相棒-たった二人の特命係-

相棒-たった二人の特命係-

TVドラマ『相棒』の「pre season」と「season 1」を基にしたミステリー漫画。杉下右京と亀山薫の特命係コンビが、様々な事件に挑んでいく。

正式名称
相棒-たった二人の特命係-
ふりがな
あいぼう たったふたりのとくめいがかり
原作者
TVドラマ「相棒」
漫画
ジャンル
推理・ミステリー
関連商品
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概要・あらすじ

警視庁捜査一課の刑事である亀山薫は、犯人の確保に失敗したことから特命係へと送られる。この特命係、名前は大層だが、所属しているのは切れ者すぎて周囲から疎まれる杉下右京一人だけ。しかも右京の下についた者は程なくして警察を辞めていくことから、人材の墓場と呼ばれるリストラ部署だった。

一月も保たないだろうと噂されていた亀山だが、右京と気が合い、力を合わせて特命係に持ち込まれる様々な事件に挑む。警察の腐敗に関わるため隠蔽されたような案件もあるのだが、特命係は組織の論理に屈することなく、事件の真相を暴き、正義を貫いていくのだった。

登場人物・キャラクター

杉下 右京 (すぎした うきょう)

中年男性で、常にメガネをかけている。警視庁の窓際部署、特命係のリーダーであり、階級は警部。常に冷静で、慇懃な態度を崩さない。知力と注意力、推理能力に優れた傑物。余人なら見逃すような些細な手がかりや記録の矛盾をきっかけに、事件の真相へと迫っていく。その過程においては地道な作業も厭うことなく、推理と捜査の両輪で犯罪に立ち向かう。 犯罪を憎み、警察官の仕事に高い理想を掲げている。そのため、市民の安全を脅かす者や、警察官でありながら職務を怠る者を許さない。物言いが直接的なため、会話している相手を怒らせることも。職務への厳しい姿勢と歯に衣着せぬ物言い、そして変人ぶりから、杉下右京の下についた多数の警察官が退職。 その結果、特命係は自発的な退職を促したい厄介者を送り込まれる部署となってしまった。優れた能力を持ちながら組織人としては不器用で、身内の不正を隠蔽するなど清濁併せのむ真似ができない。東大法学部卒、国家公務員Ⅰ種のエリートで、かつては将来を嘱望されたキャリア組。 イギリスへ出向し、特殊犯罪への交渉術や作戦行動の指揮といった高度な教育を受けるほどに優れた人物だった。17年前に自分が担当した人質解放作戦が小野田公顕の介入で失敗した際、自ら責任を取ってエリートコースから外れたという過去を持つ。出世には興味が無く、警察の不祥事も平気で暴くため、上層部からは疎まれている。無慈悲さと冷酷さがなければ正義を貫けない場合があるという現実主義者であり、自分と周囲の警察官に厳しい。 その一方、弱者や子供に対しては深い思いやりを示す優しい心の持ち主でもある。絵画から紅茶や酒、落語まで、様々な方面に深い造詣を持つディレッタント。離婚した元妻の宮部たまきからは「不器用で頑固で天の邪鬼」と評される。

亀山 薫 (かめやま かおる)

成年男性。警視庁の窓際部署、特命係に所属しており、階級は巡査部長。元々は警視庁の花形、捜査一課に所属する刑事だった。しかし、犯人の確保に失敗して人質に取られてしまった失態から、自発的な退職を促す意味で特命係へと送られる。当初はこれを不満に思い、手柄を挙げて捜査一課へ返り咲こうと考えていたが、杉下右京が事件に対して真摯に向かい合う姿を見て、特命係で戦い続けることを決意。 野球の特待生として大学進学したほどに優れた身体能力の持ち主で、体力と行動力に優れているが、直情的で、注意力や慎重さに欠けている。また、捜査につきものの地道な作業を嫌い、予断をもって事件に臨むなど、刑事としては未熟な部分も。 上司の右京とはある意味で正反対な人物だが、一方で正義感が強く不正を憎み、組織の中で器用に立ち回れないところは右京と同様。つきあいにくいはずの右京と上手くいき、最終的には彼の信頼を勝ち得た。恋人の奥寺美和子とは同棲中。

伊丹 憲一 (いたみ けんいち)

成年男性。警視庁の捜査一課に所属する刑事で、階級は巡査部長。亀山薫の元同僚でライバルである。亀山とは憎まれ口をたたき合う間柄で、部署は違えど捜査で顔を合わせることが多い。特命係がどんな事件にでも首を突っ込むことを苦々しく思っており、部外者であることを改めて知らしめる意味でか「特命係の亀山」という呼びかけを行う。 また、周囲の警察官に対し、特命係へ情報を提供しないよう釘を刺すことも非常に多いが、功を奏したためしがない。目つきが鋭い上に口が悪く、態度も尊大。強面のためか、取り調べの際には被疑者を恫喝する役割に回ることが多い。後輩の芹沢慶二の頭によく拳骨を落としている。 優秀な刑事ではあるが、予断を持って捜査に当たることもしばしば。女性に縁がなく、婚活パーティーに参加したことも。

奥寺 美和子 (おくでら みわこ)

成年女性。亀山薫の恋人。帝都新聞社会部の記者で、事件の多発時には夜討ち朝駆けも当たり前というやり手である。亀山とは対等の立場でつきあっており、喧嘩をすることもあるが、関係は良好。しかし、未だ結婚には至っておらず、同棲生活を続けている。警視庁に出入りしており、事件に関する情報を亀山や杉下右京と共有することが多い。 正義感が強いが不器用な亀山の性格を知り抜いており、そうした部分を含めて彼のことを愛している。

米沢 守 (よねざわまもる)

成年男性。警視庁の刑事部鑑識課に所属している。肥満気味の身体に加え、七三分けに眼鏡という警察官に見えない容姿だが、現場に残された僅かな遺留品から様々な情報を引き出す、優れた知性と手腕の持ち主。彼の鑑識結果が大きな手がかりとなることも多い。同じ知性派の杉下右京を尊敬している。 様々な部署からの依頼を受ける鑑識課という性質上、伊丹憲一が所属する捜査一課の事件に関わることもしばしば。特命係の関与を嫌う伊丹から口止めされるが、右京へのリスペクトもあり、なんだかんだで情報を提供してしまう。落語を愛する趣味人の一面も。

芹沢 慶二 (せりざわ けいじ)

成年男性。警視庁の捜査一課に所属し、階級は巡査。亀山薫と伊丹憲一の後輩にあたる。捜査一課から左遷された亀山のことを「先輩」と呼び続け、伊丹から口止めされてもついつい捜査情報を漏洩してしまう、口が軽く押しに弱い人物。何かにつけて伊丹から頭を殴られている。

角田 六郎 (かくた ろくろう)

中年男性。警視庁の生活安全部薬物対策課の課長。常に眼鏡をかけ、ベストを着る洒落者。特命係の隣に部署があり、様々な雑用を頼みに来ることが多い。持ち込んでくる仕事の中には、下着ドロが盗んだ大量の下着を持ち主と照合するというような、誰もやりたがらないものも含まれており、刑事らしい事件を求める亀山薫からは警戒されている。 特命係でコーヒーが淹れられる時間を見計らって来訪し、ご相伴にあずかるちゃっかり者で、なぜか特命係に長居しては色々なお喋りをしていく。捜査一課の面々や上層部が杉下右京を疎んじているのに対し、フランクに接する。飄々としているが、特命係の右京と亀山の様子をそれとなく観察するなど、年齢相応に成熟した人物。

宮部 たまき (みやべ たまき)

中年女性。杉下右京の元妻で、小料理屋花の里の女将。楚々とした女性で、常に和服を身につけている。右京の「不器用で頑固で天の邪鬼なところ」に惹かれて結婚したが、「夫としては最低だった」と語る率直な人物。右京は花の里に足繁く通い、たまきは右京の体調を気遣うなど、離婚後も両者の関係は良好な模様。 また右京がと同じ部屋に宿泊することを了承し、入院時には彼の世話をするなど、恋人同士のような面も覗かせる。右京のことを深く理解しており、あまり本音を表に出さない彼の真意を言い当てることも。

浅倉 禄郎 (あさくら ろくろう)

成年男性。東京地検刑事部の検事。亀山薫の大学時代の同級生で、同じ法学部に所属していた。札幌から東京に転属したことで亀山と再会する。母親が娼婦だったことから、援助交際などで身体を売る女性達を強く憎悪し、罪を償わせるとして次々に殺害した連続殺人犯。 その際には、同様の犯行を行った伝説の犯罪者、切り裂きジャックの犯行を模倣した。一貫して首を切りつけるという手口を使うことにより、無秩序な猟奇殺人を装って捜査の攪乱を計るなど、優れた知性の持ち主である。杉下右京の推理によって逮捕されたが、投獄されてなお、かつての検事時代に担当していた迷宮入り事件を解決しようとするなど、単なる悪人に留まらない複雑な人物。

小野田 公顕 (おのだ きみあき)

壮年の男性で、警察庁の官房室長を務める。一見、茫洋としているが、その実したたかで、警察組織の中で器用に立ち回る、一筋縄ではいかない人物。17年前、公安部で国内テロへの対策に当たっていたが、外務省高官宅で籠城事件が発生。これを解決するべく、杉下右京を作戦参謀として引き抜き、特命係の前身となる対テロチーム緊急対策特命係を起ち上げた。 しかし、右京が粘り強い交渉を進める中、小野田は政府の圧力に屈して突入を強行させてしまい、結果として3人の緊急対策特命係メンバーを殉職させてしまう。その後、右京に責任を取らせて特命係で飼い殺しのような状態とし、自分は警察組織の中で着々と出世し続けてきた。 右京の能力を高く評価しており、特命係を廃止から守るなど、右京のことを陰ながら支援している。

集団・組織

特命係 (とくめいがかり)

『相棒-たった二人の特命係-』に登場する警察内の部署。杉下右京と亀山薫の二人だけが所属している。警察庁が、捜査一課特殊捜査班(SIT)と特殊部隊(SAT)の連携を強めるために創設した対テロ部署が母体。17年前、同部署は外務省高官宅における籠城事件の解決に当たることとなった。そこで同部署の一員であった小野田公顕は、右京を作戦参謀として引き抜き、特殊部隊(SAT)の精鋭5人を加えて対テロチーム緊急対策特命係を起ち上げる。 この緊急対策特命係が特命係の直接の前身。籠城事件は解決こそしたものの、小野田が無茶な突入を指示したことにより、人質1人と犯人1人、隊員3人を死亡させてしまうことに。 やがて緊急対策特命係は特殊捜査班(SIT)が強化されたことで役目を終えたが、行き場が無くなった右京の受け皿である特命係として存続。その後、右京の部下となった警察官が次々と退職したことから、厄介者を送り込んで自発的な退職を促すリストラ部署となってしまった。当の右京は、特命係の由来を「特別に命令されれば何でもする」係であると語り、他の部署から持ち込まれた雑用や厄介事を処理するなど涼しい顔。 本来の職分を越えて捜査一課などの事件に介入したり、警察が組織ぐるみで隠蔽しようとした事件を暴き出したりしたため、上層部からは疎ましがられるように。隙あらばこれを廃止しようとする動きも少なくないが、右京のかつての上司である小野田がこれを庇っている。

クレジット

原作

TVドラマ「相棒」

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