反逆児

反逆児

硬骨漢で剣道の達人である高校生・壬生隼人が、在籍している薩摩士館高校で民主化闘争が起きたのを期に学校を離れ、全国を放浪しながら自分と母を捨てた父を探す青春漫画。

正式名称
反逆児
ふりがな
はんぎゃくじ
原作者
東 史朗
作画
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

鹿児島一の私学であり、明治時代以来の伝統を誇る薩摩士館高校は、学園民主化運動の波にさらされていた。旧態を死守しようとする経営陣は退陣し、新体制についていけない教師や生徒はほとんどが退校する中、元剣道部主将の壬生隼人は剣道部部室に立てこもり、ただ一人抵抗を続けていた。運動の思想自体は認めながらも、民主化運動リーダーが真に民主化を考えているのではなくただの闘争狂であることを見抜いており、その軍門に下ることをよしとしていなかったのである。

壬生を尊敬している生徒・原田の命を懸けた説得により、学園という小さな世界を離れることを決めた壬生は、自分と母を捨てた父親を探して放浪の旅を続けることになる。

登場人物・キャラクター

壬生 隼人 (みぶ はやと)

薩摩士館高校の男子生徒で剣道部の元主将。薩摩士館高校の民主化運動に対し、その思想自体は認めながらも、民主化運動リーダーがただ闘争をしたいだけの人間であることを喝破し、一人で剣道部室に立てこもっていた。原田の命を懸けた説得に心を動かされて学校を去り、放浪を続けているうちに、自分と母を捨てた父親を探すことを目的とするようになる。 身体能力や剣の腕は高く、竹刀で真剣に渡り合えるほど。

美保

美川の実の娘であり、母を殺害した張本人である彼を恨んでその命を狙っていたが、壬生隼人にそれを止められて父親へのわだかまりが解けた。以後、壬生に惚れてその旅に同行する。ヌンチャクを武器として使用する。

深尾 道明

民自党の総裁である男性政治家。名前は戦後の混乱期に他人の名を自分のものとしたもので、本名ではない。戦時中、所属の部隊が食糧難に襲われるも同僚を殺害してその肉を食べて生き残り、復員船の中で大量の米を抱えていた男を殺害し、その米を元手に札幌で事業を興し成り上がったという過去がある。札幌で壬生菊江との間に一人息子である壬生隼人を儲けるも、そのまま姿を消し、政治家となっていた。

美川

鳴子温泉で使用人として働く男性。背中に龍の刺青が入った元ヤクザであり、浮気をしていた妻を殺害したという過去がある。そのため、娘の美保から命を狙われている。

壬生 菊江 (みぶ きくえ)

壬生隼人の母親。セックス依存症であり、常に不特定多数の男との肉欲に溺れている。生涯で唯一心から愛した男が深尾道明であり、隼人は深尾との間に出来た子供となっている。

原田

薩摩士館高校の男子生徒で、壬生隼人を非常に尊敬している。学園民主化運動と戦う壬生に対し、「こんな小さな世界で戦うべき人間ではない」と命を賭した説得を行い、壬生を旅立たせる。

民主化運動リーダー

薩摩士館高校の学園民主化運動のリーダーである眼鏡の青年。壬生隼人には、「本気で民主化を願っているのではなく、ただ闘争が出来る場所を探しているだけ」と評されている。壬生の抵抗には手を焼いており、女生徒・香川を使っての懐柔などを試みる。

香川

薩摩士館高校の民主化運動グループに属する女子生徒。頑強に抵抗を続ける壬生隼人に手を焼いた民主化運動リーダーの命令で、壬生を色仕掛けで懐柔するために派遣されるが、壬生には通用せず終わる。

国元 (くにもと)

右翼団体・壮士塾に所属する青年で、左派政治家である黒崎を国賊として暗殺しようとするも、壬生隼人に妨害され逃走。割腹自殺を図り、最後の願いとして壬生に介錯を頼む。

黒崎

共民党の幹事長であり、党内でも最左翼と言われる壮年の男性政治家。国元に命を狙われるが、その刃を前にしても全く動じず、「自分のような老人のために若者が命を懸けてくれることを嬉しく思う」と話すような胆力の持ち主。

国分 (こくぶ)

壬生隼人の中学時代の同級生で、現在は東京で国会勤務の警察官をしている男性。正義感があり、壬生との友情にも篤い。

場所

薩摩士館高校

『反逆児』の序盤の舞台となる高校。壬生隼人らが通っている。鹿児島一を誇る私学で、明治以来80年の伝統があったが、学園民主化運動によって旧経営陣が退陣している。

クレジット

原作

東 史朗

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