ONE -愛になりたい-

ONE -愛になりたい-

芳本さちよと小沢拓実、同学年で同じ水泳部に所属する2人が、家庭環境や事件、お互いの未熟さにより、すれ違い傷つきながら成長していく物語。高校1年生から卒業までの期間を取り扱っており、高校生ならではの視野、被保護者という不自由で狭い世界でもがく姿などが描かれている。

正式名称
ONE -愛になりたい-
ふりがな
わん あいになりたい
作者
ジャンル
水泳・ウォータースポーツ
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概要・あらすじ

芳本さちよは、父母の離婚と、親権者となった母の蒸発により、親戚の家の世話になって暮らしている高校1年生の少女。そんな環境ながら、明るく前向きに過ごすさちよは、同じ水泳部のキャプテン、幸多由幸に恋をしていた。だが、由幸は同じ部活の同級生、朝美に恋をしており、朝美もまた由幸のことを想っていた。

好きという気持ちをコントロールできない緊張から、すれ違っていた由幸朝美の関係に気づいたさちよは、2人の橋渡しをして、失恋する。さちよに密かに想いを寄せていた同級生の小沢拓実は、そんな彼女に告白する。だが、さちよは失恋の感情がうまく消化できておらず、また、従姉妹で世話になっている家の娘・沢井圭子拓実に恋心を抱いていることを知っていたため、拓実、そして自分の気持ちに真っ直ぐ向き合えないのだった。

登場人物・キャラクター

芳本 さちよ (よしもと さちよ)

私立埴輪高校に通う1年生の女子生徒(物語スタート時)。水泳部部員。両親が離婚し、親権者となった母も蒸発したため、親戚の沢井家に引き取られている。幸多由幸に恋心を抱いていたが、由幸と朝美が両想いであるにもかかわらず、すれ違っていることに気づき、橋渡しをした。他人の恋に敏感なところがある。 小沢拓実から、不意の告白を受けたが、失恋したばかりだったこともあり、友だちでいたいという気持ちが強く、ちゃんと返事をせずに逃げてしまう。その後、拓実と沢井圭子が付き合い始め、これに傷つき、自分の気持ちに振り回されることとなる。お互いにどのような関係でいればいいかわからないまま、拓実とギクシャクとした距離感で夏休みを過ごした後、彼にも彼女にもなれない、だけど無くしたくない相手という結論を出し、「ともだちをする」ことを提案した。 自分が関わることにより、拓実と圭子の関係、沢井家、父の新しい家族の幸せを壊してしまっていることを深く悩んでいる。誕生日は9月25日。身長158cm、体重40kg、胸囲77.5cm(高校2年生の時点)。 裁縫は不得意。

小沢 拓実 (おざわ たくみ)

私立埴輪高校1年生の男子生徒(物語スタート時)。水泳部部員。生意気だが愛嬌があり、先輩たちから可愛がられていた。水泳の実力は確かなものがあり、後に、有名なスイミングクラブからスカウトを受けている。同じ水泳部の芳本さちよに恋をしており、彼女のことを何かと構っていた。 さちよが好きな幸多由幸のことを尊敬し、親愛の気持ちをもっているが、対抗心も秘めており、由幸が怪我で競技会に出られなかった際、彼の代役を志願。だが、予選落ちしてしまう。落ち込んでいたところを、さちよに慰められ、思わず自分の本心を話してしまった。その後、さちよとは、少しギクシャクしてしまい、自分に好意を寄せていた沢井圭子と付き合うようになる。

幸多 由幸 (こうだ よしゆき)

私立埴輪高校3年生の男子生徒(物語スタート時)。水泳部のキャプテン。穏やかで優しい大人びた男子だが、水泳に関して不真面目な相手には、厳しくあたることがある。朝美のことが好きだが、朝美のギクシャクした態度を、無視されていると受け取り、落ち込んでいた。芳本さちよのことは、妹のようで話しやすく感じている。 さちよの橋渡しにより、朝美と付き合うこととなった。長野県の大学へ進学したため、朝美とは離れ離れになるが、卒業後も交際は続いており、仲良くやっている。

沢井 圭子 (さわい けいこ)

私立埴輪高校1年生の女子生徒(物語スタート時)。芳本さちよの従姉妹。両親がいなくなったさちよが、自分の家に引き取られたため、同居している。小沢拓実のことを好きになり、彼と付き合うようになった。拓実の心がさちよにあり、さちよが拓実を好きなことに気づき、悩みを抱えていた。 このことから、さちよに辛く当たるようになる。一時期、不登校になるが、この間にさちよが自分のために授業のノートをとってくれていたこと、それまでのさちよの真摯な振る舞いを思い出し、彼女のことを許すようになる。さちよが入院した際は、彼女のために授業のノートをとり、匿名で病室に届けていた。 紆余曲折を経て、さちよの良き理解者となる。

朝美 (あさみ)

私立埴輪高校3年生の女子生徒(物語スタート時)。水泳部部員。明るくて後輩の面倒見がいい、綺麗な女性。幸多由幸のことを想っているが、緊張してうまく接することができなかった。そのため、由幸との関係がギクシャクしていたが、芳本さちよの橋渡しにより、付き合うことができるようになる。 活発で軽口なども叩く女の子だが、由幸のことに関しては自信がもてず、しばしば関係が壊れるのではないかと不安を抱いている。由幸が長野県の大学を選んだことで離れ離れになるが、卒業後も交際は続いており、仲良くやっている。

芳本 幸也 (よしもと ゆきや)

芳本さちよの父が再婚したことでできた義理の兄。21歳の大学生(物語スタート時)で、1人暮らしをしている。さちよと面識はなかったが、家出をして、ナンパされていたさちよを偶然助けた。父が持っていた写真を通して、さちよのことを知っており、彼女を自分のマンションに保護した。 一緒に暮らすうちに、さちよのことを異性として好きになり、自分の気持ちを伝えた。だが、さちよからは、兄として見られており、この気持ちを聞いたことで、諦めようとする。

芳本 理沙 (よしもと りさ)

芳本さちよの父が再婚したことでできた義理の妹。昨年、母が再婚したことにより、初めて父という存在に触れたため、ファザコン気味になった。また、兄が父代わりだったので、芳本幸也に対しては、かなりのブラコン。さちよが、自分の兄や父を取ってしまうのではないかと、さちよにその不安をぶつけた。

品川 美久 (しながわ みく)

小沢拓実が入院した際に、同じ病院に入院していた中学生の少女。高校受験を控えており、拓実に勉強をみてもらっていた。拓実に好意を抱いており、勇気を出して拓実に会いに来た芳本さちよを追い返した。拓実を追って私立埴輪高校に入学し、水泳部に入る。拓実が起こした偶発的な事故で顔に怪我を負い、その責任を取らせるということで、送り迎えなどの面倒を拓実にみてもらうようになる。 図書室で勉強をみてもらっている際、不意打ちで拓実のファーストキスを奪った。小さい頃から水泳をしており、ハイレベルな実力がある。

秋山 信夫 (あきやま しのぶ)

私立埴輪高校の男子生徒。水泳部部員。名前の「信夫」の読みは「シノブ」だが、周囲からは「ノブオ」と呼ばれている。芳本さちよの1つ上の先輩であり、彼女に好意を抱いている。さちよが小沢拓実との関係について、悩み引きずっていることに気づいており、自分へとパートナーを代えることで、気持ちを切り替えるように提案した。 ノブオの「いもうと的な関係になる」という提案に乗り、さちよはノブオと親しくするようになる。さちよが倒れて保健室で横になっている際、無断で彼女のファーストキスを奪った。さちよが、かつて付き合っていた女性に似ていたため、さちよに元彼女を重ねて付き合っていた。

沢井 鈴子 (さわい すずこ)

芳本さちよの母。夫と離婚した後、さちよの親権を取ったが、彼女を置いて蒸発。生計の目処が立ったところで、さちよに連絡を入れ、彼女を名古屋へと引き取った。娘に内緒で男性と付き合っており、社内旅行と嘘をついて、その男性と会っていた。

工藤 拓実 (くどう たくみ)

芳本さちよが転校した先の名古屋の高校に在籍している男子高校生。水泳部部員。父が、さちよの母、沢井鈴子と不倫しており、復讐のため、さちよに近づいた。小沢拓実と水泳の大会で対決し、彼を挑発して勝利した。

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