怨み屋本舗 REVENGE

怨み屋本舗 REVENGE

『怨み屋本舗』シリーズの第4部。他人の怨みをはらす復讐代行業を営む女性の暗躍を描く。依頼を受けた怨み屋が復讐を行う姿を描いたサスペンス。基本的に短編から中編で一つの復讐を完了させる連作形式で描かれるが、後半では、以前に休戦協定が結ばれていた「怨み屋本舗」と「恨み屋商会」の抗争が再燃する長編物語が展開される。集英社「グランドジャンプ」2011年1号から2014年17号にかけて掲載された作品。

正式名称
怨み屋本舗 REVENGE
ふりがな
うらみやほんぽ りべんじ
作者
ジャンル
復讐
関連商品
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あらすじ

復讐の幕開け(第1巻)

不衣魚琴音のスリに気づき、詰め寄った会社員は、痴漢に仕立て上げられて拘束される事となった。琴音にパンツ一丁で土下座させられ、会社では閑職に追いやられた会社員は、怨み屋に琴音が二度とスリができなくなるよう依頼する。この依頼を受け、怨み屋は琴音に爆弾入りのバッグを摑ませるが、怨み屋の本当の標的は、酔った女性を尾行し乱暴を働いていた、ほかでもない依頼者の会社員だった。

偽装離婚の罠(第1巻)

村井奈津美怨み屋本舗に復讐を依頼した相手の粕島光政は、結婚した女性から貯金を奪って借金を背負わせ、偽装離婚だと騙して本当に離婚するという、合法的に結婚詐欺を働く人物だった。彼は後輩の闇金業者と組んで詐欺を働いており、怨み屋は闇金業者の事務所を盗聴。怨み屋は、彼が屈折した復讐心から女性に仕返ししていたと知り、被害に遭った松野京香の家族からも依頼を取り付ける。怨み屋は奈津美に中国人の偽造戸籍を作り、粕島とその仲間の闇金業者と入籍させ、奈津美に怨み屋が紹介した闇金業者から金を借りさせる。こうして、粕島は中国の貧民が富裕層の子息と勝手に結婚し、借金をしまくる「戸籍の寄生」という犯罪手法を使ったとして、中国人のヤクザに拉致されるのだった。

理不尽な復讐(第2巻)

城田圭一の車に、スマートフォンを見ながら自転車で突っ込んだ八田川乃笑琉は、城田を殴って歯を折る。乃笑琉の両親、八田川英人八田川直美が駆けつけて騒動となるが、息子の過失と知った英人は城田に300万円を渡して示談に持ち込む。1か月後、英人が城田の会社の取引先の社長だと判明し、城田は英人に産業スパイの罪を着せられる事となった。その日の夜、今度は直美が「恨み屋商会」の社長、鎧塚凱夢に城田への復讐を依頼。鎧塚は会員制復讐SNS「AVENGE」で一般人を使い、城田への復讐を実行するのだった。一方、乃笑琉は城田の妻を脅迫して自分の性処理をさせ、その動画を撮影。そんな中、城田の妻は「怨み屋本舗」に八田川家への復讐を依頼し、曽武川由香は乃笑琉を、十二月田猛臣は直美を、怨み屋は英人を、それぞれ罠にはめていく。

要生町の人々-3Rおばさん(第2巻)

東京都某区要生(かなめのぶ)町に住む毛呂山愛と娘の毛呂山珠里杏は「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」を掲げ、となりに住む峰塚浩一夫婦に壊れた家電製品などを押し付けていた。だが峰塚夫婦が断ると、愛は逆恨みし、卑怯な手段を使って、彼らを町内の仲間外れになるよう追い込む。これを受け、浩一は怨み屋に愛への復讐を依頼する。怨み屋は「3R特別機構」の者だと名乗り、愛を「要生町の3R大使」に任命し、ノルマを果たせば1日で3万円の報酬を払うという話を持ちかける。

要生町の人々-絡まる怨み(第3巻~第4巻)

峰塚沙羅は要生信用金庫に勤める堂園弦一に脅され、裸体の写真を撮られていた。だが堂園も「ミスター・X」を名乗る男からメールで脅され、沙羅の写真を撮っていたのだ。同じ頃、葉瀬果絵菜毛呂山珠里杏に自分の名義で、会員制復讐SNS「AVENGE」に、峰塚夫婦への復讐依頼を投稿させられる。だが、果絵菜は標的を珠里杏に替え、緑至健次に復讐を依頼。緑至は「恨み屋商会」の鎧塚凱夢から「AVENGE」の工作員にスカウトされた男で、彼は果絵菜から金を脅し取るようになる。そんな中、怨み屋は堂園への復讐を、彼の上司だった久村から依頼される。堂園が顧客である老人達を孤独死に見せかけて殺害していた事を知った怨み屋は、被害者の遺族達からも堂園への復讐依頼を取り付ける。同じ頃、峰塚浩一は沙羅がネットに裸体を晒していると詰め寄り、夫婦の力関係を逆転させる。だが、情報屋のハッキング操作により、沙羅は浩一が「ミスター・X」として堂園をあやつっていた事を知り、浩一に離婚を突き付ける。峰塚の疑いが堂園に向いたところで、怨み屋は堂園を罠にはめる。

要生町の人々-新たな事件(第4巻)

緑至健次からの恐喝を拒否した葉瀬果絵菜は、脱法ドラッグを大量に飲まされて路上で死亡。怨み屋は果絵菜の祖父、葉瀬義一郎から、緑至への復讐依頼を取り付ける。この仕事に名乗りを上げた姫岸杏は、緑至に自分が調合したドラッグを飲ませ、ヤクザの事務所に放り込むのだった。その後、怨み屋は義一郎に残金の支払いを促すが、彼は怨み屋を警察に突き出して支払いを拒否。その後、警官に扮した巣来間風介情報屋は、義一郎宅を訪れ、堂園が所有していた町会費横領の証拠メモを買い取るよう義一郎を脅す。

つぶやく者達(第5巻~第6巻)

十二月田猛臣は街で市松野来夢に盗撮された画像を、SNS「ツブヤイター」にアップされ、ネット上で笑い者になる。一方、怨み屋先崎進次郎から、部下の欠村洲張にスマートフォンを乗っ取られて陥れられたと、洲張への復讐を依頼される。十二月田は自分を笑い者にしたのが、PCに詳しい彼氏、二ツ川圭司の協力を得ている来夢だと突き止める。来夢は嫉妬心から友人の日並野多映にも、SNSのアカウントを乗っ取って嫌がらせを繰り返していたのだ。そんな中、情報屋は洲張が利用していた「スマホを乗っ取るソフト」は圭司が作ったという事を知る。一方、怨み屋は、自分を陥れた犯人がわからない多映から依頼を受け、多映にスマートフォンを乗っ取っていた犯人を教える。その後、情報屋は洲張のPCを乗っ取り、来夢と洲張のSEX画像を、圭司に送りつける。家から出て来た圭司と来夢に、十二月田から事情を聞いたオタク三人組と十二月田の舎弟、成下鞘華が襲い掛かり、「乗っ取り」の証拠が入った圭司のPCを奪う。

被冤者(第6巻)

矢名田修を殺害したとして7年ものあいだ服役していた根部真彦は、刑事の強羅剛に冤罪に仕立て上げられたとして、怨み屋に強羅への復讐を依頼する。根部が上司の矢名田を殴ったのを目撃したと証言した田戸紀夫は自殺。その妹の田戸良子は事件の真実が書かれている紀夫の日記を、根部に手渡していた。当時、矢名田は万引きした強羅を脅し、自分の便宜を図らせていた。それを知る紀夫が、矢名田が架空の証拠動画を盾に万引き犯をゆすっているとの告発を強羅にした事から、強羅が矢名田を撲殺。現場を目撃した紀夫は、強羅に脅され続けて自殺したのだった。強羅が根部に罪をなすりつけたという裏を取るべく、怨み屋は強羅を誘惑。怨み屋が強羅に向精神薬と合成麻薬を入れたアルコールを飲ませると、強羅は紀夫だけでなく根部の妻子も殺したと自白。翌日、寄木聡警部が連絡の取れない強羅宅を訪ねると、強羅と強羅の仲間の詐欺師、強羅のおこぼれをもらっていた刑事の三人が、裸で布団に入って昏睡状態になった姿で発見される。

親友ではない友人(第7巻)

淵脇桜桃は、高校時代の友人の鹿谷花梨宅に、家出したから泊めてほしいと押しかけていた。桜桃は花梨の家に居座り、花梨の夫、鹿谷隆希と肉体関係を持ち、それを花梨が責めると、風呂場で手首を切ってしまう。その後、桜桃の夫、淵脇真治 は、隆希をゆすって示談金をけしかける。花梨は隆希と離婚し、怨み屋に淵脇夫婦への復讐を依頼。怨み屋の弟、シュウはホスト時代の先輩だった真治に接近、金になる「別れさせ屋」の仕事を依頼し、真治にヤクザの女をメロメロにさせるよう仕向ける。

十二月田VS.半グレ(第7巻)

大学生の東部守は、ひったくりをしていた半グレ集団「多威我亞連合」の一員、寸林を捕まえた事から、逆襲に遭って重体となってしまう。守の母親から「多威我亞連合」への復讐を依頼された怨み屋は、この件を十二月田に任せる。そして十二月田は寸林達を怒らせ、彼らをある場所へと導くのだった。

ながらスマホ狩り(第7巻)

スマートフォンを見ながら歩いていた島根陽平は、金村華代にぶつかり、法外な慰謝料を請求される。陽平が断ると、華代は会社に押しかけ、嫌がらせを始めた。陽平は怨み屋に華代への復讐を依頼。彼女は2年前、「ながらスマホ」で子供を骨折させたのだが、歩行者同士の事故には警察が介入しづらい事に味を占め、「ながらスマホ」の会社員を標的とした当たり屋となっていたのだ。そんな華代に怨み屋は、華代がはまっているスマートフォンのオンラインゲームを使い、復讐を開始する。

VS.痴漢撃退女(第8巻)

会社員や公務員を狙い、痴漢の冤罪を着せていた痴漢でっちあげ女への復讐依頼を受けた怨み屋は、巣来間風介と共に彼女を尾行。女は、携帯に貼って痴漢の手に押し付けるとスタンプされる「痴漢撃退スタンプ」を武器に、仲間の男と標的を冤罪に仕立て上げ、示談金を巻き上げていたのだ。エリート会社員に扮した巣来間は、女に痴漢と騒がれるが、押されたスタンプを得意のマジックですり替える。

バイトテロ(第8巻)

お好み焼き「ボラン亭」のアルバイト、成鮫火星達は、オーナーの鶴崎良一が不在中、客の食べ物に唾液を入れるなどのいたずらをし、SNSに画像を投稿していた。十二月田猛臣もその被害に遭い、怨み屋と共に依頼人候補を尾行すると、お好み焼き「海鮮前夜」のオーナー、成鮫火星の叔父が火星に画像を投稿させ、出汁のレシピを盗み出していた事が判明。怨み屋は、鶴崎から復讐依頼を取り付け、「海鮮前夜」のアルバイトを買収し、火星の悪行を盗撮する。

復讐サイトAVENGE(第8巻~第9巻)

会員制復讐SNS「AVENGE」で、片山明への復讐を代行した半グレ集団「多威我亞連合」の三人組と、片山の復讐を「恨み屋商会」に依頼した佐見垂公平、そして「AVENGE」を作った藤堂歩達は、片山と、怨み屋に間違われた女からの依頼を受けた、怨み屋の復讐の標的となった。そこで、泡森拓実と、泡森のもとで修行を積んでいた杉河里奈が怨み屋に召集され、「多威我亞連合」の三人組を闇討ちするが、里奈の暴力は度を超えていた。そんな中、「AVENGE」に同じPCから書き込まれているが、依頼者が異なる復讐依頼がある事が情報屋のハッキングで判明。怨み屋はそれが「恨み屋商会」の鎧塚凱夢の仕業だと察知する。里奈は、「多威我亞連合」の連中を闇討ちにし、自分を佐見垂に依頼された「恨み屋商会」工作員だと偽り、連中に佐見垂を半殺しにさせるよう仕向ける。そんな中、鎧塚は「多威我亞連合」のリーダー、由解光明に接触。一方、藤堂は、自分の会社「TDシステムズ」に損害を与えた梅島洋平という社員のPCをハッキングし、梅島によるネット犯罪を工作するが、その様子を情報屋に盗撮される。後日、怨み屋に遭遇した藤堂は、彼女の腕を捉えるが、顔にキズのある佐藤という男にストーカーされていると騒いだ怨み屋から、佐藤の仲間なのかと詰め寄られる。

秦野誠一(第9巻)

2か月前。刑事の秦野誠一が、妹がひき逃げされて死亡した事から刑事となったと知った怨み屋は、秦野がひき逃げの犯人、柿庭天平に復讐すべくストーカー行為をしている証拠を突き付け、復讐を果たして前に進むよう彼に決断を迫る。後日、居酒屋で曽武川由香からドライブに誘われた柿庭は、飲酒運転で人をはねて逃亡するが、ブレーキが効かずに死亡する事となる。

恨み屋商会との戦い(第9巻~第10巻)

鎧塚凱夢は、半グレ集団「多威我亞連合」の三人組を半殺しにした杉河里奈泡森拓実の身柄を、由解光明に売るという商談を成立させ、部下を引き連れて、早乙女元次が所長を務める私設刑務所に奇襲をかける。早乙女が里奈達をかくまって応戦する中、慎重さを欠いた里奈は飛び出して行く。そんな中、泡森から連絡を受けた怨み屋は、横浜支店の仲間とヘリコプターで刑務所に向かう。だが、早乙女は「恨み屋商会」の刑部英郎と相討ちになって死亡。里奈と泡森は、「怨み屋本舗」のアジトを知りたい鎧塚に追い詰められ、命を落とすのだった。怨み屋は、里奈、泡森、早乙女の遺体を回収した「怨み屋本舗」のメンバーに、自らが依頼人になると宣言し、「恨み屋商会」の息の根を止めるべく「REVENGE計画」をスタートさせる。一方、鎧塚は由解に里奈と泡森を殺害した証拠を見せ、依頼料の支払いを拒んだ由解から3億円を脅し取ろうとする。鎧塚達を尾行していた十二月田猛臣荒羽天馬は、鎧塚達と姫岸杏が挌闘になるのを目撃し、杏に加勢するが、警察の見回りにより戦いは中断。そんな中、怨み屋と情報屋は由解の事務所に向かう。

REVENGE(第11巻)

半グレ集団「多威我亞連合」のリーダー、由解光明の事務所に盗聴器を仕掛けた怨み屋情報屋は、秦野誠一から受け取った警察のS(シークレット)サイトで、鎧塚凱夢の両親を殺した真犯人が元警察官の亜須田一夫だという事実を突き止める。怨み屋は鎧塚と取引し、両親を殺した真犯人の情報を渡すが、罠にはめられて刑事の寄木聡に連行される事となる。だが、怨み屋は大西美紀子という影武者の存在により、難を逃れる事に成功。一方、十二月田猛臣は鎧塚が亜須田を殺す瞬間を録画する事に成功するが、木経透子に襲われ、共に川に落ちてしまう。そんな中、「恨み屋商会」壊滅作戦をスタートさせるべく、怨み屋は鎧塚を始末したと由解に告げ、彼を鎧塚のアジトに呼び出す。同時に、情報屋は由解の無料通話アプリ「RINE」を乗っ取り、「恨み屋商会」に一人1億円の賞金を懸けると、「多威我亞連合」のメンバーに通達。そんな中、柳海律子は鎧塚に生贄として「多威我亞連合」の中に放り出され、麻生寧音シュウ巣来間風介に応戦。一方の怨み屋は、逃げのびた鎧塚を追う。

登場人物・キャラクター

怨み屋 (うらみや)

復讐代行業「怨み屋本舗」の女社長。本名は「宝条栞」だが、仕事の性質上公表しておらず、メンバーには「怨み屋」と呼ばせている。「内村緑」という大阪府吹田市在住者の身分証明書を持っており、いざという時のために、自分と同じ顔とプロポーションを持つ大西美紀子に影武者をさせている。ストライプのパンツスーツに黒いロングヘアというスタイルが多いが、ロングヘアはウィッグであり、本来はショートカットの髪型をしている。 標的には容赦せず、利用できるモノはとことん利用する抜け目のない性格で、ドSである事から他人の弱点をつくのが天才的にうまく、それが仕事にも活かされている。また、確実に「上客」を得るため、つねに自分の足を使うというプロ意識の高さを持つ。 食事は一人でする主義で、自分の努力や感情や習慣を他人に悟られないようにしている。先代怨み屋のもとで修行をしていた時代、鎧塚凱夢と恋愛関係にあったが、鎧塚と泡森巧実のベッドシーンを目撃し、当時20歳だった事もあり、その日以降鎧塚を心から消去した。先代怨み屋に後継者に指名され、10億円の隠し場所が記された懐中時計を渡されたが、それを鎧塚に狙われている。 仲間の死に際しては、行方不明とするよりは、変死体としてでも発見されるよう仕向け、「生きた証」を残す事が供養だと考えている。暴力を使わず頭脳を使って抹殺するのが「怨み屋本舗」のやり方であり、暴力を主軸として破滅した杉河里奈の死の責任は、暴力をある程度容認した自分にあると認識している。 そこで、自ら「怨み屋本舗」の依頼人となって「恨み屋商会」を壊滅させるべく「REVENGE計画」を始動する。決め台詞は依頼を受ける際の「しかるべく、その金額で」と、依頼完了時にポーズを決めての「復讐完了(リベンジ・コンプリート)」。十二月田猛臣には「上司」と呼ばれている。

情報屋 (じょうほうや)

復讐代行業「怨み屋本舗」の協力者の男性。情報収集のエキスパートで、ハッカーとしての腕は秀逸。いつもは冷静に「怨み屋本舗」のメンバーの性格や分析を心の中でつぶやいているが、狡猾な標的に怒りを覚えて熱くなる事もある。「怨み屋本舗」の外部の人間という立場から、その歴史を俯瞰して見てきた人物で、怨み屋のよき理解者。 十二月田猛臣には「ヒゲオ」と呼ばれている。カニが好物のようで、サービス残業的な仕事をした際には、怨み屋から「カニを送っておくわ」とたびたび言われている。

十二月田 猛臣 (しわすだ たけおみ)

復讐代行業「怨み屋本舗」の工作員の男性。年齢は26歳。長髪でメガネをかけた典型的なオタクだが、元マラソンランナーで運動能力は極めて高く、攻撃力はないものの、相手のパンチなどは軽くよけられる。シンナーを相手の目にめがけて発射する「死ね死ね光線」が得意技。語尾に「チュ」と付ける独特のしゃべり方をする。見た物を忠実に再現できる才能と、それを実践できる運動能力があるが、周囲も本人もそれに気が付いていないため、中々大化けしない。 だが怨み屋だけは彼を高く買っており、徐々にその才能を開花させていく。マラソンランナーの両親からは見放され、友人もいない孤独な日々を送っていた。しかし怨み屋に出会った事から、つきまといや尾行など、得意な事が仕事に活かせるので幸せを感じており、怨み屋には多大な感謝の念を抱いている。 いつも一言多く、人を怒らせる事にかけては天才的である。愛用のリュックサックには、盾用の鉄板など6キロの鉄が入っており、「恨み屋商会」との決戦では、木経透子にそのリュックを装着させて川に沈めた。その時、自身は負傷していた事もあり、「恨み屋商会」にも「怨み屋本舗」の人間にも死んだと思われていたが、事前にメールしていた自分の舎弟、成下鞘華に川から引きあげてもらい、最終的には鎧塚凱夢を鞘華と共に追い詰めた。 人の好き嫌いが激しく、イケメンは基本的に信用していないが、巣来間風介とは何故か気が合う。自身のサイト「十二月田本舗」でクオリティの高いオリジナルフィギュアを販売し、何かと客の相談に乗っている事もあって、ネット上では人気者。 オタク三人組には「シワちゃん」と呼ばれている。

巣来間 風介 (すくるま ふうすけ)

復讐代行業「怨み屋本舗」横浜支店の工作員の男性。左の目元にホクロがあるイケメンな男性で、シュウとキャラクターが被っており、お互いそれを自覚している。主に女性が標的となる場合に、怨み屋から召集される事が多い。元マジシャンでマジックを使う仕掛けはお手の物で、判断力を間違った方にそらせる手法「誤誘導(ミスディレクション)」を得意としている。 「恨み屋商会」との決戦では麻生寧音に刺されて重傷を負ってしまう。

曽武川 由香 (そむかわ ゆか)

復讐代行業「怨み屋本舗」横浜支店の工作員の女性。巨乳でグラマラスな美人。匂いをあやつる「調香師(パヒューマー)」であり、「匂い」によって標的の行動を狂わせる事ができる。主に標的が男性の場合に怨み屋から召集される事が多い。十二月田猛臣をバカにしているが、二人の掛け合いは夫婦漫才のように息が合っている。十二月田から「パイパイ星人」「パイ子」と呼ばれている。

荒羽 天馬 (あらわ てんま)

復讐代行業「怨み屋本舗」横浜支店の支店長を務める工作員の男性。夜でもサングラスをかけており、ロッカー風の黒づくめの服装をしている。聴力が非常に発達している絶対音感の持ち主で、音を頼りに相手の行動を予測する。大音量を流されるなど、音を察知できなくなると途端に攻撃力が下がり、サングラスを外されると人格が変わり、弱虫になってしまう。 そのため実力者ながら後継者にはなれなかった過去がある。「シェケナッ」が口癖。十二月田猛臣には「黒メガネ」と呼ばれている。

シュウ

復讐代行業「怨み屋本舗」の臨時の工作員で、怨み屋の弟。元ホストで今はクラブ経営をしている。本業があるため、怨み屋からの仕事を嫌がっている節もある。巣来間風介とキャラクターが被っているイケメンだが、ケンカも強く、「恨み屋商会」との決戦では麻生寧音を死闘の末倒し、妹分のようにかわいがっていた杉河里奈の敵を討った。 十二月田猛臣には上司のブラザーという事で、「ジョシブラ」と呼ばれている。

杉河 里奈 (すぎかわ りな)

復讐代行業「怨み屋本舗」の工作員の大学生。年齢は19歳。以前の「恨み屋商会」との抗争時に柳海律子にボコボコにされた事もあり、戦闘能力を身につけるため、泡森拓実のもとに修行に出されていた。噓をつく時に、口の右端が上がる癖がある。「恨み屋商会」との決戦に供え、工作員としての適性があるか否か確認すべく、怨み屋に召集された。 普段は早乙女元次が所長を務める私設刑務所で看守として働いている。師匠である泡森と恋愛関係にあり、泡森を心底慕っている。圧倒的な暴力を身につけた事で、性格が歪み、怨み屋にも口答えするようになるが、鎧塚凱夢に追い詰められた際には、暴力を主軸にした自分の愚かさと同時に、怨み屋への感謝の思いを痛感する事になる。 鎧塚に無残に殺された事から、杉河里奈を後継者候補と考えていた怨み屋の怒りに火が付き、「恨み屋商会」への「REVENGE計画」がスタートした。

泡森 拓実 (あわもり たくみ)

復讐代行業「怨み屋本舗」の元・工作員の男性。今は杉河里奈の教育係として格闘技を教えている。普段は早乙女元次が所長を務める私設刑務所で看守として働いている。いつも微笑を浮かべているが、その奥には邪悪なものを隠し持っている。以前の「恨み屋商会」との抗争時、左目を鎧塚凱夢に潰された事から彼をひどく怨んでいる。 鎧塚とは恋人関係だった事もあり、嫉妬心からの怨みである事は周囲に隠している。現在は里奈と恋愛関係にあるが、里奈を利用しているだけであり、里奈を殺人マシーンに育て上げ、鎧塚を倒そうと考えている。カッとなると見境がなくなる癖があり、非常に不安定な性格。強い者になびく下衆な面もある。十二月田猛臣から「ニヤオ」と呼ばれている。

早乙女 元次 (さおとめ げんじ)

千葉の山奥にある私設刑務所のオーナーであり、所長を務める男性。年齢は59歳。傭兵だったが、約30年前に先代怨み屋にスカウトされ、怨み屋本舗の工作員となり、何人もの工作員を育ててきた。かつては「怨み屋本舗」最強の男と言われていた屈強な人物。鎧塚鎧夢が私設刑務所を奇襲した際には、杉河里奈と泡森拓実を匿って戦ったが、刑部英郎に銃で撃たれて死亡。 その際、最後の一撃として投げたナイフで刑部を殺害した。

大西 美紀子 (おおにし みきこ)

以前、「顔を失くした女」事件で、被害者となった女性。165センチ45キロという怨み屋と同じ身長と体重を持つ事から、怨み屋が紹介した整形外科医で薬品焼けの部分を治してもらい、怨み屋と同じ顔になって新たな人生を生きる事となった。以降、顔を治してもらった感謝から怨み屋の影武者となり、怨み屋が身分証明書を持つ架空の人物「内村緑」のアリバイ作りに協力した。 その行動は「怨み屋本舗」大阪支店の工作員が見張っている。

J (じぇい)

情報屋が使っていた下請けの男性。Jとロゴが入ったキャップにサングラスをかけ、マスクをしている。以前の「怨み屋本舗」と「恨み屋商会」の抗争の3日後、自分の情報を情報屋に売ったと思い込んだ柳海律子により殺害された。

鎧塚 凱夢 (よろいづか がいむ)

「恨み屋商会」の社長を務める男性。元「怨み屋本舗」の工作員で、次期後継者と目されていた人物。顔にキズがあり、蛇柄のスーツで決めている。生後8か月の時、自宅に強盗が入り、両親はメッタ刺しにされ殺された。その原体験が影響したのか、他人に対する慈悲の心を持つ事はなく、平気な顔で人を殺害する事ができる。だが、根は用心深い小心者でもある。 人の心の隙間につけこむのがうまく、柳海律子をはじめとする部下を自分の駒の一つとしてあやっているが、自分かわいさからスパッと切り捨てる事も多い。いじめっ子がそのまま大人になったような幼稚な性格で、先代怨み屋にも器が小さく安っぽい男だと見なされ、後継者に指名されなかった。その後、「正義」を大義名分に、依頼にはない人間も、自分の技術向上のために殺していた。 厚木支店長だったが、のちに仲間の工作員を何人か殺し、本店に奇襲をかけて抗争を起こす。その際、怨み屋に崖から海に落とされて死亡したと思われていたが、実は生き延びており「恨み屋商会」を設立して「怨み屋本舗」への復讐の機会を狙っていた。その後、先代怨み屋やドクターを次々に殺すが、最終的に「怨み屋本舗」とは休戦協定を結ぶ事になる。 だが、藤堂歩に会員制復讐SNS「AVENGE」というサイト制作を持ちかけ、荒稼ぎをしたり、半グレ集団「多威我亞連合」のリーダー・由解光明から3億円を脅し取ろうとするなど、「怨み屋本舗」との抗争に備えて準備を整えている。 また10億円の隠し場所が記されている、先代怨み屋の懐中時計を探している。藤堂や由解にはイベントプロデューサーの「佐藤」と名乗っている。最終的にはバカにしていたオタクの十二月田猛臣と成下鞘華に追い込まれ、怨み屋に打ちのめされたあと、最も屈辱的な方法で殺害される事となった。実は、両親を殺害した亜須田一夫こそが自分の実の父親であり、その事は殺害された母親しか知らない。 「怨み屋本舗」の工作員だった時には、怨み屋と恋愛関係にあり、その裏で泡森拓実とも肉体関係を持っていた。「その復讐に正義はあるか?」が決め台詞。

柳海 律子 (やなみ りつこ)

「恨み屋商会」でNo.2の地位にある工作員の女性。年齢は27歳。眉間にホクロがある。傷害致死罪で少年院に入ったあと、復讐代行業を転々とし、鎧塚凱夢にスカウトされた。当時から凶暴で有名であり「瞬殺サイボーグ」と呼ばれていた。半グレ集団「多威我亞連合」のリーダー、由解光明とは昔の復讐代行業時代の仲間。 鎧塚に惚れており、絶対服従していたが、最終的には捨て駒としてゴミのように扱われてしまう。

麻生 寧音 (あそう ねおん)

「恨み屋商会」でNo.3の地位にある工作員の女性。ショートボブの髪型で、アイシャドウを目の周りにたっぷり塗った独特のメイクをしている。ナイフ使いの名人だが、ナイフを舐めては舌を切ってしまう間抜けな面もある。一方で戦闘の時は用心深く冷静に振る舞い、報酬に関しても老後のために貯金しようと発言するなど、見た目と異なって堅実なところもある。

刑部 英郎 (おさかべ ひでろう)

「恨み屋商会」でNo.4の地位にある工作員の男性。長めの髪にキャップをかぶった射撃の名手。ドクターを殺したスナイパーでもある。「恨み屋商会」が千葉の私設刑務所に奇襲をかけた際、早乙女元次を撃ち殺すが、彼が最後の一撃として投げたナイフを受けて死亡する。

木経 透子 (きつね とうこ)

以前、聖福教の幹部を殺した事件で指名手配されている女性。当時、怨み屋にはめられた事を根に持ち、彼女を殺したいほど憎んでいる。「コーンコーンコーン」というのが口癖で、男性に対して「私を性の対象として見ていただろ」と詰め寄るなど、自尊心が異様に高く、倒錯した性格。刑部英郎亡きあと、「恨み屋商会」の工作員として補充されるが、鎧塚鎧夢に捨て駒として扱われ、十二月田猛臣との戦いで川に沈められ、溺死する。

成下 鞘華 (なりした さやか)

十二月田猛臣の舎弟の女性。年齢は36歳。十二月田がピンチの時に現れ、巨体を武器に戦う。十二月田を地底人と思い込んでおり、「サヤカの耳は故障中」と言いながら耳を塞ぎ、「地底人(十二月田)からの命令以外聞こえませーん」と言いながら、彼の命令にだけ従う。「ブタ」と呼ばれる事は構わないが、「デブ」と呼ばれると凶暴化する。 十二月田から「カプセル怪獣」と呼ばれており、「怨み屋本舗」メンバーからは「サヤカ」と呼ばれている。「恨み屋商会」と「怨み屋本舗」の抗争の最終局面では、十二月田と共に鎧塚凱夢を窮地に追い込む活躍を見せる。

姫岸 杏 (ひめぎし あん)

ドクターと先代怨み屋の孫娘で、姫岸育雄の娘。千葉で開業医をしている内科医の女性。週2回は「要生総合病院」で非常勤勤務医として働いている。ロングヘアでメガネをかけている。「お局」という言葉には非常に敏感に反応する。つねに挑戦的な口調で話すのが特徴。人間の身体の仕組みを熟知し、急所を心得ているので、接近戦に強い。 怨み屋から工作員にスカウトされており、協力する事もあるが、「恨み屋商会」と接触して「怨み屋本舗」のアジトを突き止める事を約束するなど、どちらの味方かは謎めいている。だが実は、自身の家族を殺した鎧塚凱夢の命を狙っている。ヘビースモーカー。

先代怨み屋 (せんだいうらみや)

「怨み屋本舗」の先代社長の高齢女性。姫岸杏の祖母で、姫岸育雄の母親。ドクターと夫婦関係にあった。約30年前に傭兵だった早乙女元次をスカウトするなど、数々の工作員を育ててきた人物。「勘のよさ」「人並み外れた観察力」を持つ怨み屋と鎧塚凱夢を後継者候補にしていたが、鎧塚を幼稚で安っぽい男と見限り、怨み屋を後継者に指名した。 それゆえ、鎧塚に怨まれる事になり、鎧塚にあやつられたドクターにより殺害された。10億円の隠し財産を記した懐中時計を、後継者の怨み屋に譲っている。

ドクター

先代怨み屋と夫婦関係にあった医者。姫岸杏の祖父で、姫岸育雄の父親。鎧塚凱夢に先代怨み屋を殺すよう仕向けられ、のちに刑部英郎に殺害された。

姫岸 育雄 (ひめぎし いくお)

ドクターと先代怨み屋の息子で、姫岸杏の父親。裏社会とは何の関係もない、区役所務めの男性。55歳の時、鎧塚凱夢に誘われた裏カジノで3000万円もの借金を背負わされた。先代怨み屋の隠し財産10億円の在処が記してある懐中時計の存在を鎧塚に話した事から、用無しと判断され、保険金目当てに自殺に見せかけて殺された。

寄木 聡 (やどろぎ さとし)

警視庁松島警察署の警部の男性。巣来間風介が知る神奈川県警の寄木和哉のイトコにあたる。切れ者で知られ、以前から怨み屋を執拗に追い続けている。秦野誠一と行動を共にしている。鎧塚凱夢にハメられた怨み屋を拘束するが、「内村緑」と名乗った怨み屋のアリバイが証明され、取り逃がす事になる。

秦野 誠一 (はたの せいいち)

警視庁松島警察署の刑事で巡査長の男性。寄木の部下で、いつも行動を共にしている。杉河里奈とは以前から顔見知りであり、妹のように思っていた。噓をつく時に、相手の目を直視する癖がある。15年前、小学生の妹がひき逃げされて死亡した事から刑事になった。その犯人、柿庭天平の転職先を訪れ、別の事件にかこつけて彼の正体をそれとなく漏らすなど、ささやかな復讐を繰り返している。 怨み屋にその復讐現場の証拠を突き付けられ、ズバッと復讐して前へ進めと、決断を迫られる。怨み屋に柿庭への復讐を依頼し、代わりに怨み屋の命令を10回聞くという約束を交わし、怨み屋の「犬」となった。

由解 光明 (ゆげ みつあき)

半グレ集団「多威我亞連合」のリーダーを務める男性。ロングヘアにアゴヒゲを生やし、ホストのようなスーツで決めている。復讐代行業をしていた事もあり、柳海律子と仲間だった過去がある。オレオレ詐欺などの犯罪行為でボロ儲けしており、大勢の部下を抱えているが、下っ端の連中をゴミのような存在だと見なしている。連合の部下が杉河里奈と泡森拓実に半殺しにされ、佐藤と名乗る鎧塚凱夢に、里奈達の首を取ってきたら一人につき300万円払うという商談をした事から、鎧塚から3億円脅される事になる。 里奈の殺害に間接的にかかわった事で、怨み屋から復讐の標的に加えられる。

藤堂 歩 (とうどう あゆむ)

IT企業 「TDシステムズ」の社長を務める男性。会社立ち上げの際、母方のイトコである宮上広志を手伝わせ、のちに彼がネット詐欺を働いて逮捕された事で、倒産の危機に陥った。当時宮上を標的としていた怨み屋を逆恨みし、復讐すべく行方を追っている。蠟人形のように無表情で、幼い頃に貧乏だった事もあり、屈折した性格をしている。 金と名誉を欲しているため、自分の邪魔になるものを排除したいという気持ちが人一倍強い。そのため、社員のPCをハッキングしたり、タブレットに盗聴アプリを仕込み、会社に損害を与えた社員を、人知れず犯罪者に仕立て上げる事もある。イベントプロデューサーの佐藤と名乗って近づいて来た鎧塚凱夢に乗せられ、怨み屋を探せるという理由で、会員制復讐SNS「AVENGE」という復讐サイトを制作した。

不衣魚 琴音 (ふしみ ことね)

エピソード「復讐の幕開け」に登場する。働くのが嫌で、酔っ払い相手にスリを働いている女性。年齢は29歳。自分を不幸だと思い込み、高校時代から万引きや放火などの悪事を働き、付き合った男性とは長く続かず、それをすべて社会が悪いせいにしている。

会社員 (かいしゃいん)

エピソード「復讐の幕開け」に登場する。既婚の男性サラリーマン。不衣魚琴音に財布をすられて詰め寄ったが、逆に痴漢の冤罪を着せられ、パンツ一丁で土下座させられるという屈辱を味わわされる。怨み屋に200万円で、琴音が二度とスリができないよう依頼する。実は酔った女性ばかりを狙い、乱暴を働いて屈辱を与えていた自分勝手な人物。

村井 奈津美 (むらい なつみ)

エピソード「偽装離婚の罠」に登場する。32歳の女性。粕島光政とお見合いパーティーで知り合って結婚した。光政の借金のために偽装離婚するが、実は彼に貯金600万円を奪われ、借金1100万円を背負わされた。「怨み屋本舗」の依頼人。

粕島 光政 (かすじま みつまさ)

エピソード「偽装離婚の罠」に登場する。29歳の男性。闇金をしている後輩と組み、合法的な結婚詐欺で大金を儲けている。だが、金目当てというよりも、個人的な怨みをはらす復讐の要素が強い。イケメンだが異様に粘着質で、結婚していた女性達は、昔自分に酷い嫌がらせをしたと思い込んでいる。

松野 京香 (まつの きょうか)

エピソード「偽装離婚の罠」に登場する。村井奈津美の次に粕島光政が結婚した女性。松野京香の父親にバイクを盗んだ事を通報され、それを根に持った粕島のターゲットにされたが、実は通報した人間は「町野」という別人だった事がのちに判明する。

今野 絵理華 (こんの えりか)

エピソード「偽装離婚の罠」に登場する。粕島光政と婚約中の女性。OLとして働いていた時に、清掃のアルバイトをしていた粕島のバケツを蹴飛ばした事を根に持たれている。注意深い性格で、なかなか粕島の思い通りに金を出さない。

八田川 乃笑琉 (やたがわ のえる)

エピソード「理不尽な復讐」に登場する。八田川英人と八田川直美の息子で、高校生。月20万円の小遣いをもらうなど親に甘やかされており、自分勝手で狡猾な性格。城田圭一の車に、スマートフォンを見ながら自転車で衝突し、怒り狂って圭一を殴って前歯を折った。その後、城田の妻を言いくるめ、自らの欲望のはけ口として使い、性行為を動画に撮って脅した。

八田川 英人 (やたがわ ひでと)

エピソード「理不尽な復讐」に登場する。年商50億円企業の八田川物産の社長の男性。八田川直美の夫で八田川乃笑琉の父親。二代目ボンボン社長であり、何事にもツメが甘い性格。乃笑琉が殴った事から示談金を払った城田圭一が、取引先の社員だと知ると、情報を盗んだとしてスパイの罪を着せた腹黒い人物。

八田川 直美 (やたがわ なおみ)

エピソード「理不尽な復讐」に登場する。八田川英人の1歳年上の妻で、年齢は43歳。八田川乃笑琉の母親。一般的な会社員の娘だが、官能的な肉体を持ち、つねに複数の彼氏がいた。肉体を武器に、年商50億円企業の二代目社長の妻の座を獲得。庶民出身のため、結婚後セレブへのコンプレックスが肥大化し、同時に同族嫌悪ともいえる「庶民」への嫌悪感を募らせていった。 「恨み屋商会」に城田圭一への復讐を依頼する。

城田 圭一 (しろた けいいち)

エピソード「理不尽な復讐」に登場する。マロン工業の社員の男性で、年齢は32歳。城田の妻とのあいだには2歳の息子がいる。自転車に乗りながらスマートフォンを見ていた八田川乃笑琉と車で衝突し、乃笑琉に殴られて前歯を折る。だが乃笑琉の父親の八田川英人が取引先の社長であった事から、八田川に嵌められ、情報スパイとして懲戒処分になるか否かの瀬戸際に立たされる。 その後、八田川直美が「恨み屋商会」に復讐を依頼し、鎧塚凱夢が会員制復讐SNS「AVENGE」に掲載した事で、一般人から暴行を受ける。

城田の妻 (しろたのつま)

エピソード「理不尽な復讐」に登場する。城田圭一の妻で、2歳の息子がいる主婦。八田川乃笑琉と夫との衝突事故が原因で、夫が八田川英人にはめられ、懲戒処分になるか否かの瀬戸際に立たされた件で、乃笑琉に性交渉を強要される。さらに夫が傷害事件に遭った事から「怨み屋本舗」に八田川家への復讐を依頼する。

毛呂山 愛 (けろやま あい)

エピソード「要生町の人々-3Rおばさん」に登場する。東京都某区要生町に住む主婦。毛呂山珠理杏の母親。「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」を掲げ、峰塚浩一家にゴミを押し付ける非常識な女性。カッとなると周囲が見えなくなる自分勝手な性格。要生町の事を知り尽くしており、峰塚夫婦を卑劣な手段で追い込む。

毛呂山 珠里杏 (けろやま じゅりあん)

エピソード「要生町の人々-3Rおばさん」他に登場する。東京都某区要生町に住む毛呂山愛の娘で、母親と同居している。派手なスウェットの上下を着ている無職の若い女性。アルバイトなどはせず、幼なじみで年下の葉瀬果絵菜を恐喝して小遣い稼ぎしている。

峰塚 浩一 (みねづか こういち)

エピソード「要生町の人々-絡まる怨み」他に登場する。東京都某区要生町に住み、IT企業 「TDシステムズ」でシステムエンジニアとして勤務する男性。地域密着型プロバイダーの「SHOW SHOW コミュニケーションズ」に派遣されている。峰岸沙羅の夫で小学生のマサヤの父親。毛呂山愛・親娘に壊れた家電製品をあげると言われたが、断り続けた事を逆恨みされ、町内の仲間外れにされた事で、「怨み屋本舗」に毛呂山への復讐を依頼した。 外見はさわやかなイケメンだが、粘着質で屈折した裏の顔を持つ。妻をひざまずかせるため、「ミスター・X」を名乗って堂園弦一を脅し、妻の裸の写真を撮らせるように仕向けた張本人。自分が派遣されている「SHOW SHOW コミュニケーションズ」で、エロサイトの管理人が堂園である事を突き止め、また堂園が未成年をホテルに連れ込んでいるのを見かけた事から、堂園をゆするに至った。 近所の主婦、不二野温美に執着している。性欲旺盛であり、それがパソコンスキルの向上につながった。

峰塚 沙羅 (みねづか さら)

エピソード「要生町の人々-絡まる怨み」他に登場する。東京都某区要生町に住む主婦。峰塚浩一の妻であり、小学生のマサヤの母親。要生信用金庫の堂園弦一に、出会い系サイトのサクラのアルバイトをしている件で脅され、全裸の写真を撮られてしまう。のちにそれが夫婦の力関係を逆転させたい浩一によって仕組まれた事だと知り、浩一と離婚する。

不二野 温美 (ふじの あつみ)

エピソード「要生町の人々-3Rおばさん」他に登場する。東京都某区要生町に住むスタイルのいい主婦。峰塚沙羅と仲がよかったが、峰塚夫婦が出したゴミの中に、自分の顔をヌード写真にアイコラされた写真を見つけ、峰塚夫婦を疑う。最終的に毛呂山愛が逮捕されたため、沙羅とは和解する。

堂園 弦一 (どうぞの げんいち)

エピソード「要生町の人々-絡まる怨み」他に登場する。要生信用金庫に勤務する独身男性。年齢は42歳。職権を利用し、要生町の住民の口座などから色々な情報を得ている。異常な性癖の持ち主で、性行為ではなく、裸体だけに興味がある。本物の女性が苦手で、行きずりの女性の写真を撮ってはネットにアップし、読者の反応に快感を覚える事で、屈折した性欲を満たしている。 気分が高揚した時や紙をめくる時に、指を舐める癖がある。札束を燃やした火で焼肉をする趣味があり、そのために金持ちの老人を孤独死したように見せかけて殺害している。

久村 (ひさむら)

エピソード「要生町の人々-絡まる怨み」他に登場する。要生信用金庫に勤務する中年男性で、堂園弦一の上司である係長。堂園を注意した事を怨まれ、客の口座から現金を盗んだ罪を彼に捏造され、会社をクビになった。堂園への復讐を怨み屋に依頼する。

葉瀬 果絵菜 (はせ かえな)

エピソード「要生町の人々-絡まる怨み」他に登場する。東京都某区要生町に住む若い女性。葉瀬義一郎の孫で、義一郎の金庫からいつも金を盗んでいる。毛呂山珠里杏の幼なじみだが、物心ついた時には使いっぱしりとして使われており、理不尽な要求ばかりされるので、珠里杏を憎んでいる。自分名義で復讐SNS「AVENGE」というサイトに登録された事がきっかけとなり、緑至健次に珠里杏への復讐を依頼するが、それ以降、緑至に金づるにされてしまう。

葉瀬 義一郎 (はせ ぎいちろう)

エピソード「要生町の人々-新たな事件」他に登場する。東京都某区要生町の町内会長の老人で、葉瀬果絵菜の祖父。アパート経営をする資産家だが、町内会の金を横領している金の亡者。興奮すると入れ歯を落とす。のちに果絵菜が緑至健次に殺された事から、怨み屋に緑至への復讐を依頼する。

緑至 健次 (りょくじ けんじ)

エピソード「要生町の人々-新たな事件」他に登場する。生活保護の不正受給で暮らす若い男性。傷害罪と脅迫罪で前科二犯。通行人に暴行を働いて恐喝しているところを、鎧塚凱夢に会員制復讐SNS「AVENGE」というサイトの工作員にスカウトされる。金は金持ちから奪えばいいという考えの持ち主で、「AVENGE」で葉瀬果絵菜から依頼を受け、金持ちである彼女を金づるにする。 だが、果絵菜が警察に行くと言った事から、彼女に薬を飲ませ、殺害してしまう。「AVENGE」に賞金首として掲載されている怨み屋を狙っている。マスクをしている事が多く、怨み屋達に「マスクの男」と呼ばれている。

峰塚浩一の元彼女 (みねづかこういちのもとかのじょ)

エピソード「要生町の人々-絡まる怨み」他に登場する。峰塚浩一の元彼女で人妻。峰塚に過去に撮られた写真をネタに、今でも肉体関係を強要されている。峰塚が危険日を狙って孕ませようとしてくるので、ピルを飲まざるを得なくなり、太ってしまう。またそのせいで、夫とのあいだに子供もできない事に苦しみ、峰塚への復讐を怨み屋に依頼する。

影原並次郎の娘 (かげはらなみじろうのむすめ)

エピソード「要生町の人々-絡まる怨み」他に登場する。堂園弦一に孤独死に見せかけて殺害された独居老人の娘で、神奈川県在住。情報屋が盗撮した堂園の動画を巣来間風介に見せられ、堂園の社会的抹殺を巣来間に依頼した。

二ツ川 圭司 (ふたつがわ けいじ)

エピソード「つぶやく者達」に登場する。優秀大学情報科学科4年生の男性。IT企業「TDシステムズ」に就職が決まっている。欠村洲張のいとこで、市松野来夢と付き合っている。PCに詳しく、「スマホを乗っ取るソフト」を制作し、人が破滅するのを見るのが面白いという理由で、来夢や洲張の嫌がらせに協力している。嫉妬深い性格で、来夢が処女ではなかった事を、ずっと根に持っている。

市松野 来夢 (いちまつの らいむ)

エピソード「つぶやく者達」に登場する。優秀大学4年生の女性。二ツ川圭司と付き合っている。過去に欠村洲張のセックスフレンドだった事があり、圭司の彼女として再会後、洲張に関係を強要されている。SNS「ツブヤイター」中毒で、いつでも捨てられる別アカウントから好き放題つぶやき、街で見かけた気持ち悪いオタクとして十二月田猛臣の動画をアップした。 美人で家が裕福な日並野多映への嫉妬心から、圭司の協力を得て多映を陥れる。

日並野 多映 (ひなみの たえ)

エピソード「つぶやく者達」に登場する。優秀大学4年生の女性で、市松野来夢の友達。美人で家が裕福な事から、市松野来夢に陰で目の敵にされている。来夢にスマートフォンを乗っ取られた。そのため、SNSに見に覚えのない書き込みをされ、就職の内定が取り消しになったり、退学処分にさせられそうになる等の被害を受ける。怨み屋に犯人探しと復讐を依頼する。

欠村 洲張 (かけむら すばる)

エピソード「つぶやく者達」に登場する。株式会社「ツインリバーズ」の男性社員。年齢は23歳。会長の甥で、二ツ川圭司とはいとこにあたる。SNS「ツブヤイター」などで先輩の先崎進次郎の悪口や取引先の悪口、会社の極秘プロジェクトを書き込み、解雇される事となった。それを先崎のせいだと逆恨みし、圭司の協力で「スマホを乗っ取るソフト」を使用し、先崎を罠にはめる。 三流大学を中退しており、その事を圭司から陰でバカにされている。

先崎 進次郎 (さきざき しんじろう)

エピソード「つぶやく者達」に登場する。株式会社「ツインリバーズ」の男性社員。年齢は36歳。欠村洲張の上司で主任。欠村に自分の名でネットに取引先の悪口を書かれ、社会的信用が失墜した事から、怨み屋に欠村への復讐を依頼する。

オタク三人組 (おたくさんにんぐみ)

エピソード「つぶやく者達」「バイトテロ」に登場する。牛柄のフードをかぶって眼鏡をかけた太った男性、キノコ頭の細身の男性、ヘビーメタル風のファッションを身につけた太った男性の三人組でオタク仲間。市松野来夢に画像をSNS「ツブヤイター」にアップされ、笑い者にされる。また、二ツ川圭司に極悪非道なオタクとして合成画像を捏造された十二月田猛臣のスネーク(ネットにアップされた情報から個人を特定し、自宅や職場を割り出す諜報員)だったが、十二月田の仕業でない事が証明され、十二月田とはオタク仲間の友達になる。 その後、十二月田との飲み会を、お好み焼き「ボラン亭」で開催した際、アルバイトの成鮫火星からお好み焼きに唾を入れられるなどの被害に遭ってしまう。

根部 真彦 (ねぶ まさひこ)

エピソード「被冤者」に登場する。「ホームセンターマロン」に勤務していた男性。日常的にパワーハラスメントを受けていた矢名田修を撲殺したとして、強羅剛の執拗な取り調べを受ける。自殺した妻子の死に顔を見せるという事をエサに、強羅によって無理やり自白させられる。奪われた7年間の怨みをはらすべく、怨み屋に強羅への復讐を依頼する。

矢名田 修 (やなだ おさむ)

エピソード「被冤者」に登場する。「ホームセンターマロン」の店長を務めている。太った体型の黒縁眼鏡をかけた男性で、いつも誰かをいじめていないと気が済まない歪んだ性格をしている。根部真彦にパワーハラスメントを毎日のように行っていた。万引きをした強羅剛を脅して何かと便宜を図らせ、強羅の恨みを買っていた。飲み会の帰りに根部真彦と揉めたあと、強羅に撲殺される。

強羅 剛 (ごうら つよし)

エピソード「被冤者」に登場する。松島署の男性刑事。サングラスをかけ、口ひげをはやしている。矢名田修が撲殺された事件で、容疑者として根部真彦を執拗に取り調べをし、自殺した妻子の死に顔を見せるといって、自白調書にサインさせた。住民調査した個人情報をリスト化し、オレオレ詐欺グループに売ったり、押収した合成麻薬で女性を強姦したりと、やりたい放題の悪徳刑事として知られている。

田戸 紀夫 (たど のりお)

エピソード「被冤者」に登場する。「ホームセンターマロン」に勤務していた男性。矢名田修が撲殺された事件で、根部真彦が殴っていたとの目撃情報を提供した人物。実は矢名田が万引きをネタに強羅剛を脅している事を知っており、自身も矢名田にいじめられている事から、強羅に矢名田が架空の証拠動画を盾に万引き犯をゆすっているとの告発の電話を、偽名でした。 だが、強羅が矢名田を撲殺した現場に居合わせたため、告発した当人だとバレてしまい、根部への不利な目撃証言を強要される。その後、自責の念に耐えられず、警察に行くと発言した事から、強羅に自殺に見せかけられて殺される。

田戸 良子 (たど りょうこ)

エピソード「被冤者」に登場する。田戸紀夫の妹。根部真彦が出所した際、兄のノートを渡し、兄が偽証した事を詫びた。結果的に、自殺に見せかけて殺された兄の復讐を、自分の手を汚さず敢行した賢明な人物。

淵脇 桜桃 (ふちわき ゆすら)

エピソード「親友ではない友人」に登場する。鹿谷花梨の高校時代の友人の女性。年齢は28歳。花梨とは1年に一度か二度会う程度の関係。友人の家庭の崩壊を目的に、友人宅に居座る歪んだ性格。夫の淵脇真治がギャンブルに浮気にDVまでしていると大げさに吹聴し、匿ってくれるよう頼み込み、友人の夫と浮気するのが常套手段。その手口で花梨の家庭を崩壊させた。

淵脇 真治 (ふちわき しんじ)

エピソード「親友ではない友人」に登場する。淵脇桜桃の夫。シュウのホスト時代の先輩であり、当時シュウから200万円を騙し取った過去がある。桜桃を友人宅に居座らせ、友人の夫と関係を持つと、レイプされたと主張して慰謝料を請求する「押しかけ美人局」を行っている。自分の妻を他人に抱かせて喜ぶ「寝取られマニア」であり、酔った客にわざと店の備品を潰させて弁償させる「弁償詐欺」も行っている。

鹿谷 花梨 (しかたに かりん)

エピソード「親友ではない友人」に登場する。鹿谷隆希の妻で、共働きであり、子供はいない。高校時代の友達である淵脇桜桃を家に泊めた事から、家に居座られて夫を寝取られ、挙句の果てに桜桃の夫、淵脇真治に脅されるという散々な目に遭い、夫と離婚した。示談金よりも自分の家庭の崩壊を狙った淵脇夫婦と、軽々しく桜桃の誘いに乗った隆希への復讐を怨み屋に依頼する。

鹿谷 隆希 (しかたに たかき)

エピソード「親友ではない友人」に登場する。東京都の都庁職員の男性で、鹿谷花梨の夫。32歳でマンションを購入したエリートだが、花梨の友達の淵脇桜桃が押しかけて来た際、彼女から誘われて肉体関係を持ってしまう軽率な人物。その後、桜桃の夫・淵脇真治に500万円での示談を要求されて従ったが、離婚した花梨が怨み屋に復讐依頼した事により、浮気の証拠画像を職場に送られ、都庁をクビになる。

寸林 (すんばやし)

エピソード「十二月田VS.半グレ」他に登場する。半グレ集団「多威我亞連合」の末端の一員。自分の犯罪を周囲に吹聴し、自慢する幼稚な性格。自身のひったくりを阻止した東部守という大学生に暴力を振るって重傷を負わせる。守の母親からの復讐依頼により怨み屋の標的となり、十二月田猛臣にはめられ、敵対する半グレ集団から暴行される。 その後、「多威我亞連合」を巻き込んでの「恨み屋商会」と「怨み屋本舗」の抗争の際には、荒羽天馬から「多威我亞連合」のリーダー、由解光明が下っ端を利用して私腹を肥やしているという証拠音声を聞かされ、由解に反旗を翻し、連合を壊滅させるのに一役買った。

金村 華代 (かねむら はなよ)

エピソード「ながらスマホ狩り」に登場する。独身のフリーターの女性。年齢は37歳。出っ歯のニキビ面で、目つきが悪い。スマートフォンのオンラインゲームに毎月30万円以上つぎ込んでいる。スマートフォンを見ながら歩いている「ながらスマホ」の会社員を標的にしている新種の「当たり屋」。悪知恵が働き、警察の管轄違いの場所で犯罪を繰り返し、通院履歴を追いづらくするため、健康保険も使っていない。

島根 陽平 (しまね ようへい)

エピソード「ながらスマホ狩り」に登場する。新婚の若い男性会社員。スマートフォンを見ながら歩いている時に金村華代にぶつかられ、法外な治療費を請求される。怨み屋に華代への復讐を依頼する。だがその後も、「ながらスマホ」の癖が治らないという懲りない性格。

痴漢でっちあげ女 (ちかんでっちあげおんな)

エピソード「VS.痴漢撃退女」に登場する。女子大学生。あらかじめ携帯に貼っておいた「痴漢撃退スタンプ」を使い、公務員や会社員を痴漢にでっちあげ、示談金を得ている。仲間の男子大学生が電車内で痴漢行為の目撃者となるのが常套手段。

鶴崎 良一 (つるさき りょういち)

エピソード「バイトテロ」に登場する。お好み焼き「ボラン亭」のオーナーの男性。年齢は40歳。アルバイトの成鮫火星達に店を任せた際、彼らが客のお好み焼きに唾を入れるなどの画像をSNSにアップした事から、苦情が殺到し、閉店の危機に追い込まれてしまう。火星がライバル店「海鮮前夜」のスパイだったと知り、怨み屋に成鮫火星の叔父と火星への復讐を依頼する。

成鮫 火星 (なりさめ まあず)

エピソード「バイトテロ」に登場する。専門学校生の男性。お好み焼き「ボラン亭」のアルバイト店員。年齢は19歳。成鮫火星の叔父に頼まれ、鶴崎良一がオーナーのお好み焼き「ボラン亭」で、客の食べ物に唾液を入れるなどの画像をSNSにアップし、また出汁のレシピも盗んでいた。カッとしやすい短絡的な性格で、叔父のお好み焼き「海鮮前夜」でも同じいたずらを繰り返し、墓穴を掘る事になる。

成鮫火星の叔父 (なりさめまあずのおじ)

エピソード「バイトテロ」に登場する。お好み焼き「海鮮前夜」のオーナーの中年男性。成鮫火星の叔父。悪知恵が働き、意地汚い性格で、ライバル店「ボラン亭」を蹴落とすべく、火星をアルバイトに行かせた首謀者。火星を使い、「ボラン亭」の出汁の味を盗み出していた。

佐見垂 公平 (さみだれ こうへい)

エピソード「復讐サイトAVENGE」に登場する。会社員の男性。仕事ができないため、いつも上司の片山明から叱責されている。それを根に持ち、「恨み屋商会」の鎧塚凱夢に片山への復讐を200万円で依頼した。損をするのが大嫌いな性格で、のちに鎧塚が会員制復讐SNS「AVENGE」上で35万円で一般人を使い、片山に復讐していた事を知り、「恨み屋商会」への憎悪を募らせる。 のちに片山が復讐依頼した「怨み屋本舗」の杉河里奈により、半グレ集団「多威我亞連合」から半殺しの目に遭うよう仕向けられる。

片山 明 (かたやま あきら)

エピソード「復讐サイトAVENGE」に登場する。会社員の男性。仕事のできない部下の佐見垂公平からの逆恨みで、会員制復讐SNS「AVENGE」というサイトに投稿され、半グレ集団「多威我亞連合」の三人組に襲われて重傷を負う。その後、佐見垂への復讐を「怨み屋本舗」に依頼する。

間違われた女 (まちがわれたおんな)

エピソード「復讐サイトAVENGE」に登場する。会員制復讐SNS「AVENGE」というサイトに賞金首として投稿されている怨み屋に間違われ、半グレ集団「多威我亞連合」の三人組に襲われて重傷を負った女性。彼らと「AVENGE」を作った人間、藤堂歩の復讐を怨み屋に依頼する。

梅島 洋平 (うめじま ようへい)

エピソード「復讐サイトAVENGE」に登場する。IT企業 「TDシステムズ」に勤務する若い男性。ミスで会社に800万円もの損害を与えた事により、社長の藤堂歩に自分のPCをハッキングされ、ネット犯罪をでっちあげられる。

柿庭 天平 (かきば てんぺい)

エピソード「秦野誠一」に登場する。秦野誠一の妹をひき逃げした男性。自分勝手な性格で、ひき逃げしたのは自らの飲酒運転を隠ぺいするためであり、罪悪感は微塵も持ち合わせていない。刑務所からの出所後、復讐の機会を狙う秦野に、ストーキング行為をされていた。

亜須田 一夫 (あすだ かずお)

エピソード「REVENGE」に登場する。32年前、鎧塚凱夢の両親が殺害された事件の重要参考人であった警察官の男性。その後は栗正警備保障に就職し、現在は定年退職している。鎧塚の母親と交際していた過去があり、結婚するまで二股をかけられていた鎧塚の母親を殺し、その後、彼女の夫を殺害した。最終的には、怨み屋から両親を殺害した犯人の情報を得た鎧塚に殺害される事となった。 当時、鎧塚の本当の父親が自分自身である事を知らなかった。

集団・組織

怨み屋本舗 (うらみやほんぽ)

頭脳を使って間接的に標的を抹殺する復讐代行業を行う会社。社長は怨み屋。社員である工作員は、十二月田猛臣、杉河里奈、横浜支店の巣来間風介、曽武川由香、荒羽天馬。協力者に情報屋、シュウなどがいる。依頼者になりそうな人間に目星をつけ、「あなたの怨み晴らします」と書かれた黒い名刺を目につく場所に置くなど、足を使った地道な営業活動をしている。 メニューは、人探しや社会的抹殺、実質的殺害などがある。代金は応相談で、実質的殺害に関しては、それ相応の金額が必要となる。復讐しないと前に進めない人達のために仕事をしており、そこに「正義」や「大義名分」を持ちだすとややこしくなるので、自分達は「必要悪」という事を忘れないようにと、怨み屋は社員に教えている。 先代怨み屋から、後継者として怨み屋が指名された事により、当時後継者候補と目されていた鎧塚凱夢が反旗を翻し、「恨み屋商会」を立ちあげ、「怨み屋本舗」と対立するようになったが、休戦協定が結ばれていた。

恨み屋商会 (うらみやしょうかい)

復讐代行業を行う会社。「正義」の名のもとなら道理も手段も選ばない。社長は鎧塚凱夢。「怨み屋本舗」の後継者を外された鎧塚が立ち上げ、「怨み屋本舗」と抗争していたが、休戦協定が結ばれていた。だが、鎧塚が「怨み屋本舗」の工作員、杉河里奈達を半グレ集団「多威我亞連合」のリーダー由解光明をゆするために殺した事から、再び抗争が勃発する。

多威我亞連合 (たいがーれんごう)

由解光明がリーダーを務める半グレ集団。オレオレ詐欺や恐喝、暴行などを繰り返しており、リーダーをはじめ幹部は私腹を肥やしている。杉河里奈の死にかかわっていた事から、怨み屋に復讐の標的にされる。下っ端の寸林は十二月田猛臣に復讐代行の標的とされた事があり、その因縁からリーダーの由解が下っ端をゴミ扱いしている盗聴音声を荒羽天馬から聞かされ、内紛が起こって壊滅する。

その他キーワード

AVENGE (あべんじ)

会員制復讐SNSのサイト。IT企業「TDシステムズ」の社長を務める藤堂歩が制作した。怨み屋に怨みを持つ藤堂が、イベントプロデューサーの佐藤と名乗り近づいて来た鎧塚凱夢に、復讐サイトで怨み屋を探せると乗せられて制作した経緯がある。実は、鎧塚が「恨み屋商会」で荒稼ぎする目的で作らせたものであり、「恨み屋商会」に依頼があった仕事を、一般人に格安の金額で復讐させる手法を取っている。 怨み屋の写真を賞金首として、サイト内の「人探しの掲示板」に載せている。

前作

怨み屋本舗 (うらみやほんぽ)

栗原正尚の代表作で、後にシリーズ化される「怨み屋本舗」シリーズ第1部。怨みを持つ人間に代わって、復讐を代行する怨み屋を生業とする宝条栞が頭脳を駆使し、依頼人に代わって復讐を果たす様を描く。2009年7... 関連ページ:怨み屋本舗

怨み屋本舗 REBOOT (うらみやほんぽ りぶーと)

栗原正尚の代表作「怨み屋本舗」シリーズ第3部で、『怨み屋本舗 巣来間風介』の続編。怨みパワーが満ち溢れる現代日本の裏社会を舞台に、依頼者に代わって恨みを晴らす怨み屋たちの暗躍と、現代社会の闇を描いた本... 関連ページ:怨み屋本舗 REBOOT

続編

怨み屋本舗 EVIL HEART (うらみやほんぽ えゔぃる はーと)

『怨み屋本舗』シリーズの第5部。自らを「必要悪」と称する怨み屋が、頭脳を駆使して悪を成敗していく。短編から中編で1つの復讐を完了させる、連作形式で描かれたドラマティック・サスペンスだが、最後に展開され... 関連ページ:怨み屋本舗 EVIL HEART

怨み屋本舗 WORST (うらみやほんぽ わーすと)

『怨み屋本舗』シリーズの第6部。謎の女、怨み屋が、法では裁けない人の業を、悪の力をもって闇に葬る。一つの復讐を完了させる連作形式で描かれるドラマティック・サスペンスで、第1巻は連作短編だが、第2巻以降... 関連ページ:怨み屋本舗 WORST

怨み屋本舗DIABLO (うらみやほんぽでぃあぶろ)

栗原正尚の代表作で、テレビドラマにもなった「怨み屋本舗」シリーズの第7部。1~3話で完結する連作形式を基本とする。現代の東京が主な舞台。復讐(ふくしゅう)代行業を生業とする謎の女「怨み屋」が、社会には... 関連ページ:怨み屋本舗DIABLO

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