けっこう仮面

けっこう仮面

受験戦争やスパルタ教育など、昭和に見られた社会問題を題材に、裸の女性が正義の味方として活躍するパロディ要素の強いアクションコメディ作。露出ぶりが「けっこう」と悪者に喜ばれるけっこう仮面は昭和30年代のテレビドラマ『月光仮面』のパロディであるほか、作者自身の作品も含めたさまざまな漫画やドラマ等のキャラクターを元ネタにした人物が多数登場する。

正式名称
けっこう仮面
ふりがな
けっこうかめん
作者
ジャンル
パロディ
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概要・あらすじ

有名高校への進学率が100パーセントとして知られるスパルタ学園では、厳しいスパルタ教育の下、生徒たちに対する卑劣な体罰が横行していた。そんな学園に現れた正義の味方は、顔こそマスクで隠しているものの体に衣服をつけていない、ほとんど裸の女性、その名を「けっこう仮面」と言った。山奥にある学園であるがゆえ、生徒もしくは教師がその正体と思われるが、容疑者を調べていても必ず現れ、しっぽを掴ませない。

学園校長であるサタンの足の爪は、「しおき教師」たちや助っ人の刺客を呼んで、けっこう仮面の正体を探るのだった。

登場人物・キャラクター

けっこう仮面 (けっこうかめん)

「顔をかくして体かくさず!」のキャッチフレーズの通り、首から上を羽根飾りとウサギに似た垂れ耳のついたマスクで隠し、手袋とブーツをつけている他はなにも身につけていないグラマーな少女。スパルタ学園に横行する教師による非道な体罰から生徒達を守るため、正体を隠して行動している。武器としてヌンチャクや「超合金ニューZ」でできた六尺棍を使用。 振る舞いやネーミングはテレビドラマ『月光仮面』に由来しており、「しおき教師」の前に姿を現す際には『月光仮面』のテーマソングの替え歌を歌いながら登場する。生徒達に人気で、特に女生徒からは「けっこうのおねえさま」などと呼ばれ慕われているが、男子生徒からは裸でいることを喜ばれている。 大股開きで相手の顔を挟む「おっぴろげジャンプ」や「新月面空中股びらき」等の必殺技を使用する。

結花 千草 (ゆうか ちぐさ)

血狂魔剣の助がけっこう仮面を捜すため集めた女生徒のひとり。身体検査と称して裸にされそうになっていたところに、けっこう仮面が現れたため容疑から外されたものの、根強く疑惑が残ることになる。

夏綿 けい子 (なつわた けいこ)

『けっこう仮面』の登場人物で、スパルタ学園の体育教師。グラマーな体の持ち主で、体力的にも優れていることから齢十郎からけっこう仮面の正体ではないかと疑われていた。柔剣道、空手、射撃等さまざまな競技の達人だけが得られる「A級ライセンス」を持った全国でも数少ない女性体育教師。ヌンチャクも得意。

面 光一 (おもて こういち)

スパルタ学園の生徒である中学1年生。男子生徒として在籍しているが、学生服の下で胸にさらしを巻いて体型を隠していた女の子。体育の授業や身体検査を受けずにいたため、悪童鈴の助にけっこう仮面の正体ではないかと疑われる。サタンの足の爪に問い詰められた際には、服の下に装着していたおもちゃの男性器を見せて難を逃れている。

高橋 真弓 (たかはし まゆみ)

スパルタ学園の生徒で、度々「しおき教師」たちの体罰を受け、その都度けっこう仮面に助けられている中学1年生の女の子。けっこう仮面をおびき寄せるために体罰を受けることもあり、裸同然の姿になることも多い。一人称は「真弓」。宿舎の部屋で「ミータン」という白猫を飼っている。

紗琲 愛 (さはい あい)

スパルタ学園3年の女子生徒。けっこう仮面に強いあこがれを抱くあまり、同じように正義の味方として活動することを決める。オペラマスクとつばの広い帽子で顔を隠すが、体はやはり裸。手袋とブーツの他、大きなマントを羽織っている点と、羞恥心がぬぐえず下腹部を大きなリボンで隠していることが特徴。 手塚治虫の『リボンの騎士』の登場人物・サファイアがモデルで、同じく『鉄腕アトム』のアトムをモデルとした鉄腕オツムに続いての登場だったため、「しおき教師」に正体を暴かれそうになった際は「手塚先生、今回もごめんなさい」と発言していた。

サタンの足の爪 (さたんのあしのつめ)

『けっこう仮面』の登場人物で、スパルタ学園の学校長。額にに尖った爪の生えた足跡の描かれた仮面をつけ、ピエロのような格好の人物。けっこう仮面の行動により、次年度の進学率の低下を気にしている。悪の秘密組織の首領然としているが、スケベで小金を貯め込んでいる小悪党といった人物で、けっこう仮面にも好意を持っている様子が描かれている。 栄光ある「佐丹一族」の一員だが、けっこう仮面に負け続け、一族の恥さらしと呼ばれている。姪には「乳房の小天狗」の異名を持つ佐丹朱美がいる。「サタンの足の爪」の名前は、『月光仮面』の悪役「サタンの爪」に由来している。

血狂魔 剣の助 (ちぐるま けんのすけ)

『けっこう仮面』の登場人物で、スパルタ学園の「しおき教師」のひとり。常に日本刀を手にし、女生徒の衣服だけを切り裂くことができる。けっこう仮面の正体を調べるため、身体検査として体つきの似た女生徒を全校から集めて裸にし、検分を行った。名前は堀江卓の漫画『矢車剣之助』の登場人物・矢車剣之助に由来しており、けっこう仮面との対決に敗れた際「堀江先生ごめんなさい」と発言している。

齢 十郎 (よわい じゅうろう)

けっこう仮面の正体を探るため、サタンの爪の足が雇った探偵。血狂魔剣の助が候補となる女生徒たちを集めている際にもけっこう仮面が現れたことから、その正体を生徒以外と考え、体育教師の夏綿けい子と女子事務員の長嶋あけみにあたりをつけていた。柔道3段の腕の持ち主で、ヌンチャクも得意。 名前は『月光仮面』の主人公である探偵、祝十郎からとられており、けっこう仮面に敗れた際にはその創作者である川内康範を指したものと思われる「川内先生ごめんなさい!」の発言がある。

悪童 鈴の助 (あくどう すずのすけ)

スパルタ学園の男子生徒だが、どんな有名高校でも無試験で入学できるようになる「サタンの御墨付」を手に入れるためけっこう仮面の正体を暴こうとする。学生服の下には常に「悪」の文字の書かれた剣道の胴を身につけており、北珍三刀流葉千井臭作の門下生だと自称している。武内つなよしの『赤胴鈴之助』の登場人物・赤胴鈴之助がモデル。

似獣 八五郎 (にじゅう はちごろう)

けっこう仮面を倒すためスパルタ学園教頭が呼び寄せた元プロレスラー。強すぎたため、リング上で5人の選手を殺害してプロレス界を永久追放にされた過去がある。かつては、日本プロレス界の「鉄人」と呼ばれていた。尖った鼻とモヒカンの髪型が特徴で、横山光輝の『鉄人28号』の登場キャラクター・鉄人28号がモデルとなっており、倒された際には「横山センセ~、ごめんなさ~い! ガオ~ッ」と発言している。

干 病魔 (ほし びょうま)

『けっこう仮面』の登場人物で、スパルタ学園教師のひとり。野球帽にユニフォーム姿で顎鬚が特徴の男性。父親の星一穴(ほしいっけつ)が作った「大リーグ筆記試験ギブス」を裸の高橋真弓につけさせていた。梶原一騎原作の『巨人の星』の登場人物・星飛雄馬が元ネタで、けっこう仮面に敗れた際、「梶原先生ごめんなさ~い」と発言している。

墓場 下太郎 (はかば げたろう)

『けっこう仮面』の登場人物で、スパルタ学園生徒のひとり。最下位の成績が多いことから「下下下の下太郎」とあだ名をつけられている男子生徒。教師から体罰を受けることも多いが、けっこう仮面は助けに現れず恨みに思っていた。長い前髪を横分けにし、左目が隠れていることが多い。多数の蛇を飼っており、笛で操る能力を持っている。 サタンの足の爪にそそのかされてけっこう仮面に戦いを挑んだが、返り討ちに遭う。水木しげるの『墓場鬼太郎』の登場人物・墓場鬼太郎がモデルで、倒された際「水木先生ごめんなさい」と発言している。

藤 進 (ふじ すすむ)

『けっこう仮面』の登場人物で、スパルタ学園に転校してきた男子生徒。ハンサムな少年で、高橋真弓も一目ぼれに近い状態となるが、実は女子たちのパンティーを盗んでいた自称「変態少年探偵」。全身を黒タイツに包み、顔にはマスクをつけた姿で「まぼろしパンティー」と名乗っていた。桑田次郎の『まぼろし探偵』の登場人物・富士進が元ネタで、けっこう仮面に倒された際には「桑田先生ごめんなさい」と発言している。 後に描かれた『まぼろしパンティ』のネーミングの原形となったキャラクターでもある。

牧村 真子 (まきむら しんこ)

スパルタ学園の教頭がけっこう仮面打倒のために呼び寄せた刺客。生まれたときからゴリラに育てられたジャングルの王者で、「少女王者」の異名を持つ腰布をつけただけの逞しい女性。世界最強の女として知られ、けっこう仮面の裸体にも動じないことから窮地に追い込むが、自身の腰布を取られ羞恥心から敗北する。 山川惣治の『少年王者』が元ネタで、倒された際に「山川先生ごめんなさいね」と発言している。後に、やはり『少年王者』に登場したアメンホテップを元にしたオメンホテップとして、古代エジプト風のマスクを被り再登場している。

集団・組織

裁縫部009 (さいほうぶぜろぜろないん)

『けっこう仮面』に登場する女生徒たちの名称。部長の島村お嬢をはじめとするスパルタ学園裁縫部に所属する9人の女生徒たちのことを指す。人造皮膚を使って裸の全身スーツを作り、ニセけっこう仮面になってサタンの足の爪の金庫破りをするなど悪事を働いていた。石ノ森章太郎の『サイボーグ009』が元ネタで、けっこう仮面に敗れた際、島村お嬢は「石ノ森先生ごめんなさい」と発言している。

スパルタ学園 (すぱるたがくえん)

『けっこう仮面』の舞台となる長野県の山奥にある架空の学園。有名高校への進学率100パーセントを誇るが、名前の通りのスパルタ教育が行われている。男女共学ですべての生徒は宿舎で生活し、帰宅はおろか両親の面会すら許されない。外部を完全にシャットアウトした環境に置かれ、勉強は1日15時間、休日がない上、週に2回のテストで90点以下の点数を取った者は特別室で厳しい体罰を受けることになる。

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