へうげもの

へうげもの

群雄割拠の戦国時代を舞台に、数奇者の武将・古田織部が出世欲と物欲に突き動かされながら、己の数寄の道を模索していく姿を描く歴史漫画。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(2009年)、第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞(2010年)。

正式名称
へうげもの
ふりがな
へうげもの
作者
ジャンル
戦国
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概要・あらすじ

時は戦国乱世。織田信長が今まさに天下を獲らんとするその陰で、茶の湯と物欲に魂を奪われたひとりの武将がいた。のちに数奇者として天下に名を轟かせる古田左介(後の古田織部)である。出世欲と物欲、ふたつの「欲」の間で左介が葛藤と悶絶を繰り返す日々の中、時代は大きく揺れ動く。やがて左介は数奇者としての天下獲りを決意。

己だけの数寄道を追求するへうげものへの道をひた走っていく。

登場人物・キャラクター

古田 左介 (ふるた さすけ)

茶の湯と物欲に血道を上げる戦国武将。普段は明るく快活で穏やかだが、数寄の名物には異常ともいえる執着を見せ、狡猾で抜け目なく、野心的な一面を発揮。見初めた名物をかすめ取ろうとしたり、他人の弱みにつけ込んで手に入れようとしたりなど、数寄のためなら手段を選ばない。戦働きはあまり得意ではないが、主君である織田信長や羽柴秀吉からは独特の数寄のセンスを認められ、一目置かれている。 師である千利休に学んで「わび」の魅力に目覚めていくが、やがて師とは異なる数寄の道を追求するようになり、やがて一流の茶人として世に名が知られるようになっていく。同時代の実在人物・古田重然がモデルとなっている。

織田 信長 (おだ のぶなが)

時の将軍である足利義昭を奉じて上洛し、一躍天下人となった戦国大名。豪華絢爛な芸術文化を好んでおり、南蛮の服やマント、さらに耳にはピアスを付けている。独自の美意識は、古田左介をはじめとする多くの数寄者に影響を与えた。政治や戦においては天才的な手腕を発揮するが、短気で癇が強く、近しい家来も深遠な思考を汲み取れず、敵だけでなく味方からも畏怖される対象。 同時代の実在人物・織田信長がモデルとなっている。

羽柴 秀吉 (はしば ひでよし)

農民の身分から立身出世を果たした織田信長の腹心の部下。見た目は愛嬌のある小男だが、戦国武将として非常に明晰な頭脳と洞察力、そして狡猾さと野心を合わせ持つ。主君である信長を自らの手で暗殺。謀反を企てていた明智光秀にすべての罪を着せて誅殺し、天下人となった。 低い身分から成り上がったためか、数寄に対する感性は鈍く、黄金を使った派手な装飾を好む。そのため、わびを第一とする筆頭茶頭の千利休との間に軋轢が生じていく。計算高く猜疑心の強い秀吉だが、古い付き合いで忠義に厚い古田左介には心を許しているようである。同時代の実在人物・豊臣秀吉がモデルとなっている。

千利休 (せんのりきゅう)

天下人となった豊臣秀吉の筆頭茶頭を務める稀代のである茶人にして数寄者。徹底して虚飾を廃して簡素を極めたわびを至上の美としている。古田左介をはじめとする多くの戦国武将を弟子として抱えており、ストイックにわびを追求する姿勢からついた異名は茶聖。無欲な求道者のように見えるが実は野心家であり、わびで国中を染めた理想国家の成立を大望としている。 そのために、自分の主である秀吉に織田信長の暗殺を持ちかけるなど、戦国の世の陰で暗躍した。同時代の実在人物・千利休がモデルとなっている。

明智 光秀 (あけち みつひで)

織田信長に仕える重臣のひとり。信長の命令に従い、松永久秀や荒木村重討伐、石山本願寺攻めといった数々の戦で功績を建てた。無欲で民のことを第一に考える人格者で、数寄にも秀でており、特に素朴なわびを好む。そのため豪華絢爛できらびやかな文化を好む信長とはそりがあわない。 野心の赴くままに海外まで征服の手を伸ばそうとする信長を危険視し、太平の世を作るため謀反を決意する。同時代の実在人物・明智光秀がモデルとなっている。

石田 三成

豊臣秀吉の側近。主君に対する忠誠心は厚いが融通が利かず、人の情を解しない冷徹な性格であるため、家中の者たちからも嫌われている。豊臣家の繁栄を第一に考え、その障害となるものは徹底的に排除。同時代の実在人物・石田三成がモデルとなっている。

徳川 家康

三河国を治める戦国大名。質実剛健と質素倹約を信条とし、家臣や領民に対して思いやりを持って接する名君。しかし、生真面目すぎて融通が利かないきらいがあり、数寄に夢中になる数寄者の武将たちを毛嫌いしている。そのため、古田織部による贅を尽くした接待には不快感を示したが、歳を経て様々な経験を重ねてからは、数寄にもある程度の理解を示すようになった。 同時代の実在人物・徳川家康がモデルとなっている。

細川 忠興

『へうげもの』の登場人物で、古田織部と同様に千利休の弟子のひとり。血の気が多く直情径行のためか、数寄に対する理解も度を超してストレートである。愛嬌のある顔立ちに反して武闘派。同時代の実在人物・細川忠興がモデルとなっている。

高山 右近

古田左介の妹を娶っており、左介にとっては気心の知れた義弟にあたる。千利休の弟子のひとりで、戦国時代においてはキリシタン大名として名が知られていた。そのため南蛮文化に造詣が深く、身の回りの調度品も舶来の品々で統一されている。同時代の実在人物・高山右近がモデルとなっている。

蒲生 氏郷

古田織部と同様に、千利休の弟子のひとり。数寄仲間の高山右近ほど南蛮文化にかぶれてはいないが、彼もまたキリシタン大名として名が知られていた。織田信長の娘婿ということもあり、信長の死後も強い敬愛の念を示している。領地争いをしている伊達政宗とは犬猿の仲。 同時代の実在人物・蒲生氏郷がモデルとなっている。

織田 有楽斎 (おだ うらくさい)

織田信長と年齢が13歳離れた弟。兄同様に華やかな文化を愛する数寄者で、異国情緒あふれるターバンを巻いたり、きらびやかなアクセサリーを身につけたりなど、身だしなみに気を遣う伊達男。飄々として軽薄に見えるが頭脳明晰+Z392で、戦国時代の荒波を要領よく渡っていく。古田左介とは若い頃から気心が知れた間柄で、数寄を巡るライバル同士。 同時代の実在人物・織田有楽斎がモデルとなっている。

加藤 清正

豊臣秀吉子飼いの戦国武将。虎柄の着物を身に付けたり、物事を虎に例えて話りたりなど、虎をこよなく愛している。同時代の実在人物・加藤清正がモデル。また、独特のアフロヘアや「ちょっちゅね」という口癖、 ボクシングを模したフットワークなど、元プロボクサーの具志堅用高もモデルとなっていることを窺わせる。

福島 正則

豊臣秀吉子飼いの戦国武将。加藤清正とともに北野大茶湯の門番を務めた。戦場で武勲を立てて現在の地位を手に入れた武闘派で、気性が荒い。また酒癖が悪く、それがもとでたびたびトラブルを引き起こした。同時代の実在人物・福島正則がモデルとなっている。

伊達 政宗

奥羽を治める隻眼の戦国大名。「Date」と「Dragon」の頭文字である「D」の刺繍が入った眼帯を身に付けている。東北の田舎者であるため、上方の大名になめられないよう、独自の美意識に基づいた振る舞いを心がけている人物。その美意識は、歌舞伎役者のような「見得」や、特徴的な話し方に表れている。 数寄に対する憧れが強く、その道の大家である千利休への弟子入りを熱望し。豊臣秀吉による小田原城攻めの際に古田織部に出会い、後に弟子となった。同時代の実在人物・伊達政宗がモデルとなっている。

アニメ

へうげもの

織田信長の家臣として仕えながらも、戦での武勲より茶の湯や茶道具に入れ込む武人・古田佐助(後の古田織部)。だが、その数寄者ぶりゆえの行動が縁となり千利休の弟子となったことで、彼は戦国乱世の激動の渦中に関... 関連ページ:へうげもの

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