概要・あらすじ
厚生労働省職員の伏木あかりは、研修として食中毒の現場に立ち入り調査をした際、殺人事件に出くわす。その時居合わせた、厚生労働省参事の竹之内唯一の目に止まり、不老不死の種族オキナガを管理する組織、夜間衛生管理課へ配属となった。竹之内からオキナガに関する事件の解決を依頼されているオキナガ、雪村魁との連絡役となる。
二人は次々と起こる事件を解決していきながら、ひつじ年に起こる謎の猟奇殺人事件、羊殺しに迫っていく。
登場人物・キャラクター
雪村 魁 (ゆきむら かい)
オキナガ。見た目は少年だが、年は88歳である。厚生労働省の参事、竹之内唯一から依頼を受けて、オキナガに関する事件を解決している。豊富な知識と鋭い思考力を持つ。物覚えも良く、触ったことがなかったパソコンも、一月で使い方を覚えている。戦争中敵地に特攻をかけて死にかけた際、竹之内の血液によってオキナガになった時から、竹之内とは長い付き合いである。 戦後、酷たらしい人体実験を受け、それ以来髪の毛が真っ白に染まっている。非社交的であり、円滑な人間関係を作ろうとしない偏屈な性格をしている。按察使薫子からセクハラを受けてドキマギする、純情な一面もある。オキナガになる前に恋人だった長尾棗が、羊殺しの被害者であり、犯人を捕まえて殺すことを望んでいる。
伏木 あかり (ふせき あかり)
178センチの長身な女性。厚生労働省の職員であり、研修として食中毒の現場に立ち入り調査をした際に、オキナガの殺害現場に出くわす。そこで竹之内唯一の目に止まり、夜間衛生管理課へ配属となり、雪村魁との連絡役になる。真面目な性格で仕事熱心。長尾棗の孫に当り、彼女と同じ立派な眉毛を持つ。
竹之内 唯一 (たけのうち ただひと)
厚生労働省の参事にてして、夜間衛生管理課の責任者。で、少なくとも明治以前から生きているオキナガ。戦争中、瀕死の状態だった雪村魁を見つけ、彼に自らの血を流し込み、オキナガにした。そのことを、恨まれても仕方ないことをしたとして、後悔している。オキナガの社会的地位獲得のために動いている。
久保園 (くぼぞの)
厚生労働省、夜間衛生管理課の係長。ベテランであり、物静かな人物だが、時折冗談を飛ばしたり、ユニークな一面もある。上司として伏木あかりを指導し、暖かく見守っている。竹之内唯一の相談相手でもあり、二人で飲むことも多い。
唐沢 (からさわ)
赤羽署の刑事。ニヤニヤ笑いを常に浮かべている。過激な行動派であり、事件解決の為に荒っぽいことをするのも辞さない。高萩凛子の親が殺害された事件で、雪村魁が犯人と目星を付けて執拗に追いかけた。
高萩 凛子 (たかはぎ りんこ)
女子高生。中学校の修学旅行に行っている間に、家族全員が殺害されており、雪村魁をその犯人だとして殺そうとした。自らの過ちに気がついてからは、反省し、按察使文庫の手伝いをするようになった。
按察使 薫子 (あぜち かおるこ)
按察使文庫の経営者。色気のある、妙齢で女性のオキナガ。発情すると雪村魁にセクハラを行う。かなりの資産を持ち、悠々自適な生活を送っている。オキナガ用に、血の味がするサプリメントの開発している。
長尾 棗 (ながお なつめ)
故人。雪村魁の元恋人であり、伏木あかりの祖母。長い間魁が死亡したと聞かされており、別の男性と結婚もしたが、ある時魁が生きていると知ると、彼に手紙を書き、再開した。しかし、その帰り道羊殺しの被害者となり、死亡してしまう。
村上 淳資 (むらかみ あつし)
オキナガ。「カインの末裔」という、吸血同人サイトを運営している。元は過激な運動家であり、幕末の討幕運動や民権運動、学生運動にも参加していた。オキナガになってしまったことを、不条理に思い、どうやって生きたらいいのかを模索している。
紀 俊基 (きの としき)
夜間衛生管理課課長。真面目な性格だが、嫌味ったらしい所もあり、遠回しな小言が多い。保守的であり、責任を被ることを厭う。竹之内唯一とは相性が悪いらしく、快くはおもっていない。
集団・組織
オキナガ
『白暮のクロニクル』に登場する種族。日本には10万人ほど存在するとされ、厚生労働省の夜間衛生管理課によって管理されている。不老不死であり、老衰や病気で死ぬことがなく治癒力も非常に高い。頭部を吹き飛ばされても生きているが、心臓を破壊されると死亡する。日光に弱かったりと弱点も存在する。血液を好むなど、吸血鬼との類似点が多く、按察使書庫の標識に、「吸血鬼の館」と張り紙がされてあったりと、迫害されることも多い。
夜間衛生管理課 (やかんえいせいかんりか)
『白暮のクロニクル』に登場する組織。オキナガを管理する、厚生労働省の機関。縮めて「やえいかん」と呼ばれることが多い。オキナガの住居の手配や職業の斡旋なども行う。
場所
按察使書庫 (あぜちしょこ)
『白暮のクロニクル』に登場する施設。殺人事件に関する書籍や記事を多く収集している私設図書館。按察使薫子が館主を務め、雪村魁が司書として働いている。身寄りのないオキナガの遺骨を預かってもいる。
イベント・出来事
羊殺し (ひつじごろし)
『白暮のクロニクル』に登場する事件、並びに犯人の呼称。12年に一度、ひつじ年に起こることからこう呼ばれている。若い女性が殺害され、内臓を抜き取られていく猟奇殺人。70年以上に渡り、定期的に起こっている事件であり、犯人はオキナガなのではないかと目されている。
書誌情報
白暮のクロニクル 11巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2014-01-30発行、 978-4091858474)
第2巻
(2014-04-30発行、 978-4091861641)
第3巻
(2014-07-30発行、 978-4091862891)
第4巻
(2015-01-09発行、 978-4091866608)
第5巻
(2015-04-30発行、 978-4091868794)
第6巻
(2015-08-28発行、 978-4091871749)
第7巻
(2015-12-28発行、 978-4091873651)
第8巻
(2016-04-28発行、 978-4091875969)
第9巻
(2016-08-30発行、 978-4091877369)
第10巻
(2017-01-30発行、 978-4091892614)
第11巻
(2017-06-30発行、 978-4091895356)