GOLD DASH

GOLD DASH

昼は鳶職、夜はキャバ嬢として働く子持ちのなにわ娘・伊藤蘭。そんな彼女が、かつて実業団マラソン部の監督を務めていた大鳥嵐に見出され、オリンピックを目指してひた走る姿を描く、ハートフルな熱血マラソン漫画。「イブニング」2007年12号から2009年10号にかけて掲載された作品。

正式名称
GOLD DASH
ふりがな
ごーるど だっしゅ
作者
ジャンル
陸上競技
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概要・あらすじ

キャバ嬢の伊藤蘭は、夜のミナミで、彼氏のが女性を車に乗せている姿を目撃する。逆上した蘭はダッシュで拓の車を追いかけ、高速道路にまで進入。そんな蘭の走りに魅せられた元実業団マラソン部監督・大鳥嵐は、蘭をダンプカーに乗せて追跡に協力する。蘭の脚力に惚れこんだ大鳥は、後日、蘭の姉である伊藤咲子がキャバクラ「イブニング」に作った借金を肩代わりする、という条件を提示し、蘭に自分の本気を見せる。

一方、蘭はマラソンにまったく興味はなかったものの、父親の伊藤四郎に「行き場のない女の子を集めて鳶の会社を作る」という蘭の夢を叶えるためにも挑戦しろ、と背中を押されたこともあり、大鳥とともにオリンピックを目指す決心をするのだった。

登場人物・キャラクター

伊藤 蘭 (いとう らん)

昼は鳶職、夜はキャバクラで働く大阪在住の21歳の女性。父親の伊藤四郎と同居し、シングルマザーとして、姉の伊藤咲子の子供である伊藤英明を育てている。根性があり、情に厚い性格。レディース「蘭仁愚(ランニング)」の元総長で、夜の街を彷徨う行き場のない若い女の子を集め、全寮制の鳶の会社を作るのが夢。大鳥嵐の熱烈なラブコールにより、彼と一緒にマラソンでオリンピックを目指すことを決意する。

大鳥 嵐 (おおとり らん)

ダンプの運転手を務める、36歳の独身男性。かつて実業団・音羽食品陸上部のマラソン部で監督を務めていたが、暴力事件を起こして、その任を辞した過去がある。ひげを生やした強面だが、女性や子供には優しい熱血漢。高速道路を疾走する伊藤蘭の走りを見て惚れ込み、一緒にオリンピックを目指そうと口説き落とした。蘭のためにマラソンチーム「RUN&RUN AC(ランアンドラン アスリートクラブ)」を設立。 伊藤英明には「大ちゃん」と呼ばれている。

伊藤 英明 (いとう ひであき)

伊藤蘭が引き取り、母親として育てている幼い男の子。本当は蘭の姉である伊藤咲子の息子だが、伊藤英明は蘭が自分の母親だと信じて疑っていない。蘭がマラソンに挑戦することになって、ともに過ごす時間が増えた大鳥嵐に、パパになってほしいと思っている。

伊藤 四郎 (いとう しろう)

伊藤蘭の父親。蘭と伊藤英明と同居する中年男性。定職にも就かず、隠れて酒を飲んでいるダメ親父。しかし、女の子だけの鳶会社を作るという蘭の夢を叶えるため、その前段階として大鳥嵐とマラソンでオリンピックを目指すよう、迷う蘭の背中を押した。蘭が参加するマラソン大会に、観光気分でついていくことが何よりの楽しみ。

伊藤 咲子 (いとう さきこ)

伊藤蘭の姉。伊藤英明の実の母親。男を見る目がなく、「イブニング」でキャバ嬢をしていたが、ボーイの田渕と店の金を持ち逃げし、息子を置いて北海道に逃げていた。北海道マラソンに参加していた伊藤蘭を、密かに応援に行った時に息子の英明と再会。将来英明を引き取れるよう、真面目に働くことを決意する。

大鳥嵐の母 (おおとりらんのはは)

大鳥嵐の母親。息子と同居し、近所の保育園で給食を作っている。人情に厚い中年女性。伊藤蘭がシングルマザーだと聞き、「初婚の相手が大鳥では蘭が可哀想すぎる」と、息子に辛らつな冗談を飛ばしつつも、息子と蘭の結婚を夢見ている。

鬼村 (おにむら)

靴屋「鬼村商店」の店主。靴職人の中年男性。大鳥嵐とは昔からの付き合いで、伊藤蘭の足の裏を見ただけで、「世界を狙える足」だと実感する。蘭の足にぴったりとフィットする軽いシューズを製作し、蘭と大鳥を陰で支えて見守る存在となる。

加納 愛 (かのう あい)

人気、実力ともに兼ね備えた女子マラソン選手。伊藤蘭の最大のライバルでもある。小学生時代は肥満児でいじめられていたが、自殺覚悟で挑んだマラソン大会で暴走し、優勝したことがきっかけとなり、メキメキと才能を開花させた。今や北京オリンピックの金メダル候補として注目を集めている。かつて大鳥嵐が監督を務めていた実業団・音羽食品陸上部では、その指導方針を巡って大鳥と衝突した過去がある。

工富 (くとみ)

イブニンググループの代表を務める若い男性。伊藤蘭が働いていたキャバクラ「イブニング」を経営している。野心家で、世界一のレジャー産業グループを作ることを目指している。東京マラソンで注目を集めた蘭に広告塔になってもらうため、破格の待遇で店に戻るよう説得するなど、経営手腕を発揮する。一方で、次第に蘭の頑張りに心惹かれていく。

堀江 (ほりえ)

実業団・音羽食品陸上部の部長を務める中年男性。当時監督を務めていた大鳥嵐より選手の加納愛を優遇し、暴力事件をでっち上げて大鳥を解任した過去を持つ。権力を振りかざし、金で何でも解決しようとする品性に欠ける人物。伊藤蘭を破格の契約料でスカウトするためにやって来る。

下柳 (しもやなぎ)

新聞「ウィークリースポーツ」の男性記者。伊藤蘭と加納愛のライバル関係を追っているが、双方の熱い戦いぶりに心奪われていく。北海道マラソンの取材中、伊藤咲子の勤めるキャバクラで、咲子と偶然会話したことにより、伊藤蘭と伊藤英明、そして咲子の関係性を知ることになる。

川越 (かわごえ)

アスリートクラブ「セカンドウインド」の監督を務める中年男性。静岡県で行う「セカンドウインド」のキャンプに、伊藤蘭と大鳥嵐が参加したことをきっかけに、交流を深める。故障を避けるため、選手には30kmしか走らせないという主義で、教え方が上手く、女性に対する物腰も柔らかい。

松井 直美 (まつい なおみ)

「ニコニコや」所属の女子マラソン選手。北京オリンピック代表候補の1人。大阪国際マラソンでは、準優勝だったものの当確ラインのタイムには届かなかった。自身のオリンピック出場は、伊藤蘭と加納愛が出場する名古屋国際女子マラソン大会の結果次第、という状態にあった。名古屋国際女子マラソン大会の中継を見ながら蘭と愛に呪いをかけるなど、オリンピック出場への執念は、周りをドン引きさせるほどに強い。

辻本 きよみ (つじもと きよみ)

東京国際女子マラソンで優勝し、北京オリンピック日本代表に当確した女子マラソン選手。ショートカットの髪型で、「へこたれへん」が口癖の、粘り強い走りを見せるランナー。アテネ五輪では金メダルを獲得している。

講談組の社長 (こうだんぐみのしゃちょう)

伊藤蘭が働いている鳶の会社「講談組」の社長を務めている男性。蘭がマラソン初参戦となる、大規模市民マラソン「東京マラソン」に出場することになった際、快く休みを与え、餞別まで渡した気風のいい人物。蘭の活躍で若い社員の士気も上がったため、以降も蘭が出場する大会は、社を挙げて応援している。

加納愛のファン (かのうあいのふぁん)

加納愛の熱烈なファンの男性。「愛ちゃんのためなら死ねる」という信念のもと、名古屋国際女子マラソンで愛のライバルであった伊藤蘭に飛びかかり、足に嚙みつくという騒動を起こした狂気じみた人物。これにより、蘭がかつて所属していたレディース「蘭仁愚(ランニング)」のメンバーに、ボコボコにされることとなる。

田渕 (たぶち)

伊藤咲子の彼氏。咲子が勤めるキャバクラ「イブニング」でボーイをしていた若い男性。咲子とともに店の金を持ち逃げした。その後は北海道に身をひそめながら、咲子をキャバクラで働かせつつ、自分は働かずに遊んでいる下衆な男。咲子とともに北海道マラソンを観戦していたところ、伊藤蘭を応援に来た工富に見つかってしまう。

(たく)

伊藤蘭の元彼氏。ホストのような風貌をした若い男性。出張と偽り、他の女性とデートをしていたところを蘭に見つかり、車で高速道路に逃げ込んだが、蘭に走って追いかけられた。結果的にこれが、蘭がマラソンを志すきっかけとなった。忙しい蘭とあまり会えず、寂しかったから浮気をした、と泣きながら語るヘタレな性格。

麻美 (まみ)

拓の浮気相手。巻き髪をツインテールにした派手な女性。拓に伊藤蘭という彼女がいたことをまったく知らず、なぜ自分たちの車が蘭に追われていたのかも、理解していなかった。気が強く、蘭に右ストレートを食らった拓を見て、蘭につかみかかるが、逆に顔面にパンチをくらって倒れてしまう。

集団・組織

音羽食品陸上部 (おとわしょくひんりくじょうぶ)

実業団の陸上部で、部長は堀江が務めている。かつて大鳥嵐がマラソン部で監督を務めていたが、その指導方針を巡って、当時から花形選手であった加納愛と対立し、愛を特別扱いする堀江と揉めて暴力事件を起こした。その3年後、東京マラソンで中間地点までのタイムが世界新記録だった伊藤蘭を、マラソン部にスカウトするために、堀江がやって来る。

場所

イブニング

伊藤蘭が勤めるキャバクラ。もともとは蘭の姉である伊藤咲子が働いていたキャバクラだが、咲子が店員の田渕と店の金を持ち逃げしたことをきっかけに、蘭が借金を返すために働くこととなった。本格的にマラソンの道へ進むために、蘭は一旦店を辞めるが、社長の工富に破格の待遇で戻ってくるよう説得され、広告塔としての仕事と土曜日の出勤を承諾することになる。

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