少年の町ZF

少年の町ZF

UFOを目撃したため、これまでの平穏な日常から一変し、生きていくために宇宙人やモンスターと戦わなくてはならなくなった11人の少年たち。過酷な運命を背負う少年たちの姿をシリアスに描いたSF作品。「ビッグコミックオリジナル」で1976年から1979年にかけて連載された。

正式名称
少年の町ZF
ふりがな
しょうねんのまちぜふ
作画
原作
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

真庭典明は家族と愛犬、友だちに囲まれ、ごく普通の生活を送っていた。しかし、突如東京郊外の空に「ラボック光」と呼ばれる、発光するUFOが複数出現。偶然にも愛犬の散歩中にラボック光を目撃した典明らは、その正体を確認するため、複数のUFOのうち1機が消えていった東京都多摩市にある高陣山の樹海に潜入。他にも同じようにラボック光を目撃して、好奇心から集まったメンバーは総勢11人となり、高陣山の樹海の捜索を開始する。

そんな中、囁き子と名乗る少女が現れ、典明らには理解できない不思議な予言を囁く。そのまま樹海で夜を過ごした典明たちは、朝になって自分たちが住む街へと戻ったものの、そこには誰もいないことに気づく。やがて夕方になると人々が現れたが、彼らはまるで吸血鬼のようなモンスターになっており、典明たちに襲い掛かるのだった。

高陣山を訪れたので吸血鬼化を免れた少年たちは、知恵を絞って、襲い掛かるモンスターや、それを操る宇宙人と戦っていく。

登場人物・キャラクター

真庭 典明 (まにわ てんめい)

高校3年生の男子。剣道部に所属している。仲間想いな性格で、いつでも冷静沈着。探題剣司とは顔見知りで、同じ高校の後輩である村地日出男のことも、もともと顔だけは知っていた。愛犬のコザック号を夜の散歩に連れ出し、帰宅した直後にラボック光を目撃。翌日、ラボック光の正体が気になってコザック号とともに高陣山の樹海に向かい、他の目撃者たちと出会うこととなった。 モンスター化した人間たちと戦ううちに生への執着を強め、残った少年たちのリーダー的な存在となっていく。リーダーになってからは気性が荒くなり、目標を達成するためには手段を選ばなくなる。無理矢理ながらも囁き子を妻にし、安全に住める場所を確保するために奔走する。

探題 剣司 (たんだい けんし)

ラボック光を目撃した少年。バイクで恋人の遠山百合とドライブデートを楽しんでいた時、初キスをしている際に目撃。その正体が気になり、翌日バイクで高陣山の樹海に向かい、真庭典明ら他の目撃者たちと合流した。典明とはもともと知り合いであった。一見、美少女の容姿をしている囁き子を襲ってしまおうかと口にするなど、やや軽い性格。 他人に指図をされるのを嫌い、攻撃的な一面を見せることもある。典明とは対照的な性格ではあるものの、なぜか気が合う。

乾 太郎 (いぬい たろう)

ラボック光を目撃した幼い少年。11人のラボック光目撃者の中では最年少。尿意をもよおしたがトイレまでが面倒くさく、しかも夜のトイレが薄気味悪く怖いので、自室の2階から屋根に放尿をしていた時に目撃。翌日、興味本位から高陣山の樹海へ向かった。ちなみに、屋根に尿をするのは何度も経験しており、その度に母親から怒られているため、音の出ない方法を編み出している。 高校野球好きで、途中で出会った野球の名門校に所属する麓月夫とは、すぐに親しくなった。その後、好奇心のままに探索をしている最中に、他の目撃者たちと合流する。街に帰って来てから母親と再会したが、すでに母親はモンスター化した後であり、絞殺されそうになって絶望する。その後も度々母親のことを思い出し涙しては、典明からメソメソするなと叱責されている。 ただしこれは、乾太郎に、悲しみを乗り越えて強く生きてほしいという、典明なりの優しさの裏返しの行動である。

麓 月夫 (ふもと つきお)

ラボック光を目撃した男子高校生。がっしりとした筋肉質な体型に、坊主頭をしている。野球の名門校・多摩高のスラッガーでもあり、甲子園出場を目指して日夜練習に励んでいる。その一環として、朝に300回、夜は寝る前に200回の素振りをしている。夜の素振りをしている最中にラボック光を目撃し、興味本位から翌日、高陣山の樹海へ向かった。 途中で高校野球好きの乾太郎と合流し、その後に、重そうなガイガーを持っていた横手正臣とも出会う。3人が同じ目的だと分かると、一緒に頂上を目指すことにした。その後、道中で他の目撃者たちと合流する。

村地 日出男 (むらぢ ひでお)

高校2年生の男子。真庭典明の高校の後輩であり、もともと互いに顔は知っていた。アマチュア無線が趣味で、向井洋介とは大切な趣味仲間にして親友でもある。アマチュア無線で、プライベートで起きた出来事や悩みを気軽に相談し合っていた。無線で交信をしている最中、洋介からの呼びかけを受け、ラボック光を目撃。翌日、洋介とともに好奇心から自転車で高陣山の樹海に向かう。 その後、道中で他の目撃者たちと合流する。

向井 洋介 (むかい ようすけ)

アマチュア無線が趣味の少年。村地日出男とは無線仲間。日出男と無線の交信中に空を見上げたところラボック光が目に入り、そのまま日出男に報告をした。翌日、日出男とともに好奇心から自転車で高陣山の樹海に向かう。その後、道中でほかの目撃者たちと合流するが、はぐれてしまう。その後、囁き子の側で、死亡したと思われる姿で発見されるが、実はモンスター化しただけであった。

三村 信 (みむら しん)

無類の植物好きの少年。庭で植物を手入れしていたところ、ラボック光を目撃。内気で大人しい性格だが、UFOが墜落した土地付近の植物がどうなっているのか確認したい好奇心から、翌日、高陣山の樹海に向かった。その後、道中で他の目撃者たちと合流する。植物好きが高じて、コウモリなど動物に関する知識もあり、その知識が度々仲間たちの窮地を救う。

横手 正臣 (よこて まさおみ)

中学2年生の少年。夜、偶然ラボック光を目にしたため、慌てて自宅にあった望遠鏡でその姿を確認した。これにより、唯一ラボック光の母船の存在を確認することに成功している。翌日、自分が見たものが何だったのか確かめたいと好奇心が高まり、ガイガーを持参するなど気合い十分で、高陣山の樹海へ向かった。途中で乾太郎や麓月夫と合流し、親しくなる。 その後、他の目撃者たちと合流した。

海出 一郎 (かいで いちろう)

太めの体型に坊主頭の少年。海出次郎の兄。塾帰りに次郎と、友達の一色大の3人でラボック光を目撃。昔から宇宙人に興味があり、ラボック光を知らなかった弟に詳しく説明した。翌日、結局は何だったのか気になったため、高陣山の樹海に、次郎と大とともに自転車で向かった。その後、道中で他の目撃者たちと合流した。

海出 次郎 (かいで じろう)

いつも学生帽を被っている少年。塾帰りに、兄の海出一郎、友達の一色大の3人でラボック光を目撃。翌日、ラボック光の正体を知るために、高陣山の樹海に、一郎と大とともに自転車で向かった。その後、道中で他の目撃者たちと合流した。

一色 大 (いっしき だい)

カメラが趣味の少年。ラボック光に遭遇した際にも「カメラを持っていればな!」と、くやしがった。塾帰りに海出一郎、海出次郎兄弟と3人でラボック光を目撃。翌日、ラボック光の正体を知るために、高陣山の樹海に、一郎と次郎とともに自転車で向かった。その後、道中で他の目撃者たちと合流した。

囁き子 (ささやきこ)

表情を変えずに笑う、人形を持った少女。長いウェーブヘアにドレスを着用している。持っている人形を渡した相手にだけ、意思が伝達できるようになる。悪魔の巫妖(デモノのウイッチ)と名乗り、不気味な予言をするが、典明たちには内容が理解できない。正体は宇宙から派遣された存在で、その星に生命が存在しているのかを確認するためにやって来た。 地球人ではないものの、身体つきは人間そのもので、人間と同じく排泄なども行う。仲間のもとへと帰ろうとしていたところを、無理矢理に真庭典明の妻にさせられ、逃げられない状態にさせられてしまう。

遠山 百合 (とおやま ゆり)

探題剣司の彼女である少女。恋人の剣司からは「百合っぺ」と呼ばれている。黒髪のロングヘアで、清純でかわいらしい容姿をしている。剣司との初キス中にラボック光を目撃したが、翌日の高陣山の樹海探索には同行しなかった。そのため、吸血鬼のようなモンスターと化してしまい、剣司を悲しませることとなった。

集団・組織

ラボック光 (らぼっくらいと)

1951年8月30日にアメリカテキサス州のラボックに現われた光の編隊。正体はUFOの集団といわれている。「ラボックの光」と呼ばれることもある。真庭典明たち11人が目撃したラボック光は、その後さまざまな場所に現われ、1つが東京都多摩市にある高陣山の樹海に入っていった。謎を解明すべく、典明らが集うきっかけになった。

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