ごっちゃんです!!

ごっちゃんです!!

酒屋の息子・後藤秀輝(ごっちゃん)は「ごっちゃんです」が口癖で、誤解をきっかけに高田川高校相撲部にスカウトされる。相撲経験のまったくないごっちゃんは、やがて相撲の魅力に取りつかれ、高校相撲全国大会制覇へと挑む。基本的にはギャグ漫画だが、相撲の競技描写はしっかりとしており、真面目なスポ根漫画としての側面も持つ。

正式名称
ごっちゃんです!!
ふりがな
ごっちゃんです
作者
ジャンル
相撲
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概要・あらすじ

実績もあり、古豪と呼ばれている高田川高校相撲部は、相撲人気そのものの低迷もあって廃部を危惧される状況にあった。ライバルである甲山工業高校相撲部に「大相撲の関脇の息子が入部した」と聞いた槐弘美は、対抗して「大関の息子」を入部させようとする。その「大関の息子」として、誤解されてスカウトされたのが、相撲経験のまったくない後藤秀輝(ごっちゃん)であった。

素人とはいえ並外れた怪力の持ち主であるごっちゃんは、やがて相撲の魅力に取りつかれ、他の部員たちとインターハイ優勝を目指す。

登場人物・キャラクター

後藤 秀輝 (ごとう ひでき)

高田川高校の相撲部に所属している1年生の男子。身長150センチ、体重60キロ。「ごっちゃんです」が口癖で、周囲には「ごっちゃん」と呼ばれており、本名で呼ばれることは滅多にない。相撲経験はまったくないが、看板に「大関」と書いてある酒屋の息子のため相撲経験者と勘違いされ、相撲部に勧誘された。いつも重いビールケースを運んでいた経験から、「物を釣り上げる力」だけは人並み外れている。 体が小さく体重も軽い力士としては不向きな体格ながら、新しい技を貪欲に吸収する前向きな姿勢を持ち、力士としてのポテンシャルは高く負けん気も強い。性格は横暴で目立ちたがり屋、異常なまでの自信家でもあり、植田アキラをはじめとする部の仲間たちはかなり手を焼いている。

川島 達也 (かわしま たつや)

甲山工業高校の相撲部に所属している1年生の男子。身長170センチ、体重76キロ。後藤秀輝(ごっちゃん)とは互いにライバルと認め合う関係。元大相撲関脇・龍ヶ崎の実子であり、父親が師匠をしている部屋に出入りし、現役の大相撲力士と稽古をしている。才能と環境に恵まれただけでなく、努力も惜しまない完全無欠のエリートで、どんな相手に対しても慢心したり、油断したりすることがない。 性格も紳士的だが、愛する相撲を馬鹿にする人間に対してだけは静かな怒りを示す。

植田 アキラ (うえだ あきら)

高田川高校の相撲部に所属している2年生の男子。酒屋の息子の後藤秀輝を「大相撲の大関の息子」だと勘違いして相撲部にスカウトした人物であり、面倒見の良い先輩でもある。もともとは野球をやっていて、相撲部には数合わせで強引に入部させられたが、その割には熱心に相撲に打ち込んでいる。とはいえその実力は凡庸である。

泉 純太 (いずみ じゅんた)

高田川高校の相撲部に所属している2年生の男子。身長170センチ、体重110キロ。後藤秀輝(ごっちゃん)の先輩ながらごっちゃんと仲が良く、植田アキラも含めた3人でよくつるんでいる。気弱で勝負事の嫌いな性格だが、太っているというだけの理由で相撲部に強引に入部させられた。のちに、ごっちゃん以上の天才的なポテンシャルの持ち主であることが発覚する。

北嶋 健二 (きたじま けんじ)

高田川高校の相撲部に所属して、部長も務めている3年生の男子。身長185センチ、体重145キロ。強力な押し相撲を得意としており、高校相撲界の巨頭の1人と目され、「鉄人」のあだ名を持つ。沈着冷静かつ頭脳明晰な人物で、当初「大相撲の大関の息子」だと誤解されていた後藤秀輝が、実はずぶの素人であることを最も早く見抜いた。

槐 弘美 (さいかち ひろみ)

高田川高校の相撲部に所属している2年生の男子。身長185センチ、体重155キロ。植田アキラに「大関の息子をスカウトしてこい」という無茶な要求をし、後藤秀輝が相撲部に入部するきっかけを作った人物。相撲向きの素晴らしい肉体を持ち、6歳の頃から誰に強いられるでもなく自ら相撲の練習に取り組んでいた。「怪物」の異名を持つ、高校相撲界の巨頭の1人。 しかしとてつもなく頭が悪く、それが相撲の試合にも出てしまう弱点がある。

伊藤 秀郎 (いとう ひでろう)

高田川高校の相撲部に所属している3年生の男子。身長172センチ、体重73キロ。力士にしては軽量だが、テクニックに優れたなかなかの実力者で「職人」の異名を持つ。鼻を折る大怪我をしたにも関わらず、プロテクターをつけて稽古の土俵に上がるなど、相撲を心から愛している。

杉山 貴 (すぎやま たかし)

甲山工業高校の相撲部に所属して、主将を務めている3年生の男子。身長180センチ、体重112キロ。電光石火の速攻相撲を得意とすることから、「サンダー」の異名を持つ。高校相撲界の巨頭の1人であり、北嶋健二、槐弘美とは古くからの顔なじみだが、彼ら2人に比べるとやや実力で見劣りする。

安達 明信 (あだち あきのぶ)

甲山工業高校の相撲部に所属している1年生の男子。身長183センチ、体重126キロ。中学相撲で高い実績を挙げ、名門甲山工業高校相撲部に入部したエリート。力士としての実力は確かだが、口が悪く、スピーツマンシップに欠けている。インターハイで泉純太と対戦した際、秘めたるポテンシャルを覚醒させた純太の怒涛のぶちかましを顔面にもろに受けてしまい、顔の骨が陥没するほどの大怪我を負って、「痛み負け」(レフェリーストップ)で敗退となる。

細井 (ほそい)

湊商業高校の相撲部に所属している男子。体重185キロ。相撲部に入って2週間でいきなりインターハイに出場させられ、デビュー戦で後藤秀輝(ごっちゃん)と対戦することになる。しかし戦意のかけらもなく、こともあろうかいきなり背を向けて土俵から逃げ出そうとしたところを、ごっちゃんの「釣り」によって引き留められた。巨体ゆえに釣り技を食らうことはなかったが、結局勝負には敗れている。

蘭堂 ヨシヲ (らんどう よしを)

高田川高校の相撲部OB。顧問の存在しない相撲部にちょくちょく顔を出し、部員に稽古をつけたり、引率役を務めたりしている。後藤秀輝(ごっちゃん)の釣り技を食らって投げられたことがあり、その実力を認め、その後はごっちゃんに「猫だまし」を伝授するなど、師匠のような役割も果たしている。

その他キーワード

釣り落とし (つりおとし)

後藤秀輝(ごっちゃん)の得意技であり、唯一にして最大の決め技。相手の前みつ(まわしの正面部分)を取って、そのまま持ち上げた後、相手を地面にたたきつける。ごっちゃんが完璧に決めた時の釣り落としは相手を真後ろに投げ落とすというもので、プロレスのバックドロップと見まごうほどの大技。

猫騙し (ねこだまし)

相手の前で両手をぱちんと叩いて音を出し、相手を一瞬ひるませる技。釣り落とし以外の技を持たない後藤秀輝(ごっちゃん)に蘭堂ヨシヲが秘策として授けた。ごっちゃんは川島達也との初対決に時に猫騙しを用い、からくも勝利を収めている。

川島スペシャル (かわしますぺしゃる)

川島達也の得意技。相手の頭を掴んでの上手投げ。決まり手としてはただの上手投げだが、現実の大相撲ではかつて大横綱の千代の富士がこの上手投げを得意としており、「ウルフスペシャル」と呼ばれていた。「川島スペシャル」という名はそれに由来する。

人方屋 (ひとかたや)

相撲にまだ土俵が導入されていなかった頃、相撲は人々が円陣を組み、その中で相撲を取って人垣の中に押し込まれたものが負け、というルールであったと言われている。周囲の人垣、転じてこのルールのことを人方屋と言うが、作中では、「人方屋の中に押し込まれても土俵に戻され、どちらかが力尽きて倒れるまで延々と相撲を取り続けさせる」という稽古のスタイルを意味している。

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