カタリベ

カタリベ

南北朝時代、王の血を引く御曹司と呼ばれる明人の少年は、その血筋のせいで争いが起こり、多くの犠牲を出してしまう。絶望の淵で海の守り神と出会った少年は、犠牲者を生き返らせる契約を結ぶ。彼が争いの絶えない厳しい海で生き抜いてゆく姿を描く。短い作品ながら、壮大なスケールで物語が展開する伝奇歴史活劇。

正式名称
カタリベ
ふりがな
かたりべ
作者
ジャンル
アドベンチャー
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概要・あらすじ

時は乱世の続く南北朝時代。王家の血を引く御曹司と呼ばれる明人の少年は自分の誤った行動で多くの村人を倭寇の犠牲にしてしまった。絶望の淵で海の守り神バハンと出会った少年は、自分が生き残ることで死者を生き返らせる契約を結ぶ。海賊マエカワの一行に加わった少年はカタリベと名付けられ、倭寇、海賊、明人、日本人、鬼師、幕府軍と様々に入り乱れ覇権を争う厳しい海で生き抜いてゆくことを決意する。

登場人物・キャラクター

御曹司 (おんぞうし)

明人の少年。現皇帝に倒された豪族の成れの果てである九姓漁戸(きゅうせいぎょこ)の民と暮らしていた。彼らの王の血を引くと言われており、現帝国打倒のための旗頭として大事にされてきた。住んでいた島を倭寇たちに襲われ、動乱の渦中へと放り込まれた。名前を持っていなかったが、海賊マエカワにカタリベと名付けられた。 常に厳しい命の取り合いが繰り広げられる動乱の海に身を投じ、戸惑い苦悩しながらも強く成長してゆく。

バハン

海の守り神として人間から畏怖されている存在。人語を話すが、厚い衣装をまとい仮面を付け、その実体は煙のような異形である。自在に空を飛び、どこにでも出現する。自らの行動で多くの犠牲を出してしまい生きる気力を失った御曹司の前に現れ、半年生き延びるごとに1人、御曹司の望む死者を生き返らせてやろうと約束した。 日本人からは「八幡神」と呼ばれ敬われている。

三つ目 (みつめ)

明人。額に目の刺青を入れているのが呼び名の由来。己の気分次第と金のためなら誰とでも手を組む非道な海の商人。右腕・左脚が欠けている。倭寇たちをそそのかして九姓漁戸の島を襲わせ、御曹司たちを捕らえ、日本へと売り飛ばそうとする。

紅鶴 (こうかく)

明人。美しい若き女性だが薙刀の使い手で、怒ると手が付けられず何十人もを一時に皆殺しできるほどの腕前と冷酷さを持つ。三つ目と手を組んで兵を率い、日本と中国の間の外海で権勢をふるっている。

マエカワ

日本人の男性。南北朝のどちらにも属さず、己の名声を轟かせるために少数精鋭で暴れ回る海賊の首領。侍は殺すが庶民には手を出さない。過去に海の守り神バハンに命を拾われ、それ以来己の好きなように自由に生きている。御曹司を救い仲間にした。名前を持たない彼に「生き延びて海賊マエカワの活躍を語り継ぐべし」という意味を込めてカタリベと名付けた。

吏英 (りえ)

瀬戸内海の豪族村上水軍の首領の娘。政治的なしがらみの多い瀬戸内海を退屈に感じ、船で外海に出ている勝ち気で破天荒な少女。動きやすいように長髪を大きなリボンのような布でまとめている。海賊マエカワやカタリベたちと出会い、その自由な生き様に強く共感する。

(すなお)

九州の肥前松浦党の大将。鋭い目つきで筋骨隆々とした男性。南朝についており、明から武器を輸送している。海賊マエカワたちの強襲を受けて闘い、カタリベに傷を負わされた。

胡蝶 (こちょう)

小さな島で日本人街を統率している女性。巫女のような姿をしており、鬼師によって「鬼」にされてしまった人間にわずかに残った人の心を呼び起こす能力を持つ。この島は「鬼」たちを療養させ、人間性を回復させるための施設である。争いが御法度のこの島は、様々な勢力が訪れる休息地ともなっている。胡蝶は戦乱に疲れた多くの人々から畏敬を集めている。

集団・組織

鬼師 (おにし)

『カタリベ』に登場する集団。自我の崩壊した人間たちに人肉を与え飼い慣らし、戦力として用いる外道の集団。その残虐な振る舞いゆえに海賊や倭寇よりも恐れられている。「鬼」にするための人間を三つ目ら商人や海賊たちから買い上げている。現在は北朝に属しており、南朝方の勢力を襲っている。

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