秘密のチャイハロ

秘密のチャイハロ

母子家庭で育った運動も勉強もできる女の子が、貧乏なことで同級生や親戚からいじめられ、現状を抜け出すため、子供専用のハローワーク、通称チャイハロで働き、過酷で怪しい仕事に手を染め、成り上がろうとする人間ドラマ。「なかよし」2018年1月号から連載開始。

正式名称
秘密のチャイハロ
ふりがな
ひみつのちゃいはろ
原作者
鈴木 おさむ
漫画
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
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概要・あらすじ

小学四年生の愛川愛はスポーツ万能、成績優秀で元気な女の子。父が借金を作って女と蒸発してしまい、貧乏な母子家庭で育った。クラスメートの陽菜、香菜、里菜は「ヒカリの三菜」と呼ばれ、三人ともお金持ち。貧乏なくせにスポーツもできて、成績も良い愛が気に入らず、愛をいじめ始める。洋服が少ない愛をバカにして、着回しコーデ帳を作ってみたり、絵の具で汚れた水を愛にわざとかけて、弁償代を床に落として拾わせようとしたり。それでもいじめに屈せず、明るく振る舞う愛だったが、いじめはエスカレートしていく。愛が大事にしていた母手作りのハートのヘアピンをいじめっ子「ヒカリの三菜」たちが踏んで粉々にしてしまったのだ。なぜ貧乏なだけでこんなにいじめられるのか。その様子を見て愛を気にかけ、たびたび声をかけてくれたのは華嵐聡先生だった。彼はハートのヘアピンを直してくれる言う。さらに環境は自分で変えるしかないと、子供でもお金を稼げる秘密の場所を教えてくれた。そこは子供専用のチャイルドハローワーク、通称チャイハロ。そこで愛は一番の稼ぎ頭のと出会う。ここで働くためには社長・龍羽努の面接を受けなければならないが、面接の部屋からは子供の悲鳴が聞こえてきた。強から面接に落ちて行方不明になった人もいると聞き、母に会えなくなるのが嫌で愛はそこから逃げ出してしまう。

愛が四歳の頃、愛をかばって階段から落ちた愛の母・愛川雫は、右足が動かなくなり、病気がちになってしまった。母親思いの愛は、学校で必要なものも買わず、母の足の手術代を貯めていた。愛と雫の母子は親戚の家の物置を借りて生活していたが、親戚の山沢雪江は意地悪で、客を呼んでは、「可哀想な母子の面倒をみている」と愛たちを見世物にするのだった。ある時、雪江は愛がこっそり貯めていた手術代の袋を見つけ、家賃を滞納しているくせにと愛の母・雫を責め立てる。愛は母の足を治したくて自分が勝手に貯めたものだと母をかばおうとした。ところがその話を聞いた雪江は「勝手に足を治すなんて許さない。あなたたちにはかわいそうな母子でいてもらわないと困る」と理不尽な要求を押し付け、手術代を燃やしたのだった。愛はあまりのくやしさに涙し、貧乏人の地獄を抜け出すためにチャイハロで働く決意をしたのだった。

登場人物・キャラクター

愛川 愛 (あいかわ あい)

小学四年生の女の子。10歳。明るくスポーツ万能で、成績も優秀。母子家庭で、体が不自由な母・愛川雫と二人、親戚の家の物置で暮らしている。貧乏をネタに学校でいじめられても、母に心配をかけないよう気丈に振る舞う、芯が強くて優しい女の子。愛が四歳の頃、愛をかばってケガをした母の右足は動かなくなってしまった。愛は学校で必要なものも買わず、母の足の手術代をこっそり貯めていた。 髪は腰までの長さのロングストレートで、両サイドの一部を三つ編みにしている。いつも母手作りのリボンやヘアピンを着けている。

愛川 雫 (あいかわ しずく)

愛川愛の母親。夫は借金を作って女と蒸発してしまい、一人で愛を育てる。愛が四歳の時、愛をかばって階段から落ちてしまい、右足が動かなくなる。以来、病気がちになり、あまり長くは働けない。貧乏なため、親戚の山沢雪江の世話になり、愛と二人物置で暮らしている。手作りのヘアピンを作ったり、常に愛を気にかけている優しい母親。 ロングの髪はゆるく一つの三つ編みでまとめ、右側にたらしている。日頃から、どんなにつらく悲しいことがあっても自分らしくいなさいと愛に教えている。

華嵐 聡 (からん さとし)

愛川愛の学校の先生。最近、赴任してきたばかりの若い男性教諭。愛がいじめてれているのを知り、頻繁に声をかける優しい先生。くやしいなら自分で環境を変えるしかないと愛に子供でもお金を稼げるチャイハロを紹介する。愛を気にかけ、応援してくれる存在。目が大きく、女性のように繊細な顔立ち。

龍羽 努 (りゅうば つとむ)

チャイハロの社長。この世はお金がすべてだと語る釣り目で黒髪の若い男性。学校で習うことで一番役立つことは「くやしさ」だという持論を持つ。面接では子供相手でも無理難題を押し付け、どれだけ覚悟があるかを見極める。自分のポリシーを曲げない愛川愛を認め、採用する。

(つよし)

チャイハロで一番稼ぐ少年。愛川愛の世話係。ハンチング帽をかぶり関西弁で話す。人懐っこくてお調子者。すでに五千万円近く稼いでいる。社長からの仕事は稼げるが、それだけキツい仕事だと愛に警告する。

山沢 雪江 (やまさわ ゆきえ)

愛川愛の親戚の女性。代々続く山沢家の奥方で、お金持ち。表向きは上品でキレイな奥様に見えるが、非情で性悪な女性。常に上から目線で「かわいそうな母子の面倒をみてやっている」と自分を演出するために愛たちを見世物にしている。愛が必死に貯めた手術代を燃やしたり、犬にあげた弁当の残りを愛に食べさせようとしたり、常軌を逸したいじめを繰り返す。 いつも着物を着用し、髪は低めの位置でお団子にしたアップスタイル。

集団・組織

チャイハロ

子供専用のハローワークの名称。秘密の組織でお金が欲しい子供たちが働いている。図書館の奥に隠し扉があり、そこが入り口となっている。仕事探しはパソコンで検索したり、受付で相談もできる。仕事は年齢制限や男女制限があるもの、掃除や買い物、友達のふりをするなど様々。稼いだお金はチャイハロカードを使い、預かってもらうことができる。 社長に気に入られると稼げる仕事が回ってくるが、稼げる分キツい仕事になる。

クレジット

原作

鈴木 おさむ

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