概要
ギャグ漫画家としてデビューし、可愛い少女のキャラクターが評判で、1980年代前半に「不条理漫画」で一世を風靡した。だが80年代後半に人気は低迷し、失踪を繰り返す(このあたりは『失踪日記』で描かれている)。似顔絵の丸い顔と、実際の顔はかなり異なるが、飄々とした雰囲気は同じ。失踪のころから鬱状態より脱出するため、酒に依存する傾向はあったが、90年代後半に飲酒は日常的になり、ついには眠っているとき以外は酒びたりという「連続飲酒」となった。
幻覚・幻聴・自殺念慮に襲われ奇行が顕著になったため、1998年12月26日に家族によってA病院精神科B病棟(別名アル中病棟)へ入院させられ、3期3ヶ月のアルコール依存症治療プログラムを受けることとなる。
酒の力を借りずに鬱と戦っていけるかという不安に襲われつつも、アルコール依存症の恐ろしさを学ぶ。同時に同期入院者の観察も欠かさず、不思議な人間模様の描写に成功している。勉強会やミーティング、各種の断酒会参加を経て、やがて外出許可が下りて自宅へも戻れるようになり、そして退院の日を迎えるにいたる。
妻からは「おとうさん」と呼ばれる。吾妻日出夫は本名で、書類などに署名する際に、この名前が記されている。吾妻ひでお自身をモデルとしている。
登場作品
失踪日記2 アル中病棟
ギャグ漫画創作のプレッシャーでアルコール依存症になってしまった作者・吾妻ひでおが、精神科の病院に長期間入院して治療を行った経験を描いた自伝的ノンフィクション・コミック。売り上げ30万部のベストセラーで... 関連ページ:失踪日記2 アル中病棟