やまとの羽根

やまとの羽根

運動神経抜群の少年が、バドミントンに魅了され成長していく姿を描く。非現実的な技などは一切出てこない、リアル志向のスポーツ漫画。バドミントンの基礎的な知識も作中で解説され、主人公がそれを実践することでバドミントンを知らない読者も楽しむことができる。講談社「ヤングマガジンアッパーズ」2003年第14号から2004年第21号まで連載された。

正式名称
やまとの羽根
ふりがな
やまとのはね
作者
ジャンル
その他スポーツ
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概要・あらすじ

中学1年生の鳥羽大和は、運動では誰にも負けたことのないほどの運動神経の持ち主。ある日、双子の妹の鳥羽撫子のバドミントン練習に付き合っていたところ、偶然バドミントンの全国大会優勝者の沢本翔と出会う。翔の前で「バドミントンは女がやるスポーツで、つまらない」と侮辱した発言をしたことをきっかけに、大和は翔と試合をすることになる。

もちろん、バドミントンの経験がない大和が勝てるわけもなく、翔には手足も出ず完敗してしまう。翔との試合の敗戦が忘れられない大和は自問自答を繰り返した結果、もう一度翔と戦って勝つために、バドミントンに本気で取り組む決意をする。

登場人物・キャラクター

鳥羽 大和 (とば やまと)

運動神経抜群の中学1年生。昔から運動では負けたことがなく、特に足の速さは所属していたサッカー部の中でもダントツ。沢本翔との出会いでバドミントンの奥深さに触れ、サッカー部を退部してバドミントン部に入部した。性格は明るく人との距離をすぐに縮められるタイプで、たとえ相手が初対面でも分け隔てなくコミュニケーションを取ることができる。

鳥羽 撫子 (とば なでしこ)

鳥羽大和の双子の妹。部活動の見学をした際に華麗にバドミントンをプレイする早坂の姿に惹かれ、バドミントン部に入部した。バドミントンの知識は豊富だが、その実力は後から入部した大和にすぐに追い抜かれてしまう。かつては嫌がる大和を連れ自分の練習相手にしていたものの、バドミントン部に大和が入部してからは完全に立場が逆になってしまう。 大和の才能を素直に認めている。

鳥羽大和の父 (とばやまとのちち)

鳥羽大和と鳥羽撫子の父親で、メガネをかけている。大和と撫子の誕生日プレゼントにバドミントンのラケットを買いにスポーツショップに同行したが、ラケット以外にも遠慮なく買おうとする2人を見て幼少期から変わっていないと感じる。自分もバドミントンを始めようとしたが、不器用という理由から大和と撫子に止められる。

鳥羽大和の母 (とばやまとのはは)

鳥羽大和と鳥羽撫子の母親で、髪型はショートカット。大和がバドミントンの練習で帰りが遅くなったり、成績が悪くなったりするとしっかり怒る一般的な母親。子供に対して過度な期待はしないという持論を持ち、健康に育ってくれば十分だと考えている。

沢本 翔 (さわもと しょう)

過去に全国小学生バドミントン大会を2年連続で優勝した、バドミントン界期待の逸材。バドミントンのセンスが抜群で、相手をよく見て相手の苦手なコースに的確にシャトルを打ち込む。将来の夢はオリンピックに出場してメダルを取ることで、既に世界を視野に入れてバドミントンに取り組んでいる。

沢本 翔二 (さわもと しょうじ)

沢本翔の父親で元バドミントンのオリンピック選手。現在は翔のコーチを務めている。

早坂 (はやさか)

鳥羽大和が所属する中学校のバドミントン部の2年生。ショートカットのボーイッシュな女の子で、性格も表向きは勝気。小学校4年生からバドミントンをプレイしていることもあり、部内では一番強い。バドミントンに対してはストイックで、先輩からはその強さから少し距離を置かれているが、後輩からは憧れの対象となっている。大和が沢本翔との試合を望んでいることを聞いてバドミントンを軽く見ていると感じ、その根性を叩き直すために試合を申し込んだ。

塚本 (つかもと)

鳥羽大和が所属する中学校のバドミントン部の3年生。髪の毛を二つ縛りにしている女子。3年生相手にも遠慮せずに挑んでくる早坂のことを可愛げがない後輩だと思っており、大和と早坂が試合をした際には早坂の負けを願っていた。やたらと先輩風を吹かすタイプで、急に横から出てきて偉そうに解説したりする。

高津 仁 (たかつ じん)

鳥羽大和が練習のために通っている体育館で出会った、バドミントンの社会人サークルに所属する25歳の男性。ぶっきらぼうな口調で、サークルのメンバーからも恐がられている。当初は大和のことを練習の邪魔になると邪険に扱っていたが、バドミントン歴1ヵ月半で小泉正平を相手に善戦した大和の素質を認め、練習への参加を許可した。

小野 (おの)

鳥羽大和が練習のために通っている体育館で出会った、バドミントンの社会人サークルに所属する男性。当初、大和を邪険に扱う高津仁をなだめたり、練習のある日は大和の家まで車で迎えに来てくれたりと、非常に親切な人物。大和が初めてダブルスを組んだパートナーでもあり、大和にダブルスの基礎を丁寧に教えた。

小泉 正平 (こいずみ しょうへい)

鳥羽大和が練習のために通っている体育館で出会った、バドミントンの社会人サークルに所属する16歳の少年。バドミントン歴は5年。高津仁が大和のバドミントンの実力を測るために組んだ試合で、対戦相手として指名した。大和に1点取られるごとにスクワットを30回するという罰ゲームを仁から課せられ、試合には勝ったものの210回ものスクワットをすることになってしまう。

宮澤 (みやざわ)

東一中のバドミントン部に所属する女子生徒。全国中学校バドミントン大会の予選で早坂と対戦した。早坂の得意なサービスショットを軽々打ち返し、タッチの早いレシーブに加えラインぎりぎりに寄せる絶妙なコース分けも得意で、そんなシャトルを受けたことがない早坂を苦しめた。

上野 ハル (うえの はる)

夏休み明けに鳥羽大和のクラスに転校してきた男子生徒。褐色の肌の持ち主で、その容姿はクラスの女子から黄色い歓声があがるほど整っている。バドミントンが得意でインドネシアのバドミントンジュニアチームに選ばれて海外遠征も決まっていたが、親の離婚が原因で不本意ながら日本にやってきた経緯を持つ。

大熊 美和 (おおくま みわ)

南中学校バドミントン部に所属する女子生徒。鳥羽大和と同じくバドミントン初心者で、自分と同時期に始めたのにも関わらず自分より格段に上手くなっていく大和を見て憧れの感情を抱いている。部内でのバドミントンの腕は一番下手で、取り残されていくことに危機感を持っている。

山本 (やまもと)

西中学校バドミントン部に所属する男子生徒。鳥羽大和の初めての対外試合におけるダブルスの対戦相手で、プッシュが上手く、少しでも浮いたシャトルを打ち込めば叩いてくる。西中学校のバドミントン部の中では一番上手いが、負けることに慣れておらず、劣勢になった時に感情的になる欠点が露呈した。

井上 (いのうえ)

西中学校バドミントン部に所属する男子生徒。鳥羽大和の初めての対外試合におけるダブルスの対戦相手で、西中学校で一番の実力者である山本のダブルスパートナー。しかし、ミスをすれば山本に下手くそと言われたり、それに対して言い返したりとコンビネーションは最悪で、山本に対してもいい感情を抱いていない。

場所

南中学校 (みなみちゅうがっこう)

鳥羽大和と鳥羽撫子が通う中学校。バドミントン部のレベルは低く、唯一早坂のみが全国中学校バドミントン大会の予選を勝ち抜く力を持っている。満足な指導者もいないため、環境としてはあまり恵まれてはいない。大和が入部するまでは男子の部員はいなかった。

東一中学校 (ひがしいっちゅうがっこう)

早坂が全国中学校バドミントン大会の予選で戦った、宮澤が所属している中学校。南中学校バドミントン部と違って、バドミントンをしっかり指導できる顧問がおり、それを目の当たりにした早坂はその環境の違いに嫉妬した。

西中学校 (にしちゅうがっこう)

鳥羽大和が初めて対外試合を行った中学校。その時は、大和に試合経験を積ませることを目的に練習試合が組まれた。バドミントン部のレベルは高く、男子部員の少ない南中学校のバドミントン部の実力を見て失笑していた。

続編

スマッシュ! (すまっしゅ)

咲香里の代表作『やまとの羽根』の続編。現代の東京にある「東条第二高校」を舞台にしている。バドミントン部に所属する東翔太は熱意はあるものの実力が伸び悩んでいたが、中学3年生の冬休みに鬼頭優飛と出会って真... 関連ページ:スマッシュ!

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