はじめの一歩

はじめの一歩

森川ジョージ原作の同名タイトル漫画『はじめの一歩』のテレビアニメシリーズ第1弾。優しく母親想いの少年だが、いじめられっ子であった主人公幕之内一歩がボクシングを始め、日本チャンピオンに到達するまでの過程に加え、人間的にも成長していく様子を描いている。第15回講談社漫画賞少年部門受賞。また、原作漫画は2012年に連載1000回を迎えた。

正式名称
はじめの一歩
ふりがな
はじめのいっぽ
原作者
制作
マッドハウス
監督
西村聡
放送期間
2000年10月3日 〜 2002年3月26日
放送局
日本テレビ
話数
75話
ジャンル
バトル
 
ボクシング
関連商品
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概要・あらすじ

母子家庭で釣り船屋の息子である主人公の幕之内一歩は、ある日、いじめられている時に通りかかった鷹村守に助けられる。怪我の治療のため、鷹村守に連れられてきたのはボクシングジム。そこで、ボクシングという今まで見たこともない新しい世界があること、そして、鷹村守が見せた「強さ」を知った幕之内一歩はボクシングに興味を持ち始め、「強いとは何か!

?」を知るためにボクシングを始めようと決意する。

登場人物・キャラクター

幕之内 一歩 (まくのうち いっぽ)

鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はフェザー級。元いじめられっ子の高校生だったが、鷹村守に助けられたことがきっかけでボクシングに傾倒していく。主だったスポーツ経験はなく、むしろ水泳以外の運動神経は悪い部類に入るが、家業の釣り船屋「釣り船幕之内」の手伝いで鍛えた腕力や足腰の強さ、船の上で鍛えた平衡感覚は抜群であり、ボクシングを始める際に大きなアドバンテージとなった。 性格は素直で真面目、気弱だが温厚で控えめで、本来は争いを好まないタイプ。 母子家庭で育ったせいか母親想いで、普段は家業の釣り船屋を手伝っている。所属する鴨川ボクシングジムで出会った、同い年のボクサー宮田一郎がライバル。 しかし、本人にとってはライバルというより強い憧れの対象であり、追いつき追い越したいと願う対象でもある。ボクシングのファイトスタイルは、接近戦を主とするインファイター。 ピーカブースタイルでガードを固め、類まれなダッシュ力で一気に接近し、至近距離から強打を連打するスタイルを得意とする。パンチ力に定評があり、勝った試合のKO率が100パーセントという国内屈指のハードパンチャーでもある。 後に、攻防一体の技として自ら編み出した必殺のデンプシー・ロールは、幕之内一歩の代名詞的なフィニッシュブローとなる。

山田 直道 (やまだ なおみち)

鴨川ボクシングジム所属の練習生。階級はジュニアウェルター級。幕之内一歩に憧れて鴨川ボクシングジムに入門した。幕之内一歩にとって初めての後輩であり、元いじめられっ子で優しい性格、家庭の環境など境遇が似ているため、幕之内一歩を「先輩」と呼んで慕い、また幕之内一歩も意気投合してよく行動を共にしている。 鴨川ボクシングジム入門時、最初のロードワークの途中でダウンし、嘔吐したことから、鷹村守や青木勝から「ゲロ道」というあだ名を付けられ、以後は幕之内一歩以外の先輩たちから呼ばれることになる。 鴨川ボクシングジム所属時にプロテストに合格しているが、家庭の事情で青森県に引っ越したため、鴨川ボクシングジム所属選手としてプロデビュー戦は行っていない。

ヴォルグ・ザンギエフ (ゔぉるぐざんぎえふ)

音羽ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はフェザー級。ロシア出身。フルネームはアレクサンドル・ヴォルグ・ザンギエフ。元アマチュアボクシングのフェザー級世界チャンピオンの肩書を持ってプロに転向、来日した。 アマチュアで鍛えたボクシングテクニックは超一流でありつつも、圧倒的なKO勝利を演出するため、リング上では獰猛で野性的なファイトを見せる。 本名であるヴォルグ(ロシア語で狼)から、「狼」とも形容されるインファイトで対戦相手を圧倒するものの、普段は温厚で柔和、心優しい青年でもある。唯一の肉親である病床の母の治療費を稼ぐためにプロに転向しており、境遇が似ている幕之内一歩とは対戦前から友情を築いている。 A級ボクサー賞金トーナメントの決勝戦で幕之内一歩と対戦した。また、日本フェザー級王者決定戦では千堂武士と対戦、壮絶な打撃戦を展開して判定までもつれるが、ホームタウン・デシジョン気味の判定で敗北。 引退して母国に帰国する。

間柴 久美 (ましば くみ)

13歳の時に交通事故で両親を亡くして以来、実の兄であるプロボクサーの間柴了と2人で暮らしている。周囲の誰もが認めるほどの美人で、優しく朗らかな女性。高校生の時からアルバイトを始め、後に看護師として働きだす。 パン屋でのアルバイト中に幕之内一歩と出会い、紆余曲折を経て一旦は音信不通になるものの、偶然にも看護師として働いていた病院に、試合の怪我で入院してきた幕之内一歩と再会する。 幕之内一歩とは両想いなのか確実だが、お互い奥手でなかなか恋人同士になれないでいるのが悩み。唯一の肉親である間柴了や幕之内一歩が試合で怪我をしてしまう危険なボクシングに抵抗感を持っており、できれば辞めて欲しいと思っている。

宮田 一郎 (みやた いちろう)

川原ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はフェザー級。元は鴨川ボクシングジムに所属していたが、デビュー前に幕之内一歩とのスパーリングで敗れたことで幕之内一歩をライバルとして認め、プロのリングで戦って決着をつけるため、川原ボクシングジムに移籍した。 端正な顔立ちで女性にも人気が高い。また、周囲には一見クールな印象を与えるほど冷静な印象を与え、いつも落ち着いているように見えるが、かなり短気な性格で気が強く、不器用で周囲の人間との付き合いも淡泊気味。 ボクシングのスタイルは、自慢のフットワークとスピードを最大限に活かしたアウトボクサーである。 しかし、スタミナとパワー、耐久力の少なさが弱点。最大の武器は、相手の一瞬のスキを見逃さずに放つカウンター。宮田一郎自身もカウンターに強いこだわりを持っている。 なお、本来はライト級の骨格であるが、幕之内一歩との再戦にこだわりを見せており、過度な減量を科してまでフェザー級に留まっている。

伊達 英二 (だて えいじ)

仲代ボクシングジム所属のプロボクサー。日本フェザー級チャンピオンであり、WBA世界フェザー級第1位。幕之内一歩がプロで唯一、敗戦した対戦相手である。普段は気さくでユーモアに溢れた「おじさん」で、後輩への思いやりもあるが、ボクシングに対しては黙々と日々の努力を重ねるなど理想的な人間であり、幕之内一歩が尊敬する人物の1人である。 若い頃は天才と呼ばれ、現在はさらに経験を積んでテクニックも向上。 また幾多の試合で養った戦術眼と、クレバーな試合運びを展開する。若い対戦相手には闘争本能をむき出しにする野性も兼ね備えている、国内では無類の強さを発揮する経験豊かなボクサーである。 日本フェザー級タイトルマッチで幕之内一歩と対戦した。なお、トレードマークである鼻の頭に残った傷は、若い頃に挑戦したリカルド・マルチネスによって付けられた傷である。

鷹村 守 (たかむら まもる)

鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はミドル級。幕之内一歩にボクシングを始めるきっかけを与えた人物。性格は豪快にして豪胆、しかし品性は最低で下劣、しかも女好きのスケベ。 派手好きで何事に対しても「自分が一番」じゃないと気が済まず、負けるのが大嫌い。一人称は「オレ様」。くだらない悪戯が大好きで悪知恵も働き、反撃を受けても生来の腕っぷしの強さでねじ伏せてしまう強引さで、周囲からは「理不尽大王」と呼ばれている。 一言で言えば「ガキ大将」そのものである。ただし、ボクシングに対しては真摯に向き合っており、辛いトレーニングや減量などに愚痴をこぼすことはない。 ボクサーとしては本来の身体能力や格闘センスに加え、厳しい練習で築き上げた現代ボクシングの基礎と技術を兼ね備えており、全てにおいて高い次元でまとまった、どんな状況にも対応できる万能型でスキのないボクサーである。 自身を「天才」と呼ぶが、誰が見てもそれが偽りでないと感じさせる実力を誇る。体格的にはヘビー級だが、国内ではミドル級が最重量級であるため、試合が決まると約20キロの減量をしてミドル級で戦っている。 なお、デビュー戦から現在まで無敗記録を更新している。

木村 達也 (きむら たつや)

鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はジュニアライト級。青木勝とは幼少時代からの幼馴染で腐れ縁。現在も行動を共にすることが多い。常に頭で考えて行動するタイプで、一言で言うなら世渡りの上手いタイプ。 鷹村守をも屁理屈で言い負かし、悪戯の被害を最小限にするなど弁舌も上手い。青木勝とは同期。ボクシングのスタイルは、フットワークを駆使して対戦相手を冷静に観察し、試合を組み立てていくアウトボクサーである。 飛び抜けて優れた才能はないが、逆に短所も見当たらないなど、かなり高い次元でまとまっている平均的なボクサーとも言える。なんでも無難にこなす器用さも持ち合わせているものの、頭で考え過ぎるあまり、消極的な試合運びになることも多く、それで試合を長引かせて判定に持ち込まれることも多い。 普段は実家の家業である花屋を手伝いながらボクシングを続けている。

青木 勝 (あおき まさる)

鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はライト級。鴨川ボクシングジムのムードメーカー的な存在で、いつも親友である木村達也と行動を共にする。性格は明るく、とぼけた雰囲気ながら後輩の面倒見もよい。 そんな性格と雰囲気からか、鷹村守からはよく理不尽な悪戯を受けることになるが、生来の明るさは失わず、自らボケ役として周囲の雰囲気を盛り上げている。ボクシングのスタイルは、誰も思いつかないような戦法で対戦相手を翻弄するなど、非常にトリッキーな戦法が得意で、常に観客を盛り上げる試合運びから、ファンからは「エンターテイナー」「千両役者」と認知されている。 また、よく試合がもつれることから、「泥仕合製造機」などとも呼ばれているが、基本的な身体能力は高く、練習量は鷹村守も認めるほどの努力をしており、実力は決して低くないボクサーである。 普段はラーメン屋でアルバイトをしながらボクシングを続けている。

間柴 了 (ましば りょう)

東邦ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はフェザー級。幕之内一歩と同じプロテストを受験して合格した同期のボクサーで、期待の新人として注目された存在。17歳の時に交通事故で両親を亡くして以来、実の妹である間柴久美と2人で暮らしている。 不愛想で口下手、人付き合いも不得手であり、過去に保護観察処分を受けるほどの素行の悪さからか、気軽に他人を近づけさせない雰囲気を持つ。 ボクシングのスタイルは、左腕を下げた状態でタイミングを計るヒットマンスタイルから、ムチのようにしなるフリッカー・ジャブを多用するなど、高い身長とリーチの長さを最大限に活かした、遠距離から相手を一方的に打ち続けるアウトボクシングを得意とする。 加えて、相手が立ち上がれないほど徹底的に打ちのめすという、冷酷かつ残忍な試合展開が多いのも特徴。勝利に対する執念は凄まじく、反則行為やラフファイトも勝利の為なら犯すことも厭わない。 弱点は、リーチが長い故に懐に入られた時の対応策の少なさや、打たれ弱さと顎の弱さ。幕之内一歩が東日本新人戦の決勝戦で対戦した。

鴨川 源二 (かもがわ げんじ)

幕之内一歩が尊敬、信頼している鴨川ボクシングジムの会長。70歳を過ぎた年齢ながら、幕之内一歩や鷹村守を指導するトレーナーであり、試合ではセコンドを務め、またカットマンとしても超一流である。 幕之内一歩を「小僧」と呼んで厳しく指導するが、日々の練習や試合で成長していく姿を厳しいながらも温かく見守っている。性格は頑固一徹、昔ながらの融通が利かない頑固親父で頭に血が上りやすい。 一方で正義感が強く、努力するものには正当な評価を与えるなど、自分勝手な頑固者とは異なる一面を持つ。ボクシングの指導では根性論、精神論を全面に押し出して厳しく指導するが、同時に現代ボクシングの科学的で論理的な指導を行い、幕之内一歩や鷹村守といったボクサーを生み出している。 プライベートでは外出時にカンカン帽とステッキを愛用する。

千堂 武士 (せんどう たけし)

なにわ拳闘会所属のプロボクサー。階級はフェザー級。西日本を中心に活躍するプロボクサーで、通称「浪速のロッキー」または「浪速の虎」。子供や後輩の面倒見がいいなど義理人情に厚く、正義感が強い熱血漢。 気性が荒いので怖がられがちだが、たまにボケを見せるなど愛嬌があり憎めない人物である。常にマイペースで物事を運ぶので、「お調子者」ととられることも多い。ボクシングのスタイルは、ミドルレンジを主戦場としたインファイターで、幕之内一歩に匹敵または凌駕する程のハードパンチャーでもある。 生まれ持った勘、もしくは喧嘩で養った勘で戦う野性的なボクサーで、最大の長所である攻撃力を生かすため、常に攻撃に特化した戦法で対戦相手をねじ伏せていく。 決して打たれ強いという訳ではなく、またディフェンスに難があるのが弱点。西日本新人王であり、幕之内一歩とは全日本新人王決定戦、及び日本フェザー級タイトルマッチで対戦した。

その他キーワード

スマッシュ

『はじめの一歩』の登場人物である千堂武士が用いるフィニッシュブローの1種。フックとアッパーの中間である、スリークォーター気味の斜め下から突き上げるパンチ。一撃必殺を目的に千堂武士が考案したパンチで、さらに防御を無視して破壊力を向上させた改良型も考案するなど、千堂武士の代名詞となっている。 スマッシュは現実に存在するパンチで、1980年代から活躍しているヘビー級ボクサー、♯ドノバン・ラドックが得意とするパンチである。

ピーカブースタイル

『はじめの一歩』の主人公である幕之内一歩が用いるボクシングスタイルの1種。ディフェンスが甘く、無用なパンチを受けてきた幕之内一歩に鴨川源治が授けた。両腕を揃え、拳の部分で顎を隠すようにしたスタイルで、名前の由来は、覗き込むような独特のスタイルが、「いないいないばあ(英語でPeekabooまたはPeek-a-boo)」の形に似ていることからきている。 ピーカブースタイルは現実に存在するスタイルで、1980年代に活躍した元世界ヘビー級チャンピオンである♯マイク・タイソンが使用したスタイルとして有名である。

デンプシー・ロール (でんぷしーろーる)

『はじめの一歩』の主人公である幕之内一歩が用いるフィニッシュブローの1種。伊達英二戦で敗北した幕之内一歩が、ディフェンスを強化する過程で自ら考え出した攻防一体のテクニック。 上体を∞(無限)の軌道を描くように高速でウィービングさせ続け、反動の勢いを利用して体重を乗せた重い左右のフックを連打するテクニックである。デンプシー・ロールは現実に存在するテクニックで、1900年代初頭に活躍したアメリカの元世界ヘビー級チャンピオンである♯ジャック・デンプシーが編み出した。 日本では1960年代に活躍した♯藤猛が最初に使用したことで有名である。

クレジット

原作

監督

西村聡

シリーズ構成

総作画監督

, 筱雅律

音楽

今堀恒雄

アニメーション制作

マッドハウス

原作

はじめの一歩 (はじめのいっぽ)

主人公幕之内一歩が、プロボクサーとなって数々の強敵と対戦していくボクシング漫画。戦いを通して、強さとは何か?という哲学的なテーマと、登場キャラクターの人間ドラマが色濃く描かれている。講談社「週刊少年マ... 関連ページ:はじめの一歩

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