作。

正式名称
空くんの手紙
ふりがな
そらくんのてがみ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

ある森の中の小さな一軒家。そこでは、少年空くんと親友のうさぎ、不思議な赤ん坊ゴジラが共同生活をしていた。ときにはケンカもするけれど、四季の豊かな自然に囲まれて、3人は仲良く楽しく暮らしている。動物たちや悪魔、星の化身や魔法使いなど、いろいろなお客さんがやってきては、彼らと触れ合ってゆく。

登場人物・キャラクター

(そら)

金髪に青い目の少年。セーラー服に半ズボンを着ている。森の中の一軒家でうさぎといっしょに暮らしている。優しく温厚な性格。自分より他人を大切にする思いやりがある。自給自足で暮らしているので、家事全般をこなせる。趣味はプラモデル作り。

うさぎ

オスのうさぎ。名前はない。森の中の一軒家で空くんといっしょに暮らしている。陽気だがおっちょこちょいで、短気なところがある。お調子者で、少々口が悪い。うさぎなのにニンジンが嫌い。ときどきケンカすることもあるが、空くんとは一番の仲良しで、彼のことを大切に思っている。

ゴジラ

赤ん坊の男の子。雪の日に捨てられていたのを空くんが見つけ、いっしょに暮らすようになった。頭から触覚のようなものが生えていて、シッポもある。何の種族なのかは不明。「きっとそのうち脱皮してゴジラにでもなるんだ!」とのうさぎの発言から、そのままゴジラと呼ばれるようになった。オムツをはいた赤ん坊だが、言葉は話せる。 食いしん坊で、特にパンケーキが大好き。オムツは色違いで11枚持っている。

イーグ

見た目は空くんと同じくらいの年齢の、黒髪の男の子。頭から触覚のようなものが生えている。正体は実は悪魔で、手に触れたものには必ず不幸が訪れてしまう。枯れ木と毒グモと冷たい雨だけが友達だったが、あたたかい友達が欲しくなり、空くんたちの前に姿を現わした。

ホッシー

星の国から流れ星に乗って空くんたちの家にやってきた少年。父親は星の国の王様。母親のしつけが最近きびしいので、反発して家出をしてきた。星の化身なので地上では夜の間しか活動できず、空くんたちに夜どおし遊んでくれるよう頼み込む。

うそつき虫 (うそつきむし)

悪魔科の害虫。嘘をついて人をだますのを楽しみにしている。しかし根っから悪い性格というわけではなく、せいぜい小さないたずらを仕掛けるくらい。自分のついた嘘が大きくなりすぎると、逆に気に病んで反省してしまう。

みるく

すみれ色の髪にすみれ色の服を着ている女の子。料理が得意。空くんたちと楽しく暮らすが、空くんの家の掛け時計の鍵を隠し、時間の流れを止めてしまう。

チップチップ

魔法使いの男の子。顔にそばかすがある。いたずらばかりしているので、魔法免許セミナーの免許がもらえず、いまだに仮免中。人の役に立てば免許をやると教授に叱られ、空くんたちの家を訪れ、友達になった。

ポチ

魔法使いの男の子。チップチップの弟。丸メガネをかけている。落第生の兄とは違い、優秀な成績でどんどん進級し、今では大学生。卒業後は魔法大学の最年少講師に就任することも決まっている。自分の魔法の腕前を鼻にかけているところがある。

先生 (せんせい)

メガネをかけ、ひげをたくわえた中年男性。科学者や医者、議員など今やりっぱな職業についた生徒たちを数多く教えてきた。落ちこぼれ魔法使いチップチップも生徒のひとり。とても真面目で、トランプのルールなど遊びについては何も知らない。空くんの家に泊めてもらい、お礼に勉強を教えようとする。 カンニングして試験で満点を取ったうさぎのことを、最高に明晰な頭脳の持ち主と誤解してしまう。

ファン太 (ふぁんた)

頭にうさぎのような曲がった耳がついている男の子。カプセルに乗って、どこか別の世界から空くんたちの住む森へやってきた。妹のあーちゃも同じく頭に耳がついている。彼らの世界では「曲耳族(きょくじぞく)」と「直耳族(ちょくじぞく)」とは仲が悪い。ファン太たちは曲耳族なので、耳がまっすぐのうさぎのことを直耳族とみなして、避けようとする。

ヤン・チャパティー

メガネをかけた男の子。以前空くんたちの家に訪れたことのある先生の息子。うさぎを優秀な頭脳の持ち主だと勘違いして、弟子入りしようとする。学業の成績は良いが、科学的根拠のないものは信じようとしない、頭の固い人物。

料理長 (りょうりちょう)

小さいころから美味しいものが大好きでコックとなった中年のおじさん。魔法使い主催の料理コンクールで優勝し、貴重な食材をお腹いっぱい味わうために、1年間の期限付きで自分の身体を50分の1の大きさに縮めてもらった。空くんたちの暮らす森のはずれにケーキ屋を開店した。

まれすけ

白黒ブチのオス猫。もともとは作者の飼い猫をモデルにしたキャラクターとして、作者といっしょに本作のすみっこに顔を出すだけだったが、いつの間にか空くんたちの暮らす森に住んでいた。素直でほがらかな性格。猫なのにねずみを怖がる。

ワトソン先生 (わとそんせんせい)

物知りなオウム。メガネをかけ、ネクタイをしている。知識と情報の量は圧倒的で何でも知っているが、それをひけらかしがち。上からものを言うくせもあるので、はじめは感心していた人たちも、次第に彼に近寄らなくなった。

新聞配達 (しんぶんはいたつ)

空くんの家に新聞配達に訪れた青年。帽子をかぶり丸メガネをかけている。男の子というものは、身長が「新聞の縦の長さの3倍」になったら新聞を購読し、「りっぱなおとな」にならなくてはいけないのだ、と空くんに教える。

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