猛き黄金の国

猛き黄金の国

土佐の地下浪人、岩崎弥太郎が、幕末から明治維新の激動の時代に、三菱グループを創設する生涯を描いた歴史物語。

正式名称
猛き黄金の国
ふりがな
たけきおうごんのくに
作者
ジャンル
自伝・伝記
 
幕末
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概要・あらすじ

土佐の井ノ口村に生まれた地下浪人、岩崎弥太郎は、素行の悪さから付近の村人たちから嫌われていた。下級武士である自分の境遇にじれったさを覚えていた弥太郎は、ある日、土佐を訪れたジョン万次郎の講演を聞いて、それまでの日本にはなかった「カンパニー」という概念を知り、感銘を受ける。いてもたってもいられなくなった弥太郎は、家族の助けをかりて上京し、学問を積む。

その後、数々の困難を乗り越えた弥太郎は、現在の三菱グループの礎となる三菱商会を旗揚げし、明治期の苛烈な経済競争に身を投じるのだった。

登場人物・キャラクター

岩崎 弥太郎 (いわさき やたろう)

土佐藩井ノ口村の地下浪人。幼い頃から頭がよく、「神童」と呼ばれるほどだったが、成長するにつれ下級武士である自分の行く末を憂い、やるせなさから粗暴な振る舞いをするようになる。そんなある日、土佐を訪れたジョン万次郎の講演を聞いて感銘を受け、母の助けをかりて江戸に遊学する。その際に商人の紀ノ利とその妹おさん、土佐藩士の吉田東洋たちと親交を持つ。 しかし、父親が地元の庄屋と争ったことで大怪我をしたことをきっかけに一時帰郷し、それにまつわる係争によって投獄される。出獄後、吉田東洋の小林塾に入塾する。別子銅山での失敗後、坂本龍馬と出会う。吉田東洋暗殺後、二度目の長崎出張で坂本龍馬と再会。 龍馬の活動に協力する。明治維新後は大阪へ向かい、大阪土佐商会を立ち上げる。その後、紀ノ利の資金援助を得て、新政府から大阪土佐商会を買い上げ、名称を三菱商会と改める。その後、龍馬の遺志を継いだかのように海運事業に執着し、日本の海運をほぼ独占するまでの成長を遂げる。

紀ノ利 (きのり)

江戸遊学に訪れた岩崎弥太郎と親交を持った商人。後に三井組総頭として権力を持つ。大阪で再開した弥太郎に資金を提供し、三菱商会設立を支えるが、その後、日本の海運事業を独占した弥太郎と三菱商会を危険視する。自ら三井を率いて三菱商会の独占に対抗しようとするが、志なかばにして病死する。

吉田 東洋 (よしだ とうよう)

土佐藩士。江戸吉原で岩崎弥太郎と知り合う。旗本に暴行を加えたことで参政を罷免され、江戸から土佐に戻り、小林塾を開く。その後、土佐藩家老となり、藩政の改革に乗り出すが、藩士たちからの反発を受け、暗殺される。

おさん

紀ノ利の妹。江戸遊学に訪れた岩崎弥太郎と恋仲になるが、弥太郎が土佐に戻ったことで破局。病死した兄の紀ノ利の遺志を継ぎ、また自分を捨てた弥太郎への復讐を遂げるために、共同運輸会社の運営に加担する。

川田 元右衛門 (かわだ げんえもん)

土佐藩杓田村の庄屋。吉田東洋の命令で岩崎弥太郎に付き従い、別子銅山へ向かう。その後の三菱商会の運営でも弥太郎の補佐を勤める。

広瀬 宰平 (ひろせ さいへい)

住友家の管理する別子銅山の役頭。岩崎弥太郎と協力し、財政難にあった住友家を復興するため密かに溜めた銅を海外に売りさばこうとするが、仲介した商人たちに騙されて溜めこんだ銅を奪われる。明治維新後には、朝廷に別子銅山を接収されることを免れ、そのまま銅山の管理を任されたことから住友家の中で権力を持つようになり、住友財閥中興の祖となる。

坂本 龍馬 (さかもと りょうま)

土佐藩志士。一度目の長崎出張から土佐に帰郷する岩崎弥太郎と知り合い、親交を持つ。その後、二度目の長崎出張に訪れた弥太郎とともに、土佐藩の援助のもとで海運貿易会社の海援隊を運営し始めるが、海援隊の活動が軌道に乗る前に暗殺されてしまう。

高芝 喜瀬 (たかしば きせ)

吉田東洋の命令にしたがって岩崎弥太郎と結婚する。弥太郎の愛人お幸が我が物顔で岩崎家に出入りするようになったことに腹をたてる。

お幸 (おゆき)

長崎の遊女。長崎で倒幕後の残務処理にあたっていた岩崎弥太郎に身受けされ、弥太郎の愛人となる。

後藤 象二郎 (ごとう しょうじろう)

土佐藩士で吉田東洋の甥。岩崎弥太郎が小林塾に入塾できるように便宜を図る。後には大阪府知事となり、大阪土佐商会設立前後の弥太郎を手助けする。

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