ROAD ~輝ける道~

ROAD ~輝ける道~

総距離100キロを越える横浜・富士オープン駅伝。各チームから補欠扱いされた選手たちが集う混成Bチーム「かもめ」が、この過酷な大会で優勝を目指す姿を描く。「週刊少年マガジン」2001年第28から2002年第1号にかけて掲載された作品。

正式名称
ROAD ~輝ける道~
ふりがな
ろーど かがやけるみち
作者
ジャンル
陸上競技
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概要・あらすじ

横浜・富士オープン駅伝に混成Bチーム「かもめ」としてエントリーした5人の補欠選手たち。彼らにはそれぞれの物語があった。悲運のランナーと呼ばれる室堂武司、素質はありながらも公式戦に一切出場しなくなった天才高校生の如月晃太、箱根駅伝でリタイヤ以来レースを完走できなくなった北川克己、ずっとマネージャーを続けてきた駅伝初出場の小野寺順、実力はありながらも人と馴染めない孤高のランナー南利夫

彼らはたすきを繋ぎながら、自らの人生と向き合い過去を乗り越えていく。

登場人物・キャラクター

室堂 武司 (むろどう たけし)

横浜・富士オープン駅伝、混成Bチーム「かもめ」の5区走者。朝井化成所属の29歳。大学陸上から実業団へかけて目覚ましい活躍を見せ、将来を嘱望されていた。6年前の五輪選考が行われた福岡マラソンで優勝し、五輪出場間違いなしといわれたが、その後の塚越記念陸上レースに出場し故障、さらにトレーニング中に交通事故に遭って両足を骨折するという悲運に見舞われている。 この一件により選手生命が終わったと思われていたが、長いリハビリの末に今回復帰した。信州出身で山道に強い。

如月 晃太 (きさらぎ こうた)

横浜・富士オープン駅伝、混成Bチーム「かもめ」の4区走者。修王館高校2年、17歳。髪を明るい茶色に染めていて、軽い性格。中学生の時に都道府県別対抗駅伝で埼玉県代表として走り、区間新記録を出した実力者。天才少年と呼ばれたが、ここ1年間公式戦に姿を現さなかった。それには幼なじみの木村千花と、晃太の初恋の少女である有村沙貴が関係していた。

北川 克己 (きたがわ かつみ)

横浜・富士オープン駅伝、混成Bチーム「かもめ」の1区走者。藤崎電機所属の24歳。神奈川中央大学時代、エースとして箱根駅伝の2区を走ったが、両足を疲労骨折して歩くことさえできなくなり、負傷リタイヤした。それ以来、実業団に入っても最後まで走りきることができず途中棄権が続いている。

小野寺 順 (おのでら じゅん)

横浜・富士オープン駅伝、混成Bチーム「かもめ」の2区走者。早田大学4年、21歳。早田大学競走部のマネージャーを務めている。もともとは選手だったがタイムが悪く、同好会に移るかマネージャーをやるかを迫られマネージャーになった。混成チームでの出場には希望者がなく、4年であることから記念に出てみないかと言われて参加した。 同じ早田大学の西脇大介には混成チームで出るくらいなら選手をやめたほうがマシだと言われたが、小野寺順にとっては選手になれる喜びの方が大きかった。

南 利夫 (みなみ としお)

横浜・富士オープン駅伝、混成Bチーム「かもめ」の3区走者。大東亜大学4年、22歳。スピードランナーとして名を馳せるが、変人、嫌われ者としても有名。高校ナンバーワン選手として鳴り物入りで大学に入学するが、チームメイトに嫌われてしまう。口数が少なく誤解を受けやすいタイプで、1人で黙々と練習をして体調管理していたため、練習をなまけたり悪口ばかり言っている連中とは関わりたくないというのがその理由だった。 箱根駅伝の予選大会では活躍したものの本選は欠場となったため、混成チームに参加した。

西脇 大介 (にしわき だいすけ)

横浜・富士オープン駅伝、早田大学の2区走者。早田大学競走部所属で小野寺順の後輩。初駅伝の全日本大学駅伝で区間賞を取った実力者。大型新人として早田大学に入学したため、先輩であってもマネージャーの小野寺をバカにしてマッサージさせたり、買い物に行かせたり雑用係として使っていた。横浜・富士オープン駅伝では早田大のホープとして、小野寺と同じ2区を走る。

沢田 祐一郎 (さわだ ゆういちろう)

横浜・富士オープン駅伝、九州体育大学の4区走者。1万メートル学生チャンピオンで大学長距離界ナンバーワン選手。4区出走前に如月晃太と知り合い、一緒に4区を戦うなかで晃太の実力を認めることになる。実在している九州の鹿屋体育大学出身、永田宏一郎(現・旭化成)がモデルとなっている。作者の塀内夏子が彼を取材し、モデルであることをコミックスで語っている。 永田は箱根駅伝には出場していないが1万メートルでは大学ナンバーワンであった。

甲斐 大輔 (かい だいすけ)

横浜・富士オープン駅伝、朝井化成の5区走者。昨年度世界選手権で金メダルを取った、日本を代表するオリンピック選手。甲斐大輔を一目見た如月晃太は、室堂武司では勝てない別格の強さの選手だと評した。室堂、河内肇、田村とともに5区でのトップ集団を形成する。なお、彼の所属する朝井化成は今大会の優勝候補。

河内 肇 (かわうち はじめ)

横浜・富士オープン駅伝、SP食品の5区走者。室堂武司と一時代を築いたベテランランナーで、アトランタ五輪では銀メダリストに輝いている。5区でのトップ集団を室堂、甲斐大輔、田村とともに形成する。6年前の五輪選考が行われた福岡マラソンで室堂に破れている。その後のレースで日本人1位になったものの、室堂より1分以上遅いタイムだった。 それにも関わらず自分が代表になったことで、ずっと室堂に対し複雑な思いを抱えている。

田村 (たむら)

横浜・富士オープン駅伝、藤崎電機の5区走者。22歳の新鋭。3位でたすきを受け取った最終区5区で、室堂武司、河内肇、甲斐大輔とともにトップ集団を形成する。しかし5区開始5キロ地点での甲斐のスパートについていけず、トップ集団から最初に脱落した。

塚越 (つかごし)

全日本陸上競技連盟会長。かつてローマ五輪で銀メダルを取った実績がある。自分と同じW大学卒の河内肇をひいきにしており、6年前、すでに五輪代表が内定といわれていた室堂武司を無理に塚越記念陸上レースに出場させた。このせいで室堂は故障し、五輪出場は河内に決定した。

工藤 (くどう)

スポーツの名門、修王館高校の陸上部監督。厳格な修王館高校では髪を染めてチャラチャラしている如月晃太はチームでも浮いた存在。チームメイトにもメンバーから外すように言われ、高体連の人間からも晃太の髪を切るか黒く染めるか迫られる。そのため晃太の存在をもてあまし、修王館高校のメンバーから外して混成Bチーム「かもめ」に入れる。

高原 (たかはら)

元神奈川中央大学陸上部監督。弱小陸上部であったが、エースの北川克己の活躍により悲願の箱根駅伝初出場を成し遂げる。私生活を投げうって箱根駅伝に情熱をかけていたが、両足疲労骨折で歩くことさえできなくなった北川がリタイヤしてしまい、その監督責任を問われ解任された。

関口 (せきぐち)

朝井化成陸上部所属のトレーナー。室堂武司が故障した当時から親しく、室堂のことを悪く言う人間や塚越に反発する。室堂の活躍を望んでおり、心身ともにできる限りのサポートをし応援している。混成Bチーム「かもめ」のメンバーにもお礼を言いに行くが、その際、雨が降ると室堂が脚に入れた金属プレートが冷えて痛み出すことを教えた。

木村 千花 (きむら ちか)

如月晃太の幼なじみで、晃太に好意を寄せている。晃太の彼女だと友達や周囲には言いふらしているが、晃太は中体連でハイジャンプを飛んでいた有沢沙貴を見て一目で好きになってしまう。その後、ファミレスでアルバイトをする沙貴と晃太がいい雰囲気になってくると、それを邪魔するために、思い切って身体をささげようとまでした。

木村 功 (きむら いさお)

木村千花の兄。木村設備(株)で働く社会人。如月晃太とはやはり幼い頃から親しく「功兄ちゃん」と呼ばれ、有沢沙貴との恋愛相談もされている。その相談相手が妹の千花ではないことに気づき、千花にもそれとなく助言するが、千花はそれでも諦めなかった。

有沢 沙貴 (ありさわ さき)

ファミレスでアルバイト中に如月晃太に声をかけられ最初は無視するが、中体連でハイジャンプを飛んでいた自分を覚えていた晃太に興味を持つ。実は有沢沙貴も中体連で1500メートルの日本新記録を出した晃太を見ていて、なんてすごい人なんだと羨ましく思っていた。

集団・組織

混成Bチーム「かもめ」 (こんせいびーちーむかもめ)

横浜・富士オープン駅伝に参加する実業団、大学、高校各チームの補欠選手5人で構成されたチーム。2つある混成チームのうちの1つで、もう1つは混成Aチーム「つばめ」。混成チームは通常は他チームの補欠で組まれるため、チームでの練習もなく当日が初顔合わせで、ほとんどのチームが最下位になる。

イベント・出来事

横浜・富士オープン駅伝 (よこはまふじおーぷんえきでん)

実業団、学生の境なく争われる日本唯一のオープン駅伝。箱根駅伝の覇者や、実業団の精鋭に加え高校生のトップクラスが力を試すレース。横浜スタジアムから海沿いの湘南、丹沢山系に入り御殿場を抜け、山中湖までの5つの区間、合計100キロを走る。アップダウンの多い地形、駅伝最長の距離から別名「地獄駅伝」とも呼ばれる。

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