華と修羅

華と修羅

大正時代を舞台に、名門華族唐房家の三男・慎太郎が、家督を巡って長兄新、次兄美彦らと骨肉の争いを繰り広げ、苦悩しながらも成長していく作品。

正式名称
華と修羅
ふりがな
はなとしゅら
原作者
谷本和弘
作者
ジャンル
時代劇
 
その他歴史・時代
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概要・あらすじ

時は大正時代。政界・財界を牛耳る華族の中でも、名門と謳われた唐房家。その三男慎太郎は優しく誠実な青年。しかし妾腹であることから、父や長兄、次兄美彦に対して一歩引いたところがあった。ある日、当主・毅は家督を3人の息子のうちいずれかに譲ることを宣言する。そのためには唐房家を支える5人の評議員のうち、3人の推薦状が必要とされていた。

この推薦状を得るために、慎太郎達の間に骨肉の争いが繰り広げられる。

登場人物・キャラクター

唐房 慎太郎 (からふさ しんたろう)

初登場時20歳の青年。名門華族・唐房家の三男。誠実で優しく、唐房家の使用人達からの信頼は厚い。妾腹であることから、父毅や長兄新、次兄美彦に対して一歩引いたところがあったが、ある出来事から唐房家の家督を継ぐことを目指す。新興華族・貴島家の令嬢百合子と出会いお互い惹かれ合うが、彼女は新や美彦からも将来の伴侶として狙われ、何度もその仲を引き裂かれそうになる。 国の将来を考え、華族制度自体に疑問を持つが、その理想のため様々な摩擦も引き起こす。

唐房 新 (からふさ あらた)

初登場時25歳。名門華族・唐房家の長男。丸眼鏡をかけオールバックの髪で整った容姿だが、その眼は冷酷な光を帯びている。当主の父・毅が進める教育産業の一翼を担いその手腕を発揮している。常に冷静な態度だが、陰では欲しいものを手に入れるために手段を問わない残酷さを持ち合わせている。当主の座を次男美彦、三男慎太郎と争うことになると慎太郎を危険視し、愛人関係にある侍女の真知子等を使って陥れようとする。

唐房 美彦 (からふさ よしひこ)

初登場時22歳。名門華族・唐房家の次男。肥満体で粗暴な性格。無類の女好きで目をつけた侍女を次々に抱くなど見境が無い。また財産に対しても異常な執着を見せる。当主の座を兄新、弟慎太郎と争うことになると、家督を継ぐために必要な評議員の推薦状を得ようと策略を重ねる。

唐房 毅 (からふさ こわし)

名門華族・唐房家の当主。爵位は侯爵。日露戦争で戦功を上げ、また教育産業を立ち上げ軌道に乗せるなど家の繁栄の基礎を築いた。厳格で一見冷酷だが、国のために尽力することを華族の第一の務めと考えている。家督を新、美彦、慎太郎の3人の息子の中から選ぶと華族に伝えるが、何者かに毒を盛られ倒れる。

唐房 清音 (からふさ きよね)

名門華族・唐房家の当主毅の妻。新、美彦の実母。華族の一員であることに強い誇りを持ち、使用人や平民を低く見ている。妾腹の三男慎太郎を疎んじ、夫の毅が家督を3人の息子の中から選ぶと伝えると激しく反発した。

荒井 真知子 (あらい まちこ)

名門華族・唐房家に使われる若い女中。唐房家三男の慎太郎を密かに慕っているが、一方で長兄の新と肉体関係を結んでいる。慎太郎に信頼され彼とお互いに想い合う百合子との連絡役を頼まれるが、激しく心を乱す。その心情を新に利用されることになる。

タエ

名門華族・唐房家に使われる中年の女中。唐房家三男の慎太郎をこよなく可愛がっている。一方で当主毅の妻・清音からは冷たく扱われている。毅の教育事業に恨みを持つ暴漢が猟銃を持って唐房家に押し入った際、人質となった。

真壁 司 (まかべ つかさ)

スキンヘッドで逞しい身体の中年男性。名門華族・唐房家を支える5人の評議員の1人。当主毅が毒を盛られて倒れた後、唐房家三男の慎太郎の能力を見込んで、彼に跡継ぎとして立候補するよう説得する。折に触れ慎太郎を援助するが、後に長兄の新に弱みを握られてしまう。

古市 虎雄 (ふるいち とらお)

長い白髭をたくわえた老人。名門華族・唐房家を支える5人の評議員の筆頭格で、自らも男爵の爵位を持つ。唐房家の当主毅からは「虎爺」と呼ばれ信頼されている。毅が毒を盛られて倒れた後、彼から後継者の選定を託される。

平賀 正巳 (ひらが まさみ)

ちょび髭を生やし眼鏡をかけた中年男性。名門華族・唐房家を支える5人の評議員の1人。唐房家の家督は長男の新が継ぐことが当然と考えていたが、後に次男の美彦と結託する。

関 薫 (せき かおる)

名門華族・唐房家を支える5人の評議員の1人。爵位は男爵。フランスで万国飛行免状を取得し、飛行機の操縦・設計・製作に長けている。妻なつを事故で亡くし傷心の状態だった所を新につけこまれるが、慎太郎の身を挺した説得で自分を取り戻す。

九鬼 (くき)

無精髭を生やした中年男性。名門華族・唐房家を支える5人の評議員の1人だが、長らく姿を消していた。かつて唐房家当主の妻・清音と愛し合う関係だった。唐房家の家督相続争いが起きると、密かに慎太郎の前に姿を現す。

貴島 百合子 (きじま ゆりこ)

新興華族・貴島家の令嬢。雑誌に取り上げられるほどの美貌の持ち主。唐房家の三男慎太郎と恋に落ちるが、長兄新、次兄美彦からも伴侶として目をつけられる。唐房家の家督相続争いや政略結婚を目論む父貴島隆三の思惑に翻弄されるが、一途に慎太郎を想う。

貴島 隆三 (きじま りゅうぞう)

新興華族・貴島家の当主で爵位は子爵。唐房家の当主・毅の友人。政治活動に熱心で、娘百合子を政略結婚させようと目論んでいる。

クレジット

原作

谷本和弘

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