ペット

ペット

中国系マフィアに所属する、記憶操作能力者・ペット達の戦いと葛藤を描いたサイキックSF漫画。それまで『ぶっせん』や『北極警備隊』などギャグ漫画を描いていた三宅乱丈が挑んだ初の連載ストーリー漫画。

正式名称
ペット
ふりがな
ぺっと
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
バトル
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概要・あらすじ

人はその人を支える幸福な記憶・通称「ヤマ」と自らを苛む記憶・通称「タニ」を持ち、それはどちらを失っても人として生きていけないほど大切なものである。明るく奔放な少年・ヒロキは他人の意識に入りこんで人の記憶を操作する能力を持っており、その力を使って親友で恩人でもあると共に中国系マフィアの下で働いていた。

ある時は会社の命令により、自分に「ヤマ」を与えてくれたヤマ親であるを自らもろとも潰してしまう。ヒロキの力によりなんとか復活するものの、しばらくの休養を余儀なくされた。の看病に付きっきりだったヒロキは、仕事が終わったあと栄養失調で倒れて病院へと搬送され、と遭遇、が彼を潰したことを知って逃亡してしまう。

自らのヤマ親を潰したのことを信じられなくなるヒロキ。一方は自らの望みを叶えるために、着々と策を進めていくのだった。

登場人物・キャラクター

ヒロキ

中国系マフィア・会社に所属する明るく奔放な性格の少年。司のペットであり、彼のために記憶操作能力を振るっている。ヤマ親の司に深く依存しているが、彼が自分のヤマ親の林を廃人に追いやったと知った時など、司の行動に疑問を抱く。ペットとして強い力を持っており、林に匹敵すると言われている。 他人の意識に潜り込む際には金魚をイメージとして使用。ホテル暮らししか経験していないため、普通の人間の生活に慣れておらず、情緒不安定気味。基本的に司の言うことしか聞かずに、上司である桂木にも反抗的である。

(つかさ)

中国系マフィア・会社の社員であり、ヒロキに「ヤマ」を分け与えたヤマ親。冷静で頭の回転が速く、目的の為には非情になれる性格。幼いころ臓器売買用として会社に置かれていたが、林により記憶操作の才能を見出されて彼の下で育てられる。ヤマ親の林のことを強く慕っており、それゆえ過去に林が自分ではなく悟を選んだことが深い傷となっている。 また、彼にとっての「タニ」は、「会社に従え」と自分に教えてきた林が会社から逃亡したと知った時の記憶である。臓器売買用としか見られなかった幼児体験によって、承認欲求がかなり強い。会社からの指令で林を廃人に追い込み、自らのペット・ヒロキと共に生きるため道を模索するも、自分の思い通りにいかないヒロキとの擦れ違いを起こしてしまう。 使用するイメージは水。

(さとる)

中国系マフィア・会社に所属するペットの青年。幼いころ会社に所属する林により記憶操作能力の才能を見出されるが、そのせいで家族を会社に殺されてしまう。そのことに責任を感じた林に育てられて成長する。年下のヒロキに対しても敬語で話す。使用するイメージは、林からイメージを貰う前にずっと見ていたテレビアニメに登場するどこにでも行けるドアであり、『ドラえもん』に登場するどこでもドアでないかと思われる。

(はやし)

中国系マフィア・会社の元社員であり、司や悟に「ヤマ」を分け与えた記憶操作能力者。風をイメージとして使用する強力な能力者。会社にとって都合のいい存在であるベビー作りに反対して逃亡、2年の潜伏期間を経て悟も逃亡させるために行動を起こしたが、司により「ヤマ」を破壊されて廃人にさせられてしまう。 自分が悟の才能に気が付いてしまったがために、彼の家族が会社に殺されたことを後悔していた。

桂木 (かつらぎ)

中国系マフィア・会社の社員。メガネをかけた中年の男性で、傲慢な性格。また仕事も雑であり、司やロンにそのことを指摘されている。以前は司をペットとして扱っていたが、今では立場を逆転されてしまった。会社には極めて忠実だが、実際には記憶操作能力者によって社長を絶対信用するように頭を弄られている。 かなりのヘビースモーカー。

社長 (しゃちょう)

中国系マフィアの社長であり、ペットを使って勢力の拡大を図っている。中国系記憶操作能力者・気功術師のボスだった父親は部下に裏切られて死亡。それ故に非常に用心深く、林や司などの 記憶操作能力者を扱う際には人質を取っている。

ロン

中国系マフィアの社長の甥っ子であり、組織の幹部となっている男性。イメージを持たない潰し屋だが、ベビーのメイリンを使役することで他人の記憶を操作することが出来る。

ジン

中国系マフィア会社・社長の姪であり、会社の社員。豊満な肉体の美女だが、物事のうわずみしか見ていないとロンから叱責されることが多い。24歳という若年故、感情に流されて行動することもある。

メイリン

記憶操作能力者の林によって、「ヤマ」のイメージを与えられたものの、鍵の作り方を教わらなかったために精神的に非常に不安定な少女。会社にとって使いやすい存在であり、ペットと比較してベビーと呼ばれる。使用するイメージはチョウ。

その他キーワード

「ヤマ」と「タニ」 (やまとたに)

『ペット』に登場する用語。その人を支え続ける幸福な記憶を「ヤマ」、その人を苛む辛い記憶を「タニ」と呼び、人にとって両方とも無くてはならないものである。どちらかの記憶が潰されてしまうと、その人間はまるで廃人のようになってしまう。

ペット

『ペット』に登場する用語。会社内で使われる隠語であり、会社に囲われたイメージを持つ記憶操作能力者のことを指す蔑称。幼い頃の司を林が常に連れ歩いていたことからこう呼ばれる。

ベビー

『ペット』に登場する用語。通常壊れやすい「ヤマ」は「タニ」によって囲む、鍵と呼ばれる方法で保護するが、あえて「ヤマ」だけを与えて鍵を作らせないことで、管理しやすくした存在のこと。ペットと比較してこう呼ばれる。

ヤマ親 (やまおや)

『ペット』に登場する用語。「ヤマ」も「タニ」も持たない人に、自分の「ヤマ」を分け与えた人を指す。分け与えられた方にとっては、自分に世界を与えてくれたに等しい存在であり、敬愛の対象となる。司や悟にとって林がそうであるように、ヒロキにとっては司がヤマ親である。

潰し屋 (つぶしや)

『ペット』に登場する用語。人の大切な記憶「ヤマ」や「タニ」をひっかき回して、人格を潰して廃人に追いやるプロのことを指す。イメージを持たなくとも他人を潰すことは可能であるが、記憶の操作もできるペットとは区別されている。

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