魔界転生

魔界転生

山田風太郎が描いた剣劇小説『魔界転生』(改題前『おぼろ忍法帖』)を、石川賢がコミカライズした一作。主人公が柳生十兵衛で魔界転生を果たした魔人魔界衆たちと戦いを繰り広げるという骨子は原作通りだが、魔界衆の戦闘能力や十兵衛の装備が強化され、超人的な戦闘にスケールアップしている。

正式名称
魔界転生
ふりがな
まかいてんしょう
漫画
原作
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

島原の乱で死んだはずの天草四郎が、転生の秘術・魔界転生によって復活した。彼は宮本武蔵や宝蔵院胤舜、徳川頼宣を魔界衆に引き入れ、この世に大魔神王サタンを迎え入れようと策謀する。これを知った柳生十兵衛は、異形の九鬼一族と共に地獄と化した紀州へと向かい、戦いを挑む。

登場人物・キャラクター

柳生 十兵衛 (やぎゅう じゅうべえ)

柳生但馬守の長男にして、豪放磊落な隻眼の無頼漢。主に刀を使うが、炸裂銃(ショットガン)やガトリングガン、ハンマー、腕に刃を仕込んだ鎧なども使いこなして戦う。宮本武蔵との戦いで重傷を負い、朦朧とした中でベアトリス・お品と交合し、救世主として魔界転生をする。歴史上の実在の人物、柳生三厳がモデル。

天草 四郎 時貞 (あまくさ しろう ときさだ)

6の月6の日6の刻に生まれ出た、大魔神王サタンの触覚ともいうべき青年。森宗意軒の術で魔界転生して、この世を地獄にしようと企む。いかなる物も斬る忍法髪切丸と近づく者を吸い込む忍法黒魔球を使う。柳生十兵衛との戦いで重傷を負い、再魔界転生を試みる。歴史上の人物、天草四郎がモデル。

森 宗意軒 (もり そういけん)

天草四郎の育ての親にして、島原の乱の軍師。その正体はかつて魔界について研究していた忍者・カルラだった。紀州に魔方陣を作り、それを手始めにこの世を地獄とし、魔界に選ばれた男の天草四郎を使って大魔神王サタンをコントロールしようとしていた。歴史上の実在の人物、森宗意軒がモデル。

宮本 武蔵 (みやもと むさし)

二刀流で有名な剣豪。死の間際に自分の偉業を消す可能性がある柳生十兵衛に嫉妬し、天草四郎に誘われて魔界転生をする。転生により頭部に角が生え、技は凄まじき威力となり、十兵衛に顔面を吹き飛ばされながらも重傷を負わせた。

由比 民部之介 正雪 (ゆい みんぶのすけ しょうせつ)

江戸に軍学道場の張孔堂を開いた青年。島原の乱で森宗意軒と出会い師事するようになり、以降魔界転生の手伝いをしつつ、江戸で謀反を起こす手はずを整えていた。紀州で魔界衆が全滅したのち、江戸で自刃している。歴史上の実在の人物、由比正雪がモデル。

徳川 頼宣 (とくがわ よりのぶ)

紀州55万石を預かる徳川御三家の1人。眼光鋭く権勢欲の強い中年男性で、再び戦乱の世にして自分が天下を取るべく森宗意軒に手を貸す。魔界転生したことにより病原菌の塊になった。さらにその体はこの世と魔界を繋ぐ門と化していて、柳生十兵衛に斬られたことにより魔界が噴出してしまう。 歴史上の実在の人物、徳川頼宣がモデル。

鷹王 (たかおう)

柳生十兵衛の手下。肉をつつき、血を啜る鳥を操ることができる。張孔堂で十兵衛の危機を救ったほか、九鬼谷で荒木又右衛門と死闘を繰り広げた。

おばば

九鬼谷に隠れ住む100歳を超える忍の老婆。西洋医術と魔術、忍法を組み合わせた人体実験を繰り返し、九鬼一族と呼ばれる異形&異能の人間を作り出している。カルラと名乗っていた頃の森宗意軒と協力関係にあり、大魔神王サタンの召喚を試みたり、天草四郎をお産を手伝ったりした。

ベアトリス・お品 (べあとりすおしな)

森宗意軒が柳生十兵衛を魔界転生させるべく術をかけた女性。痴呆の振りをして十兵衛に近づいた。十兵衛の優しさに触れ、愛してしまったことをきっかけに、十兵衛は光の領域で魔界転生を遂げることになった。

集団・組織

九鬼一族 (くきいちぞく)

『魔界転生』に登場する集団。伊賀の轟山の奥にある九鬼谷に隠れ住む一族。人間の脳をいじって人体実験を繰り返すおばばとその成果ともいうべき奇怪な人間たちが住んでいる。空を飛べる者や岩のような肌を持つ巨人、手のひらから電撃を出す者、目覚めると周囲全てを消し飛ばす者などがいる。

その他キーワード

魔界 (まかい)

『魔界転生』に登場する用語。邪悪な存在が封印された場所。遥か昔に宇宙で戦い続けた存在は、肉体が破壊、蒸発しても精神体だけで転生することができた。そのため対抗する力が異世界へと封印したという。その封印された空間が魔界であり、封印された者たち=大魔神王サタンと眷属はそこから抜け出そうと策謀している。

魔界転生 (まかいてんしょう)

『魔界転生』に登場する用語、もしくは術。森宗意軒が編み出した忍法。死の間際にあっても生きたいと願う強靭な意志の持ち主が術をかけた女性と交合。本人が死んだ後に、魔界と通じた女性の体内で魔物を使って体を構成、魔人として再び生を得る。肉体や精神が強化され、角や触手、岩の皮膚、病原菌などを身に宿して生まれ出る。術をかけるには森宗意軒の指が必要なため、回数に限りがある。

魔界衆 (まかいしゅう)

『魔界転生』に登場する用語。森宗意軒の手によって魔界転生を果たした人間の総称。天草四郎を以外は、この世に未練がある強力な剣豪から選ばれた。メンバーは宮本武蔵、荒木又右衛門、田宮坊太郎、宝蔵院胤舜の5人。柳生十兵衛の父親柳生但馬守は女の体内にいる途中で十兵衛に切られ、転生に失敗した。 転生衆と呼ぶ場合もある。

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