戦国自衛隊

戦国自衛隊

戦国時代にタイムスリップしてしまった伊庭義明たち自衛隊は、長尾景虎と手を組む。彼らは近代兵器で武装し、天下統一を目指していく。半村良の小説をコミカライズした作品。続編に、関ヶ原の戦いや大阪の陣における自衛隊員を描いたオリジナル作品『続・戦国自衛隊』がある。

正式名称
戦国自衛隊
ふりがな
せんごくじえいたい
作画
原作
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
戦国
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概要・あらすじ

自衛隊の大演習中、新潟県と富山県の県境を流れる境川河口の野戦補給所で、巨大な地震が発生。伊庭義明三等陸尉たちの部隊は、物資や銃器とともにタイムスリップに巻き込まれてしまう。気がつくと、そこは合戦のまっただ中。伊庭たちは自分たちが戦国時代にいることを知る。伊庭に長尾景虎(上杉謙信)が馬に乗って襲いかかってくるも、銃で応戦。

しかし、殺さず長尾景虎を生きながらえさせる。伊庭たちは調査を進めていくうちに、この世界には織田信長や徳川家康がおらず、彼らの知っている戦国時代とズレがある異次元であることに気がつく。歴史に介入してはいけないと知りつつも、助けを求める長尾景虎の友軍としての行動を始める伊庭たち。

彼らは、領土を拡張し、日本を統一していこうと考え、自分たちが民衆の英雄になるように戦略を練っていく。その後武田信玄の軍によって、輸送ヘリが墜落、トラックが数台破壊され、ガソリンや弾薬を失いながらも、この時代に適応。やがて伊庭は城を建て、領地を広げていく。

順風満帆に見えた伊庭だが、妙蓮寺に泊まっていた時、細川藤孝が謀叛を起こす。燃え盛る炎の中、伊庭は自らに銃を突きつけ、引き金をひいた瞬間、ここが本能寺であり、自分が織田信長となって、歴史のズレを知らぬ間に修正していたことに気づくのだった。

登場人物・キャラクター

伊庭 義明 (いば よしあき)

三等陸尉。戦国時代に飛ばされた自衛隊をまとめ、作戦を練る中心人物。極めて真面目で冷静、頭の切れる人物。当初は、時代に介入することでズレが生じてしまう罪を犯すのではないかと悩んでいた。長尾景虎に出会ってから、彼との共同戦線を作ることで生き延びる道を探り、戦国時代での、自衛隊の武器を使った戦い方を考えていく。 元の世界に戻りたいという気持ちも忘れておらず、栗林孫市に祠を作らせるよう命じ、もし祠が消えたら、「時に見捨てられた」とあきらめるしかないと心に誓った。「時」を祀った彼らは「土岐」と呼ばれるようになり、勢力を大きく拡大。織田信長も豊臣秀吉もいない世界で、隊員たちや、彼を慕う石庭竹秀らと日本統一を考える。 弾薬類が尽き始めても、知識が豊富で、戦略を身につけた彼らは着々と土地を支配。城も建てるほどになる。ところが、彼らが妙蓮寺に宿泊したところ、細川藤孝が謀叛を起こす。その時になってはじめて、そこが本能寺であり、自分が織田信長となり、歴史のズレを知らぬ間に修正していたことに気づく。

長尾 景虎 (ながお かげとら)

後の上杉謙信。時代を超えて現れた伊庭義明に、殺されそうになっていたところを救われた。戦略に長けた伊庭義明の知恵と、自衛隊の戦力を借りながら戦をすすめる。政権を握るのは長尾景虎、民衆を救う英雄になるのが土岐衆と呼ばれるようになった伊庭義明たち、という協力関係を作る。 伊庭義明に、城を建てるよう助言をした。モデルは実在の武将、上杉謙信。

細川 志乃 (ほそかわ しの)

天下統一を狙う伊庭義明が、惚れ込んだ女性。細川藤孝の妹。

細川 藤孝 (ほそかわ ふじたか)

細川志乃の兄。文才に恵まれた歌人で、朝廷に多くの友人を持っていたため、歴史の知識のある伊庭義明に、外交官として朝廷との橋渡し役を命じられた。伊庭義明のはかりしれぬ力を気に入っていた。しかし九条に強いられて、妙蓮寺に宿泊していた伊庭義明に夜襲をかける。モデルは実在の武将、細川幽斎。

(あがた)

自衛隊所属の一士。頭がよく、現在パラレルワールドにいることと、時という巨大な力からすでに介入を許されているため、さらに大きく介入すれば、時間が自分たちを帰還させるのではないかと考えた。次々人が死ぬ実際の戦場を見て、恐怖する。

島田 和秀 (しまだ かずひで)

自衛隊所属の三曹。血気盛んな性格で、歴史に流された状況のなか、一方的に勝てる銃器を使って日本征服ができる、と訴えた。戦場では大暴れし、活躍。ガソリンを完全に失った装甲車を野ざらしにして見捨てることができず、琵琶湖に沈めた。平和でいることに飽きて、北陸に進んで戦い続けた結果、歴史上の柴田勝家と一致する存在になる。

池田 (いけだ)

自衛隊所属の二士。大爆発が起きれば、タイムスリップを再現できると考えている。戦国時代に取り残されたことに耐え切れなくなり、爆弾と燃料を爆破しようとして石庭竹秀に取り押さえられ、鎮静剤を打たれた。

丸岡 (まるおか)

自衛隊所属の一士。自分たちと共に戦国時代に飛ばされた、戦車や軍用車の操縦を担う。身長は小柄。侍たちに運転を教える。

清水 (しみず)

自衛隊所属の一等陸曹。自分たちと共に戦国時代にとばされた、バートル(輸送ヘリ)の操縦を担う。常にサングラスをかけている。住民の陰謀で、バートルのネジを外されてしまい、墜落死する。

加納 (かのう)

自衛隊所属の一士。父親が骨董好きで、戻った時のために武器や鎧を収集している。歴史に詳しく、戦略を練る際に戦史を持ち出し提言する。当時の様々な戦法を知っており、自分たちの隊でも運用した。織田信長と同じ安土に築城を考え始めた時、斎藤道三がこの世界に存在せず、結果、織田信長も木下藤吉郎も歴史の上で必要がないことに気づき、この世界でやりたい放題やっても許されるのではないかと考える。

武田 信玄 (たけだ しんげん)

戦略に長けた、甲斐の将軍。自衛隊員の知る歴史と違い、長尾景虎(上杉謙信)との因縁はない。川中島では火縄銃を用いて自衛隊に立ち向かい、痛手を追わせる。モデルは実在の武将、武田信玄。

石庭 竹秀

神兵と呼ばれる自衛隊員たちの噂を聞いて、黒部川で接触、家来にしてほしいと名乗り出る。要領のよい人物で、知略に長けており、自衛隊の元で工事の総指揮をとり、作戦の担い手として数多くの活躍をする。猿のような顔をしている。

黒田 秀春

長尾景虎の宿敵として、散々痛めつけていたが、自衛隊と手を組んだ長尾景虎の軍に手も足も出ず惨敗。長尾景虎に殺害され、首を取られる。

栗林 孫市 (くりばやし まごいち)

伊庭義明に呼ばれ、どんな嵐にもどんな波にも耐えうる祠を作るよう命じられる。祠には「時」を祀り、もし祠が消えた時は、帰れないとあきらめるしかないと伊庭義明は考えた。

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