学園七不思議

学園七不思議

学校に伝わる怪談話や心霊現象を題材にしたオムニバス作品集。第1巻はさまざまな学校を舞台にした7つの短編物語が収録されているが、第2巻以降は巻ごとに舞台となる高校と主人公を固定した形で物語が描かれるようになる。「月刊サスペリア」に掲載された作品。1991年にはフジテレビ系列にて、『ハイスクールミステリー学園七不思議』のタイトルでTVアニメ化されている。

正式名称
学園七不思議
ふりがな
がくえんななふしぎ
作者
ジャンル
ホラー
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あらすじ

第1巻

K市北浦女子高等学校の美術室には、記憶を失ったハンサムな男性の幽霊が現れる。彼はただ静かに絵筆を動かしているだけで、人と居合わせると「君の名は?」と問いかけてくるという。長尾しのぶはそんな噂をまったく信じていなかったものの、ある日、実際に霊を目撃してしまい、好奇心からその霊の正体を調べようと決意する。すると、この学校で過去に起こった、悲しい事件にたどり着くのだった。(第一話「君の名は…?」)

とある公立中学校に通う浜田美和は、給食のカレーに白髪が混入しているのを発見する。しかも翌日のハンバーグからも白髪が発見された事で、学校中は大騒ぎになってしまう。神経質になっている美和に対して、父親は「髪の毛くらいなんでもない」と語り、もっと危険な食品の例をあげてみせる。しかし、この会話が逆効果になり、美和の行動は少しずつおかしくなっていく。(第二話「給食の栄養」)

ある私立学園中学部で、一人の女子生徒がいじめを苦に自殺してしまう。残された遺書には自分をいじめた「M」への恨み言が書き残されていた。さらに、授業中に突如、黒板に「M」の文字が現れたり、地震でもないのに花瓶が揺れたりと、不思議な出来事が頻発するようになる。クラス委員の増尾美鈴は、自分が「M」である事を否定していたが、少しずつ奇怪な現象に追い詰められていく。(第三話「黒板になにかが!?」)

園芸クラブに所属している花輪みどりは、花壇が荒らされている事に心を痛め、花の名前に花ことばを添えた立札を立て、みんなに注意を呼び掛けた。それをきっかけとして、校内では花ことばが流行するようになる。ところがネガティブな花ことばを持つ花が、特定の生徒の机に置かれるといった嫌がらせが繰り返され、ついには再び花壇がめちゃくちゃに荒らされてしまう。犯人は実家が花屋を営む石井浩子で、日頃のストレスを他人への嫌がらせや花壇を荒らす事で解消していたのだ。そんな浩子に、花の声が聞こえたり妖精のような生き物が見えたりと、不思議な出来事が起こり始める。(第四話「花ことばの怪」)

東堂学園の生徒達は、間近に迫った学園祭に向けて準備の真っ最中だった。劇の出し物をする3年C組は、小池由貴の発案でオリジナルのホラーストーリーを演じる事に決定。由貴達は、舞台を下見するため古い講堂兼体育館を訪れるが、その舞台の下から女のうめき声と赤ん坊の泣き声を聞いてしまう。しかもその後、床下を調べていた用務員のおじさんが行方不明になるという事件に発展。そんな中、開催された学園祭で、大勢の観客達の前に女と赤ん坊の幽霊が出現する。(第五話「地底からの声」)

青蓮学園の東側には、新校舎が建てられる以前からの古いトイレがある。古くて汚いそのトイレは、怪談話の舞台としてうってつけのものだった。本間美也子は友人達にうながされるままに、このトイレを巡る探検に付き合わされてしまう。そして後日、トイレの改装を請け負った業者が大けがをするという事件が発生。このトイレには何かがあると思い始めた美也子は、放課後に一人でトイレを訪れるが、そこで壁の向こうから現れたおそろしい姿の老婆に取り憑かれてしまう。霊能者に頼った美也子は、除霊のためにトイレに三度も足を運ぶ事となる。(第六話「一番奥の扉」)

とある学校の動物舎の周辺では、たびたび人魂のようなものが目撃されていた。ある日、部活動で帰りが遅くなってしまった中村ミドリは、友人や教師と共にその火の玉を目撃する。だが、生物部がキツネを飼育していた事から、この火の玉は狐火ではないかという憶測が飛び交い始める。さらに、まるでそれを証明するかのように、ミドリと友人は、火の玉が動物舎から近所のお稲荷さんまで飛んでいくところを見る。だが、それを追っていったミドリの友人は急に態度を豹変させ、ミドリに敵意をあらわにする。その姿は、まるで狐憑きのようだった。(第七話「狐火」)

青嵐学園編(第2巻)

青嵐学園には、毎年のように数人の生徒が転落する、という非常階段が存在していた。この非常階段は、死刑台と同じ13段という事から、「不吉の階段」などとも呼ばれていた。しかも、数える人によって段数が違うなどという噂話もあり、ばかばかしく思いながらも、一条みずきは自分で数えてみる事にした。だがその途中、しっかりと注意を払っていたにもかかわらず、みずきは立ちくらみのような状態になり、階段を踏み外してしまう。そんなみずきを転落から救ったのは、同じく「不吉の階段」について調べていた月影明子だった。霊能者をしている明子の祖母を頼った二人は、その階段に悪霊が住みついている事実を知ってしまう。(その1「13非常階段」)

青嵐学園の理科実験室には、ホルマリン漬けになった女の子の手首があると噂されていた。それは、過去に女子生徒が無人の踏切で自殺をし、当時の理科担当の教師がこっそり事故現場から持ち出したものだという。たまたま理科実験室を訪れていたみずきは、見知らぬ女生徒に手首を探すように頼まれてしまう。あまり深入りしないほうがいいという明子の助言もあって無視する事にしたが、その女生徒はどこまでもみずきにつきまとってくるのだった。そのしつこさに耐えかね、ある夜、ついに校舎に侵入したみずきは、理科実験室に隠された手首を発見する。しかし、そこには意外な事実が隠されていた。(その2「理科実験室」)

学校の裏にそびえる金槌山に、オレンジ色に光る飛行物体が降り立ったのを目撃したという生徒が現れた。みずき達は事の真相を確かめるために山に向かうが、途中の牧場で奇妙な殺され方をしたウシを目撃。それは、アメリカのUFO目撃地帯で報告されている「キャトル・ミューティレーション」という現象にそっくりだった。なおも山を登っていった一行は、ついに飛行物体に遭遇する。そしてまばゆい光に包まれて、数人の友人達が行方知れずになってしまう。この友人達を取り戻すため、頭に直接語り掛けてきた不思議な声に従って、生徒達は学校のグラウンドに、大量の机で目印を作る事になる。(その3「机文字の怪」)

青嵐学園の付属小学校に通う幼い姉妹が、立て続けに交通事故に遭ったという噂がささやかれ始めた。しかも不幸はそれだけで終わらず、姉妹の父親も職場のデパートで強盗に襲われてけがをしてしまう。その一家は祖母の代からとても信心深く、街の共同墓地にも立派な墓が建っている事から、祟りという事も考えづらい。その話に関心を持ったみずきは、その墓地を訪れる。立ち並ぶ墓は確かに立派だったが、そこをたまたま通りかかった墓地の管理人は、みずきに対し、その墓が明らかに墓相の悪いものだと教えてくれる。しかもさらにこの墓地には、霊が浮かばれていないという「猫足の墓」というものが存在していた。その墓は青嵐学園に通っていた身寄りのない子供達を弔うものなのだが、毎年のようにたくさんの人魂が飛ぶ日があるという。今年も人魂が目撃され、その出来事をきっかけに、みずき達は過去に学園寮で起こった悲しい事件を知る事になる。(その4「猫足の墓」)

青嵐学園の保健室にも、おそろしい怪談が伝えられている。きれいに整えられているベッドに寝ていると、シーツの下から血がしみだしてくるのだという。ある日、体育の授業で足をくじいたみずきのクラスメイトは、保健室でその血痕を目撃。保健の先生に訴えるものの、いつの間にかその血痕は忽然と消えていた。関心を持ったみずきは自分でも保健室を訪れ、確かに血痕を目撃する。実はこの現象は、かつて保健室で起こった痛ましい事件にかかわるものであり、みずきは知らず知らずのうちに巻き込まれる形になってしまう。(その5「保健室の血痕」)

青嵐学園の近くには海水浴場があり、夏ともなるとたくさんの海水浴客でにぎわっていた。そこには「潮吹き岩」という名所もあるが、その近くには「人食い岩」と呼ばれるおそろしい場所も存在している。そこは何の変哲もない潮だまりに見えるが、底がなく海にまでつながっており、一度はまってしまうと、決して死体があがらないのだという。そんな中、夏休みを利用して遊びに来ていたみずきの親戚の女の子が、「人食い岩」の犠牲になってしまう。落ち込んだみずきの心は弱り、よくない霊に招かれて「人食い岩」に引き寄せられていく。(その6「人喰い岩」)

青嵐学園の用具置き場には、誰にも使われなくなった青いピアノが置いてある。そのピアノには悲しい因縁話があり、事故で左腕を失ったピアノの名手の怨念が宿っているのだという。軽い気持ちでそのピアノを調べ始めたみずきは、左腕のない少女の霊に取り憑かれてしまう。それに伴い、どこにいてもピアノの音色を耳にするようになって、みずきの精神は少しずつ追い詰められていく。(その7「青色のピアノ」)

赤尾学園編(第3巻)

赤尾学園は古い学校で、さまざまな怪談話が伝わっている。例えば、7年前に好きな男子にできた恋人を刺殺した女子生徒が、首を吊って死んだという話がある。刺した現場は東階段の下で、そこには時おり血のようなシミが浮きあがるという噂もあった。1年C組の二条みずほは、その東階段の下で急な腹痛に襲われてしまう。みずほは女生徒が刺された同じ時間に現場に居合わせたせいで、霊に取り憑かれてしまったのだ。みずほのクラスメイト、小清水由美子は過去の事件を突き止め、心霊研究家をしている父親の助けも借りて除霊に乗り出す。(その1「私は殺された」)

ある日、みずほは自分の机に誰かが座っているという、奇妙な感覚にとらわれる。授業中なのになかなか着席できずにいるみずほを、教師は叱責して無理に座らせるが、その結果、みずほはみなの見ている前で金縛りにあってしまう。授業が終わったあと、不安がるみずほに、クラスメイトの一人が席の交換を申し出る。そのクラスメイトは霊は信じていないからと笑うが、苦手だった数学の難しい問題を急に解き始め、周囲を驚愕させる。これは、その席に取り憑いていた霊の仕業であった。そのクラスメイトはどんどん成績がよくなっていくが、それと同時に、みずほと彼女とのあいだには心の壁も生まれていくのだった。(その2「生きている机」)

みずほとは別のクラスの女子が、こっそり学校に連れて来ていた子猫が、不幸にも車にひかれてしまう。ところがそれ以来、校庭では子猫の鳴き声が聞こえるようになる。ついには歩いていた猫が見る間に消えていくのを目撃した生徒まで現れ、学校中は大騒ぎになる。小清水は猫にまつわる不思議な話をみずほ達に聞かせながら、子猫の除霊を試みる。(その3「昼休みの猫」)

閉鎖されている真冬のプールで、誰かが泳いでいる音がする。そんな不可解な噂話を耳にしたみずほは、みずからもプールで水音を聞いてしまう。慌てて用務員を呼びに行き、二人で駆けつけてみると、確かに誰かが泳いでいた気配があり、水面に波紋も広がっているものの人影はない。警察に通報したが結局は誰も見つからず、一同は首をかしげる。どうしてもプールの事が気になって仕方のないみずほは、一人で夜の学校を訪れ、確かに誰かが泳いでいる姿を目撃。しかも、「魂ひとついただいた」という不気味な声まで聞いてしまう。実はこの時、用務員がプールに落ちて亡くなっていたのだ。その話を聞いた小清水は、プールに現れる霊との対決を決意する。(その4「真冬のプール」)

赤尾学園の女子ソフトボール部には、ある伝統があった。代々の先輩達が着たユニホームを、守備位置と背番号を合わせて着る事でゲンを担ぐというものだ。そのためみずほ達は、2年前に全国大会で準優勝の成績をおさめた先輩達が残したユニホームを着る事になっていた。ただ同時に別のジンクスも伝えられており、試合の勝敗は、背番号4番のユニホームを着た選手によって決定づけられるという。この背番号4番のユニホームを着る事になったみずほのチームメイトは、2年前に活躍した先輩と偶然にも知り合い、そのジンクスの陰にお稲荷さんへの願掛けがあった事実を知る。必ずお稲荷さんにお参りをするよう念を押す先輩に従った彼女は、試合で大活躍する事となる。ところがそんなジンクスにも、隠された落とし穴があった。(その5「背番号4」)

ソフトボール部の合宿のため、みずほとチームメイト達は赤尾学園にある和室の教室で寝泊まりをしていた。そんなある晩、ふすまをたたく音がみずほにだけ聞こえるという奇怪な現象が発生。さらに窓の外から、首から上だけの片目の女がにらみつけているのを目撃したみずほは、パニックに陥ってしまう。訳がわからぬままに合宿を終えたみずほだったが、自分と目が合った霊の正体が気になって仕方がない。そんなみずほの耳に、書道室の霊と言葉を交わした生徒がいるという噂話が飛び込んでくる。(その6「書道室」)

赤尾学園の西側にある靴箱のうち右上角の10番は祟られており、その靴箱を使った生徒達が次々と不幸に見舞われるという話が、まことしやかにささやかれていた。みずほはそんな怪談話がただの迷信だと証明するために、自ら10番の靴箱を使い始める。そんなある日、この靴箱が自分のものだと訴える幽霊が現れ、みずほを威嚇。霊の告げた名前を調べてみると、8年前、在学中に亡くなった女子生徒だった事が判明する。その霊がなぜ10番の靴箱にこだわるのか、当時に何があったのか、みずほは好奇心に従って調査を開始する。(その7「10番の靴箱」)

黄泉学園編(第4巻)

三条みずえが通う黄泉学園の裏側にひっそりとある通用門の周辺で、みずえのクラスメイトが行方不明になった。警察の捜査は一向に進まず、その生徒が自ら失踪する理由も見当たらない。みずえが友人達と通用門の前でそんな話をしていると、急に不思議な少女が現れ、みずえを、見た事もない不気味な世界へと引きずり込む。そこには、魔物のような存在に苦しめられるクラスメイトの姿もあった。ふと教室で目を覚ましたみずえは、通用門に何かあると確信。周囲の人達に相談するが、保健室の先生や霊能者のおばあさんなどが、次々と通用門の少女の霊に連れ去られてしまう。霊能者が最後の力を振り絞って異界との門を閉じてくれたが、結局三人は戻らないままだった。(その1「通用門」)

ある日、校内放送用のスピーカーから、助けを求める不気味な声が聞こえ始めた。放送部員のみずえは教師に叱責を受ける事になるが、自分はもちろん、ほかの放送部員のミスやいたずらとはどうしても考えられない。しかもそれ以後、校内放送用のスピーカーからはたびたび不気味な声が流れるようになる。そしてついには、みずえを叱責した教師が、その声に影響されて不審な行動を見せるようになる。校庭の一部を掘り返し、何かを探し始めたのだ。生徒達にまで手伝わせて、女教師は地面を掘り続ける。(その2「校内放送」)

黄泉学園では毎年、夏に学年合同の合宿が行われており、みずえ達3年生は、富士五湖の西湖でキャンプをする事になった。自殺の名所として名高い青木ヶ原樹海があるという事で、不安がる生徒達もいるが、中には探検をしようと言い出す生徒もいた。そして夜になり、怪談話で気分が盛りあがったみずえ達は、自由時間を使って樹海の探索に出かける。ところが、同じく樹海を見に行った別の班の月岡が、行方不明になるという事件が発生。そんな中、みずえは女性のヒッチハイカーに導かれ、足をくじいて動けなくなった月岡を発見する。その近くには、先ほどのヒッチハイカーと思われる白骨の遺体があった。(その3「夏の合宿」)

ある日の授業中、教師が急に生徒を叱責し始めた。私語を慎むようにとの事だが、実際には誰も話などしておらず、真剣に授業を受けていた生徒達は、教師のおかしな様子に首をかしげる。そんな中、ただ一人、富岡英子だけは同じ声を聞いたと言い始める。しかしそのせいで、教師に媚を売っているなどと陰口を言われるようになってしまった。一部始終を見ていたみずえは、声を聞いた二人が霊媒体質なのではないかと予想。専門家に相談するよう勧める。教師のほうはいよいよ行動がおかしくなって、学校内で暴れ出してしまう。もう猶予はないと、みずえは学校の近所に住む霊能者の南郷涙子を頼る事にする。(その4「霊媒体質」)

ある日、みずえはクラスメイトから、屋上に人の顔に見えるヒビがある事を教えられる。飛び降り自殺をした先輩がいる事、屋上で黒い影を見た人がいる事など不吉な噂も聞かされて、それが偶然だと断言できなくなってしまう。みずえが話を聞きつけた月岡と二人で放課後の屋上に行ってみたところ、実際に現れた黒い影に月岡が取り憑かれ、みずえ自身も体を乗っ取られてしまう。給水塔から飛び降りさせられそうになりながらも、月岡にぶつかるようにして霊を弾き飛ばし、みずえはからくも窮地を逃れるのだった。その話を聞かされた涙子は、呆れながらもみずえを襲った霊の後片付けをすると約束する。ところが屋上にはすでに何の気配もなかった。(その5「屋上の影」)

黄泉学園の北側にある女子トイレは、校舎がまだ古かった時代に作られたもので、あちこちにガタがきている。そんなトイレで、覗き事件が発生する。みずえ達が調査したものの、結局のところ犯人は見つからなかった。ところがある日、みずえはトイレで誰かの視線を感じとる。慌ててあたりを探ったみずえは、便器の中の誰かと目を合わせるのだった。みずえは教師や警察に相談したものの、旧式の浄化槽には人が通った跡はなく、気のせいだという事にされてしまう。しかし、みずえはこの事件に、霊の存在を感じ始めていた。(その6「不浄霊」)

黄泉学園には、用具室で人ではない何者かに手招きされるという怪談が伝わっていた。音もなく扉が開いて、真っ白な手が「おいでおいで」をするのだという。その手を見た事があると噂される用務員のもとを訪れたみずえは、彼の態度からこれがただの噂話ではない事を察知する。そんな中、ついにはクラスメイトの一人が手を目撃して、みずえに助けを求めてくる。再び用具室を訪れたみずえは、そこで不思議な声と対話をし、用具室の下に道祖神が埋まっている事を知る。これまで関わってきた霊のような存在ではなく、相手はもっと力強く神聖なものだと直感したみずえは、声の求めに応じて用具室の下に埋まっているものを掘り出すよう、大人達に訴えかける。しかし、なかなか話を信じてもらえず、みずえは最後の手段に打って出る。(その7「おいでおいで」)

登場人物・キャラクター

長尾 しのぶ (ながお しのぶ)

第1巻・第一話「君の名は…?」に登場する。霊的な現象に懐疑的で、気の強い性格をした女子高校生。好奇心も旺盛で、自ら積極的に幽霊に話しかけるほど。美術室に現れる幽霊が、偶然にも自分の母親の知る人物である事を突き止める。

浜田 美和 (はまだ みわ)

第1巻・第二話「給食の栄養」に登場する。どこにでもいるような、おとなしい女子中学生。給食に混入した白髪をきっかけに、神経質な面が強くなってしまう。やがて外見まで変貌し、自らの髪も白く染まっていく。

増尾 美鈴 (ますお みすず)

第1巻・第三話「黒板になにかが!?」に登場する。クラス委員で、学年の風紀委員も兼任する優秀な女子中学生。頭のいい現実主義者で人気もあるが、奇怪な現象が起こるようになってから、いじめの首謀者である事が明らかになる。

花輪 みどり (はなわ みどり)

第1巻・第四話「花ことばの怪」に登場する。植物を愛する心優しい女子中学生。園芸クラブに所属している。少しお調子者の一面もあるが、植物に関しては非常に博学。

小池 由貴 (こいけ ゆき)

第1巻・第五話「地底からの声」に登場する。東堂学園3年C組に在籍する女子高校生。将来はシナリオライターを志望しており、学園祭の劇ではオリジナルの脚本を書きあげた。クラスメイト達が幽霊役を怖がったため、自らも役者として舞台に立つ事になった。

本間 美也子 (ほんま みやこ)

第1巻・第六話「一番奥の扉」に登場する。自分には霊感があると信じている女子高校生。その思い込みが、よくない霊を呼び寄せる事になってしまう。

中村 ミドリ (なかむら みどり)

第1巻・第七話「狐火」に登場する。科学に関心を持っていて、霊的な現象には懐疑的な女子高校生。偶然、火の玉を目撃してしまったせいで、奇怪な事件に巻き込まれてしまう。

一条 みずき (いちじょう みずき)

第2巻「青嵐学園編」に登場する。私立青嵐学園に通っている女子高校生。好奇心が人一倍強く、しかも霊感が強いため、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう。霊に関する相談役ともいえる月影明子とは違い、自分の霊感には無自覚で、だからこそ危険な目にも遭いやすい。

二条 みずほ (にじょう みずほ)

第3巻「赤尾学園編」に登場する。私立、赤尾学園の1年C組に通う女子高校生。怖がりで怪談話などは好まず、自分の周りで次々と奇怪な事件が起こる事に思い悩んでいる。運動神経がよく、ソフトボール部ではピッチャーを務めている。

三条 みずえ (さんじょう みずえ)

第4巻「黄泉学園編」に登場する。私立、黄泉学園の3年A組に通う女子高校生。放送委員を務めている。クラスメイトからは霊感があると思われているが、本人は半信半疑。もっとも、霊的なものへの好奇心は強く、自分からトラブルに巻き込まれてしまいやすいタイプ。そのたびに霊能者の南郷涙子に助けられる。

石井 浩子 (いしい ひろこ)

第1巻・第四話「花ことばの怪」に登場。花輪みどりと同じクラスの女子中学生。実家は石井フラワーという花屋を経営している。口うるさい母親との衝突や幼い妹の世話などに追い詰められた結果、学校の花壇にいたずらしてストレスを発散させるようになってしまう。

月影 明子 (つきかげ めいこ)

第2巻「青嵐学園編」に登場する。私立、青嵐学園の1年C組に通う女子高校生。かつて祖母が霊媒師をしており、月影明子本人も強い霊感を持っている。霊現象を始め、不思議な現象について真剣に研究していて博識。正義感も強く、学園内の怪しげな場所を調査している。霊的な力や知識で、一条みずきを手助けする。

小清水 由美子 (こしみず ゆみこ)

第3巻「赤尾学園編」に登場する。二条みずほと同じく、私立、赤尾学園の1年C組に通う女子高校生。父親は心霊研究家で、「小清水PSI研究所」の所長を務めている。幼少の頃からさまざまな訓練を受けており、中級の霊能者くらいの実力があるという。霊視や除霊など、かなり高度な技術も持っている。しかし、そのせいで冬のプールに現れる霊を除霊しようとした際に命を落としてしまう。

月岡 (つきおか)

第4巻「黄泉学園編」に登場する。三条みずえと同じく、私立、黄泉学園の3年A組に通う女子高校生。クラスメイトからは霊感が強いと思われている。夏の合宿で富士の樹海を訪れた時、危うく行方不明になりかかってみずえに救われる。また、好奇心や正義感から霊と関わって憑依された時も、みずえの機転に助けられた。

富岡 映子 (とみおか えいこ)

第4巻「黄泉学園編」に登場する。三条みずえと同じく、私立、黄泉学園の3年A組に通う女子高校生。非常にまじめな性格。日頃から予知夢を見るなど、不思議な体験をしている。霊媒体質の教師と共に霊能者の南郷涙子に相談する。その結果、「あざみ」という名前の強力な守護霊に守られている事がわかる。

南郷 涙子 (なんごう るいこ)

第4巻「黄泉学園編」に登場する。黄泉学園の近所に住んでいる女性霊能力者。夫は医師。誰もいないところで声が聞こえるという霊媒体質の教師について相談を持ちかけたのをきっかけに、たびたびみずえを助けてくれるようになる。

場所

青嵐学園 (せいらんがくえん)

第2巻「青嵐学園編」に登場する。私立の高等学校および付属の小学校。太平洋に面し、切り立った崖のような山々を背にした街にある。学園の近くには海水浴場があり、潮吹き岩などの名所も存在している。

赤尾学園 (あかおがくえん)

第3巻「赤尾学園編」に登場する。私立の高等学校。特別な名所もない地味な地方都市にある。百年もの歴史を持つ古い学校で、さまざまな怪談が語り継がれている。

黄泉学園 (こうせんがくえん)

第4巻「黄泉学園編」に登場する。黄泉町という町にある私立高校。木造の古い学校。校舎は増改築が繰り返されており、新しい部分と古い部分が混在している。あまり使われない通用門や旧式の浄化槽を持ったトイレなど、怪談の舞台となりそうな場所が各所に残っている。

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