ノー・ガンズ・ライフ

ノー・ガンズ・ライフ

舞台はある大戦を経て、身体機能拡張技術(サイボーグ技術)が普及した世界。拡張者(エクステンド)にまつわる事件を扱う処理屋の主人公・乾十三。自身も「銃頭」の拡張者である彼が、舞い込む依頼を解決していくさまを描くSFハードボイルド作品。集英社「ウルトラジャンプ」に読みきり掲載を経て、2014年10月号から2021年10月号まで連載。2019年テレビアニメ化。10月10日からTBSほかにて放送された。

正式名称
ノー・ガンズ・ライフ
ふりがな
のー がんず らいふ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

先の大戦の結果、肉体を機械に置換する「身体機能拡張技術」が普及した世界。「拡張者」(エクステンド)と呼ばれる拡張技術を施された者たちが跋扈する街で、拡張者絡みの問題の処理を生業とする男・乾十三。頭がリボルバーという異形の拡張者である彼のもとには、厄介な事件が次々と舞い込んでくる。拡張技術で急成長し、街を牛耳る超巨大企業ベリューレン社や、拡張者たちを監督する復興庁、大戦の遺物である過剰拡張者たち。

様々な思惑が入り乱れるなか、十三は己の信念に基づき、依頼を果たしていく。

登場人物・キャラクター

乾 十三 (いぬい じゅうぞう)

拡張者(エクステンド)に関する事件の処理を生業とする男。全身拡張者(エクステンド)であり、頭部がリボルバーとなっているほか、右手拳にもリボルバーが組み込まれている。殺傷能力のある拡張体を禁ずるEX(エクステンド)法に抵触する過剰拡張者(オーバーエクステンド)であるため、復興庁から免状を得て活動を許可されている。 ベリューレン社の人間からは、大戦中の大艦巨砲主義の産物の一つである「ガンスレイブユニット」と言われている。拡張処理以前の記憶はなく、身寄りもない。戦闘能力は高く、並みの拡張者数名を相手取り、真正面から列車を止めるほど。ただし、代償として神経系への負担を軽減する薬を定期的に服用しなければならない。 そのため、薬が含まれる拡張者用の煙草「種ヶ島」を愛飲している。また、頭の銃も発砲可能だが、自分自身で引き金を引くことはできず、認めた者にしか引き金を預けない。趣味は部屋の掃除。嫌いなものは子供と湿気。

メアリー

スラム街「九星窟」で、拡張者(エクステンド)たちの整備や修理を行う技師の女性。乾十三の整備も行っており、何かと彼を手助けしている。語尾に「っす」を付ける口調が特徴。読みきり版では十三の助手となっていた。

荒吐 鉄朗 (あらはばき てつろう)

ベリューレン社によって、拡張体を遠隔操作する装置「ハルモニエ」の実験体とされていた少年。声帯を潰され、手足の腱を切られて実験施設に囚われていたが、拡張体を遠隔操作で奪い、本体を連れて脱走、乾十三に自分の体を守るよう依頼した。実はベリューレン社のCEO荒吐総一郎の息子だが、施設に送られる以前の記憶を失っている。

エンデ

ベリューレン社によって拡張体の実験体とされた少女。荒吐鉄朗をおびき出すため、アンとともに九星窟の子供たちを襲った。平時は人間と変わらぬ見た目だが、戦闘時は蜘蛛のような姿となり、拡張体の補助脳を麻痺させる毒針を射出して戦う。過度な拡張処理を受けているため、定期的に施設で処置を受けないと暴走してしまう。

アン

ベリューレン社によって拡張体の実験体とされた少女。エンデとともに九星窟の子供たちを襲った。エンデとは同じ施設で過ごし、暴走を起こしやすくなってしまっている彼女の制御を担う。

オリビエ

復興庁EMS(拡張者対策局)局長。厚ぼったい唇が特徴の女性。乾十三とは、彼が起こした問題をもみ消すたびに言うことを一つ聞く、という約束を交わしている。十三が頭の銃を撃ちEX法に違反した際は、脱走した囚人ヘイデン・ゴンドリーの確保を依頼した。10年前、父親をゴンドリーに殺されている。

クローネン

復興庁EMS(拡張者対策局)班長。眼鏡をかけた男性。拡張体のトリガーポイント(急所)に打ち込み動きを止める針を武器に、生身で拡張体と渡り合う腕前の持ち主。EX法を犯す存在である乾十三のことは快く思っていないが、ヘイデン・ゴンドリーを追う過程で行動を共にする。 愛車はシボレー・コルベットC3型。

メガアームド斎時定 (めがあーむどさいときさだ)

戦時中は拡張体の実験部隊「ティンダロス」(不可視の獣)に所属し、初の全身拡張者と言われている。戦後は拡張技術の発展に貢献し、戦争を勝利に導いた英雄と称えられている。「ティンダロス」の隊員を殺害して回っていたヘイデン・ゴンドリーに狙われることとなる。

ヘイデン・ゴンドリー (へいでんごんどりー)

戦時中、拡張体の実験部隊「ティンダロス」(不可視の獣)に所属していた。終戦直前、原因不明の暴走をし、自軍兵士を殺害。以降10年間復興庁が管理する拡張者専用の収容所「凶器の保管庫」に拘留されていた。移送中に脱走し、かつての戦友たちを次々と殺害する。暗殺に特化した拡張処理を施されており、胴体はなく、顔から生える4本の腕と、武器でもある多数の補助腕からなる異形の姿。 補助腕の装甲と後頭部のニセの顔の表面を自在に変化させることができ、擬態能力に長ける。過剰な拡張処理により、精神に異常をきたしている。

クリスティーナ松崎 (くりすてぃーなまつざき)

乾十三の事務所があるアパートの大家。オカマ。

床屋の親父 (とこやのおやじ)

乾十三の事務所の上の階にある床屋を営む老人。十三の頭の手入れを行っている。

スカーレット

床屋の親父の娘。乾十三に気がある様子。

集団・組織

復興庁 (ふっこうちょう)

『ノー・ガンズ・ライフ』に登場する組織。拡張者(エクステンド)の監督を行っている。拡張者関連の事件を統括するEMS(拡張者対策局)を有し、違法拡張者や免状を持たない拡張者を、EX(エクステンド)法に基づき取り締まっている。EMSはヘイデン・ゴンドリーの暴走事故を契機に設立された。

ベリューレン社 (べりゅーれんしゃ)

『ノー・ガンズ・ライフ』に登場する組織。大戦中、身体機能拡張技術を発明し、急成長した超巨大企業。補助脳の特許などの拡張技術を独占し、街を牛耳っている。孤児を集め拡張体開発の実験体とするなど後ろ暗いところが多く、拡張者で構成された私兵部隊も有す。反拡張技術派団体「スピッツベルゲン」からはテロの標的とされている。また、EMSとは犬猿の仲だが、上層部は癒着が疑われている。

その他キーワード

拡張者 (えくすてんど)

『ノー・ガンズ・ライフ』に登場する用語。身体を機械である拡張体に置き換えた人間を指す。戦時中、兵士を強化することを目的に開発され、普及した技術。人間の能力を超えた拡張体の操作には、脳にかかる負担を軽減する補助脳の使用は必須である。また、補助脳は基本的には首の後ろに取り付けられている。ただし、拡張の程度によっては神経の磨耗が避けられないため、多くの拡張者は何らかの薬を常用している。 乾十三のような全身拡張体など、極度の拡張処理を施された者は過剰拡張者(オーバーエクステンド)と呼ばれ、復興庁から免状を交付されなければ活動は許されない。

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