宇宙戦艦ヤマト2199

宇宙戦艦ヤマト2199

地球外知的生命体ガミラス人との戦争に敗れ、人類滅亡まであと1年に追い込まれた中、主人公の古代進をはじめとする宇宙戦艦ヤマトの乗組員が最後の希望を得るため、敵と戦いながら宇宙を進む姿を壮大なスケールで描く。同名アニメのデザインにも関わった、むらかわみちおによる公式コミカライズ作品。

正式名称
宇宙戦艦ヤマト2199
ふりがな
うちゅうせんかんやまとにいちきゅうきゅう
原作者
西崎 義展
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
角川コミックス・エース(KADOKAWA)
巻数
既刊9巻
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

西暦2199年、8年前に接触したガミラス人との宇宙戦争に敗れた地球人は、遊星爆弾が地表に降り注ぐ中、地下都市で滅亡の危機に瀕していた。そんな地球に救いの手をさしのべたのが、16万8千光年彼方にある大マゼラン銀河の星イスカンダルの女王スターシャ・イスカンダルだった。彼女が妹たちに託したテクノロジーと情報をもとに、地球は宇宙戦艦ヤマトを建造。

イスカンダルにある汚染浄化システムを受け取るため、ガミラス艦隊が待ち受ける中、長い航海に旅立った。

登場人物・キャラクター

古代 進 (こだい すすむ)

2178年7月7日生まれの20歳。階級は当初三等宙尉だったが、ヤマト乗船時に一等宙尉へと昇進。宇宙戦艦ヤマトの乗組員にして、戦闘全般を指揮する戦術長。艦内での戦闘指揮だけでなく、自身も艦載機コスモゼロを駆って戦いに出る。航海長の島大介は同期の親友。兄の古代守が冥王星沖でのメ号作戦で戦死したため、戦術長となった。 他の家族や親戚は遊星爆弾によって全員死亡している。真田志郎が最初から副長のため、艦長代理にはならない。性格は基本的に冷静沈着で、激情をみせるのはごく一部。ガミラス人が地球人と生物学的にほぼ同じと知ると、相互理解への道を積極的に進めようとする一面もある。 森雪や山本玲、はてはガミラス人のメルダ・ディッツにも好意を抱かれるが、朴念仁なため女性関係は今のところ発展の兆しがない。

沖田 十三 (おきた じゅうぞう)

宇宙戦艦ヤマトの艦長。宇宙物理学の博士号を持つ科学者でもある。2141年12月8日生まれの57歳。階級は宙将で、国連宇宙海軍の連合宇宙艦隊司令長官でもある。過去に火星沖の力2号作戦で、国連宇宙海軍としてガミラス艦隊に初めて勝利し、英雄視されるようになる。 ただし、その作戦で息子が戦死。息子の妻もその後を追って浴室で自殺したという過去がある。メ号作戦後、ヤマトの艦長としてイスカンダルへの航海を指揮する。戦い方は基本的に冷静沈着だが、ここ一番では「死中に活を求める」大胆な賭けに出ることもある。当初はガミラス人を「悪魔」呼ばわりしていたが、メルダ・ディッツを保護して彼女らが自分たちと同じ人間だと知るようになると、そうした偏見は捨て去った。 かねてから遊星爆弾症候群を患っており、物語の中盤以降は病気に苦しめられることとなる。

島 大介 (しま だいすけ)

2178年8月15日生まれの20歳。階級は当初三等宙尉だったが、ヤマト乗船時に一等宙尉へと昇進。宇宙戦艦ヤマトの乗組員にして航海長。ヤマトの航路計画の責任者で、船を動かす操舵手でもある。本来の航海長がガミラス艦隊の空爆で戦死したため、戦時特進として任務に就いたが、その操船術で幾多の危機からヤマトを救ってきた。 父親の島大吾(しま だいご)一佐は、西暦2091年に起きたガミラス艦隊との戦闘で、艦長だった巡洋艦ムラサメとともに戦死。家族は母親の沙織(さおり)と弟の次郎(じろう)がいる。性格は同期で親友の古代進より明るく、ちょっと軽いところもあるが、父親を対ガミラス戦最初の戦闘で失ったためか、ガミラス人への敵愾心は強い。 のちに父と同じ船に乗っていた山崎奨に戦闘の実態(先に攻撃したのは地球艦隊だった)を知らされても、なかなか信じようとしなかった。

森 雪 (もり ゆき)

2179年12月24日生まれの19歳。階級は一等宙尉。宇宙戦艦ヤマトの乗組員にして船務長。ヤマトの情報や電測、船体消磁や通信、暗号に航空管制、電子機器などを管理しており、第一艦橋ではレーダー手を務める。かつてはヤマト計画を立案した国連宇宙局極東管区幕僚監部作戦部9課に所属していた。 地球にやってきたイスカンダル人のユリーシャの面倒を見ていたが、ヤマトが旅立つ1年前に事故もしくはテロと思われる爆発に巻き込まれ、それまでの記憶を失ってしまう。両親もその時期に亡くなり、父の知人であった土方竜が保護者になっていた。栗毛色のロングヘアが似合う美少女で南部康雄に想いを寄せられているが、森本人は当初ケンカばかりしていたはずの古代進に惹かれている。 特に古代とともにミレーネル・リンケによる精神攻撃を退けてから、その仲が進展している。

真田 志郎 (さなだ しろう)

29歳。階級は三佐。宇宙戦艦ヤマトの乗組員にして技術長。ヤマトの技術部門を統括している。また、ヤマトの就役当初から副長に任命されており、艦長の沖田十三が倒れたときなどは、代わりに艦の指揮を執る。古代守とは宇宙防衛大学からの友人。そして、直接の部下で情報長の新見薫は当時の後輩で、彼女からは「先生」と呼ばれている。 だが、メ号作戦で出撃する古代守たちが囮であることを告げられなかったという暗い過去がある。愛読書である「中原中也詩集」は、守がメ号作戦に向かう際に、彼からもらったものである。その技術力はヤマトでもトップクラスで、その知識がヤマトの危機を救う。 さらにイスカンダル星からもたらされた次元波動エンジンの力を利用して、独自に波動砲も開発した。性格は冷静沈着で、やや無愛想。

徳川 彦左衛門 (とくがわ ひこざえもん)

62歳。階級は三佐。宇宙戦艦ヤマトの乗組員にして機関長。ヤマトの次元波動エンジンを管理する。かつては戦艦キリシマの機関長でもあり、ヤマト艦長の沖田十三とはその頃からの古いつきあい。家族は長男の彦七(ひこしち)とその嫁の菊子(きくこ)、次男の太助(たすけ)、孫の愛子(あいこ)が地球に残っている。 本来ならあと2ヶ月で退役だったが、沖田の依頼で船に乗り込む。次元波動エンジンは未知なるテクノロジーのため、当初は手こずっていたが、やがてきっちり扱えるようになる。性格は頑固親父で船のクルーを家族のように思っている。そのため、山崎奨にくってかかった島大介に対しては遠慮なく鉄拳制裁を食らわせた。 その一方、部下の薮助治のことは息子のようにかわいがっている節がある。

佐渡 酒蔵 (さど さけぞう)

57歳。階級は二佐相当官の軍属で医者。宇宙戦艦ヤマトの衛生長として、艦内内の衛生管理やクルーの健康管理を担う。戦闘で負傷したクルーや病気に倒れたクルーの手術なども彼が行う。内科の処置も外科の処置もでき、最新の医療機器も余裕で使いこなす名医。ただし、かなりの大酒飲みで、「美伊」(みい)という特別純米清酒を愛飲している。 もっとも、部下の原田真琴にはしばしば飲酒をたしなめられている。ヤマトへは土方竜の依頼で乗り込み、遊星爆弾症候群を患っている沖田十三艦長の主治医も務めている。地球にはミーくんという愛猫を残しているが、アパートの大家さんであるマスさんに預かってもらっている。 性格は豪放磊落で裏表がないが、沖田の体調に関してはクルーが不安にならないよう、色々と隠していることがある。

南部 康雄 (なんぶ やすお)

21歳。階級は二等宙尉。宇宙戦艦ヤマトの砲雷撃を管制する砲雷長。古代進が不在の時は代行として戦闘全般の指揮も執る。ショートカットに眼鏡をかけた優男で、ヤマトに乗り込む前から森雪に想いを寄せているが、その想いは届いてないようである。実家はヤマトの建造にも深く関わった南部重工であり、彼はその御曹司でもある。 ヘリオポーズを突破する前に行われた最後の超空間通信では、家族からお見合いを薦められていたが本人は受ける気がない。優男の風貌に似合わず性格は好戦的で、ガミラス艦隊の冥王星基地を叩くメ2号作戦では、迷わずに波動砲の使用を具申している。その際に「いいじゃないですか、星の一つや二つ」と言い放ち、周囲にたしなめられていた。 その後も敵艦隊との戦闘で波動砲の使用を具申したが、どれも弾かれている。

加藤 三郎 (かとう さぶろう)

23歳。階級は二等宙尉。宇宙戦艦ヤマトの航空隊を指揮する航空隊長。コスモファルコンを愛機としている。元々、宇宙軍航空団のトップエースであり、その兄貴肌で隊をまとめあげている。髪型は坊主頭で、左眉に切り傷がある。ヤマトに乗り込む前、古代進がまだ整備の終わっていないコスモゼロを勝手に使ったため、当初は彼を認めようとしなかったが、やがて互いに信頼を置く間柄となる。 山本玲並びにその兄の山本明生(やまもと あきお)とは昔からの知り合いで、明生が戦死したあとに玲が航空隊を志願したときは、彼女を死なせまいとするあまり、その申し出を拒んだ。実家は寺で、艦内待機中でも精神修養のために般若心経を唱えることがある。 実家の父親とは折り合いがあまり良くなかったが、篠原弘樹の勧めもあり、超空間通信で父子の会話を交わし、わだかまりは解けた。戦闘でしばしば負傷し、医務室で原田真琴に手当されているうちに、やがて男女の仲へと発展していった。

山本 玲 (やまもと あきら)

19歳。階級は三等宙尉。火星出身のマーズノイド。火星出身なので瞳が紅い。当初は宇宙戦艦ヤマトの生活全般を担う主計科の士官だったが、やがて加藤三郎隊長の反対を押しのけて航空隊に転属。コスモゼロを愛機とするエースパイロットとなる。兄の山本明生も腕利きのパイロットで、かつてはコスモゼロのテストパイロットだった。 ちなみに兄は暴徒から子供をかばって亡くなっている。兄への想いには歪んだブラコン気味なところがある。彼女がつけているネックレスには兄の血と遺伝情報が含まれており、地球に戻ったら兄を甦らせたいと考えている。兄以外の家族も戦争で失っているからか、同じ天涯孤独な身の上であり、自分の才能を買ってくれた古代進に好意を抱いていた。 ガミラス人については激しい憎しみを抱いており、メルダ・ディッツがヤマトに来たときは艦載機による決闘を申し出ていた。その後、メルダとは友情に近い関係を持つようになるが、ガミラス人についてのわだかまりはまだ完全に抜けきっていない。

相原 義一 (あいはら よしかず)

22歳。階級は三等宙尉。宇宙戦艦ヤマトの船務科士官で、ヤマトの通信全般を扱う。心優しく、部下の面倒見もいいが、お化けは苦手。高校時代は音楽部で、音大への進学を希望していたが、戦争で入試そのものが無くなる。その後、耳の良さを買われて軍に入り、通信技術兵となる。その際、軍隊に入るよう勧めた教師のことを「人の人生をなんだと思っていやがる」と心の中で罵っていた。 やがてイズモ計画のメンバーに選ばれたが、父親が食料闇物資の摘発に遭って瀕死の重傷を負った。明るそうな振る舞いの中にも暗い過去がある。

原田 真琴 (はらだ まこと)

21歳。階級は二等宙曹相当の衛生士で軍属。宇宙戦艦ヤマトの医務室で、佐渡酒蔵のアシスタントとしてクルーの手当をする。軽いケガなどは真琴ひとりで手当をすることも多い。ボブカットで巨乳が目立つ美女であり、本来の年齢より若く見られがち。ヤマトに乗り込む前から佐渡先生のもとにいた。 エンケラドゥスでの戦闘で航空隊に助けられてから、隊長の加藤三郎と急接近し、彼のケガはもっぱら彼女が手当するようになる。古代進と森雪の仲を進展させようとするおせっかい焼きな一面もある。酒癖はかなり悪く、ヘリオポーズを突破する前に行われた赤道祭では泥酔して、南部康雄や太田健二郎を相手にくだを巻いていた。

新見 薫 (にいみ かおる)

27歳。階級は一等宙尉。髪型はミディアムで眼鏡の似合う美女。宇宙戦艦ヤマトの技術科士官兼情報長で、真田志郎の交代要員。クルーのカウンセリングをする心理カウンセラーでもある。真田とは宇宙防衛大学やMITからのつきあいで、彼の信頼も厚い。古代守とは宇宙防衛大学からの恋人同士だったが、彼がメ号作戦に出陣する前に「もう少し自分に正直に生きた方がいい」と言われて離別した。 かつてはイズモ計画のメンバーであり、人類が居住できそうな星が見つかると、その星への移住を訴えているが、艦長の沖田十三に却下され続けている。

アナライザー

『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場するロボット。自立型サブフレームとも言われる。正式名称は「ロ-9型自律式艦載分析ユニット」、略称は「AU09」だが、本人は「アナライザー」と自称している。宇宙戦艦ヤマトのサブコンピュータでもあり、戦闘時には第一艦橋でクルーたちのサポートをする。元々は機械らしい反応ばかりだったが、ガミラス艦隊のミレーネル・リンケから攻撃を受けた際、彼女のサポートをしていたアンドロイド兵を躊躇なく破壊した。 だがその後、「人間はA.Iより優れた存在なのか」という自己の存在への疑問を抱くようになる。ちなみに女性クルーのスカートめくりはしない。

岬 百合亜 (みさき ゆりあ)

年齢は17歳。階級は准尉。船務科士官候補生で、森雪の交代要員として第一艦橋でレーダーの管制などを務める。その一方、衛生科のヘルプとしてケガをしたクルーの手当をするなど、交代任務に就いてないときは様々な仕事をしている。ヘリオポーズを突破して太陽系赤道祭を行ったあと、艦内の士気を保つため「YRAラジオヤマト」というラジオ番組のパーソナリティーもするようになる。 霊感がとても強く、生きている人間と全く変わらない姿の霊を見ることもあるが、それが悩みの種にもなっている。その体質のため、のちには自動航法装置内に眠っていたユリーシャ・イスカンダルに憑依されてしまった。髪型はツインテールだが、ユリーシャが憑依しているときは髪留めを外している。 保安部の星名透とは相思相愛の仲で、赤道祭ではこっそりキスもしていた。

山崎 奨 (やまざき すすむ)

年齢は45歳。階級は二等宙尉。宇宙戦艦ヤマトの乗組員にして機関科士官。徳川彦左衛門の交代要員でもあり、彼のことを「徳川のオヤジ」と慕う。次元波動エンジンの管理以外に、戦闘でのダメージコントロールを行う応急長も務める。ベテランの機関員で、かつては島大吾のもと巡洋艦ムラサメの機関士でもあった。 ガミラス艦隊との最初の戦闘で沈んだムラサメ唯一の生き残りで、当時の戦闘の実態を知っている人物でもある。だが、ファーストコンタクトでムラサメが先に攻撃したことを島大介に打ち明けた際、彼の激しい反発を受ける。

伊東 真也 (いとう しんや)

年齢は28歳。階級は二等宙尉。宇宙戦艦ヤマトの乗組員にして保安部士官。艦内での警備や警務、保安面を統括する保安部長である。糸目で飄々とした態度だが、どこか人を見下したところがある。実はイズモ計画のメンバーとしてヤマトに潜入している。大の宇宙人嫌いで、記憶のない森雪がイスカンダル人ではないかと疑ってもいる。 小さいときは父子家庭で育ったが、父親は信頼した相手が原因で死亡。軍に入ってもカ2号作戦で艦長の判断ミスで艦が中破し、伊東も戦傷で両手首を失ってサイボーグ化手術を施された。以降、宇宙人も地球人も「信頼という言葉にかこつけて思考と責任を逃れようとするクズである」という人生観を持つようになった。

星名 透 (ほしな とおる)

年齢は18歳。階級は准尉。宇宙戦艦ヤマトの乗組員にして保安部士官。女の子のような容姿をしており、太陽系赤道祭ではメイドのコスプレをさせられていた。性格は善良だが、上司の伊東真也には「若い」と評される。岬百合亜と恋人同士になり、赤道祭ではこっそりキスまでする仲になっていた。

古代 守 (こだい まもる)

古代進の実兄。28歳。国連宇宙海軍の連合宇宙艦隊、第一艦隊所属の駆逐艦ユキカゼの艦長。かつては沖田十三が艦長の戦艦キリシマで砲雷長を務めていた。宇宙防衛大学時代から真田志郎とは親友で、新見薫とは恋人関係にあった。ちなみに部活はサッカー部だった。 その後、ガミラス艦隊との戦闘が激しくなると軍に入り、最終的にはユキカゼの艦長として、メ号作戦がサーシャ・イスカンダルをガミラス艦隊に攻撃させないための囮作戦であることを知らされずに出撃。その直前に薫とは別れている。作戦では真田が開発した新型魚雷を駆使して、劣勢の連合宇宙艦隊の中で気を吐く。 だが、キリシマが戦場から撤退すると知ると「一つでも多くの敵を倒して死んでいくのが男だ」と言い、沖田を逃がすためしんがとしてり敵中に突入。集中砲火を浴びたユキカゼごと戦場に消えた。その後、土星の衛星「エンケラドゥス」にユキカゼの残骸があったが、守の姿はなく、艦内に残されていた記録装置によって最後の戦闘の様子が明らかになった。 ちなみに本来なら宇宙戦艦ヤマトの戦術長になるはずだったが、冥王星沖に散ったため古代進がその後任となった。

アベルト・デスラー (あべるとですらー)

年齢は32歳相当。大ガミラス帝星の総統。内戦の続いていた国を統一し、軍事力を背景とした強大な力で版図を広げる。強大なガミラス艦隊を各星系に派遣して征服活動を行う「大遠征」と、イスカンダル星と国家の統合をする大統合を国の大きな目標としている。テロン(地球のガミラスでの呼称)の宇宙船ヤマトのことは当初、ザコの抵抗程度に思っていたが、冥王星艦隊を全滅させて太陽系を突破した頃から、猫がネズミを追い詰めるかのように罠を仕掛けて仕留めようとする。 ヤマトがデスラーの罠を突破すると、今度は名将と謳われるエルク・ドメルを召還して、彼の艦隊を対ヤマト戦に向かわせる。 しかし、土壇場になって急にヤマト攻撃を中止。その後、反デスラー勢力によって総統艦デウスーラごと爆破されてしまう。

ヴァルケ・シュルツ (ゔぁるけしゅるつ)

大ガミラス帝星に征服されたザルツ人出身の大佐で、冥王星を拠点とする二等ガミラス空間機甲旅団の旅団長として地球への攻撃を続けていた。かつてはエルク・ドメルの部下として彼の艦隊で戦っていた。はげ頭の中年男性だが部下の信頼は厚く、ドメルも彼の人徳を高く評価していた。 またヒルデ・シュルツという13歳相当の愛らしい娘もいる。国連宇宙海軍を相手に圧倒的に勝利し、遊星爆弾によって地球制圧まであとわずかまで追い込んだが、宇宙戦艦ヤマトとのメ2号作戦に敗れて冥王星前線基地は全滅。その後、デスラーから賜ったデスラー魚雷でヤマトを追撃するが、波動砲によってできたフレアの空洞を突破しきれず、恒星グリーゼ581に沈んでいった。

ゲルフ・ガンツ (げるふがんつ)

大ガミラス帝星に征服されたザルツ人出身の少佐で、ヴァルケ・シュルツの副官。シュルツと同じくエルク・ドメルのもとで戦っていた時期もあった。同じくシュルツの部下であるヴォル・ヤレトラーは同じく少佐だが、彼から「ガンツ殿」と呼ばれているため、軍のキャリアはガンツの方が上と思われる。 子供の頃は故郷のローテという妹もしくは幼なじみか彼女と思われる女の子と親しくしていた。宇宙戦艦ヤマトとの戦いで冥王星前線基地としんがりとしてヤマトと戦ったヤレトラーを失ったあと、デスラー魚雷と魚雷に仕込まれていたガス生命体でヤマトを討とうとするも、シュルツともども艦ごと恒星グリーゼ581に沈んでいった。

グレムト・ゲール (ぐれむとげーる)

大ガミラス帝星の銀河方面作戦司令長官だったが、エルク・ドメル着任後は副司令官に降格される。階級は少将。ヴァルケ・シュルツたちの上官として地球攻撃をしていたが、シュルツから「日和見主義者」と軽蔑されるなど、将としての才覚も人の上に立つものとしての資質もあまりない。 シュルツたちが全滅したあと、自身で艦隊を率いて宇宙戦艦ヤマトに攻撃を仕掛けるが、メルダ・ディッツがヤマトの艦内にいると知りながら攻撃するなど、その振る舞いは卑劣。戦闘以外の振る舞いも品がなく、アベルト・デスラーに疎まれているが、ゲール自身はデスラーに忠誠を誓っている。その一方、自分の代わりに司令官となったドメルに対しては好感を抱いていない。

エルク・ドメル (えるくどめる)

大ガミラス帝星の小マゼラン方面軍防衛司令官だったが、アベルト・デスラーの命により銀河方面作戦司令長官に着任。ヴェム・ハイデルン、フォムト・バーガー、カリス・クライツェ、ライル・ゲットーといった猛者たちがいる第6空間機甲師団を中心とした大艦隊を率いて、宇宙戦艦ヤマトを撃沈一歩手前まで追い込んだが、デスラーからの帰還命令によってヤマトを取り逃がす。 エリーサという美しい妻がいるが、二人の間にできた息子のヨハンはすでに故人。デスラーのことは尊敬しているようだが、彼の親衛隊による周辺諸国への弾圧については苦々しく思っている。

ミーゼラ・セレステラ (みーぜらせれすてら)

大ガミラス帝星の宣伝情報相にしてアベルト・デスラー総統の側近。精神感応のできるジレル人で、幼少時に収容所に閉じこめられていたところを拾ってもらったデスラーに心酔している。同じジレル人で中央情報部特務官であるミレーネル・リンケ中尉とは同性愛の関係にあり、互いに「ネル」「ミーゼ姉様」と呼び慕いあっている。 ミレーネルの精神感応力を使い、宇宙戦艦ヤマトに精神攻撃を仕掛けたが、古代進と森雪、そしてアナライザーの活躍によって作戦は失敗。次元波動エンジン内部に精神が取り残されたミレーネルは廃人となり、セレステラは愛する人を失ったことに涙した。

メルダ・ディッツ (めるだでぃっつ)

大ガミラス帝星の第707航空団所属の女性パイロット。19歳相当で、国防軍のガル・デイッツ提督の娘。乗っていた巡洋戦艦EX178が次元断層に落ちた際、やはり次元断層に落ちた宇宙戦艦ヤマトと協力して脱出すべく、連絡要員兼人質としてヤマトに乗り込む。その際、この戦争は地球(テロン)から仕掛けてきたものだと口にし、艦内が不穏な空気となる。 また、ガミラス人を憎んでいた山本玲に戦いを挑まれるが、艦載機同士の決闘では勝利。撃墜された山本を救ってからは、二人の間に奇妙な友情らしきものが生まれる。また、彼女の尋問をしていた古代進の実直さに、異性として興味も抱くようになった。 次元断層脱出後は、乗ってきた戦闘機とともにヤマトを離れて友軍の元に帰っていった。

スターシャ・イスカンダル (すたーしゃいすかんだる)

イスカンダルの女王。27歳相当。滅亡の危機に瀕した地球を救うべく、イスカンダルまで来ればコスモリバースシステムを渡すというメッセージと、次元波動エンジンの資料を末の妹のユリーシャ・イスカンダルに託す。その後、次妹のサーシャ・イスカンダルに次元波動エンジンを起動させる次元波動コアを託したが、彼女は火星に不時着して亡くなった。 アベルト・デスラーとは昔からの知り合いだが、彼の覇道は快く思っていない。

ユリーシャ・イスカンダル (ゆりーしゃいすかんだる)

イスカンダルの女王スターシャ・イスカンダルの末の妹。19歳相当。姉の命で地球へメッセージと次元波動エンジンの設計図を携えてやってきた。地球で彼女の世話をしていた森雪によく似た風貌の持ち主。宇宙戦艦ヤマトが完成する1年前に、事故もしくはテロによって雪ともども重傷を負う。 その後、意識を取り戻さないユリーシャは肉体ごと自動航法装置に組み込まれてしまう。ヤマトが地球を発ってから、彼女の意識は船内のあちこちをさまよい、一部では幽霊かと騒がれていた。その後、霊感の強い岬百合亜に憑依して、艦のクルーと会話できるようになる。その口調はお姫さまめいていて、振る舞いもどこか浮き世離れしたところがある。

場所

大ガミラス帝星 (だいがみらすていせい)

永世総統のアベルト・デスラーによって内乱から統一され、強大な艦隊を以て他の星系への侵攻を繰り返す軍事帝国。ガミラス星に帝都バレラスがある。しかし、国内にはかつてガミラス大公国(がみらすだいこうこく)と呼ばれていた時代の勢力が残っており、隙あらばデスラーに取って代わろうとしている。 征服された他の星系も、帰順を誓えば「二等ガミラス臣民」の権利がもらえる。ヴァルケ・シュルツらザルツ人はそうした二等臣民である。その一方で強権的な支配に抵抗する者もいるが、それらは親衛艦隊によって星ごと粛正されてしまう。ちなみにガミラス人は青い肌の色をしているが、DNA配列は地球人と同じである。 地球のことはテロンと呼んでいる。

その他キーワード

宇宙戦艦ヤマト (うちゅうせんかんやまと)

『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する宇宙戦艦にして物語の舞台のひとつ。大ガミラス帝星側からもヤマトと呼ばれている。元々はガミラス艦隊の攻撃で滅亡寸前の地球から脱出し、新天地に移住するイズモ計画を目的として造られた宇宙船だが、スターシャ・イスカンダルのメッセージと次元波動エンジンの設計図をもらったことで、イスカンダルに向かうヤマト計画のための艦として完成した。 完成直前に受けたガミラスからの空爆で、主な乗員が戦死したため、古代進や島大介といったキャリアの浅い若者たちが中心メンバーとなる。次元波動エンジンの力によるワープ航法で、長距離間を一瞬にして移動することができる。また次元波動エンジンの力を利用した強力な波動砲こと次元波動爆縮放射機(じげんはどうばくしゅくほうしゃき)を艦首に装備しているが、沖田十三艦長はこれを敵艦隊の殲滅ではなく、異次元からの脱出などの緊急事態用として利用するよう心がけている。 艦載機はコスモファルコンやコスモゼロといった戦闘機が中心。コスモファルコンは船底の発進口から、コスモゼロは艦尾のカタパルトから出撃する。 また波動防壁(はどうぼうへき)と呼ばれる防御システムもあり、敵艦からの攻撃が直撃してもこれである程度は防げる。

クレジット

原作

キャラクターデザイン

結城信輝

協力

宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会

書誌情報

宇宙戦艦ヤマト2199 9巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉

第1巻

(2012-07-06発行、 978-4041203361)

第2巻

(2013-01-12発行、 978-4041205594)

第3巻

(2013-06-22発行、 978-4041207864)

第4巻

(2014-01-25発行、 978-4041210130)

第5巻

(2014-07-26発行、 978-4041018996)

第6巻

(2015-01-26発行、 978-4041019009)

第7巻

(2015-10-10発行、 978-4041035863)

第8巻

(2016-03-26発行、 978-4041039878)

第9巻

(2022-12-26発行、 978-4041048696)

SHARE
EC
Amazon
logo