DOLL

DOLL

近未来を舞台にアンドロイドの製造企業SG社、商品となるアンドロイドたちの人間模様を描いた作品。1話完結、全33話のオムニバス作品。

正式名称
DOLL
ふりがな
どーる
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
関連商品
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概要・あらすじ

ある者は、心を設定されていない「ドール」に本音を語り、ある者は、年を取らない「ドール」と永遠の命を生きようとする。表情が少なく、人間には絶対服従することをインプットされている年を取らない「ドール」と、感情に左右され、寿命のある人間たちが、汎用人型人造人間「ドール」を製造するSG社を中心にさまざまなストーリーを紡いでいく物語。

登場人物・キャラクター

櫃石 カヤ (ひついし かや)

櫃石グループ社長の娘。少年型のアンドロイドと40年以上暮らしている。少女時代は、完全服従する少年に、日常のストレスをぶつける毎日を送っていた。大人になって今津高則と政略結婚をした後、自分を見つめ続けてくれたのはドール(nameless doll)だけだったと気づく。

パパ

櫃石グループの社長で、櫃石カヤの父親。娘の誕生日に少年型のアンドロイドを娘の世話係として置いていった。娘のことにはほとんど関心が無く、誕生日のことすら忘れており、世話をするために5人の人間を雇うよりアンドロイド1台のほうが有能だと、ドール(nameless doll)を置いていった。

今津 高則 (いまづ たかのり)

櫃石カヤの婚約者で後の夫。カヤとは政略結婚をしており、家庭を顧みず、愛人を作り、彼女との間に子供をもうけている。

nameless doll (ねーむれすどーる)

少年型のSG社製アンドロイド。「人間には絶対服従」とインプットされている。SG社製造。櫃石カヤが少女の頃に彼女に買い与えられ、以後、40年以上付き従う。白シャツにネクタイ、ベストに膝丈パンツという装いをしている。ドールの発明者である桐島博士が手掛けた9体のうちの1体で、製造番号はSG-222。

桐島元彦博士 (きりしまもとひこはかせ)

汎用型アンドロイドの発明者。SG社開発部第1研究室に勤務していた。同じ研究室に勤務していた妻のかおるがアルツハイマーに似た症状で記憶を失い始めたとき、かおるの心を移植し姿を似せたドールを作り、神の一線を越えたと後悔する。「誰かに似せて作らない」「人間の記憶を移植しない」という2つの条件と引き換えに、SG社にドールの特許を渡した。

桐島 かおる (きりしま かおる)

SG社開発部第1研究室、ドール開発の責任者。桐島元彦博士の妻。アルツハイマーに似た症状で記憶を失う病にかかる。チョコレートの間食がやめられない。

S (えす)

少年型のSG社製アンドロイド。「製造ナンバーSG-999・製作者キリシマ」と名乗る。違法改造されたドールを狩るために作られたドール。AI(人工知能)が頭以外にも移植されており、頭を砕かれても壊れない。再起動時には「僕はS。scrap(スクラップ)のS」と名乗るが、ドールに仕事を奪われ、ドールを一掃しようとSG社を攻撃対象としている団体のリーダーの女性を助けてからは、「僕はS。 safe-guard(守るもの)のS」と名乗る。

一継 (いつき)

SG社の社長の息子。社長と優秀な代理母の間に人工授精で生まれ、IQ200の天才ハッカー。メイド型ドールに育てられる。次期跡取りと社長に指名されるが、社長の息子や娘たちに疎まれ拘束され、局部をメイド型ドールに噛み切られる。18歳で家出、自称改造屋と名乗り、15年間違法改造を生業としている。 涙を流す感情を移植してほしいとアンドロイドの一継に請われ、彼の希望する感情を移植した。耳の後ろにバーコード状の烙印(イレズミ)があり、違法改造を重ねるごとに1本ずつ増やしている。SG社に捕らえられた。バーコードによりドールと間違えられ、プレス機によって圧死する。

サイコキャンディ

違法改造を生業としている女性。一継にライバル心を燃やしている。一継亡き後、ITSUKIとバニラを引き取り、一継が遺した一軒家に住まわせる。

ITSUKI (いつき)

少年型のSG社製アンドロイド。男性の身体に女性器を持つセクサロイド。人間の一継にスクラップ同然の値段で買われる。買われた時に製造ナンバーを削られたが、後に一継から、ドールの発明者である桐島博士が手掛けた9体のうちの1体で、製造番号がSG-888だと告げられる。 ヴェロニカが目の前で首を切り落とされたときに何も感じなかったため、泣けるように改造してほしいと依頼するが、移植されたのは希望の感情だった。スクラップ屋で自分と連番の製造番号を持つバニラに恋をする。SG社に捕まった一継を助けに行くが命令により、返されてしまう。別れの寸前にITSUKIと名付けられた。

ヴェロニカ

少女型のSG社製アンドロイド。女性の身体に男性器を持つセクサロイド。アンドロイドの一継と対で作られた。売春クラブを経営するサディストの女性によって、アンドロイドの一継と共に買われ、首を切り落とされる。ドールの発明者である桐島博士が手掛けた9体のうちの1体で、製造番号SG-777。

バニラ

少女型のSG社製アンドロイド。ドールの発明者である桐島博士が手掛けた9体のうちの1体で、製造番号SG-666。スクラップ屋で売られていたのを一継に買われ、修理されるが言葉を話さなかった。「約束」という言葉で起動し、以前の持ち主が妻に殺され、命令により自分で埋めたという告白をする。

工藤 (くどう)

SG社のドールをスクラップにする部署、通称、人形の墓場で40年以上勤務している。初めてドールをスクラップにしたのは父親が脳溢血で亡くなった年だった。40年の間に母、妻を亡くし一人ぼっちになってしまったのは、無慈悲にドールを葬ってきた罰なのではないかと考えている。クリスマスの夜、プレス機操作中に白衣を巻き込まれるが、プレスしようとしていたドールに助けられ九死に一生を得る。 自分を助けてくれたドールをプレスした時、仕事を辞める決心をする。

櫃石グループ (ひついしぐるーぷ)

櫃石カヤの父親が経営する企業グループ。

場所

SG社 (えすじーしゃ)

アンドロイドの製造会社。

その他キーワード

ドール

SG社が製造している汎用型アンドロイドのこと。基本的に1体ワンオーナー制で、買い替えなどで廃棄されたものは処分する決まりとなっている。一方で、中古も出回っており、値崩れ、違法改造も問題になっている。SG社製の証として、耳の後ろにバーコードと製造ナンバーが刻まれている。

キリシマナンバーのドール

SG社が製造している汎用型アンドロイドの中で桐島元彦博士が手掛けたもので、世界に9体しかない貴重なドール。製造番号が連番になっており、他のドールと区別できる。普及型よりもやや感情的に作られている。111はテストタイプの「カオル」、222は市販用に作られた少年型ドール、333から666まではメイド型。 777と888は対で作られたセクサロイド。違法ドールを狩るために作られた「S」は999。

プレス機 (ぷれすき)

ドールをスクラップにする機械。SG社の地下にある。ドールを仰向けに寝かせ、安全装置を解除してレバーを引いて操作する。ジャッキのモーターに服が巻き込まれる危険性がある。

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