ピンポン

ピンポン

天才的な卓球センスを持ちながらも、自信過剰で自堕落なペコこと星野裕と、物静かな表情の奥に確かな実力を秘める親友、スマイルこと月本誠の二人を中心に、卓球に青春をかけた者達の苦悩と成長を描いたスポーツ漫画。

正式名称
ピンポン
ふりがな
ぴんぽん
作者
ジャンル
卓球
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊5巻
関連商品
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概要・あらすじ

片瀬高校卓球部に2人の逸材が入部した。ペコこと星野裕と、スマイルこと月本誠ペコは、天才な卓球センスでいち早くエースとなるが、自信過剰で態度も横柄。スマイルは、ペコに引けを取らない実力を持っているが、無愛想で無口、そしてどこか本気で卓球に打ち込んでいない。幼い頃からタムラ卓球場で打ち合う仲だった彼らにとって、片瀬高校卓球部の練習は退屈極まりないものだった。

そんな時、辻堂学院高校が、上海ジュニアチームのエリート孔文革(チャイナ)を招いたと言う情報を耳にする。部活の練習に飽き飽きしていたペコスマイル共に辻堂学院高校へと向かい、ペコチャイナと対戦。

だが、ペコは1点も取れずに敗北してしまう。落胆するペコをよそにインターハイ予選が開幕。順調に勝ち進む二人だが、ペコは準々決勝で幼なじみでライバルのアクマと対決。かつては実力で上回っていたペコだが、帝王ドラゴン率いる名門海王学園高校で厳しい練習を積んだアクマにあえなく敗北。

一方スマイルチャイナを追い詰めるが、土壇場でチャイナの執念に気圧され勝ちを譲ってしまう。結果、インターハイ予選はドラゴンが優勝。その後、卓球をあきらめ自堕落な生活を送るようになったペコをよそに、スマイルはコーチ小泉丈のもと真剣に卓球に打ち込んでいく。それぞれの思いが交錯するなか、インターハイ予選が再びやってくるのだった。

登場人物・キャラクター

星野 裕 (ほしの ゆたか)

おかっぱ頭がトレンドマークの男子高校生。独特な言葉遣いと歯に衣着せぬ物言いが特徴。常に駄菓子を頬張っている。スマイルとアクマとは幼い頃からの卓球仲間である。天才的な卓球センスを持ち合わせ、小学校時代は大会優勝常連。しかし、自信過剰で横柄なため、部活の練習には参加せず、格上の相手との対戦経験もない。 辻堂学院高校のチャイナ勝負を挑むも完敗し、さらに初めてのインターハイ予選で、かつてほとんど負けたことの無かった卓球仲間のアクマに敗北。また、チャイナを圧倒するほどの実力を付けていたスマイルに、以前は感じることのなかった距離をまざまざと感じる。そして、自分の不甲斐なさに嫌気がさしたペコは、徐々に気持ちが卓球から離れていく。 卓球の実力に関しては自他共に認める天才だが、トレーニングなどの努力をしたことがないため基礎的な体力はない。右ペンホルダー前陣速攻型。

月本 誠 (つきもと まこと)

眼鏡をかけた七三分けの男子高校生。無愛想で無表情。殆ど笑ったことがないため、周りからはスマイルという皮肉めいたあだ名で呼ばれている。ペコとアクマとは幼い頃からの卓球仲間である。幼い頃、いつも自分を引っ張り、そして守ってくれたペコを尊敬している。無愛想な態度に反して、性格は優しく、試合の際も相手の立場を考えながら打つため、勝利への執着に欠ける。 入学当初は、自分に負けるペコを受け入れたくないあまり、無意識のうちに力量をペコに合わせていた。また、コーチである小泉丈には、勝つことへの貪欲さに欠けていると指摘されており、打球にも甘さが見られる。表に出さないだけでその卓球センスはずば抜けており、上海ジュニアのエリートであるチャイナを圧倒するほど。 小泉との勝負の後、甘さを捨て積極的に強さを求めるようになる。右シェークハンドカット主戦型。

佐久間 学

スキンヘッドで鋭い目付きをした男子高校生。ペコとスマイルとは幼い頃からの卓球仲間である。重度の乱視で、幼少期から眼鏡をかけていた。ペコに勝つために、他の者とは比べ物にならないほどのトレーニングを積み重ねてきた努力家で、インターハイ常連の海王学園高校の団体戦で、一年生ながらも先鋒を任されている。 インターハイ予選の準々決勝でペコに勝利し、長年の目標を達成することができた。しかし、風間がスマイルに入れ込んでいることが気にかかり、海王学園高校卓球部内で禁止されている単独試合をスマイルに申し込むも敗北。「卓球の才能がない」とまで言われ、それまでの自分の努力を全否定されたために自暴自棄となり、暴力沙汰をお越しで高校を中退する。 右ペンホルダー前陣速攻型。

小泉 丈 (こいずみ じょう)

片瀬高校の英語担当教師兼卓球部顧問。早くからスマイルの類まれな卓球センスを見抜き、一流の選手に仕立て上げようとアプローチを試みる。当初はその遠慮のない振る舞いからスマイルに煙たがれるが、徐々にスマイルとの距離の取り方を学び、師匠と弟子として、お互いの信頼関係を築いていく。 若い頃は「バタイフライジョー」と呼ばれ、オババをして「強いなんてもんじゃない」と言わしめるほどの実力を持った卓球選手であったが、とある事情から日本代表選抜大会の決勝で敗れ、そのまま引退した。どこか甘さの残るスマイルの卓球に、若い頃の自分の姿を重ね、自分の代わりに一流の選手となるよう特訓を施す。

風間 竜一 (かざまりゅういち)

スキンヘッドで強面の男子高校生。海王高校卓球部部長。高校最強の卓球選手で、インターハイ個人では2年連続で全国1位に輝いている。スマイルの才能に目を付け、自分のチームに引き入れようと声をかける。幾度となく断られてはいるが、諦めてはいない様子。他人を配慮しながら打つスマイルのプレースタイルを酷評している。 誰にも負けない卓球の実力を持ちながらも、精神的に脆い部分を持ち、試合の前には必ずトイレに籠る癖を持つ。常に最強であり続けなければいけないという、非常に強いプレッシャーを抱いている。右シェイクハンドドライブ主戦オールラウンド型。

オババ

タムラ卓球場を経営する眼鏡をかけた老齢の女性。愛煙家。ペコ、スマイル、アクマを幼い頃から指導してきた。昔は卓球選手だったが、膝の怪我で引退している。サバサバとした物言いでペコを嗜める。長年卓球の指導をしてきたこともあって、鋭い観察眼を持ち、スマイルの隠れた才能も認めている。 当初はペコに特別指導することはなかったが、ペコがアクマの助言で卓球に対し真剣になってからは、積極的にトレーニングを施すようになる。

孔 文革 (こんうぇんが)

辻堂学院高校の助っ人として中国から留学してきた男子高校生。元上海ジュニアの実力選手で、プライドが高く日本人選手を格下として見下している。その実力は本物で、狙った球を、狙ったコースで打ち込むことができるほどの高いコントロール力を有する。ペコの殴りこみをスコンクで軽くあしらい、差を見せつける。 スマイルの才能をいち早く見抜き危険視している。右中国式裏ソフトペンドライブ攻撃型。

真田 昌幸 (さなだ まさゆき)

博多弁を話す太眉でスキンヘッドの男子高校生。海王学園卓球部副部長。ドラゴンには劣るものの、卓球の実力は確かであり、全国ベスト16に入る。ドラゴンが海王学園高校の勝利にこだわるのに対し、真田はチームメイト一人一人を気にかけている。そのため、アクマの片瀬高校への単独試合に関しては、ドラゴンと意見がぶつかった。 スマイルの才能に執着するドラゴンに複雑な感情を抱いている。

大田 (おおた)

片瀬高校卓球部のキャプテンを務める。協調性のないスマイルの練習態度と、スマイルばかりに色目をかける小泉丈に不満を抱いていたが、だんだんと双方から歩み寄るようになり、卓球の球を新調したりなどスマイルを陰ながら応戦するようになる。言葉遣いが荒く、キャプテン役にも不慣れではあるが、チームメイトを思いやる優しさを持つ。

田村 道夫 (たむら みちお)

オババの息子で、藤沢農業大学卓球部のコーチをしている。オババに頼まれ卓球に対して真剣になったペコとオババのトレーニングを受け持つことになる。当時国内では珍しかった裏面打法をペコに施す。厳しい練習でペコを一流選手へと仕立て上げる。

集団・組織

片瀬高校 (かたせこうこう)

『ピンポン』に登場する高校。ペコとスマイルが通う、鎌倉に在する高校。かつて隆盛を極めた卓球選手、小泉丈をコーチに擁しながらも、卓球部は取り立てて強いわけではなく、器具のメンテナンスもなおざりになっている。

海王学園高校 (かいおうがくえんこうこう)

『ピンポン』に登場する高校。全国高校卓球界において必ず名の挙がる強豪校。インターハイ優勝者のドラゴンを擁し、団体戦もインターハイ常連である。練習は厳しく、部員全員にスキンヘッドが義務付けられている他、許可なく対外試合を行い負けた場合は即退部といった厳しい取り決めも行われている。

辻堂学院高校 (つじどうがくいんこうこう)

『ピンポン』に登場する高校。以前は東に辻堂ありといわれるほどの強豪校だったが、年々弱小の一途をたどっている。チームのレベルを上げるため、元上海ジュニアエリートのチャイナを招く。

場所

タムラ卓球場 (たむらたっきゅうじょう)

『ピンポン』に登場す店。オババが経営する卓球道場。ペコ、スマイル、アクマが幼い頃に通っていた。ペコは度々部活をサボり、この卓球場へ遊びに来ている。

アニメ

ピンポン

天真爛漫で自信家だがサボりがちなペコと、物事に余り興味を示さず決して笑わないスマイル。二人は幼馴染みで片瀬高校の卓球部員の一年生。ある日中国人留学生孔文革を偵察に辻堂学院を訪れたペコは彼に勝負を挑むも... 関連ページ:ピンポン

書誌情報

ピンポン 5巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(1996-07-30発行、 978-4091847362)

第2巻

(1996-11-30発行、 978-4091847379)

第3巻

(1997-02-28発行、 978-4091847386)

第4巻

(1997-06-30発行、 978-4091847393)

第5巻

(1997-08-30発行、 978-4091847409)

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