戦国忍法帳

戦国忍法帳

秘伝の忍術が記された甲賀忍法帳を持って旅をする城太郎の前に現れた野火一族と伊賀忍者が繰り広げる、忍術合戦による巻物の争奪戦を描いた武芸漫画。佐々木守原作を牧英三郎名義で望月三起也がコミカライズした。ただし巻頭の望月三起也コメントでは、原作付と言ってもタイトルと主人公の名前だけを使い内容は完全にオリジナルと書かれている。望月三起也初の時代劇作品。

正式名称
戦国忍法帳
ふりがな
せんごくにんぽうちょう
作画
原作
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

甲州で一揆の準備をしている貧しい農民達の為に、秘伝の忍術が記された甲賀忍法帳を持って旅をする剣士城太郎。甲賀忍法帳には武芸の経験がない農民でも戦いに活かせる忍術の数々が記されている為、多くの大名達がそれを手に入れようと金で雇った忍者達を城太郎に差し向けてくる。大和の国家老の峰伝十郎は、野火一族を送り込むが、それを阻止しようと黒十兵衛を筆頭とする伊賀忍五の忍者達が城太郎側に付く。

野火一族の先鋭である野火五忍と伊賀忍五が繰り広げる壮絶な忍術合戦に加え、峰伝十郎の息子で居合斬りの達人暗四郎が城太郎に戦いを挑んでくる。

登場人物・キャラクター

城太郎 (じょうたろう)

若き剣士。甲州で一揆の準備をしている貧しい農民達の為に秘伝の忍術が記された甲賀忍法帳を持って一人旅をしている。甲賀忍法帳を狙う様々な敵から、旅の途中で命を狙われる。剣術の達人で、敵に囲まれた場合には人数の少ない部分を一息に斬り破る一息十人斬りという技を使う。腕の立つ峰暗四郎にもその実力を認められている。 武器が無い時には、敵が投げた手裏剣を握り刀代わりとして相手を斬り付けて戦う。また、火炎法師を苦しめる程の握力を持つ。忍者相手には忍法に仕掛けられた種を見抜き、その弱点を攻めている。弱い者いじめが嫌いで元来は戦いを好まない性格の為、強い自分に憧れるホースケには、斬った後の気持ちは惨めだと告げた。 剣士としての誇りも高く、怪我を負った時に伊賀の鬼風が捕らえた峰暗四郎を、武芸者としてこのまま殺してしまうのは卑怯なので腕の傷が治ってから堂々と勝負したいと殺害を制止した。

ホースケ

忍者遊びに夢中な、まだ幼い悪戯好きな子供。忍者の衣装を着て、薬の調合を間違えた作り損ないの煙玉や、うどんで作った忍法土グモといった失敗だらけの忍術を旅の浪人相手に仕掛けて、追いかけられている所を城太郎にかばってもらい、彼を慕うようになる。助けてもらったお礼に家へと案内するが、そこには既に甲賀忍法帳を狙う野火一族の忍者達が待ち受けていたため、母が犠牲となり深手を負ってしまう。 母の治療代を用意する為に家老峰伝十郎の屋敷に向かおうとした城太郎に、母の為に貧しい人達を救う大切な甲賀忍法帳を売るのはやめてくれと頼んだ。

峰 暗四郎 (みね あんしろう)

大和の国家老・峰伝十郎の息子。目にも止まらぬ速さで剣を抜き差しする居合抜きの達人。対峙した城太郎も、剣を合わせる前から既に気合負けしていた。知恵が働き、勘も鋭い。しかし父親が合戦の為に雇った浪人達には、大きな態度が気に入られず誰も従おうとしない。

黒十兵衛 (くろじゅうべえ)

伊賀忍者の中でも優れた実力を持つ伊賀忍五の頭。野火一族に狙われる城太郎を甲州まで守り続ける事が任務だが、それ以降は自分達も甲賀忍法帳を狙う存在であり、忍者の掟で雇い主の名は絶対に明かさなかった。鳥と糸電話を使い敵の会話を盗み聞く。

水神 (すいじん)

伊賀忍者の中でも優れた実力を持つ伊賀忍五の1人。野火五忍の雷魚同様に水中戦が得意で、苦しめられている城太郎を救う。水中での変わり身と手裏剣の腕前は雷魚以上で、雷魚の両腕を奪った。全ての手裏剣を十文字の陣形で投げる伊賀十字という技を使う。

雲の陣左 (くものじんざ)

伊賀忍者の中でも優れた実力を持つ伊賀忍五の1人。茂みや天井裏に潜んで敵を偵察し、敵に捕らえられても素早く変わり身で脱出をすることができる。四死と火炎法師を相手に戦った。投げ縄で相手を縛り、吊るして自由を奪う戦法を使う。

鬼風 (おにかぜ)

伊賀忍者の中でも優れた実力を持つ伊賀忍五の1人。松葉を吹き飛ばして相手に刺し、眠らせる事ができる。生まれつきの体質により唾で物を固くすることができる為、草を噛んで手裏剣のように飛ばす事ができる。得意の忍術は忍法七夜しばりで、唾を吹き付けて相手を7晩固める。両手が使えず甲賀忍法帳を口にくわえたまま絶命した雷魚にこの術を使い、口から取れないようにした。

影の三郎左 (かげのさぶろうざ)

伊賀忍者の中でも優れた実力を持つ伊賀忍五の1人。影の中に溶け込み身を隠す事ができる。忍び込みの名人で、峰伝十郎の屋敷で見張りをしていた腕利きの野火一族の下忍を、声も立てさせずに片付けた。影に与えた攻撃がそのまま相手に跳ね返ってくる忍法影山彦を使う。気配を消したり、周囲の影全てから気配を感じさせる事が自由自在にできる。

竜馬 (りょうま)

野火一族の中でも腕利きの集まりの野火五忍の1人。鎖鎌を使って敵を攻撃する。峰伝十郎に雇われて城太郎の持つ甲賀忍法帳を狙い、ホースケの家に下忍4人を連れて待ち伏せをしていた。分が悪くなると体を破れた布のようにバラバラにして姿を消し、その場から逃げ去る。

火炎法師 (かえんほうし)

野火一族の中でも腕利きの集まりの野火五忍の1人。炎に身を包み相手を燃やして焼き殺す。がんこの武に化けて駆け寄ってきた城太郎を押さえつけながら燃え上がって攻撃した。火には強いが刃物には弱い為、鉄の板を帯のように伸ばして身体中に巻きつけ鎧にしている。

雷魚 (らいぎょ)

野火一族の中でも腕利きの集まりの野火五忍の1人。水中の戦闘が得意。水の中でも力強い手裏剣を投げ城太郎を苦しめる。水の中にある岩や石を自在に操る事ができ、相手の攻撃を岩で弾く忍法水砦や水中から出た敵を激しい水流に乗せた石で撃つ忍法雷魚といった術を使う。息を止めたまま半日水中にいることができる。

鬼首 (おにくび)

野火一族の中でも腕利きの集まりの野火五忍の1人。自動手裏剣と呼ばれる、ラジコンのように自由に操る事の出来る球体に棘のついた武器を使う。身軽で馬よりも速く走る事ができる。素早い変わり身が自慢で、城太郎に捕えられた峰伝十郎を部屋が暗くなった一瞬の間に奪い返す。

四死 (しし)

野火一族の中でも腕利きの集まりの野火五忍の1人。別名不死身の四死と呼ばれ、何度殺されても蘇る。突風と共に巻き上がる落ち葉が相手を攻撃する枯葉地獄や、強い力で敵の体を締め上げる忍法鉄桶、相手の髪を粘土細工の人形に植え込み呪文を唱える事で意のままに操る事ができる野火忍法人替えといった術を使う。 水が苦手。

がんこの武 (がんこのたけ)

元々は野火一族の新米忍者で、竜馬と共にホースケの家で城太郎を待ち伏せしていたが、隠れていた水瓶の中で溺れてしまう。城太郎の頼みで甲賀忍法帳の一部を読ませる代わりに、怪我を負ったホースケの母の為に医者を呼んだ。その後も十両で雇い主である峰伝十郎の名を明かし、さらに十両を目当てに城太郎を屋敷に案内する。 城太郎曰くC調な男。忍者の道具をたくさん持ち歩いているが、中古品ばかりでほとんど使い物にならない。敵に囲まれるとさっさと一人で逃げ出す。

峰 伝十郎 (みね でんじゅうろう)

大和の国の家老。国の乗っ取りを企む。城主に黙って野火一族を雇い城太郎の持つ甲賀忍法帳を奪うように命じた。屋敷には合戦の為に金で雇った腕の立つ浪人達を大勢抱えている。

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