Over Drive

Over Drive

自転車ロードレースに青春を賭ける篠崎ミコト達高校生の姿を描いた漫画。安田剛士は同名の読み切り作で(2001年)講談社新人漫画賞入選を受賞し、本作が初連載となった。

正式名称
Over Drive
ふりがな
おーばー どらいぶ
作者
ジャンル
自転車競技
関連商品
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概要・あらすじ

桜ヶ丘高校1年生の篠崎ミコトは内気で運動音痴な男子。中学時代から憧れていた深澤ゆきに誘われ自転車部に入部する。そこはキャプテンの深澤遥輔、副キャプテンの寺尾晃一の2人だけの部活動だった。普通の自転車にも乗れない彼だったが、「才能がある」という深澤ゆきの言葉を信じてペダルを踏むと、今までにない感覚が身体に満ちロードレースの虜になった。

同級生で屈指のクライマー・大和武を加え、4人は桜ヶ丘市民ロードレースに出場。その後、全国の強豪校と高校選抜レースに出場する。

登場人物・キャラクター

篠崎 ミコト (しのざき みこと)

小柄で華奢、髪の毛のはねた男子。初登場時は15歳。神奈川県・桜ヶ丘高校1年生。内気で運動音痴で、自転車には乗れなかった。中学時代から憧れていた同じクラスの深澤ゆきに誘われ、自転車部に入部する。キャプテンの深澤遥輔、副キャプテンの寺尾晃一に出会い、彼らがアルバイトで貯めたお金で買ったTREK1200に乗る。 トレーニングを重ね、初めて出場した桜ヶ丘市民ロードレースで山岳賞を獲得するが、トップとの時間差がつきすぎたため失格となる。その後、しばらく壁にぶつかっていたが深澤ゆきの言葉をきっかけに急成長。高校選抜レースに出場。 1チーム4人のリレー形式のレースで、当初は朝日嘉穂が決めた第3走者を務める予定であったが、深澤ゆきの策略によってアンカーとなった。 レーサーとしての脚質はスプリンター型。

深澤 遥輔 (ふかざわ ようすけ)

金髪で目が鋭く屈強な肉体の男子。初登場時は神奈川県・桜ヶ丘高校3年生で自転車部のキャプテン。脚質はスプリンターに近い回転型。傍若無人で傲岸不遜な性格。 深澤ゆきの兄。屈指の実力を持ちながらチームメイトに恵まれず「無冠の帝王」「万年2位(エターナルセカンド)」とあだ名されている。 入部してきた篠崎ミコトに対しては当初辛辣な態度を取っていたが、桜ヶ丘市民ロードレースを経てその実力を認めるようになる。恵まれた身体を持っているが、それゆえにヒルクライムを苦手としている。また幼少時は病弱だった。幼馴染の寺尾晃一がいたことが自転車を続ける理由だという。高校選抜レースでは当初予定されていたアンカーから第3走者となり、実力者達と死闘を繰り広げる。

寺尾 晃一 (てらお こういち)

短髪で柔和な顔の男子。初登場時は神奈川県 ・桜ヶ丘高校3年生で自転車部の副キャプテン。脚質はオールラウンダー。深澤遥輔は幼馴染で、彼のために自転車部を作った。アシストタイプのレーサーで、チームを活かす守備的な走りを旨としている。また、徹底的な研究と冷静な走りで「精密機械」と呼ばれていた。 しかし本来は攻撃的な走りであり、鷹田大地には深澤遥輔よりも素質は上と認められていた。高校選抜レースでは、第一走者として鷹田大地と熾烈な争いを繰り広げた。

大和 武 (やまと たけし)

眼鏡をかけたクールな雰囲気の男子。初登場時は神奈川県 ・桜ヶ丘高校1年生で篠崎ミコトのクラスメイト。初めは人と交わらずにいたが、篠崎ミコトに声をかけられ言葉を交わすようになり、その後自転車部に入部。幼少期から14歳までフランスに住んでおり、ロードレースに出会った。 父はスペイン人のロードレース王者パトリック・アンナだが、彼を憎んでいる。母は既に亡く、伯母の家で暮らしている。つねに黒いウェアを着ることからクロスケと呼ばれる。脚質はクライマー型で、上り坂には絶対的な自信を持つ。高校選抜レースでは第2走者として出場する。

深澤 ゆき (ふかざわ ゆき)

セミロングの髪の女子。初登場時は神奈川県 ・桜ヶ丘高校1年生。篠崎ミコトとは中学も一緒だった。美人だがルーズでわがまま。兄の深澤遥輔は自転車部キャプテンで、新入部員を連れて来たら小遣いをやるといわれて篠崎ミコトを誘った。その後、ロードレースに夢中になる篠崎ミコトに惹かれ始め、自転車部のマネージャーになる。 高校選抜レースでは、朝日嘉穂が決めた走順を変え、篠崎ミコトをアンカーにした。

朝日 嘉穂 (あさひ かほ)

三つ編みに眼鏡をかけた女子。初登場時は神奈川県 ・桜ヶ丘高校1年生。篠崎ミコト、深澤ゆき達のクラスメイト。朝日コンツェルンの社長令嬢で、友達付き合いが苦手。朝日コンツェルンがスポンサーを務める桜ヶ丘市民ロードレースを見に行き、篠崎ミコトを見て触発され自転車部に入部。 レーサーとして入部したはずだが、実質マネージャー役と兼務になる。また寺尾晃一が担当していた分析・研究といった戦略面も担当する。

鷹田 大地 (たかだ だいち)

左頬の傷が特徴の男子。愛知県・陸崎東高校自転車部の主将。「名門」と呼ばれる同校のエースで、高校1年生で個人全国3位、翌年優勝の実績を持ち「皇帝」の異名を持つ。深澤遥輔と何度も激戦を繰り広げている。脚質はオールラウンダーだが、元は登りを得意とするクライマー型。 徹底して無駄を無くすことを信条としており、会話をする際には、漢字二文字の熟語のみで話す。高校選抜レースでは第1走者を務め、桜ヶ丘高校の寺尾晃一と死闘を繰り広げる。

綾瀬 太郎 (あやせ たろう)

短髪の男子。初登場時は高校2年生。愛知県・陸崎東高校自転車部の部員。脚質はスプリンター型。集団には馴染まないが、鷹田大地を慕ってロードレースを続けている。高校選抜レースでは第3走者を務め、龍雲飛、深澤遥輔、北原ヨシトら各チームのエースと対戦する。

磯崎 宅 (いそざき すぐる)

眼鏡をかけた男子。初登場時は高校3年生。愛知県・陸崎東高校自転車部の部員。鷹田大地を慕って自転車部に入部。脚質はクライマー型で、抜群の肺活量と駆け引きで山登りでは日本一と言われている。高校選抜レースでは第2走者として出場し、大和武、レイチ・リベイロ・チャモとヒルクライムの激戦を繰り広げる。

ジョニー

リーゼントにサングラス男子。初登場時は高校1年生。愛知県・陸崎東高校自転車部の部員。脚質はクライマー型。自称、名門・陸崎東の「高速流れ星」。中学時代までは暴力に明け暮れて夜の街で育ったが、鷹田大地と出会って彼に一生ついていくことを決める。鷹田大地からは「肉饅」と呼ばれている。 高校選抜レースではアンカーとして篠崎ミコト達と対戦する。

北原 ヨシト (きたはら よしと)

背中に刺青のある長髪の男子。初登場時は高校2年生。北海道・日帝大附属高校自転車部のエース。「北の戦闘集団」と呼ばれた強豪である同校自転車部のエースの座を奪い取り、レギュラ―メンバーも自分の仲間である沖田清司、要剣、和歌野敬に入れ替えた。他人の走り方を盗むとされ、深澤遥輔、大和武など、タイプの異なるレーサー達の走りを完璧にトレースする能力がある。 過去に世界ジュニア選手権で優勝したが、ドーピング疑惑により優勝を剥奪された。しかし、それはある特異体質のためだった。重度のアニメオタクでいつもグッズを持ち歩いている。高校選抜レースでは当然アンカーを務めると思われていたが、第3走者として出場し周囲を驚かせた。

沖田 清司 (おきた せいじ)

初登場時は高校2年生。北海道・日帝大附属高校自転車部の部員。脚質はクライマー。北原ヨシト、和歌野敬、要剣とは幼馴染。高校選抜レースでは第1走者を務める。

和歌野 敬 (わかの たかし)

スキンヘッドの男子。初登場時は高校2年生。北海道・日帝大附属高校自転車部の部員。脚質はクライマー。北原ヨシト、沖田清司、要剣とは幼馴染。高校選抜レースでは第1走者を務める。

要 剣 (かなめ けん)

初登場時は高校2年生。北海道・日帝大附属高校自転車部の部員。北原ヨシト、沖田清司、和歌野敬とは幼馴染。高校選抜レースでは走行前に怪我をしてしまったが、このことによって北原ヨシトが驚愕の行動に出る。

龍 雲飛 (ろん うんふぇい)

長めの髪に眼鏡をかけた男子。初登場時は高校3年生。静岡県・城寶学院高校自転車部のエース。脚質はオールラウンダー。在日中国人3世で自分のルーツに悩んでいた時もあったが、居場所はサドルの上のみと考えている。圧倒的な肺活量を誇り、それ故に巨体でありながらもヒルクライムも可能である。 高校選抜レースでは第3走者として深瀬遥輔、北原ヨシトと熱戦を繰り広げた。

サラ・グールヴィッチ

ウクライナ出身。静岡県・城寶学院高校に留学し、龍雲飛に誘われて自転車部に入った。高校選抜レースでは第1走者を務める。

レイチ・リベイロ・チャモ

ドレッドヘアに褐色の肌の男子。静岡県・城寶学院高校の自転車部員。脚質はクライマー。極貧のなかで成長し、ロードレースは金を稼ぐ手段と考え、勝つためなら手段を選ばない。実力は高く大和武と私的に山登りを争って勝利している。高校選抜レースでは第2走者として出場する。

平柳 純 (ひらやなぎ じゅん)

銀髪が特徴の男子。初登場時は高校1年生で静岡県・城寶学院高校の自転車部員。脚質はスプリンター型。幼い頃は入退院を繰り返していた。またリストカットの跡がある。篠崎ミコトと仲良くなり、高校選抜レースではお互いアンカーとして出場した。

兵藤 直人 (ひょうどう なおと)

染めた長髪の男性。女好きで金好きで派手な性格だが、日本人の若手ではナンバーワンのロードレーサー。元はオランダのクラブチームに所属していたが、現在はフリー。大阪弁で話す。桜ヶ丘市民ロードレースに出場し深澤遥輔、大和武、篠崎ミコトと激戦を繰り広げる。その後篠崎ミコトの走りに注目し、彼を「ミコちん」と呼んで憎まれ口を叩きながらもアドバイスを送る。 高校選抜レースでは、何故か第3走者と一緒に走り出した。

パトリック・アンナ

大和武の父親。スペイン人でロードレースのクラシックレースで活躍するロードレーサー。非情で数々の問題を起こしているが、母国では英雄扱いされており、警察が容易に手が出せないほどの存在。大和アコが勝手に大和武を産んだことを怒っている。

大和 アコ (やまと あこ)

ショートヘアーの女性。大和武の母親。本編開始時は故人で、大和武の回想に登場する。静岡の旧家の出身で18歳の時、海外留学中をしたが、その際にパトリック・アンナと知り合って妊娠。彼には知らせず帰国して一人で産むことを決意して帰国したが、実家を追い出され、道路工事のアルバイトなどで生活しながら武を出産する。 その後、フランスに渡った。

倉田 真紀 (くらた まき)

黒髪の女子。 桜ヶ丘市民レースを寺尾隆信の車に乗って、深澤ゆき、鈴木雪子と共に観戦した。高校選抜レースでも鈴木雪子と共に応援する。

鈴木 雪子 (すずき ゆきこ)

黒髪の女子。 桜ヶ丘市民レースを寺尾隆信の車に乗って、深澤ゆき、倉田真紀と共に観戦した。高校選抜レースでも倉田真紀と共に応援。桜ヶ丘高校第1走者の寺尾晃一の姿を見て泣き崩れた。

寺尾 隆信 (てらお たかのぶ)

無精髭を生やした男性41歳。咥え煙草姿が多い。寺尾晃一の父でサイクルショップ寺尾の店長。桜ヶ丘高校自転車部のアドバイザー・サポーターの役を担う。妻とは離婚している。

氷室 カズシ (ひむろ かずし)

髭を生やした男性ロードレーサー。桜ヶ丘市民レースに出場する。前回山岳賞を獲った登坂スペシャリスト。白のユニフォームを好んで着る。自らを「哲学者」と呼び、走りながら大和武達と問答をする。

日野 統治 (ひの とうじ)

北海道・日帝大附属高校自転車部のエースでインターハイ団体連続優勝の立役者。「人喰い」とあだ名される強豪だが、北原ヨシトの出現により高校選抜レースでは補欠になっている。

宮内 渉 (みやうち わたる)

長い黒髪の男子。桜ヶ丘高校に在学しているが長期入院中。深澤遥輔、寺尾晃一と共に自転車部員だったが、難病に侵されている。深澤遥輔からは「5人目のメンバー」と呼ばれる。

黒鉄 神 (くろがね じん)

杖をつき、長い髭をたくわえた老人。日本ロードレース連盟所属育成担当理事。権力を利用し、あくどいことをしていると噂される。日本で最もツール・ド・フランスにこだわっているといわれる。世界の舞台に立つ日本人の育成を目指して高校選抜レースを主催。深澤遥輔、鷹田大地、北原ヨシト、篠崎ミコトらの走りを見守る。

黒鉄 観音 (くろがね かのん)

染めたロングヘアの女性。黒鉄神の孫。管理栄養士、インストラクター、マッサーとしての顔を持つが、選手の才覚を見抜くことに優れている。日本人が世界で闘うためには科学的な根拠と研究が必要との考えを持っている。守り方の走りをする寺尾晃一の本来の力や、北原ヨシトの特異体質に注目する。

井沢 (いざわ)

長髪でヤンキー風の男子。篠崎ミコトを「パシリ1号」と呼んでいじめていた。高校選抜レースでは密かに深澤ゆきに頼まれ、ある役割を果たそうとする。

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