お江戸はねむれない! -菊組天下御免-

お江戸はねむれない! -菊組天下御免-

白昼堂々と啖呵を切っては悪人をこらしめる、廓(くるわ)生まれで廓育ちの破天荒な花魁。そんな花魁が「江戸の花街」と呼ばれる吉原で、恋に生き、恋に泣く時代劇ラブストーリー。「マーガレット」1991年3号から1992年12号にかけて掲載された作品で、1993年7月にマッドハウスよりOVA作品としてアニメ化されている。

正式名称
お江戸はねむれない! -菊組天下御免-
ふりがな
おえどはねむれない きくぐみてんかごめん
作者
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

「江戸の花街」吉原で花魁道中を行っていた薄雲は、突如、暴漢らしき男に襲われかけた。しかし、薄雲は太刀を振り回して啖呵を切り、結い上げられた自分の髪を切って見せる。町の人々が見守るなか、評判通りの見事な威勢の良さで、彼女は事なきを得たのだった。そんな折、薄雲が身を寄せる遊郭「三浦屋」にて、評判の旅芸人である弁天山菊之助という人物と薄雲の「女ぶり艶姿較べ(おんなぶりあですがたくらべ)」が開催されることになる。

当初は気が進まずにいたものの、見事に女装した姿の菊之助から挑発された薄雲は、勝負を受けて立つのだった。

登場人物・キャラクター

薄雲 (うすぐも)

吉原の遊郭「三浦屋」の花魁の女の子。稼ぎ頭として、わずか14歳という若さで処女を売りにしている。亡き母親も、かつて遊郭で働いていた切支丹(きりしたん)の遊女だった。女だてらに威勢が良く、曲がったことが嫌いで、小さな悪事も見逃せない性格をしている。馴染み客として「三浦屋」によく訪れる青砥藤一郎に、ひそかな想いを抱いている。

高尾 (たかお)

吉原の遊郭「三浦屋」の花魁。吉原一の売れっ子と言われる23歳の女性。長い間、青砥藤一郎に想いを寄せているが、蘭方医の青砥からは患者の1人としてしか見られていない。年下で目が離せない薄雲のことを、妹のようにかわいがっているものの、その心中は定かではない。

青砥 藤一郎 (あおと とういちろう)

蘭方医の男性。どんな病気も患者の顔を見ただけでぴたりと当ててしまう。物怖じしない優しい性格と、誰にでも公平に接する態度が、町民の間で評判となっている。薄雲の馴染み客でもあるが、いつも吉原の遊郭「三浦屋」では、雑談や飲食をする程度で早々に帰ってしまう。薄雲の出生の秘密を知っており、それを極力、彼女に悟られないよう努めている。

弁天山 菊之助 (べんてんやま きくのすけ)

品川の旅芸人として、吉原でその名を轟かせる男性。だがそれは仮の姿で、実は大盗賊。私服を肥やす金持ちの家を襲っては金品を強奪し、時には成敗することもある。美しい容姿と見事な金髪は、盗みの際の七変化にも役立っている。吉原の遊郭「三浦屋」の催事で出会った薄雲を、次第に愛するようになるが、自分の想いは隠し続けている。

残月 (ざんげつ)

芳町一の陰間。表向きは月也と名乗る青年。実は伊賀四天狗(いがしてんこう)の1人。主君である朱雀の一味として、薄雲の命を狙うために近づくが、図らずも薄雲のことを愛するようになってしまう。そのため朱雀を裏切り、逆に自分が命を狙われるようになる。いつも何処からか現れ、薄雲が困った時は、彼女に救いの手を差し伸べる。

徳川 宗将 (とくがわ むねのぶ)

紀伊徳川家七代藩主として養子に迎えられた青年。捕物現場で偶然居合わせた薄雲の気丈さと気風の良さに惹かれ、わざわざ吉原の遊郭「三浦屋」を訪れる。九代目の将軍職に就く命を受けた際、薄雲を正室として妻に迎えたいと申し出る。薄雲のためならば、自分の危険も顧みず命を投げ出すほど、真摯でひたむきな性格。

おゆう

元々はスリをしていた女性。投獄されていたところを偶然、残月と隣り合わせになり、一目惚れをする。残月の心の中に自分がいないと分かっていながらも、あきらめることができず、彼と行動をともにする。思い込んだら命がけという真っ直ぐな性格で、とことん残月に尽くし続ける。

朱雀 (すざく)

正体の知れない謎の人物。不気味な妖術や配下の伊賀四天狗(いがしてんこう)を使って、薄雲の命を執拗に狙う。伊賀四天狗でさえ朱雀の真の正体は知らされておらず、常に実態がつかめない姿で、薄雲の前に現れる。薄雲に限らず、彼女の周りにいる人たちをも巻き込んでは、容赦なく襲い続けている。

虎徹 (こてつ)

吉原の遊郭「三浦屋」で薄雲が飼っている猫。ある日を境にして突然、人間の言葉を話すようになる。実は本当の姿を隠しており、薄雲を危機から守るために、自らの意志で彼女のそばにいる。普段はおとなしいが、薄雲が危険に晒された際は本領を発揮し、大活躍する。

虚空 (こくう)

主君である朱雀に仕える伊賀四天狗(いがしてんこう)の1人。妖術の使い手で、命じられれば何のためらいもなく人を殺める男。その手口は狡猾かつ非人道的であり、何よりも人を殺すことによって、無上の快感を得ようとする。

徳川 吉宗 (とくがわ よしむね)

江戸幕府の八代目将軍を務める男性。正体を隠し、「戸川十兵衛」という偽名を名乗って薄雲の前に現れ、彼女に秘剣の技を伝授する。不治の病を患っており、主治医である青砥藤一郎のもとで治療を続けている。自分の正体を薄雲に明かしたいと思ってはいるものの、それにより薄雲が苦しむことになるのを怖れている。

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