うみねこのなく頃に散 Episode7 Requiem of the golden witch

うみねこのなく頃に散 Episode7 Requiem of the golden witch

PCをはじめ、多機種で展開されたゲームソフト「うみねこのなく頃に」のコミカライズ。六軒島殺人事件が起こった世界を基軸に、それを1つのゲームとして観察し弄ぶ、魔女たちによる魔法と推理の激突を描いた物語。「うみねこのなく頃に」シリーズ第7弾となる今作『うみねこのなく頃に散 Episode7 Requiem of the golden witch』では、六軒島殺人事件を起こした魔女ベアトリーチェの真実の姿を追うエピソードが語られる。「月刊少年ガンガン」2011年5月号から2015年4月号にかけて掲載された作品。原作・監修は竜騎士07。

正式名称
うみねこのなく頃に散 Episode7 Requiem of the golden witch
ふりがな
うみねこのなくころにさん
原作者
竜騎士07
作画
ジャンル
推理・ミステリー
関連商品
Amazon 楽天

世界観

1986年、六軒島殺人事件が発生した。これは、右代宮家当主である右代宮金蔵の遺産を巡って親族が対立の後に相次いで殺され、ただ1人右代宮絵羽のみが生き残ったという事件である。この現実世界の六軒島殺人事件を「ゲーム盤」と称し、幻想の存在が住まう上位世界でその真相を巡って争う、魔女と人間の戦いが描かれる。本作『うみねこのなく頃に散 Episode7 Requiem of the golden witch』では、ベルンカステルによって、魔女ベアトリーチェになるはずだった存在が成長し、右代宮蔵臼の第一子として育てられたという設定の世界を舞台に、新たな第7のゲームが争われる。

あらすじ

第6のゲームを終えて、これまでのゲームに飽きてしまったベルンカステルによって第7のゲームが開かれた。舞台はベアトリーチェの葬式が執り行われるという世界。そこに招かれたウィラード・H・ライトは、右代宮蔵臼の第一子、右代宮理御とともに魔女ベアトリーチェが生まれた理由と、六軒島殺人事件が起こるに至った理由を暴く。

関連作品

うみねこのなく頃に EpisodeX ROKKENJIMA of Higurashi crying

竜騎士07の代表作である2つのゲームソフト「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」の登場キャラクターたちが一堂に会したギャグコメディ漫画。作画は緋色雪、原作は竜騎士07が担当している。

メディアミックス

ゲームソフト

PC用ゲームソフト「うみねこのなく頃に」シリーズは、本作『うみねこのなく頃に散 Episode7 Requiem of the golden witch』の原作となった同人ゲーム。同人サークル「07th Expansion」が販売し、竜騎士07がシナリオを手掛けた。シリーズはEpisode1からEpisode8までの8作で構成され、Episode5以降は「うみねこのなく頃に散」とタイトルが変わった。本作は、原作ゲームのEpisode6を描いたものとなっている。本編は漫画版と変わりはないが、原作では赤き真実青き真実のやり取りが可視化されているところが特徴のシナリオ構成になっている。また、プレイステーション3ではサウンドノベル形式のゲームソフト「うみねこのなく頃に散 ~真実と幻想の夜想曲~」が発売されており、こちらの内容は原作ゲーム「うみねこがなく頃に散」のEpisode5からEpisode8までのものと同じ。発売元は加賀クリエイトで、キャラクターデザインは江草天仁、FFCなどが担当した。キャラクターボイスは、右代宮戦人役は小野大輔、ベアトリーチェ役は大原さやかが務めた。

小説

小説『うみねこのなく頃に散 Episode7』は、原作ゲーム「うみねこのなく頃に散 Episode7」の小説版で、講談社BOXレーベルから発行された。上下巻の2冊が刊行されており、著者は竜騎士07、イラストはともひが担当している。内容は原作ゲームや本作『うみねこのなく頃に散 Episode7 Requiem of the golden witch』と同様だが、グロテスクな表現が多用される原作に対し、描写はマイルドになっている。

登場人物・キャラクター

ウィラード・H・ライト

異端審問官をしていた優秀な男性。犯罪の中にある感情や想いに気を配り、推理していくことができる。異端審問官の間ではその推理力の鋭さゆえに「魔女狩りのライト」と呼ばれていた。家では「ダイアナ」という名の猫を飼っており、とても大切にしている。ベルンカステルから呼び出されて今回のゲームに参加し、右代宮理御とともに「ベアトリーチェはなぜ殺されたのか」という謎に挑んでいく。

右代宮 理御 (うしろみや りおん)

右代宮蔵臼と右代宮夏妃の第一子。華奢な男性に見えるが、性別は不明。右代宮金蔵が蔵臼に託した養子で、九羽鳥庵のベアトリーチェと金蔵の実子。六軒島殺人事件が起きた世界とは別のパラレルワールドの存在で、六軒島殺人事件を起こさなかったベアトリーチェであり、理御が存在する世界ではベアトリーチェは現れない。 性格はいたって温厚で、妹の右代宮朱志香にも優しい。右代宮家の次期当主。

ベルンカステル

今回の第7回のゲームのゲームマスターであり、ゲーム盤を作った魔女。何回も試行を試みることで、奇跡を作り出す「奇跡の魔女」の称号を持つ。フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラの巫女でもあり、彼女を楽しませるために今回のゲームを始めた。退屈を嫌う性分で、ゲーム中に退屈になったら口を挟んでくる。

ベアトリーチェ

すべての六軒島殺人事件においてベアトリーチェとして存在する少女。右代宮夏妃に崖から落とされたものの、奇跡的に生き延びて呂ノ上源次の手により福音の家に連れて行かれた。福音の家から家具として右代宮家に仕えるようになってからは、「ヤス」と呼ばれるようになった。家具であることに辛さを感じていたため、妄想の中で「ベアトリーチェ」という存在を作り出し、自らが魔女「ベアトリーチェ」であると名乗るようになる。

ベアトリーチェ・カスティリオーニ (べあとりーちぇかすてぃりおーに)

1945年、イタリア軍の潜水艦にアンジェロ少尉とともに乗っていた、お金持ちの令嬢。当時日本軍に所属していた右代宮金蔵と出会い、お互いの軍の通訳をしているうちに心を通わせるようになり、六軒島の事件を経て、金蔵の愛人として幸せな日々を送った。のちに九羽鳥庵のベアトリーチェを出産するも、出産時に体調を悪化させ若くして亡くなってしまう。

九羽鳥庵のベアトリーチェ (くわどりあんのべあとりーちぇ)

ベアトリーチェ・カスティリオーニと右代宮金蔵の娘で、六軒島の隠し屋敷、九羽鳥庵で育てられた。当初は慎ましく幸せに暮らしていたが、育つにつれ、金蔵が彼女をベアトリーチェ・カスティリオーニの生まれ変わりだと思うようになり、近親相姦へと至った。自分が父親だと思っていた人物に好意を抱かれていると知った九羽鳥庵のベアトリーチェは悩み、それを周囲の使用人に打ち明けてもいた。

バトラ

右代宮戦人の魔術師としての姿。前回の第6回のゲームのゲームマスターで、ベアトリーチェと結ばれた。今回のゲームでは、ベアトリーチェへの手向けとして、棺に「Requiem of the golden witch」の本を遺体代わりに埋葬した。これにより、バトラの作った本である「Requiem of the golden witch」の中でベアトリーチェの物語は封印され、誰にも見ることはできなくなった。

右代宮 金蔵 (うしろみや きんぞう)

右代宮家当主の壮年の男性。今回のゲームでは生存しているが、六軒島殺人事件の起こる多くのゲームでは死亡している。1945年にあった六軒島の事件においてベアトリーチェ・カスティリオーニと出会い、彼女を愛人として九羽鳥庵のベアトリーチェのを産ませた。また九羽鳥庵のベアトリーチェをベアトリーチェ・カスティリオーニの生まれ変わりだと信じて近親相姦をし、ベアトリーチェを産ませた。 彼のなかでベアトリーチェという存在は盲信するに値する人物であったため、今回のゲームで葬儀を行う際には普段の威厳を失い、悲壮感漂う姿で涙に明け暮れた。

右代宮 蔵臼 (うしろみや くらうす)

右代宮金蔵の長男。右代宮夏妃の夫で、右代宮朱志香の父親。右代宮理御が成人するまでの代理として家督を継ぐ立場にあり、現在は実質的に当主代行として右代宮家を支えている。弟たちのことはあまり信用しておらず、高圧的に接する。手掛けた事業がうまくいかず負債を抱えてしまったため、金蔵が言う魔女伝説にある隠し財宝を喉から手が出るほど欲している。

右代宮 夏妃 (うしろみや なつひ)

右代宮蔵臼の妻で、右代宮理御と右代宮朱志香の母親。プライドが高く、他の義兄弟夫妻を見下したところがある。次期当主の妻として、一刻も早く右代宮の後継ぎを産みたかったもののなかなか子宝に恵まれず、ようやく授かった子も女児であった。理御は実子ではなく右代宮金蔵から養子に迎えた子供だが、理御と朱志香双方に変わらぬ愛情を注いでいる。 右代宮の直系の血縁でないことから、片翼の鷲の紋様を身に付けることができない。

右代宮 朱志香 (うしろみや じぇしか)

右代宮蔵臼と右代宮夏妃の娘で、右代宮理御の妹。理御のことを「次期当主様」と呼んでいる。理御に次期当主の座を奪われた形になっているが、本人はその分自由に生きられると考え、歓迎している。活発で活動的な女の子で、夏妃からはたしなめられることが多いが、バンド活動をしている。

右代宮 絵羽 (うしろみや えば)

右代宮金蔵の長女で、右代宮秀吉の妻にして右代宮譲治の母親。右代宮蔵臼と右代宮夏妃の間に長いこと子供がいなかったため、右代宮の血を絶やさぬように、かつ夏妃へのあてつけとして秀吉を婿養子にして右代宮家に留まり、譲治をなした。六軒島殺人事件の生き残りになるはずだったが、今回のゲーム盤では右代宮霧江が他の親族を皆殺しにしたため、生き残ることはできなかった。

右代宮 秀吉 (うしろみや ひでよし)

右代宮絵羽の夫で、右代宮譲治の父親。外食チェーンでの経営で成功を収めている。陽気な性格で、人に警戒心を抱かせない気質を持っている。今回のゲーム盤で親族皆が黄金のインゴットを見つけた際も、一番理性的だった。妻である絵羽への愛情は深い。

右代宮 譲治 (うしろみや じょうじ)

右代宮絵羽と右代宮秀吉の大学生の息子。真面目で人当たりのいい青年で、右代宮戦人とは正反対の性格をしているが、お互いを認め合っているところがある。ベアトリーチェがいるかどうかに関して、理性的に客観視しており、子供がサンタクロースを信じるのと同じようなものだという捉え方をしている。

右代宮 留弗夫 (うしろみや るどるふ)

右代宮金蔵の次男で、右代宮霧江の夫かつ右代宮戦人と右代宮縁寿の父親。前妻に明日夢という女性がおり、戦人は明日夢との子供とされている。縁寿は霧江との間にもうけた娘。性格は女好きで、節操がない。ビジネスパートナーだった霧江を後妻に迎えたことで、当初は戦人との間に心の亀裂があったが、今はなんとか関係は修復された。

右代宮 霧江 (うしろみや きりえ)

右代宮留弗夫の後妻にして、右代宮縁寿の母親。右代宮戦人からは姉のように慕われていて、「霧江さん」と名前で呼ばれているが、右代宮霧江自身は戦人のことを憎んでいる。行動力があり、知性に富んでいるところから、長い間留弗夫とはビジネスパートナーとして付き合っていた。かつて留弗夫を寝取られたことで、彼の前妻である明日夢を憎んでいる。 黄金のインゴットを巡って、留弗夫とともに親族を殺し尽くしたが、右代宮絵羽に留弗夫を殺されたため、自分1人で金を総取りしようとした。

右代宮 戦人 (うしろみや ばとら)

右代宮留弗夫と明日夢の間に生まれた息子。義理の妹である右代宮縁寿のことをとても可愛がっている。ふざけて「乳を揉ませろ」などと下ネタを言うことがあるが、基本的には女性に優しい。右代宮霧江のことを慕ってはいるが、実は彼女から憎まれていることを知らない。

右代宮 縁寿 (うしろみや えんじぇ)

右代宮留弗夫と右代宮霧江の娘。六軒島殺人事件から家族を救い出すために、ベルンカステルによって魔女とされた。今回のゲームでは観劇者としてゲーム盤で行われた六軒島殺人事件について知ることになる。非常に勝気で、退屈が嫌い。

右代宮 楼座 (うしろみや ろーざ)

右代宮金蔵の次女で、右代宮真里亞の母親。夫が蒸発したため、シングルマザーとして真里亞を育てている。夫と結婚したものの、籍は入れなかったため、今も右代宮姓を名乗っている。娘の真里亞を虐待しており、彼女との関係はとても悪い。

右代宮 真里亞 (うしろみや まりあ)

右代宮楼座の娘で、のちに「原初の魔女」マリアとなる少女。右代宮戦人の冗談も真に受けてしまったり、手品を魔法と信じたりと、純粋で素直な性格。ベアトリーチェのことを友人だと思っており、彼女を否定されると怒る。「うーうー」という口癖があるが、これは彼女なりの笑顔になれる魔法の言葉であるため、やめることができない。

呂ノ上 源次 (ろのうえ げんじ)

右代宮家に仕えている使用人頭の男性。右代宮金蔵から特に信頼され、紗音や嘉音からは父親のように慕われている。金蔵に対して特に忠誠心が高いが、それゆえに右代宮蔵臼からは疎まれている。

郷田 俊朗 (ごうだ としろう)

使用人の1人で、一流の腕を持つ料理人の男性。右代宮家に仕えている年月はあまり長くない。プライドが高く、片翼の鷲を許された家具たちに対して優位に立とうとするところがある。料理の説明が長く、右代宮の一族からは少し敬遠されている。

熊沢 チヨ (くまざわ ちよ)

右代宮家で家事全般を行う老齢の女性。明るい性格だが、高齢のためあまり活発には動くことができない。怪談話が好きで、自分の知る話を右代宮金蔵の孫たちにあたる右代宮譲治や右代宮戦人たちに語り継いでいる。

紗音 (しゃのん)

右代宮家の家具の少女。孤児院「福音の家」の出身で、幼い頃から右代宮家に仕えている。7年前、右代宮戦人に「白馬に乗って迎えにくるぜ」と言われ、それを信じ彼を待ち続けた。待ち疲れた紗音は恋心をベアトリーチェに託すことによって、戦人のことを忘れ、右代宮譲治を恋することを決めた。

嘉音 (かのん)

右代宮家の家具の少年で、孤児院「福音の家」の出身。幼い頃から右代宮家に仕えており、右代宮朱志香にずっと想いを寄せていた。無口なうえ自分が家具であることに固執しており、朱志香に対しても想いを表現することができずにいる。

マリア

右代宮真里亞の魔女としての姿。「原初の魔女」であり、さくたろうを生み出した存在。優秀な魔女で、ベアトリーチェとともに魔女同盟「マリアージュ・ソルシエール」を結成し、ロノウェやガァプなどに名を付けた。

フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラ (ふぇざりーぬあうぐすとぅすあうろーら)

ベルンカステルの友人であり、主。「観劇の魔女」と呼ばれる。すべてを見通す観劇者権限をウィラード・H・ライトに与え、ベルンカステルが作ったゲーム盤で彼が動くのを楽しみにしている。

ラムダデルタ

「絶対の魔女」と呼ばれる1000年を生きた魔女。「努力は実を結ぶ」という言葉が形作った存在であり、努力を重ねてきた人に対して、魔法を与えることができる。ベルンカステルとは敵対しつつも、彼女に対して捻れた愛情を持っている。

ロノウェ

ベアトリーチェの家具頭を務める男性。マリアによって名を与えられ、ベアトリーチェのそばにいる。呂ノ上源次の名前がモデルとなっている。大悪魔だが、ベアトリーチェに対しては皮肉屋で慇懃無礼な態度を取る。

ガァプ

ベアトリーチェが造り出した、最初の魔女をイメージ化した存在。大悪魔で空間移動を得意とし、人を嘲るように笑う。ベアトリーチェが彼女を造り出したきっかけは、自身のモノ忘れグセを「ものがなくなるのは、魔女のせい」と思い込んだため。マリアによって「ガァプ」という名を与えられ、以降はベアトリーチェの友人となる。

山本中尉 (やまもとちゅうい)

1945年に漂流してきたイタリア軍の潜水艦から、黄金を奪取しようとした日本軍の男性で階級は中尉。元々は六軒島での哨戒を主な任務としていたが、イタリア軍が運んでいた10トンの黄金に目がくらみ、ベアトリーチェ・カスティリオーニを人質にとって、アンジェロ少尉を殺した。

アンジェロ少尉 (あんじぇろしょうい)

1945年に六軒島にたどり着いたイタリア軍少尉の男性。ベアトリーチェ・カスティリオーニを通訳として日本軍の山本中尉と交渉していた。黄金をどうするかはイタリア軍の中でも意見が割れていたため、乱戦が起きることを予期しており、事実その後、黄金を奪取しようとした日本軍と戦闘になる。

さくたろう

魔女同盟「マリアージュ・ソルシエール」の一員。優しい性格で、マリアの一番の友達。少年の姿をしているがそれは偽物で、本体は右代宮楼座が右代宮真里亞の誕生日に送った手作りのライオンのぬいぐるみ。マリアが何もない状態から彼を生み出したことが、「原初の魔女」と呼ばれるきっかけとなった。

集団・組織

マリアージュ・ソルシエール (まりあーじゅそるしえーる)

マリアとベアトリーチェが結成した魔女同盟。マリアが無から有を創造し、ベアトリーチェが無限に膨らませる。さらに右代宮縁寿がそれを受け継ぎ、語り広げることで魔法を広めることを目的としている。

右代宮家 (うしろみやけ)

膨大な財を一代にして成した右代宮金蔵以下、息子や孫たちを含めた一族。直系の子や孫は「片翼の鷲」という紋様を服か体のどこかに付けることができるが、婿養子である右代宮秀吉など血の繋がりのない者は付けることを許されない。

異端審問官 (いたんしんもんかん)

真実を追求するための天界の役職であり組織。邪悪な魔女を討つために、誰しもが持つ「真実」を暴く権利を与えられている。ウィラード・H・ライトはこの役職を下り、「魔女狩りのライト」の名を後輩たちに譲った。

場所

ゲーム盤 (げーむばん)

ベルンカステルやバトラが作ることのできる盤面のこと。主に六軒島殺人事件のゲームを執り行うために作られるが、今回は例外としてベルンカステルが右代宮理御のいる世界を探し出し、これをゲーム盤とした。

六軒島 (ろっけんじま)

右代宮金蔵とベアトリーチェ・カスティリオーニが出会った場所であり、現在は金蔵が所有する島。右代宮家が親族会議と称して集まったことがある場所で、金蔵が心酔しているベアトリーチェの葬儀が行われた場所でもある。

福音の家 (ふくいんのいえ)

右代宮金蔵が全面的にバックアップしている孤児院。ここで育った孤児たちの多くは右代宮家に引き取られ、家具として主人に仕える未来が待っている。紗音や嘉音、ベアトリーチェはここの出身。

九羽鳥庵 (くわどりあん)

九羽鳥庵のベアトリーチェが養育された場所。六軒島の奥深くに存在している。右代宮楼座はここを訪れたことがあり、その際九羽鳥庵のベアトリーチェと出会っている。九羽鳥庵のベアトリーチェは、右代宮金蔵を除いて、熊沢チヨや呂ノ上源次の2人の使用人としか面会を許されていない。

イベント・出来事

六軒島殺人事件 (ろっけんじまさつじんじけん)

1986年に起きた、六軒島で右代宮家の親族たちが殺された事件。唯一生き残ったのは右代宮絵羽と、六軒島で行われた親族会議に出席していなかった右代宮縁寿だけであった。誰が犯人なのかは分かっておらず、1998年の世界ではメッセージボトルだけが六軒島殺人事件のことを語る。

六軒島の事件 (ろっけんじまのじけん)

1945年に起きた、右代宮金蔵がまだ軍の一兵卒として働いていた頃の事件で、黄金を巡った争いのこと。ベアトリーチェ・カスティリオーニと出会った事件でもある。イタリア軍の潜水艦が六軒島に流れ着き、その際、本土防衛のために島に滞在していた山本中尉以下数名の兵士が立ち会った。通訳に金蔵とベアトリーチェ・カスティリオーニを使い、日本軍とイタリア軍の橋渡しをした。 イタリア軍が10トンの黄金のインゴットを持っていたことで、日本軍とイタリア軍の黄金を巡る争いが始まり、最後は金蔵とベアトリーチェ・カスティリオーニ以外は死亡し、金蔵は負傷したベアトリーチェ・カスティリオーニを医者に見せるため新島へ連れて行った。

その他キーワード

銀の指輪 (ぎんのゆびわ)

右代宮家の次期当主に与えられる指輪。右代宮金蔵が亡くなった後、右代宮理御に当主が譲られるため理御に与えられている。この指輪が理御に与えられたことによって、右代宮蔵臼は理御に家督が譲られるまでの代行となった。

黄金のインゴット (おうごんのいんごっと)

右代宮金蔵が六軒島の事件を経て、手に入れたもの。当初日本軍とイタリア軍とで半分ずつ得られるはずだったが、双方死んでしまったため、金蔵がすべて手に入れ、六軒島に隠した。これを運んできたのがベアトリーチェ・カスティリオーニだったため、冗談で彼女を「黄金の魔女」と称した。

ゲームマスター

六軒島殺人事件を起こすゲーム盤を作る上位世界の魔女、魔術師のこと。ゲームの進行役を務め、ゲームに必要な魔法を使い、碑文にそって事件を起こす。ゲームマスターは魔法で起こした事件のことを、すべてトリックで説明できるようにしなければならない。

魔女 (まじょ)

魔法を使ってニンゲンに対して、魔法を認めさせることのできる存在。魔法を扱うため「幻想の存在」とも見なされており、存在を否定されると消滅してしまう。魔法を使ってニンゲンに自分がいることを証明できれば、顕現することができる。

ニンゲン

ゲーム盤の中で、魔女を信じない人のこと。または、上位世界において魔女と対等にゲームに参加する人のこと。青き真実を使うことができる。今回のゲームではウィラード・H・ライトがニンゲン側となり、魔女ベルンカステルに対して真実を突きつけた。

魔女伝説 (まじょでんせつ)

六軒島で語られるベアトリーチェの伝説のこと。ベアトリーチェという魔女が夜な夜な六軒島の本邸の中を徘徊し、いたずらを行うとされている。またベアトリーチェの肖像画とともに碑文が受け継がれており、それも魔女伝説の1つとなっている。

碑文 (ひぶん)

ベアトリーチェが残したとされる言葉。「懐かしき、故郷を貫く鮎の川。」から始まる、六軒島に隠された財宝を授かる道を示した文章。この碑文を無事解くことができたものは、黄金にたどりつくと言われている。親族会議では、子供たちを抜いた親族たちがこの碑文を解き、黄金のインゴットのある部屋へたどりついた。

魔法 (まほう)

現実的に実現可能な方法を、手品やミステリーではなく、魔法という言葉で括っている事柄のこと。上位世界の魔女たちは魔法を信じ、手品ではなく魔法であることを主張する。右代宮真里亞はベアトリーチェが見せた手品を魔法だと信じて疑わなかった。

(こま)

ゲーム盤における人物たちのこと。例外としてさくたろうは人間ではないが、1人のキャラクターとして駒扱いになっている。ゲーム盤が用意されるたびに駒は新しく設定されるため、ゲーム盤における死をゲームマスターやゲームを観戦している魔女たちは気にしない。

家具 (かぐ)

魔女、魔術師の使用人のこと。ロノウェなどが該当する。またゲーム盤においては、紗音、嘉音たちが該当する。家具といういわれは心無きもの、また人間ではないものとして扱うから、というところからきている。

片翼の鷲 (かたよくのわし)

右代宮家の一族であることを示す紋章。右代宮金蔵が有していた金塊の印に片翼の鷲が描かれていたことから、右代宮家の紋章となった。妻や婿養子など、右代宮家の直系の血縁でない人には与えられない。

悪魔の証明 (あくまのしょうめい)

実証不能な証明のこと。悪魔がいるかどうかは、世界中のすべてを隅々まで調べ尽くさなければ分からない。この行為が不可能である以上、悪魔が存在する可能性は排除できない、という理論。魔女とニンゲンの戦いにおいても用いられ、魔女側のメリットとしては、この悪魔の証明を使うことによって魔女が存在することを否定できなくすることができる。 一方のニンゲン側は、赤き真実によって否定されない限り、特定の出来事に対して証拠を見つけられない場合でも、それが魔女の魔法によるものであることを主張できる。

巫女 (みこ)

フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラを楽しませるためにいる存在。今回はベルンカステルのこと。ベルンカステルはゲームマスターとして、ゲームを展開することによってフェザリーヌを楽しませようとしている。

赤き真実 (あかきしんじつ)

この世界において、魔女側、ベルンカステルが使うことのできる真実。青き真実に対して有効な一手であり、魔女側が魔法で行ったことが正しいことを証明するためのもの。使うことによって、ニンゲン側が出してきた青き真実を打ち消す効果がある。

青き真実 (あおきしんじつ)

この世界において、ニンゲン側、今回はウィラード・H・ライトが使うことを許された真実。赤き真実を引き出すため、または殺人がトリックであることを証明するために使う一手。使うことによって、魔女に対して推理を青き真実として言うことで、殺人事件が魔女による魔法であることを否定することができる。

観劇者権限 (かんげきしゃけんげん)

ベルンカステルによってウィラード・H・ライトに与えられた権限。対象の相手に手をかざすことによって、対象の身のうちに秘められたことを引き出すことができる。また秘められた事柄を可視化して見ることができる。ウィルと右代宮理御は、右代宮金蔵とベアトリーチェ・カスティリオーニの過去が見られるようになった。

反魔法 (はんまほう)

魔女たちが忌み嫌う、ニンゲンたちが持つ魔女を否定する言葉の力のこと。「反魔法の毒素」とも言う。反魔法の力を持つニンゲンに見られただけで、魔女たちは力を失う。しかし、魔女が大きな魔力をもってニンゲンに存在を認めさせることができれば、反魔法の毒素が消える。

クレジット

原作

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