サイカチ 真夏の昆虫格闘記

サイカチ 真夏の昆虫格闘記

昆虫相撲に魅了された少年の小笠原真夏が、手塩にかけて育てたヒラタクワガタの力丸を操り、数々のバトルで強敵を倒していく作品。「少年チャンピオン」2005年40号から47号にかけて掲載された作品。

正式名称
サイカチ 真夏の昆虫格闘記
ふりがな
さいかち まなつのこんちゅうかくとうき
原作者
藤見 泰高
漫画
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

卵から育てたヒラタクワガタ力丸をあやつり、昆虫相撲に熱中していた少年の小笠原真夏は、ある日、友人のアキオが隣町で行われた小学生のタカアキとの昆虫相撲に負け、大事なクワガタムシを取られてしまった事を知る。アキオのクワガタムシを取り返すため、力丸でタカアキに挑んだ真夏だったが、返り討ちに遭い、逆に力丸を奪われてしまう。

力丸を取り戻すため、山で新しいクワガタムシを探していた真夏は、そこで白衣をまとい、昆虫採集をしていた謎の少女に遭遇。彼女の的確なアドバイスのもと、再度タカアキに挑戦した真夏は、羽化したばかりのメスのヒラタクワガタ「力姫」を投入。この作戦が功を奏し、見事に勝利を収める。謎の少女の博識さに大いに感銘を受けた真夏は、彼女が榎稲穂という名の女子高生である事を聞き出し、弟子入りを懇願。

後日、稲穂の自宅を訪れた真夏は、彼女が市立の動植物昆虫博物館の娘である事を知る。そこでクワガタ相撲大会のチラシを見つけた真夏は、意気揚々と参加を決意するが、真夏の腕がまだ未熟である事を見て取った稲穂は、指揮棒と呼ばれる、昆虫をあやつる特殊な棒を真夏に提供。

真夏は、苦心の末に昆虫の本能を見極め、指揮棒で力丸を自在にコントロールできるようになる。稲穂の許しを得て、クワガタ相撲大会へと参加した真夏は、大会初戦で因縁の相手、タカアキと対決。指揮棒で自在に力丸をあやつり、余裕の勝利を収める。2回戦で大型の「ツシマヒラタ」を操る直人と対決。大あごの攻撃に苦戦を強いられるが、力丸を敵の懐に飛び込ませる奇策で見事勝利を収める。

戦いの中で、背中に傷を負った力丸を案じた真夏は、危険を感じたら即タオルを投げ入れるという稲穂との約束を経て、3回戦へと挑む。「スジブトヒラタクワガタ」の「信玄」をあやつる六条流輝と対決した真夏は、彼の巧みな指揮棒さばきから繰り出される信玄の強力な技の数々に圧倒されるのだった。

登場人物・キャラクター

小笠原 真夏 (おがさわら まなつ)

昆虫相撲に夢中になっている元気いっぱいの男子小学生。卵から育てたヒラタクワガタの力丸を相棒に、日々友人と昆虫相撲をしている。やや直情的だが、力丸の事も親友と思って大事にするなど、心根は優しく、友人思いな性格。タカアキとの昆虫相撲に破れ、力丸を取られた際に出会った、昆虫全般に詳しい榎稲穂を師匠と仰いで尊敬している。 稲穂の的確なアドバイスを受け、力丸を自在にコントロールできるようになってからは、昆虫相撲で連勝を重ねていく。

榎 稲穂 (えのき いなほ)

クールな性格をした女子高生。学校の制服の上にヨレヨレの白衣を羽織っている。市立の動植物昆虫博物館の娘で、昆虫全般に関する深い知識を持っている。博物館に住み込み、自室で大量のクワガタムシを育てているなど、とても熱心なブリーダーでもある。山でクワガタムシを採取していた際に偶然出会った小笠原真夏に対し、ヒラタクワガタが住んでいる場所などを教えたり、指揮棒を使ってクワガタムシをあやつる方法をアドバイスをしていた。 そのため、真夏からは師匠として仰がれる立場となる。泳げないのが弱点。

力丸 (りきまる)

小笠原真夏が卵から1年をかけて大事に育てあげたヒラタクワガタの成虫。体長は51ミリ。真夏の巧みな指揮棒さばきによって無類の強さを発揮するようになり、昆虫相撲では連勝を重ねる。

御蔵 あさがお (みくら あさがお)

ツインテールの髪型をした小学生の女子。小笠原真夏の友人で、いつもいっしょに行動している。傍目から見るととても仲がいいため、友人からは「真夏の彼女」や「夫婦」扱いされる事もあるが、御蔵あさがお自身はそれを指摘される事を嫌がっている。気は強いが、とても面倒見がいい性格。

タカアキ

隣町に住んでいる金髪の少年。小学5年生だが、体格がよく、老け顔をしているため、不良高校生にしか見えない。アキラとの「昆虫勝負」に勝利した際に彼のクワガタムシを奪い、小笠原真夏にも打ち勝って力丸を奪うが、のちに再戦を挑んだ真夏にリベンジされる。「ドルクスタウン・ファーブル」が主催するクワガタ相撲大会に参加した際に再び真夏と相まみえるが、そこでも敗北。 それから真夏を逆恨みするようになる。相棒はヒラタクワガタの「ボブ」。

六条 流輝 (ろくじょう りゅうき)

「ドルクスタウン・ファーブル」が主催するクワガタ相撲大会に参加していた少年。侍を彷彿させる和装をしており、古風なしゃべり方をするのが特徴。非常に生まじめで、弱い者いじめを決して許さない紳士的な人物。「信玄」と名付けたヒラタクワガタの亜種「スジブトヒラタクワガタ」を巧みにあやつり、小笠原真夏と激しいバトルを繰り広げる。 剣術の達人で、御蔵あさがおにちょっかいを出そうとしたタカアキを成敗していた。

直人 (なおと)

「ドルクスタウン・ファーブル」が主催するクワガタ相撲大会に参加していた少年。眼鏡をかけた知的なタイプで、小笠原真夏とは1回戦で戦った。パソコンを活用したデータ分析を得意としており、緻密な計算で組み立てた戦術を駆使して、真夏と力丸を大苦戦させる。相棒はヒラタクワガタの大型亜種である「ツシマヒラタ」の「ロング=トム」。

オッチャン

クワガタムシ専門のショップ「ドルクスタウン・ファーブル」を経営している明るい男性。頭にクワガタムシの形をしたかぶりものをした筋金入りの変人で、親しみをこめて「オッチャン」と呼ばれている。本名は不明。クワガタ相撲大会を主催し、パンツ一丁の姿で試合を実況していた。

アキラ

小学生の男子。小笠原真夏の友人で、昆虫相撲に熱中していたが、隣町のタカアキとの勝負に負け、相棒のクワガタ「セイ」を取られてしまう。

その他キーワード

指揮棒 (まいぱん)

昆虫を操る特殊な棒。日本と同様に昆虫相撲が盛んなタイ発祥の用具で、綴りは「mai-pan」。振って音を出し、その音によって昆虫の動きをあやつる。熟練すれば、昆虫の行動を思うがままにコントロールする事ができる。

ヒラタクワガタ

日本を代表するクワガタムシ。北海道を除くほとんどの地域に生息しており、12種類の亜種が存在する。本州、四国、九州のみに生息する亜種「本土ヒラタクワガタ」は野生下では73ミリを超える大型種で、飼育下では76ミリを超える個体も存在する。小笠原真夏が飼っている力丸も本土ヒラタクワガタ。

昆虫相撲 (こんちゅうずもう)

カブトムシやクワガタムシといった、体が頑丈な甲虫同士を戦わせる遊びの総称。日本で真夏の風物詩として古来から親しまれてきた。ルールは単純明快で、土俵から体の一部が出るか、体をひっくり返されると負けになる。

クレジット

原作

藤見 泰高

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