XXXHOLiC

XXXHOLiC

願いを叶える店の主人である壱原侑子と、男子高校生の四月一日君尋が不思議な出来事に遭遇していくオカルトファンタジー。週刊ヤングマガジン2003年13号~2010年16号、別冊少年マガジン2010年7月号~2011年3月号に掲載された。2005年劇場版アニメ化、2006年テレビアニメ化をはじめ、OVA、舞台、ゲームなど多数メディア化。

正式名称
XXXHOLiC
ふりがな
ほりっく
作者
ジャンル
オカルト
 
ファンタジー
レーベル
KCデラックス(講談社)
関連商品
Amazon 楽天

作品構成

本作『xxxHOLiC』は、壱原侑子がミセの主人を務めている期間の物語『xxxHOLiC』と、侑子が消えたあとに四月一日君尋がミセの主人を務めるようになってからの物語『xxxHOLiC・籠(ロウ)』で構成されている。ミセを訪れた客の願いを対価を代償に叶(かな)えるという内容は一貫しているが、『xxxHOLiC』では1年間で起きた出来事が描かれる一方、『xxxHOLiC・籠(ロウ)』では時間が急激な早さで進んでいるため、君尋以外の主要登場人物が目まぐるしく成長している。

クロスオーバー

本作『xxxHOLiC』は、同時期に「週刊少年マガジン」で連載されていた『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』と密接にリンクしている。小狼たちがミセに来訪した際には、『xxxHOLiC』と『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の両方で別視点から同シーンが描かれ、『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』でもう一人の小狼の命の危険がせまった際に、『xxxHOLiC』で四月一日君尋が瀕死の重傷を負うなど徹底されており、ストーリーの全体を把握するためには『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』も読む必要がある。

あらすじ

小指の指輪編

生まれつきアヤカシが見え、さらに引き寄せてしまう体質の男子高校生、四月一日君尋は、アヤカシから逃げていた先にあったミセで、女主人であり魔術師の壱原侑子と出会う。ミセでは、侑子が叶えられる願いならばなんでも叶うが、そのためには願いに見合った対価が必要であることを聞かされる。そこで君尋は、アヤカシが見えず、寄ってこない体質になる対価が貯まるまでのあいだ、ミセでアルバイトをすることになった。君尋がバイトを始めて初めて来店した客は、小指がうまく動かないことに悩む若い女性だったが、侑子が「困った癖」の有無を聞いても思い当たる節はないという。しかし君尋は、彼女が侑子の質問に答えるたびに、黒い泥のようなものが彼女を取り巻くことに気づき、愕然(がくぜん)とする。

ネット依存編

ある日、壱原侑子の二日酔いの介抱を終えた四月一日君尋は、そのまま異空間を通って銀座にあるスポーツ用品店と、その近くにあるマンションへと連れ出されてしまう。マンションに住んでいたのは、侑子がインターネット上で知り合った「ハナハナ」というハンドルネームの女性だった。家事やテレビを見ていてもネット上の出来事が気になり、生活に支障が出ているほどインターネットに依存しているという彼女は、子供や夫からの注意を受けたことで「ネット断ちをしたい」と侑子に相談していたらしい。しかし侑子はその悩みを直接聞くと、「ならあのパソコンにはもう触らないわね」と念を押しただけでハナハナの自宅から帰ってしまう。アドバイスもなく帰宅した侑子の行動に呆然(ぼうぜん)とするハナハナだったが、家事に集中しようとしてもどうしてもパソコンに手が伸び、さまざまな言い訳を口にしながらいつものサイトにアクセスしてしまう。

来訪編

四月一日君尋たちが、ミセの庭でお茶の準備をしていると、天気雨が降り出した。こんな日には鏡聴ができるのだと語った壱原侑子に教えられ、君尋が鏡聴をしてみると「今日行くから準備して待ってて」という言葉を聞く。それを聞いた侑子が、魔術師としての服装に着替え庭に出ると、空からさくらという少女を抱えた少年、小狼が落ちてきた。侑子は小狼のため、ミセの宝物庫に保管してあるモコナ=モドキたちを君尋に取りに行かせる。その道すがら侑子は、マルダシモロダシの口を借りて、小狼たちが異世界の存在であること、世界が多重世界で成り立っていることなどを君尋に説明した。君尋は自分の想像よりも世界が複雑に作られていることに驚愕する。そんな君尋が庭に戻ると、さらに二人の人物が異世界からやって来ていた。

占い師編

四月一日君尋は、星座による占いで九軒ひまわりとの相性がいいとの結果を知り、浮かれた様子でミセを訪れた。それを見た壱原侑子は、君尋を信頼している占い師に会わせるため外へと連れ出す。しかし侑子が目的にしていた土地には、「占いの館」というまったく別の店が建っていた。侑子はこの店の主人がどれほどの能力を持っているのか興味を持ち、君尋を占いの館の女性に占わせてみる。しかし、結果は納得のいくものではなく、侑子は探索の魔術を使い、目的とする占い師の居場所を突き止める。ほどなくして君尋が辿り着いたのは、看板も出ていないふつうの日本家屋だった。そこで笑顔で出迎えた老齢の女性は、顔を合わせた直後に、君尋が一人暮らしをしていることを見抜く。

百物語編

四月一日君尋は、九軒ひまわり百目鬼静に好意を持っているのではないかと疑っていた。その苦悩を壱原侑子に見抜かれた結果、ひまわりと距離を縮めるための第一歩として、侑子と静を含めた四人で百物語をすることを提案される。静の自宅である寺で百物語を開催することになったが、侑子はひまわりを一目見て「むずかしい子」と評し、静を目にしては君尋に「彼となかよくしておいた方がいい」と助言をする。やがて略式での百物語が始まると同時に、となりの部屋から何者かが動いているような物音がし始める。しかしそこにあるのは、百目鬼家が檀家から預かった遺体だけだった。本物の怪異に全員が戦慄する中、百物語は進められていく。

エンジェルさん編

ある日、四月一日君尋壱原侑子百目鬼静と共に、草野球に興じていた。休憩時間にモコナ=モドキを通じて、小狼たちから助力を求める通信が入る。さらに遅れて合流した九軒ひまわりから、近所に住んでいる別の学校の生徒のあいだで「エンジェルさん」と呼ばれる降霊遊びが流行(はや)った結果、その学校で異変が起きていることを聞かされる。侑子に命じられ、夜間に静と共に学校へ潜入することになった君尋は、そこで校舎全体に巻きつくような黒いものを目撃する。さらにひどい悪臭に苦しみながら屋上に到着した君尋は、そこで泣きながらエンジェルさんを続けている三人の女子生徒の姿を確認する。「あなたたちが死ぬまで帰らない」とメッセージを発信し続けるエンジェルさんから女子生徒たちを助けるため、君尋は全員が持っているペンから手を放させようと奮闘する。

猿の手編

四月一日君尋たちがミセにある宝物庫の中身を虫干ししている時に、民俗学を専攻しており骨董(こっとう)店を廻っているという教育実習生の女性が敷地に足を踏み入れる。興味を惹(ひ)かれる物があって声をかけたという彼女が手に取ったのは、君尋が存在さえ認識していなかった細い筒だった。壱原侑子は教育実習生の女性に対し、決して開けないことを条件にその筒を譲り渡す。翌日、君尋は通っている私立十字(つじ)学園で教育実習生の女性と再会する。その口ぶりから彼女が早々に筒を開けようとしていることを知った君尋は、やめた方がいいのではないかと侑子に相談を持ちかける。しかし侑子は、教育実習生の女性には言っても聞かないだろうと確信していた。さらに次の日の昼休みに、君尋は目の前で筒が開くのを見てしまう。そこに入っていたのは「猿の手」と呼ばれる物だった。

座敷童編

ある日、四月一日君尋壱原侑子におねだりされてフォンダンショコラを自作していた。侑子はいくつかを小狼たちに転送したあと、残った一つは誰か好きな人に渡せばいいと話す。しかし翌日のバレンタイン当日、九軒ひまわりは欠席していたため百目鬼静がフォンダンショコラを食べてしまう。予想外の出来事に怒り狂う君尋だったが、その帰り道、なにかを探している少女に出会う。だが、バレンタインのチョコレートを探しているというその少女は、静の腹部に手を差し入れ、先ほど静が食べたはずのフォンダンショコラを綺麗な形のまま取り出してしまう。そして静は、意識を失って倒れてしまい、侑子は「今日中に取り出された物を戻さなければ静はずっと眠ったままになる」と警告する。

言霊編

九軒ひまわりから数日遅れのバレンタインチョコレートを受け取って上機嫌の四月一日君尋は、壱原侑子と買い物に出た先で仲がよさそうな双子の姉妹を発見する。翌日、君尋はコンタクトレンズを落として困っている双子の姉と遭遇し、コンタクトレンズ探しを手伝う。その縁がきっかけで、君尋と百目鬼静は双子の姉妹とたびたび出かけるようになっていく。自信にあふれ、百目鬼に対する好意を隠さずアプローチする双子の妹に対し、双子の姉はつねに自信がなく、妹に劣等感を持っているように振る舞うのを目にする中で、君尋は双子の姉がネガティブな言葉を言うたびに、周囲に波紋が広がるような違和感を覚えるようになっていた。侑子から「それこそが双子の姉自身を縛っている鎖だ」と聞かされた君尋は、双子の姉にポジティブな言葉を発するようにアドバイスを送る。

紫陽花編

梅雨(つゆ)入り間近で雨が続いた日、四月一日君尋はアヤカシである雨童女と出会う。助けて欲しいと願い出た雨童女に対し、壱原侑子は無月を対価に君尋の貸し出しを許可する。さらに侑子は、百目鬼静の同行と九軒ひまわりが髪に付けているリボンの入手も指示された君尋は、戸惑いながら指示をこなし、雨童女の案内でその現場へと辿(たど)り着く。そこにあったのは、赤く巨大に育った紫陽花(あじさい)だった。なにをすればいいのかわからずに戸惑う君尋だったが、足もとに紫陽花が絡みついたと同時になにもない空間へと迷い込んでしまう。君尋はそこで出会った幼い少女から行く先も告げられないまま、「いっしょに行って欲しい」と涙ながらに頼まれる。

蠱編

四月一日君尋は、ある女子生徒の背中に小さい翼のようなものが生えているのを発見する。その日、ミセにバイトに訪れた君尋に対し、壱原侑子は「エにされないように気をつけろ」と忠告する。言葉の意味が理解できなかった君尋だったが、その女子生徒の背中の翼を九軒ひまわり百目鬼静が目にしていないことを知り、翼そのものがアヤカシだろうと見当をつけた。そんな中、君尋たちが夏祭りに出かけた先で、その女子生徒を見かけると背中の翼が大きくなり、女子生徒の言動が暴力的になっていることに気づく。

百鬼夜行編

ミセの宝物庫を掃除していた四月一日君尋は、大きな鬼灯を持った着物姿の猫が描かれた不思議な絵を見つける。その絵から、描かれているとおりの姿をしたアヤカシ、灯が飛び出してきた。アヤカシの世界では君尋は有名人なのだと笑った灯は、壱原侑子の推薦もあり、君尋に鬼灯を渡して去っていく。鬼灯を持っている者だけが参加できるというなにかに、百目鬼静と共に参加することになった君尋は、午前4時に公園でそろって鬼灯を持つことにする。そこに現れたのは、さまざまなアヤカシが列を成す「百鬼夜行」だった。戦々恐々としつつも列に並ぶことにした二人が辿り着いたのは、圧倒されるような雰囲気を放つ、不思議な大樹だった。

留守番編

数日間、四月一日君尋がミセの留守を預かることとなった。壱原侑子がいつ帰宅するかもわからない中、君尋はミセの前で着物の女性と出会う。ずいぶん前に男児を亡くしたという彼女に親しみを覚えた君尋は、それから毎日公園で着物の女性と話すようになる。毎日放課後を楽しみにするようになった君尋だったが、日を追うにつれ、明らかに体調が悪化していく。風邪(かぜ)を引いたのだろうと見当をつける君尋だったが、百目鬼静から「アヤカシ絡みの体調不良ではないのか」と指摘される。きっぱりと否定する君尋だったが、ミセに電話をかけてきた侑子から「あの女に会っているからだ」と断言され、その直後に喀血(かっけつ)して倒れてしまう。

蜘蛛の巣編

ある日の朝、四月一日君尋はミセから登校する途中、百目鬼静の自宅である寺に立ち寄り、境内に張られていた大きな蜘蛛(くも)の巣に引っかかるものの、静が巣を壊したことで事なきを得る。しかしその日の昼から、静の右目に異変が起き、放課後には右目が完全に開かなくなってしまう。その目蓋には、蜘蛛の巣のようなものが貼り付いていた。慌ててミセに飛び込んで詳細を話した君尋に、壱原侑子は「蜘蛛の恨みを買ったからだ」と話し、さらに「同等のダメージを受けるまで許されることはないだろう」と忠告する。

動く写真編

ある日、ミセに怯(おび)える女性が来店する。非常に動転した様子の彼女は、糸で厳重に封印した封筒を預け、ミセを去っていく。封筒の中身が気になった四月一日君尋の前で壱原侑子が開封してみると、それはなんの変哲もない写真だった。君尋は、写真立てに入れて飾られることになったその写真を怪訝(けげん)に思うが、翌日、その写真が動いているのを目にし、封印代わりになっていた写真はどんどん溶けていく。怯える女性が再度来店した際、侑子は「この写真をどうしたいのか」と問いかける。

本の虫編

百目鬼静がしばらく学校を休んでいるあいだ、四月一日君尋九軒ひまわりといっしょに帰る日が続いていることを非常に喜んでいた。そんな中、ひまわりから静に本を渡して欲しいと頼まれ、百目鬼宅を訪ねる。再会した静は、蜘蛛に奪われた君尋の右目を取り戻すため、解呪の本を読み漁(あさ)っていた。それを知った君尋は、夜食の弁当を差し入れるついでに、自分も百目鬼家の蔵に収められている本を調べ始める。静の祖父、百目鬼遙が書いた本に、まさに求めていた方法が書かれているのを発見した二人だったが、それを読み始めた途端、ひまわりから託された本から文字を食べる「本の虫」が現れる。

女郎蜘蛛編

四月一日君尋が右目を失って、もうかなりの時間が経っていた。時おり右目の視界だけがまったく別の場所を移すことに違和感を覚えていた君尋に、猫娘は「君尋の右目がアヤカシの世界で奪い合いになっている」と教える。さらにその翌日、鴉天狗が襲来し壱原侑子に会わせろとせまる。強い邪気を放つ女郎蜘蛛に座敷童が捕まったため、秘宝である「天狗の扇」を対価に救い出して欲しいという願いに、侑子は君尋と無月を救出役に任命する。辿り着いた女郎蜘蛛の巣は、君尋の意識を奪うほどの邪気にあふれていた。女郎蜘蛛が所持する君尋の右目を取り返し、囚われた座敷童を助けるため、君尋は右目以外のパーツも差し出すことを提案する。だが、それに対して女郎蜘蛛は、「簡単に投げ出せるようなものが、大切なものと交換できると思うのか」と問いかける。

夢カイ編

四月一日君尋は、九軒ひまわりと初夢の話で盛り上がっていた。吉夢を見た君尋に対して悪夢を見たらしいひまわりに、君尋は初夢を聞かせてくれたお礼にとマドレーヌを手渡す。マドレーヌが百目鬼静にも渡っていたことに憤怒した君尋だったが、学校からの帰り道、ひまわりが見た悪夢と静が見た吉夢の両方が現れる。意識を失って倒れていた君尋に壱原侑子は、君尋が夢を買ったから正夢になって現れたのだと説明した。侑子は正夢に登場した静の祖父、百目鬼遙が落とした破魔矢を買い取ってもらうため、夢カイを探すことを提案する。常世に渡った君尋と侑子が夢カイに破魔矢を買い取ってもらったその日の夜、君尋の夢に静とそっくりな遙が現れる。

邂逅編

ある日の昼休み、九軒ひまわりは前夜に見たテレビ番組の話をしていた。幼い少女が霊を祓(はら)う内容だったと話した放課後、四月一日君尋は、ある桜の木の下で五月七日小羽と出会う。小羽の霊能力が落ちるから近づくなと攻撃的な態度を見せる五月七日小羽の母親の様子に戸惑う君尋だったが、その数日後の雨の日、傘もささずに桜の木の下で立ち尽くす小羽と再会する。互いに桜に憑(つ)いた霊が見えていることを感じた君尋と小羽は、今度行われるテレビ番組の企画で桜に憑いた霊を祓わなければならないこと、そして祓ってしまえばこの桜が枯れてしまうことを理解し、自分たちにできることはないかと考える。その日の夕方、ミセに小狼とそっくりだが、まったく違う雰囲気の人間が異世界から来訪していた。

水汲み編

ミセの庭で水遊びを楽しんでいた壱原侑子のもとに、暑さに倒れた猫娘がやって来た。体感温度を下げる帽子を譲り受けた対価に、古い井戸の場所を教えるという猫娘に付き添って、四月一日君尋は古い洋館を訪れる。誰にも見つからないように緊張する君尋だったが、窓際に座る家人の人影に、なんとも言えない不気味さも覚えていた。一瓶分の水持ち帰ったことで安堵(あんど)する君尋だったが、侑子はその井戸水がさらに12杯必要だと話し、君尋は百目鬼静と数日間その洋館に通うことになってしまう。いつ行っても同じ服で同じ窓際に座っている家人にただならぬ不気味さを感じ、気後れする君尋に九軒ひまわりは、「無理しないことを約束して欲しい」と指切りをする。しかし、最後の水汲(く)みが終わったあと、突然君尋の小指が痛み、瓶を包んでいた風呂敷が風で巻き上げられて、洋館の中へと入ってしまう。

家が怖い編

ある日ミセに、四月一日君尋と同じく私立十字(つじ)学園の制服を着た少女がやって来た。吸い寄せられるように来店したという彼女に壱原侑子が願いを聞くと、私立十字学園の少女は、自宅に一人でいると誰もいないのに音がしたり、勝手に物が移動したりすると怖がっていた。結論として侑子に「家が怖くなくなるようにして欲しい」と願った私立十字学園の少女に、侑子はストラップに下げられた鈴を渡す。鈴を持ち帰っても怖いのが治まらないと言って何度も来店する彼女に対し、侑子はそのたびに鈴の数を増やしたストラップを渡すだけだった。やがて君尋の夢に百目鬼遙が現れ、「私立十字学園の少女の家に行ってみるか」と提案する。

五月七日小羽の転落編

よく当たる霊能者としてテレビにも多数出演していた五月七日小羽が、最近になって心霊番組でほかの霊能者たちの発言と違うことを言い当て、悪い意味で注目されているという。それを九軒ひまわりから聞いた四月一日君尋は、壱原侑子と話し、小羽が他の霊能者よりも見え過ぎていること、そしてそのために理解されずに孤立してしまっていることを知る。夢の中に現れるさくらとも話す中で、自分にできることをしようと決めた君尋は、百目鬼静と共に小羽の自宅に弁当を持っていくことにする。しかしそこで目にしたのは、壁や塀に罵詈(ばり)雑言が落書きされた小羽の自宅と、頭に包帯を巻いた小羽だった。さらに嫌がらせの電話も受けていると知った君尋は小羽を励ましつつ、いっしょに食事を摂(と)る。だが帰宅して、その光景を目撃した五月七日小羽の母親は激昂し、君尋に熱湯を浴びせかける。

五月七日小羽の解決編

五月七日小羽の母親から受けた傷をきっかけに、四月一日君尋が自身の違和感に気づいて数日後、君尋はまた九軒ひまわりから五月七日小羽の現状を知らされる。心霊番組に出ても霊視がまったく当たらず、小羽はどんどんケガが増えているという。心配して自宅を訪れるも在宅している様子はないことから、君尋は百目鬼静と共に、小羽が出演する生放送のテレビ局へ乗り込むことにする。そんな中、小羽は母親に責められながらも気丈に振る舞い続けていた。同席する出演者からの陰口に激怒し、「噓でもいいから霊視を当てろ」と言い放った母親の言葉に、小羽は生放送の場で「母親から噓でもいいから言えと言われた」と証言する。

料理教室編

ある日、ミセに久し振りの来客が訪れる。壱原侑子は料理を教えて欲しいと願う女性の申し出に快諾し、四月一日君尋を教師役に指名し、料理を習う女性の自宅に派遣するようにする。料理を習う女性はミスもなく、基本どおりに作業することができ、初めて作った料理の出来も上々だった。その料理を弁当と共に学校に持参した君尋は、いつもどおり九軒ひまわり百目鬼静に振る舞うが、それを口にした瞬間、いつも大量に食べるはずの静が箸を止めてしまう。そのことで不安を感じた君尋は、2回目の料理教室の際に味見を勧めるも、料理を習う女性は「自分で作った物は気持ち悪いから食べたくない」と笑顔を浮かべる。その言葉に思い悩んだ君尋は、4度目の料理教室でおむすびを提案し、「自分を知るためにも、自分で作って食べてみて欲しい」と願う。

壱原侑子消失編

料理を習う女性が壱原侑子を知らないと発言したのを聞き、四月一日君尋は愕然としながら百目鬼静と共にミセへと向かう。その道すがら、かつてネガティブな言葉によって行動を制限してしまっていた双子の姉にも出会うが、彼女もまた侑子のことを記憶しておらず、君尋は嫌な予感に駆られてミセへと駆け込む。そこで見たのは、闇に捕縛され、消えていく侑子の姿だった。本来の侑子はすでに故人だが、ある人物が侑子の生存を願い、その思いが強すぎたために止まった時間に留められ、消えなかった存在だと侑子は語る。そして君尋の選んだ未来により、時間が進んだため消えるのだと話して闇に飲まれていく侑子に、君尋は「再び侑子に会うためにミセで待ち続ける」と宣言する。

籠・猫の三味線編

四月一日君尋がミセの主人になって数年が経っていた。大学生になった百目鬼静が頻繁にミセに通い、五月七日小羽もまた君尋を心配して訪れる中で、君尋は客の願いを叶えながら壱原侑子との再会を待ち続けていた。そんな中、占い師から紹介を受けたという盲目の女性がミセを訪れる。革張りに使われた今もなお生きているという猫が憑いた三味線を差し出した女性は、10日ほど前から鳴らなくなってしまったことや、この三味線が恋しいと思っているモノを探して欲しいと依頼した。その願いに君尋は、夢で憑いている猫に直接話を聞くことにする。すると猫はたった一言「打って」とだけ告げた。その返答を受け、君尋は静の助けを借りて、宝物庫の中である物を探し始める。

籠・紅い真珠編

ミセの庭に羅宇屋が来た日、女郎蜘蛛もまたミセにやって来た。女郎蜘蛛は蜘蛛の糸を手付金に、紅い真珠を探して欲しいと依頼する。月を映した水盆と蜘蛛の糸、そして百目鬼静五月七日小羽の協力を得て紅い真珠の在処(ありか)を探し出した四月一日君尋は、夢を渡ってその家に入りこむ。しかし、その家にいたDVに遭っている女性は、本来見えないはずの君尋の姿を直視し、さらに言葉も交わして見せた。動揺して夢から覚めてしまった君尋が、翌日また夢を渡って家に入ると、DVに遭っている女性はさらにケガを増やした姿で出迎え、女郎蜘蛛に紅い真珠を渡す約束をしていたことを話す。その瞬間、窓の外でなにかが落下する音が響く。

関連作品

漫画

本作『xxxHOLiC』は、続編として『xxxHOLiC・戻』が講談社「KCデラックス」から刊行されている。四月一日君尋がミセの店主になったあとの時系列だが、壱原侑子が初期のように登場する。また、本作『xxxHOLiC』は著者のCLAMPが過去に発表した作品のキャラクターが登場することがある。特に壱原侑子と共にモコナ=モドキを創造した魔術師のクロウ・リードは侑子の口頭でよく登場しているが、クロウ・リードは講談社のKCデラックスから刊行された『カードキャプターさくら』に登場している。また、侑子が二日酔いの薬を購入している薬局としてKADOKAWA「あすかコミックスDX」から刊行されている『合法ドラッグ』に登場する、みどり薬局と主人公の栩堂風疾(くどうかざはや)、火群陸王(ひむらりくおう)が登場している。また、新書館から刊行された『東京BABYLON』の主人公であり、KADOKAWA「あすかコミックス」刊行の『X』にも登場する皇昴(すめらぎすばる)のことを、侑子が幼少期から見知っている様子も描かれている。

絵本

本作『xxxHOLiC』に登場するモコナ=モドキと、クロスオーバー作品である『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』に登場する白いモコナ=モドキを主人公とする絵本『ソエルとラーグ モコナ=モドキの冒険』が講談社から刊行されている。白いモコナ=モドキの「ソエル」と黒いモコナ=モドキの「ラーグ」がどうやって誕生してどう過ごし、どうしてミセの宝物庫の中で眠っていたのかの経緯が描かれている。

テレビアニメ

本作『xxxHOLiC』に登場する四月一日君尋が、テレビアニメ『BLOOD-C』において主人公の更衣小夜に助言を与えるメッセンジャーとして、小犬に口寄せした状態で登場する。「対価と引き換えに願いを叶えるミセの主人」を名乗っており、誰かの依頼を受けて小夜に接触している。この犬のキャストも、テレビアニメ版『xxxHOLiC』での君尋と同じく福山潤が演じている。

劇場版アニメ

本作『xxxHOLiC』に登場する四月一日君尋が、劇場版アニメ『劇場版BLOOD-C The Last Dark』において主人公の更衣小夜が特殊な刀を受け取るために訪れた、対価と引き換えに願いを叶えるミセの主人として登場している。キャストは、テレビアニメ版『xxxHOLiC』での君尋と同じく福山潤が演じている。

メディア化

劇場版アニメ

本作『xxxHOLiC』を原作とした劇場版アニメ『劇場版xxxHOLiC 真夏ノ夜ノ夢』が、2005年8月に全国で公開された。『劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君』と同時上映されており、作品の内容がリンクしている。謎のオークションへの招待状を受け取った壱原侑子四月一日君尋が、洋館での奇妙な失踪事件に巻き込まれていく内容となっている。監督は水島努が務めている。キャストは、侑子を大原さやか、君尋を福山潤が演じている。

テレビアニメ

本作『xxxHOLiC』を原作としたテレビアニメ『xxxHOLiC』が2006年4月から、第2期『xxxHOLiC◆継』が2008年4月からTBSほか全国で放送された。原作の掲載順とは順序を変えて放映されているが、『xxxHOLiC◆継』では夢カイ編までが放送されている。またTVアニメ版『xxxHOLiC』および『xxxHOLiC◆継』では、『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』および『ツバサ・クロニクル』との直接的な関連性はぼかして描写されている。監督は水島努が務めている。キャストは、壱原侑子を大原さやか、四月一日君尋を福山潤が演じている。

OVD

本作『xxxHOLiC』を原作とした前後編のOAD『xxxHOLiC 春夢記』がコミックス第14巻、第15巻に同梱されている。こちらは百目鬼遙のために、四月一日君尋百目鬼静がある探し物をする内容となっており、『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』のコミックス第26巻、第27巻の初回限定版に同梱された『ツバサ 春雷記』とリンクした内容となっている。また『xxxHOLiC・籠』『xxxHOLiC・籠 あだゆめ』が、コミックス第17巻と第19巻の初回限定版に同梱されており、こちらはオリジナルキャラクターである百目鬼篠などが登場する。監督は水島努が務めている。キャストは、君尋を福山潤、壱原侑子を大原さやか、静を中井和哉が演じている。

テレビドラマ

本作『xxxHOLiC』を原作としたテレビドラマ『CLAMPドラマ ホリック xxxHOLiC』が、2013年2月からWOWWOWプライムで放送された。全8話。百目鬼静九軒ひまわりが幼なじみになっていることや、四月一日君尋の母親が登場するなど、本作とは内容が異なっている。脚本と監督は豊島圭介と継田淳が務めている。キャストは、君尋を染谷将太、壱原侑子を杏、静を東出昌大が演じている。

実写映画

本作『xxxHOLiC』を原作とした実写映画『ホリック xxxHOLiC』が2022年4月から松竹の配給で全国で公開された。アヤカシを見ることができる四月一日君尋が、壱原侑子のサポートを受けながら、世界を闇に落とそうとする女郎蜘蛛たちアヤカシと戦う姿を描いている。監督は蜷川実花が務めている。キャストは、君尋を神木隆之介、侑子を柴咲コウ、女郎蜘蛛を吉岡里帆が演じている。

テレビゲーム

本作『xxxHOLiC』を原作としたプレイステーション2用ゲーム『xxxHOLiC 四月一日の十六夜草話』が、2007年8月にマーベラスから発売されている。不思議な蝶の力によって壱原侑子百目鬼静と共に異世界に迷い込んでしまった四月一日君尋が、そこで出会う人々の願いを叶えながら元の世界に戻るために奮闘する姿を描いている。マルチエンディングアドベンチャーゲームで、コミックを読んでいるのと同じ感覚でシナリオを進めることができる。

舞台

本作『xxxHOLiC』を原作とした舞台『演劇調異譚 xxxHOLiC』が、2021年9月から東京と京都で上演された。アヤカシが見えることに悩む四月一日君尋が、壱原侑子と出会うことによってさまざまな事件を体験し成長していく展開は原作通りとなっている。しかし、キャストが女性役を含め、全員男性のみで構成されている。演出は松崎史也、脚本は畑雅文が務めている。キャストは、君尋を阪本奨悟、侑子を太田基裕が演じている。

朗読劇

本作『xxxHOLiC』を原作とした朗読劇『xxxHOLiC』が、2017年1月に豊洲で上演された。ある日、ミセを訪れた客の依頼で「女性」と「好きな曲がある」というキーワードを頼りに探し物をすることになった四月一日君尋は、同じく檀家の依頼でミセにやって来た百目鬼静壱原侑子の指示のもと協力し、依頼をこなす姿を描いている。キャストは、君尋を福山潤、侑子を大原さやか、静を中井和哉が演じている。

小説

本作『xxxHOLiC』の小説版『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』が、2006年8月に講談社から西尾維新の著作で刊行されている。原作にはない完全オリジナルの短編3作で構成されており、それぞれの作品で四月一日君尋が不可解な事件に翻弄される姿が描かれている。

登場人物・キャラクター

四月一日 君尋 (わたぬき きみひろ)

私立十字(つじ)学園に通う男子高校生。前髪が長めの黒髪に眼鏡をかけている。4月1日生まれ。昔からアヤカシを見ることができ、そして引き寄せてしまう体質のため、日常生活でも苦労が絶えない。ミセを訪れた際にその体質を指摘され、アヤカシを見ることができずに、寄ってこない体質になる対価が貯まるまでのあいだ、ミセでアルバイトをすることになった。アヤカシにとっておいしい存在であり、喉から手が出るほどのご馳走(ちそう)なのだと侑子は語っている。両親が他界しているため現在は一人暮らしをしているが、両親の記憶はない。家事全般と料理が得意で、壱原侑子やモコナ=モドキのためにつまみや食事を作ることが多い。九軒ひまわりに好意を抱いている。百目鬼静が蜘蛛の恨みを買った事件をきっかけに、女郎蜘蛛との対決で右目を失ったが、静の右目の視力を半分受け取っている。また、ひまわりと指切りをした小指がその後、動かなくなっている。五月七日小羽には四月一日君尋自身と近いものを感じており、なんとか幼い頃の小羽を救いたいと望んでいた。侑子が消えた際、「侑子と再会するまでミセで待ち続ける」と願った対価としてミセを継ぎ、ミセから出られずに歳もとらない体となり、キセルを愛用するようになった。ミセを出ることはできないが、行くべき場所さえわかっていれば夢を使って、その場所に入り込むことができる。署名代わりに使用する華押として鳥の翼の絵を使用している。

壱原 侑子 (いちはら ゆうこ)

ミセの主人を務める魔術師の女性。黒髪ロングヘアで、つねに艶やかな衣装を身につけている。喫煙家でキセルを愛用しており、毎日浴びるほどの酒を飲んでいる酒豪。「壱原侑子」という名前は偽名で、署名代わりに使用する華押として蝶の絵を使用している。クロウ・リードという魔術師と共にモコナ=モドキを制作し、小狼たち『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の主要メンバーが異世界からやって来る日を待ち続けていた。物事には偶然は存在せず、必然だけがあると断言している。つねに自信満々で傲慢にも見えるが、心優しい性格で、気遣いを見せることもある。ただしニセの占い師や、能力者に対しては強く嫌悪しており、かかわり合いを避けている。四月一日君尋の雇い主でありながら、君尋ともう一人の小狼との関係性や、これまでの君尋の人生すべてを理解しており、成長を静かに見守っている。実は君尋が産まれる前に死んでいる故人だが、ある人物の願いによって、体の時間が止められていた。君尋の成長が進んだことで存在が消え、侑子自身が「君尋の傍(そば)にいて支えてやって欲しい」と願った者以外から、出会ったことすら忘れられてしまっている。強力な魔力を持ち、次元と次元を移動することができることから「次元の魔女」とも呼ばれている。マルダシとモロダシからは「主様」と呼ばれ、ネット上では「キンドーちゃん」と名乗っている。

百目鬼 静 (どうめき しずか)

私立十字(つじ)学園に通う男子高校生。黒髪短髪の吊(つ)り目で、無愛想ながら女子から人気がある。学級委員長を務めており、弓道部に所属している。3月3日生まれ。四月一日君尋からはライバル視されているが、百目鬼静自身はまったく気にしていない。実家が寺で、アヤカシを見る力は持っていないが魔や邪を寄せつけず、さらに祓う力が非常に強い体質の持ち主。九軒ひまわりの他人を不幸や事故に導いてしまう体質の影響を受けない、数少ない人間の一人。君尋が校舎から落ちた際、君尋を死なせないための対価として、君尋が流した分だけの血液を提供している。壱原侑子から卵のような物を預かり、肌身離さず持っているよう頼まれた。君尋と右目と血液を共有して以降、霊やアヤカシが見えるようになっている。君尋がミセを継いでからは店に頻繁に通い、君尋とほとんど生活を共にしながら君尋の仕事を手伝っている。また大学では民俗学を専攻し、大学院を卒業後も助手として研究を続けている。誕生日に君尋から、桃の木でできた祓い具の指抜きを贈られた。これによって、いつでも悪霊を祓う弓を具現化することができるようになっている。

九軒 ひまわり (くのぎ ひまわり)

私立十字(つじ)学園に通う女子高校生。長い黒髪をツインテールの縦巻きロールにしている。つねに笑顔で誰にでも優しく接するが、他人と深い交流を持たずにいる。四月一日君尋とはクラスメイトで、学級委員長も務めている。君尋から好意を抱かれているが、恋愛に対して鈍感で無頓着なため、まったく気づいていない。実は両親以外の他者を不幸や事故に導いてしまう体質で、この体質が原因で祖母が亡くなり、友人が大ケガを負うなどの経験を重ねてきた。そのため清浄な気を好む神や、アヤカシからは忌避されている。壱原侑子がこの体質を治すには、九軒ひまわり自身が払わなければならない対価は「ひまわりの幸せすべてと引き換えなければならない」ほどに大きい。君尋が校舎から落ちた際、彼を死なせないための対価として、君尋が背中に負った傷痕を引き取っている。君尋がミセを継いでからは、彼の誕生日である4月1日を除いてミセに来ることを禁じられている。

マルダシ

ミセで手伝いをしている少女。ウェーブがかった水色のロングヘアをツインテールにしており、黒い服を身につけている。周囲からは「マル」と呼ばれている。ミセの敷地から出ることができず、魂を持たない人形のような存在だが、喜怒哀楽を表してふつうに生活を送っている。しかし、時空が不安定になり始めた頃から、ほとんどの時間を睡眠時間に当てており、ミセを維持することに集中し続けていた。壱原侑子の消滅と共に目を覚まし、四月一日君尋がミセの店主となってからは活発に活動し、君尋の手伝いをしている。つねにモロダシと共に行動しており、ミセを支えるために必要な存在とされている。

モロダシ

ミセで手伝いをしている少女。シャギーを入れたセミロングヘアの一部を側頭部で二つのお団子にしており、白い服を身につけている。周囲からは「モロ」と呼ばれている。ミセの敷地から出ることができず、魂を持たない人形のような存在だが、喜怒哀楽を表してふつうに生活を送っている。しかし、時空が不安定になり始めた頃から、ほとんどの時間を睡眠時間に当てており、ミセを維持することに集中し続けていた。壱原侑子の消滅と共に目を覚まし、四月一日君尋がミセの店主となってからは活発に活動し、君尋の手伝いをしている。つねにマルダシと共に行動しており、ミセを支えるために必要な存在とされている。

モコナ=モドキ

ミセの宝物庫に保管されていた生物。卵形の体と長い耳を持ち、額に大きく丸い宝石が埋まっている。壱原侑子とクロウ・リードが、小狼たち『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の主要メンバーが異世界を旅するために作った存在。小狼たちには白い毛並みのモコナ=モドキが渡され、ミセには黒い毛並みのモコナ=モドキが残されており、毎日侑子と共に酒を楽しんでいる。また、モコナ=モドキ同士を使って通信したり、アイテムの転送も行うことができる。百目鬼静とは仲がよく、四月一日君尋がミセを継いでからも、君尋の置かれている状況や環境の変化について逐一報告している。

百目鬼 遙 (どうめき はるか)

百目鬼静の祖父で、故人。黒髪短髪に吊り目で、愛想がよく穏やかな性格をしている。何度も四月一日君尋の夢の中に現れ、君尋の危機を救ったり、助言を与えたりしている。老齢になってから亡くなったが、なぜか若い頃の姿で現れ、その姿が静と非常によく似ているため、君尋は当初静とカンちがいしていた。かつて憑き物落としをしており、その能力が静にも受け継がれている。壱原侑子が消える直前に侑子と夢の中で会ったことがあり、君尋の面倒を見るようにと頼まれている。また、君尋がミセを継いでからは、夢を使って「知りたいこと」を知る術や、ミセの宝物庫にある物を使うためのいくつかの術を教えた。

座敷童 (ざしきわらし)

アヤカシの少女。おかっぱ頭で、ふだんは和服を身につけている。四月一日君尋に好意を寄せており、バレンタインにチョコレートを渡したいと考えた末に、百目鬼静の腹の中にあったフォンダンショコラと共に静の魂まで抜き取ってしまったことがある。悪意や邪鬼に弱いため、いつもは鴉天狗たちと霊気の強い山奥などに避難している。君尋の右目を女郎蜘蛛が所持していると知り、危険を承知で女郎蜘蛛の巣に乗り込む勇敢な一面を見せた。しかし座敷童の心臓を食べると、寿命が100年延びると噂(うわさ)されていることから、座敷童もまた女郎蜘蛛に囚われる。

五月七日 小羽 (つゆり こはね)

霊能者の少女。ウェーブがかった長い髪で、左目の下に泣きぼくろがある。心霊番組や人捜しの番組に出演してお祓いや霊視を行っているが、その報酬はすべて五月七日小羽の母親に手渡している。他人とのかかわりを禁じられているため、小学校には1年生の時しか通っておらず、霊力が落ちる可能性があるとして精進料理だけを強要されていた。四月一日君尋に五月七日小羽自身と近いものを感じており、他人とかかわってはいけないという母親の言いつけに逆らい、たびたび君尋と会っていた。霊能力が強過ぎるため、テレビ番組でほかの霊能者たちと違う見解でみごと言い当て、「インチキ霊能師」呼ばわりされて嫌がらせを受けるようになる。母親と別れてミセを訪れた際に、「母親に対する風評被害を消す対価」として「霊を祓う力」を支払った。壱原侑子は対価が大きすぎるという理由から、同時に小羽自身に関係する風評被害も消している。母親と離別してからは占い師の家に身を寄せ、私立十字(つじ)学園の中等部に進学した。その後大学に進学し、百目鬼静と同じく民俗学を専攻している。

無月 (むげつ)

細長く、手足がない狐の姿をしたアヤカシ。ふだんは壱原侑子のキセル入れに入るほど小さいが、本気を出すと九本の尾と鋭い爪を持つ巨大な狐の姿になる。四月一日君尋に懐いており、勝手に学校について来ることがある。巨大な狐の姿になった際は口から炎を吐き、女郎蜘蛛の張った強力な結界を破ることもできる。君尋が蒲公英に名前を付けたことを知って嫉妬し、名づけてくれるまでは「管狐」と呼ばれていた。

小狼 (しゃおらん)

異世界の少年。栗色の短髪で、ボロボロのマントを身につけている。4月1日生まれ。記憶を失い、瀕死の状態にあるさくらを救う手立てがあると知り、ミセを訪れた。さくらを救う異世界を渡り歩く旅に出るために、さくらと築き上げた関係性を対価として差し出している。

狐の親子 (きつねのおやこ)

霊能力や魔力の強い者にしか見えない、おでんの屋台を営んでいる狐の親子。侑子とも知り合い。おでんの味は絶品で、四月一日君尋は特に揚げの煮たものがお気に入り。狐の子供に四月一日君尋が持っていた折れた矢の羽をあげ、後に四月一日と百目鬼静が百鬼夜行で妖怪に食べられそうになったとき狐の子供に助けられる。

蒲公英 (たんぽぽ)

黄色い小鳥の姿をした何か。壱原侑子が四月一日君尋に渡した卵のようなものから孵(かえ)った。君尋が「両親以外の他者を不幸にする」という九軒ひまわりの体質を知ってなお、ひまわりの幸せと笑顔を願った気持ちで育ったことから、ひまわりの体質の影響を受けない。

双子の妹 (ふたごのいもうと)

双子の姉妹の妹で、大学2年生。背中までの金髪を毛先で巻いている。双子の姉と瓜二つの容姿で、本人たち以外は見分けがつかない。明るい性格でつねに積極的に振る舞い、姉に対しては過剰なほどの心配性で、姉が何かをしようとするたびにネガティブな言葉を投げかけている。

夢カイ (ゆめかい)

バクのような姿をしたアヤカシ。コートやマフラーを着込んでたくさんの風船を持っている。大阪弁で話し、夢を買って夢を飼うことを生業としており、常世で生活している。壱原侑子によって引き合わされた四月一日君尋が、非常に強い吉夢の欠片である破魔矢を持っているのを見た際、これまでとっておきの吉夢として育てていた夢をすべて手放し、破魔矢を買い取った。

私立十字学園の少女 (しりつつじがくえんのしょうじょ)

私立十字(つじ)学園の制服を着ている少女。長い髪の一部をハーフテイルにしている。ある日、なんの気なしにミセに入ってきた。自宅にいると誰もいないのに音がしたり、勝手に物が移動したりすると怖がっており、壱原侑子に「家が怖くなくなるようにして欲しい」と願う。何度もミセにやって来ては、その都度侑子から鈴を渡されている。

DVに遭っている女性 (でぃーぶいにあっているじょせい)

四月一日君尋が紅い真珠を探すために入った部屋で暮らしている女性。細かいパーマのかかったセミロングヘアに男物のシャツを着ており、全身に包帯や絆創膏を巻いている。本来他人に見えないはずの、夢を渡って入ってきた君尋の姿が見えており、声も聞こえている。紅い真珠について女郎蜘蛛と「今度できたらあげる」と約束していた。

羅宇屋 (らうや)

うさぎの姿をしたアヤカシ。ハンチング帽に黒い着物を身につけ、「月兎屋きせる」の屋号を掲げたキセルの手入れ屋台を営んでいる。四月一日君尋がキセルを愛用するようになってからは、ミセの庭まで出張している。美人に弱く、ミセの敷地に女郎蜘蛛が入れるように手引きした。

占いの館の女性 (うらないのやかたのじょせい)

占いで生計を立てている若い女性。毛先だけにパーマを当てたロングヘアで、カチューシャをつけている。かつて占い師が住んでいた場所に「占いの館」という店を構えており、占いと助言を与えている。ただし、占いの館の女性が行っているのは占いではなく、コールド・リーディングを利用して相談者自身から情報を引き出し、誰に対しても適用するような曖昧な助言だけを行っている。壱原侑子はこの行為に対し、「占う能力がないのに占い師の振りをするのはルール違反だ」と嫌悪感を見せている。

童子姿のモノ (どうじすがたのもの)

鎌倉期の童子姿をした何か。百目鬼静が大学の教授から預かった箱を、四月一日君尋が開けた直後に、現実ではない空間に君尋を呼び出した。自分が何者であるかも理解しない人間の手に渡ることに疲れており、悲しんでもいる。しかし君尋が、正体を知りたがっていることを理解し、ヒントを与えて自分の正体を尋ねた。

子どもの霊 (こどものれい)

ミセの客として訪れた幽霊。四月一日君尋以外には姿が見えない。母親という言葉に非常に敏感になっており、五月七日小羽が家族の話をした際にも緊張した気配を発していた。迎えが来るまでミセで待ちたいと願い、しばらくミセで生活していた。悪い気配を発する何かに狙われている。

雨童女 (あめわらし)

アヤカシの少女。長い水色の髪をツインテールの縦巻きロールにしており、ロリータワンピースとフリル付きの傘を身につけている。雨を司る存在で、ほかのアヤカシと同等に扱われることを嫌っている。雨童女の眷属で精花でもある紫陽花が、猛毒とされる人間の血で穢(けが)れて困り果て、ミセを訪れたことをきっかけに四月一日君尋と知り合っているが、君尋のことを「存在自体がありえない」と話している。

猫娘 (ねこむすめ)

アヤカシの少女。外ハネした黒髪をショートヘアにしている。情報屋として有名で、此世のことも異世のことも、さまざまな情報に精通している。暑さに弱く、壱原侑子から体感温度を下げる帽子をもらった。また、その対価として「なるべく古くからある、水道水と交ざっていない井戸水の在処」を教えた。空を飛ぶ金魚のアヤカシが好物で、捕まえては食べている。金魚を追いかけている最中に四月一日君尋と出会い、君尋が雲に差し出した右目がアヤカシの世界で奪い合いになっていることを教えた。

大学事務員の女性 (だいがくじむいんのじょせい)

ミセの客として訪れた女性。ゆるいパーマをかけたセミロングヘアにしている。百目鬼静が助手をしている大学で事務員を務めている。静に強い恋愛感情を持ち、是が非でも静と付き合いたいと考えており、そのために他者を傷つけることも構わないと思っている。

ハナハナ

壱原侑子のネット上の知人の女性。ウエーブがかったロングヘアにしている。インターネットに依存しており、家事やテレビを見ていてもネット上の出来事が気になって生活に支障が出ている。子供や夫からも注意されていることから、ネット断ちをしたいと侑子に相談を持ちかけた。ただし、これまで何度もネット断ちを決意しているが、結果としてネット断ちできていない理由をハナハナ自身はわかっていない。

料理を習う女性 (りょうりをならうじょせい)

ミセの客として訪れた女性。毛先だけ巻いた長い髪をハーフアップにしている。見合いで出会った男性と婚約中で、結婚後の生活を視野に入れて壱原侑子に「料理を教えて欲しい」と願い、四月一日君尋に料理を教わることになった。教えられたことをミスなくこなすが、自分で作った料理は「自分自身を気持ち悪い存在だと知っているから」という理由から絶対に口にしない。

盲目の女性 (もうもくのじょせい)

ミセの客として訪れた女性。盲目で長い髪を前髪だけ結い上げ、着物を身につけている。所持する三味線の革張りに使われて今もなお生きているという猫が憑いた三味線が、10日前からまったく鳴らなくなってしまったため、四月一日君尋に原因究明を依頼した。目は見えないが感覚が研ぎ澄まされており、部屋に漂う空気などから部屋の雰囲気などを察することができる。

和傘の女性 (わがさのじょせい)

ミセの庭に現れた女性。ワンレングスのショートボブヘアで、着物を身につけている。泣きながら逢瀬の相手が訪れるのを待っており、四月一日君尋に「あの方に会いたい」と願った。傘の中でなら人目を気にせず会えるからと言われて渡された、覗きに対する護符が貼られた和傘をさしている。

怯える女性 (おびえるじょせい)

ミセの噂を聞いてやって来た若い女性。ショートヘアで、つねに怯えた様子を見せている。ミセを訪れた当初は四月一日君尋をミセの主人だとカンちがいしてすがりついた。動く写真を一度は壱原侑子に預けたが、その後は写真の状態を確認するために再度ミセを訪れる。

さくら

異世界の少女。栗色のショートボブヘアにしている。最初にミセに訪れた際には記憶を失い、瀕死の状態で小狼に抱えられていた。その後、別の異世界で肉体と魂を切り離し、夢の世界を放浪していた際、四月一日君尋に会っている。その際、小狼と君尋が似ていることや、小狼、さくら、君尋の誕生日が全員4月1日であることを話した。

飛王・リード (ふぇいわんりーど)

異世界の初老の男性。前髪が白い短髪をオールバックにしており、黒を基調にした衣装とモノクルを身につけている。壱原侑子は、他人の道筋を変え、蠱を使って魂を集め、己の願いを叶えるためにこの世の断りを含めたすべてを壊す者であると語っている。

双子の姉 (ふたごのあね)

双子の姉妹の姉で、大学2年生。背中までの金髪を毛先で巻いている。双子の妹と瓜二つの容姿で、本人たち以外は見分けがつかない。何事に対しても自信がなく、ネガティブな言葉をよく口にする癖がある。また、妹には何をやっても敵わないと思っている様子がある。

もう一人の小狼 (もうひとりのしゃおらん)

小狼とまったく同じ容姿をしている異世界の少年。栗色の短髪で、黒い服を身につけている。また、初登場時には左目を眼帯で覆っていた。四月一日君尋を存在させ続けるための対価を壱原侑子に払い続けていた。二度目にミセにやって来た時は仲間といっしょに5日間滞在している。

女郎蜘蛛 (じょろうぐも)

アヤカシの女性。長い髪の毛先だけを巻き、ベビードールを身につけている。四月一日君尋の右目を所持しており、取り返すために巣に乗り込んできた座敷童を絡めて捕らえていた。他人から大切に思われている人間が、それを理解しようともせず、自分をぞんざいに扱うことを嫌い、君尋が座敷童と交換に体すべてを投げ出そうとしたことに不快感を示した。君尋の右目を飲み込んでおり、また君尋がミセを継いでからは、内側からの手引きなしでは店の敷地に入れなくなっている。君尋に「紅い真珠」を探す対価として、手付金に蜘蛛の糸を渡している。

五月七日小羽の母親 (つゆりこはねのははおや)

五月七日小羽の母親。パーマをかけた髪をミディアムボブヘアにしている。小羽に触れるのを怖がり、手をつなごうともしない。また、小羽がテレビ出演する霊能者であることに執着し、小羽が風邪を引きそうなときも、小羽の体よりもテレビ出演が中止になるか否かに気を取られている。小羽が幼い頃からテレビ出演を強要し、それに執着するあまり母親としての振る舞いを行っていなかったため、夫から離縁されている。そのことを逆恨みし、夫と夫の不倫相手に成功した人生を見せつけるべく、小羽を売り込むことに尽力していた。また、小羽が出演する番組のギャランティーを私欲で使っており、いつも高価な衣服を身につけている。

着物の女性 (きもののじょせい)

人間の女性の姿をした何か。着物を身につけ、長い髪をうなじでまとめている。四月一日君尋がミセの留守を任された数日間で、君尋と親しくなった。ずいぶん前に男子を亡くし、君尋を我が子のようにかわいがっている。毎日君尋と会って話すことを楽しみにしているが、それが君尋の体に悪いことも理解しており、非常に心配している。

こぐま歯科の女性 (こぐましかのじょせい)

ミセの客として訪れた女性。ミディアムヘアにパーマをかけている。小指がうまく動かないため、なんとかしたいと壱原侑子に願い、小指用の指輪を渡された。年齢は28歳だが、若く見られるために年齢や勤務先、恋人の有無など、すべてにおいて自然とウソをつく癖がある。

桜に憑いた霊 (さくらについたれい)

十二単を身につけた女性の霊。四月一日君尋たちが登下校する道の途中にある大きな桜に憑いているが、テレビ番組の企画で五月七日小羽に祓われる予定になっていた。しかし、桜に憑いた霊は誰かを怖がらせているわけではなく、ただ桜が好きで憑いているだけの善良な霊で、桜に憑いた霊が桜から離れると、既に寿命を終えている桜が枯れてしまうことに気づいた君尋と小羽に、強く同情された。

教育実習生の女性 (きょういくじっしゅうせいのじょせい)

私立十字(つじ)学園に教育実習生としてやって来た女性。外ハネのセミロングヘアにしている。民俗学を専攻しており、骨董屋なども回っている。また、強運でこれまでの人生が自分に都合のいいように成り立っていたことから、自分を過信し、他人の助言を聞き入れないところがある。ミセで宝物庫の中身を虫干ししていたのを見て、興味を惹かれて敷地内に足を踏み入れた。猿の手が入った筒に興味を惹かれ、侑子から「決して開けない」という条件で譲り受けたが、そのあとすぐに開けようとした。

占い師 (うらないし)

壱原侑子の旧知の老齢な女性。長い白髪をオールバックにしてシニヨンにまとめ、和服を身につけている。相手を見るだけでその素性や起こっている物事、未来に起こることを知ることができる。他人の生き筋を占うために自分の生き筋をも賭ける本物の占い師であり、侑子からも尊敬されている。五月七日小羽の身元を預かってからは、占卜(せんぼく)の技術を継承できることを心から喜んでいる。小羽からは「おばあちゃん」と呼ばれている。

(あかり)

着物を身につけた猫のアヤカシ。手に大きな鬼灯を持ち、ミセのにある宝物庫に飾られた絵の中からやって来る。壱原侑子とは旧知の仲であり、おいしいお酒と肴を対価として、百鬼夜行に参加するための大きな鬼灯を届ける役目を担っている。

集団・組織

鴉天狗 (からすてんぐ)

座敷童を保護しているアヤカシ集団。全員前髪の一部にしか髪が生えていない赤ん坊のような容姿で、黒いコートに白いマフラーを身につけている。背中に小さな翼が生えているが、サーフボードで空を飛んでいる。座敷童を心から大切に思っており、座敷童を泣かせた者には巨大なハリセンで罰(バチ)を当てる。

場所

ミセ

壱原侑子が主人を務めている店。なんらかの願いを持つ者しか入ることができず、それ以外の人間には店の敷地が空き地にしか見えない。その人間が自覚・無自覚にかかわらず、強い願いを持っている者は自然と店の中に足を踏み入れてしまう。侑子が叶えられる願いならばなんでも叶うが、そのためには願いに見合った対価が必要であり、その対価は依頼者が大切にしている物や記憶、ケガを負うなど人によってさまざまだが、過不足なく支払われなければならない。叶える力が大き過ぎたり、支払いが多過ぎたりした場合には、願いを叶えた魔術師と依頼者、両者に体や魂、運命に傷を負ってしまう。宝物庫の中には大量のものが入っているが、そのすべてが願いを叶えるための対価として譲られたものである。侑子はミセについて「願うものを、手に入れるべき者の手に渡るための「御休所」みたいなもの」だと考えている。

その他キーワード

鏡聴 (きょうちょう)

占いの一種。天気雨が降っているときに手鏡やコンパクトを懐に入れ、目を閉じる。こうして初めに聞いた言葉を、今後起こる出来事を予想させる「兆し」とする。四月一日君尋が鏡聴を行った際に聞いた言葉で、壱原侑子は小狼たちの来訪を事前に知ることができた。

(こ)

人間の背中に翼のような形で寄生するもの。壱原侑子は、飛王・リードが人間の魂を集めるために作り出したアイテムだと語っている。これに憑かれると抑制心が麻痺してつねにイライラし、それをはっきりと表現してしまう。ただし、蠱は抑制心をなくしたいとふだんから強く考えている者にしか寄生することができない。

続編

×××HOLiC・戻 (ほりっく れい)

日本を舞台に、霊や妖怪を見ることができる高校生・四月一日君尋が、願いを叶える店の店主・壱原侑子の助手として様々な客の願いを叶える怪奇漫画。日本に古くから伝わるまじないや妖怪などが登場する。『×××HO... 関連ページ:×××HOLiC・戻

アニメ

xxxHOLiC◆継

アヤカシを引きつける体質に悩んでいた四月一日君尋は、体質改善を願い、その対価として壱原侑子のミセでアルバイトをしていた。対価さえ払えばどんな願いも叶うミセで巻き起こる不可思議な事象、アヤカシなどとの出... 関連ページ:xxxHOLiC◆継

xxxHOLiC

アヤカシを引きつける体質に悩んでいた四月一日君尋は、ある日、引き寄せられるように看板もないミセを訪れる。その出会いを偶然ではなく必然と語る店主壱原侑子の言葉を信じ、アヤカシを引きつける体質改善を願い、... 関連ページ:xxxHOLiC

書誌情報

CLAMP PREMIUM COLLECTION ×××HOLiC 19巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2021-08-05発行、 978-4065243510)

第2巻

(2021-08-05発行、 978-4065243497)

第3巻

(2021-09-06発行、 978-4065247655)

第4巻

(2021-09-06発行、 978-4065247679)

第5巻

(2021-10-06発行、 978-4065250853)

第6巻

(2021-10-06発行、 978-4065250860)

第7巻

(2021-11-05発行、 978-4065258415)

第8巻

(2021-11-05発行、 978-4065258422)

第9巻

(2021-12-06発行、 978-4065261590)

第10巻

(2021-12-06発行、 978-4065261606)

第11巻

(2022-01-06発行、 978-4065264881)

第12巻

(2022-01-06発行、 978-4065264898)

第13巻

(2022-02-04発行、 978-4065267851)

第14巻

(2022-02-04発行、 978-4065267899)

第15巻

(2022-03-04発行、 978-4065270561)

第16巻

(2022-03-04発行、 978-4065270530)

第17巻

(2022-04-06発行、 978-4065274637)

第18巻

(2022-04-06発行、 978-4065274644)

第19巻

(2022-05-06発行、 978-4065277829)

XXXHOLiC 6巻 講談社〈KCデラックス〉

第6巻

(2005-05-15発行、 978-4063720150)

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