あざ

あざ

幕末の乱世の中、おりょう、狗と呼ばれる男など、坂本龍馬に絡んだ人間達を独特のタッチと心理描写で描くピカレスクロマン。

正式名称
あざ
ふりがな
あざ
作者
ジャンル
幕末
 
裏社会・アングラ
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概要・あらすじ

江戸幕府崩壊が間近となった幕末の乱世、坂本龍馬の妻おりょうは、河原で1人の浪人に刃を向けられた。怪しい風体にも臆せずに話しかけるおりょうに、と呼ばれる男はひとすじの優しさを見せる。訝しむ中岡慎太郎をよそに、おりょうはを客として連れ帰り坂本龍馬に引き合わせた。

大政奉還から間もない慶応3年(1867年)11月15日、近江屋事件が起こり、坂本龍馬と中岡慎太郎は襲われる。しかし坂本龍馬の遺体は見つからないという。事件後、傷を負って倒れていたは、杖をついた少女、加代に拾われていた。一方、おりょうは坂本龍馬が生きていることを信じ、探し始める。

登場人物・キャラクター

(いぬ)

長髪に痩せた身体の、浪人姿の男性。幼い頃、ある居酒屋のおかみに命じられ、野良犬を殺しては食料を得ていた。その頃から「いぬ」と呼ばれ続けている。道端でおりょうに出会い、坂本龍馬、中岡慎太郎の元へ「客」として連れて行かれる。密かに坂本龍馬の命を狙う集団から暗殺を命じられていた。近江屋で坂本龍馬、中岡慎太郎が襲撃された後、傷を負った姿で加代に拾われるが、その際1つの死体と共にいた。

坂本 龍馬 (さかもと りょうま)

実在の歴史上の人物坂本龍馬がモデル。長髪に大きな体躯、土佐弁で話す男性。飄々とした風体だが、剣の達人。妻・おりょうに連れられてきた狗を客として迎える。京の旅籠・寺田屋で襲撃され一命を取り留めたが、近江屋で中岡慎太郎と共に再び襲われる。しかしその後、彼の死体のみが消え去ってしまう。

おりょう

実在の歴史上の人物楢崎龍がモデル。坂本龍馬の妻。普段は淡々とした話し方で物怖じしないが、夫を深く愛している。狗と出会い、坂本龍馬、中岡慎太郎と惹き合わせた。京の旅籠・寺田屋で坂本龍馬が襲撃された際、一人夜の街中を逃げていたところを伏見奉行所を名乗る面々に取り囲まれたが、狗によって助けられた。 近江屋で坂本龍馬、中岡慎太郎が襲われた後は、坂本龍馬が生きていると信じて土佐藩邸などを訪ねながら彷徨う。

中岡 慎太郎 (なかおか しんたろう)

実在の歴史上の人物中岡慎太郎がモデル。坂本龍馬の盟友。おりょうが客だという狗を不審に思うが、やむなく坂本龍馬と共に部屋に招き入れた。近江屋で坂本龍馬と共に襲われ2日後に絶命。襲撃された際、狗にある頼みごとをしていた。

加代 (かよ)

長い髪の少女。左足に大きな傷跡があり、杖をついて歩いている。土佐藩のお館様と呼ばれる実力者から寵愛を受けている。傷を負って倒れていた狗を助けて匿う。

お館様 (おやかたさま)

剃髪し白い顎髭をたくわえた老人。両目を隠す眼帯をつけている。土佐藩の実力者で「お館様」と呼ばれている。加代を世話係として傍に置き寵愛している。近江屋事件後、おりょうの訪問を受け、坂本龍馬を探してほしいと懇願される。

集団・組織

軍鶏 (しゃも)

『あざ』に登場する鶏。幕末当時、精をつけるために食されており、物語の節々に登場する。坂本龍馬は風邪をひいたおりょうのために、軍鶏鍋を作っていた際に狗と出会う。坂本龍馬と中岡慎太郎は近江屋で軍鶏鍋を待っていた際に襲われた。また加代は傷つき倒れていた狗のために軍鶏を買う。

場所

土佐藩 (とさはん)

『あざ』に登場する幕末の藩。坂本龍馬、中岡慎太郎の出身藩だが、2人は脱藩して志士として活動していた。お館様と呼ばれる実力者に牛耳られている。不穏な動きも多く、寺田屋で坂本龍馬が襲撃された際、おりょうは伏見奉行所を名乗る面々に取り囲まれるが、皆土佐弁を話していた。

寺田屋 (てらだや)

『あざ』に登場する旅籠。おりょうが身を寄せていた。度々坂本龍馬も訪問していたが、後にここで坂本龍馬が襲撃されることとなる。この事件後、坂本龍馬とおりょうは薩摩へ逃れ霧島へ赴く。

霧島 (きりしま)

『あざ』に登場する地域。寺田屋で襲撃された坂本龍馬とおりょうは薩摩に逃れ、この霧島に赴く。2人は海を見ながら愛情を交わすが、これが共に過ごした最後の時となる。

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