結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-

結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-

タカヒロの小説『鷲尾須美は勇者である』のコミカライズで、TVアニメ『結城友奈は勇者である』の前日談にあたる作品。異形の怪物、バーテックスから人々を守るため戦う鷲尾須美と、仲間達の活躍を描くバトルアクション。「電撃G'sコミック」2017年8月号から2018年8月号にかけて掲載された作品。2017年10月から11月にかけて、毎日放送、AT-XほかでTVアニメ化もされている。

正式名称
結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-
ふりがな
ゆうきゆうなはゆうしゃである わしおすみのしょう
原作者
Project2H
作画
ジャンル
アクション
関連商品
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世界観

舞台は遥か未来の日本の四国で、世界はバーテックスと呼ばれる正体不明の怪物によって大きく様変わりした状態となっている。四国は神樹と呼ばれる存在によって守護されているが、四国の外の世界はバーテックスによって壊滅状態にある。神樹に選ばれた勇者は、人類の生存権を守るため、侵入して来るバーテックスと戦うのをお役目として課せられており、これは大変名誉な事だとされている。

あらすじ

第1巻

神世紀298年、神樹館に通う小学6年生の鷲尾須美は、友人の乃木園子三ノ輪銀と和やかな日々を過ごしていた。しかしある日、突然三人は時が止まった世界に放り込まれる。異様な状況に、勇者としての使命を果たす時が来たと直感した三人は、勇者へと変身し、異形の怪物、バーテックスと戦う。慣れぬ戦いに苦戦しつつも力を合わせてバーテックスを倒した三人は、これからも力を合わせて戦う事を約束する。それから三人は勇者として訓練をしたり、仲間達と絆を深めたり、少しずつ成長していく。しかし強くなるのは敵も同様で、進化していくバーテックスに鷲尾達は苦戦を強いられる。銀の献身、園子の閃きで何とかバーテックスの戦いを乗り越えるが、ピンチの中で迷う事しかできなかった鷲尾は改めて仲間達と力を合わせて戦う事を誓うのだった。強敵を退けた三人は大赦により休暇が与えられ、夏を満喫する。穏やかな日々の中で確かな絆を育んでいく仲間達だったが、鷲尾は家に帰ろうとする銀がこのままどこか行ってしまうような、言いようのない不安を感じるのだった。

第2巻

鷲尾須美は言い知れぬ不安を感じつつも、仲間達とバーテックスの襲来のない穏やかな日々を過ごしていた。しかし和気藹々とした遠足の帰り道、バーテックス襲来の報が三人のもとに届く。そして現場に到着した三人が目にしたのは、2体同時にやって来たバーテックスの姿だった。力を合わせる事で何とか互角に戦うが、そこにさらに3体目のバーテックスが襲来。バーテックスの攻撃で鷲尾と乃木園子は戦闘不能に陥ってしまう。三ノ輪銀は二人を安全な場所へと運び、人々を守るためたった一人でも戦い続ける事を決意する。そして気がついた鷲尾と園子が目にしたのは、バーテックスを撃退したが、立ったまま力尽きた銀の姿だった。銀の死を嘆き、悲しみつつも、鷲尾と園子は銀の遺志を継いでバーテックスと戦い続ける。勇者システムも改良され、鷲尾と園子は精霊満開といった新しい力を手にする。しかしバーテックスの襲来で、満開を使った鷲尾と園子を正体不明の不調が襲う。自身の体の調子と記憶を失った鷲尾を見て、満開には代償が必要だと気づいた園子は、鷲尾を守るため一人で無数のバーテックスの群れに立ち向かう。

メディアミックス

TVアニメ

TVアニメ『結城友奈は勇者である』の第2期として、本作『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』が2017年10月から11月にかけて毎日放送、AT-Xほかで放送された。制作はStudio五組。本作は全12話で構成される第2期のうち、前半6話分が該当し、後半6話は『結城友奈は勇者である -勇者の章-』となっている。鷲尾須美役を三森すずこ、乃木園子役を花澤香菜、三ノ輪銀役を花守ゆみりがそれぞれ演じている。

劇場版アニメ

TVアニメ『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』の放送にあたり、2017年3月18日に第1章「ともだち」、2017年4月15日に第2章「たましい」、2017年7月8日に第3章「やくそく」の3章構成で、劇場版アニメとして先行公開された。TVアニメ版と同様、鷲尾須美役を三森すずこ、乃木園子役を花澤香菜、三ノ輪銀役を花守ゆみりがそれぞれ演じている。

登場人物・キャラクター

鷲尾 須美 (わしお すみ)

神樹館に通う小学6年生の少女。まじめでまっすぐな性格をした黒い長髪の少女で、勇者のお役目に真摯に向き合おうと考えている。乃木園子からは「わっしー」のあだ名で呼ばれている。自他共に厳しい気質なため、のん気な部分がある園子や三ノ輪銀には心を許せずにいた。園子がリーダーに選ばれたのも「家柄で選ばれた」と考えていたが、戦いの中で自身の未熟さと園子と銀の優秀さを痛感し、本当の仲間へと成長していく。 護国思想の持ち主で、将来は歴史学者になるのが夢。戦艦や空母の話になると人が変わったように冗舌になったり、「国防仮面」というヒーローになったり、奇行を行っている。勇者に変身すると薄紫色の衣装に身をまとい、弓を使った遠距離攻撃で戦う。銀の死後、勇者システムがアップデートされた際には弓が狙撃銃へと変化し、満開すると巨大な戦艦のようなものを呼び出して戦う事ができる。 満開の代償で「両足の自由」と「数年間の記憶」を失うが、その後、記憶を失った状態で「東郷美森」として保護された。

乃木 園子 (のぎ そのこ)

神樹館に通う小学6年生の少女。のんきな性格をした長い金髪の少女で、間延びした口調で話す。大赦の中でも名家である「乃木家」のお嬢様で、独特な性格もあってなかなか友達を作れずにいた。そのため、初めてできた友達である三ノ輪銀と鷲尾須美の事を本当に大切に思っている。文才があり、ネットの小説投稿サイトで小説を投稿している。 小説は閲覧者にかなり高評価を得ているようで、将来は小説家になりたいと考えている。鷲尾からは「そのっち」の愛称で呼ばれている。勇者に変身すると暗紫色の衣装に身をまとい、傘のような形の武器を使って戦う。武器は傘のように広げると盾になり、内蔵された刃を足場にしたり、変形させる事で槍のように使ったりと、変幻自在な性質を持つ。 また乃木園子自身、戦闘では優れた閃きを発揮するため、勇者達のリーダーを任されている。満開すると巨大な船のようなものに乗って戦う。満開の代償で記憶を失った鷲尾を見て、満開には代償が必要だと気づくが、迫り来る無数のバーテックスから鷲尾を守るため、たった一人でバーテックスの大群に立ち向かった。

三ノ輪 銀 (みのわ ぎん)

神樹館に通う小学6年生の少女。陽気な性格をしたスポーツ少女で、遅刻癖があり、よく学校や待ち合わせに遅刻している。実は困っている人や動物を見ると見過ごせない世話好きな一面を持つ。そのうえ、よくトラブルに遭遇するというトラブルメーカーで、遅刻するのも大体は人助けをしているため。ただ本人は遅刻するのは自分が悪いのであって、人助けを言い訳にするつもりはまったくない。 世話好きで人懐っこい気質から多くの人に慕われている。目下のところ、弟がかわいいらしく、よく世話をしている。乃木園子からは「ミノさん」の愛称で呼ばれる。勇者に変身すると紅色の衣装に身をまとい、2振りの大斧を使って戦う。パワーと防御力に優れ、主に近接攻撃で敵と戦う。バーテックスが3体同時に襲来した際には、不意打ちで戦闘不能になった二人を退避させ、たった一人で3体のバーテックスと戦う。 激闘の末にバーテックスを撃退するが、右腕を失って仁王立ちの状態で息を引き取っている姿が、園子と鷲尾須美に発見された。

集団・組織

大赦 (たいしゃ)

人類を守る神樹を奉り、勇者の支援をする組織。鷲尾須美、乃木園子、三ノ輪銀の通う神樹館の教師など、さまざまな人間が所属しており、訓練場を用意したり、彼女達の実家に便宜を図ったりさまざまな面から勇者をサポートしている。

その他キーワード

満開 (まんかい)

勇者システムに追加された新たな力。「満開ゲージ」と呼ばれる5段階のゲージを最大まで貯める事で発動でき、一度発動すると一定時間圧倒的な力を振るう事ができる。ただし「満開」を行うには代償が必要で、力を使うたびに使用者は何らかの代償を支払う事となる。鷲尾須美は「両足の自由」と「数年間の記憶」を失い、乃木園子は「右目の視力」と「左手の自由」を失った。 ただし代償を失う事で死亡する事はなく、園子は満開の連続使用で「心臓の鼓動」を失ったが、それでもふつうに生存している。

神樹 (しんじゅ)

人類をバーテックスから守るため、神が寄り集まってできたとされる樹。バーテックス襲来の際には勇者達に力を貸し与え、町を樹海化して人類を守っている。そのため人類を守護する存在として大赦に崇め奉られている。ふだんはその姿を見る事ができないが、樹海化した際には巨大な樹が町の中央に現れる。バーテックスはこの神樹をまっすぐ目指して侵攻し、バーテックスが神樹にたどり着くと人類は滅亡するといわれている。

バーテックス

人類を滅ぼすため神樹を狙い攻めて来る異形の怪物。外の世界につながる大橋から現れ、大橋を渡り終えて、神樹にたどり着くと人類は滅亡されるとされている。一定以上のダメージを与えると「鎮花(ちんか)の儀」という儀式で撃退できる。1体1体の形が違い、襲撃の回数を重ねるごとに強力な存在へと進化している。また当初は1体ずつしか襲撃して来なかったが、複数が一度に襲い掛かって来たり、増援が時間差で現れて不意打ちを行ったり、バーテックスの戦術にも変化が現れている。

勇者 (ゆうしゃ)

バーテックスに対抗するため、神樹の力を借り受けて戦うお役目。無垢な少女しか勇者になる事ができず、現在いる勇者も全員が10代の少女となっている。勇者に選ばれた者はバーテックスが襲来した際に、スマートフォンに搭載された専用のアプリを使って変身する事で、超人的な身体能力と固有の能力や武器を振るう事が可能となる。正式名称は「勇者システム」で、「神樹」の力を大赦が科学的に取り入れ、システムとして運用している。 またシステム化しているため勇者の能力は改良する事も可能で、三ノ輪銀の死後、システムがアップデートされ、精霊や満開といった新たな能力が追加された。

精霊 (せいれい)

勇者システムに追加された新たな力。精霊はマスコット状の動物のような姿をしている。勇者をサポートする存在で、それぞれ固有の能力を持ち、乃木園子が手にした精霊である「烏天狗」は、バーテックスからの攻撃を防ぐ結界を張り、勇者達をサポートした。

樹海 (じゅかい)

バーテックスの襲来の際に、神樹が張る結界。結界内部の時間は停止し、街は巨大な樹の根のようなもので覆いつくされて保護される。また結界内部では、ふだんは目にする事ができない巨大な神樹の姿を見る事ができる。勇者にのみ専用のアプリで樹海化の警報がなされ、これは同時にバーテックスの襲来の知らせにもなっている。また樹海を長時間張り続けると、戦闘は現実世界にも何らかの形で悪影響を与えるため、勇者達はなるべく早くバーテックスを倒す事が求められる。

クレジット

原作

Project2H

原案

キャラクター原案

BUNBUN

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