超時空戦艦まほろば

超時空戦艦まほろば

カメラマン見習いの大山歳郞が、大日本帝国海軍の幻の巨大戦艦まほろばを巡って闘いに巻き込まれていくSFアドベンチャー。松本零士の戦記漫画集『ケースハード』の連作短編が基になっている。主要登場人物の羽黒妖と共に『銀河鉄道999(エターナル編)』『新宇宙戦艦ヤマト』などとも密接にリンクする重要な作品。

正式名称
超時空戦艦まほろば
ふりがな
ちょうじくうせんかんまほろば
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

カメラマン見習いの大山歳郞は、偶然遭遇したアパート火災で一人の老人を救出する。その際に部屋の壁に貼られていた戦艦の写真を撮影するが、それは、大日本帝国海軍の幻の戦艦まほろばの写真であった。これを機に歳郎は、カメラマンとして日常の影で行われている知られざる戦場の記録を撮影することとなる。

そして、そこには常にまほろばの姿が幻影のように現れるのであった。

登場人物・キャラクター

大山 歳郞 (おおやま としろう)

カメラマン志望だったが、撮影スタジオをリストラされ失業中。夢は、父親の遺志を継いでフリーの記録カメラマンになることである。その父親は戦場取材中に対戦車ロケットで撃たれて死亡している。本名は大山歳郞だが、公的には土田司朗を名乗っている。火災に見舞われたアパートから老人を助ける際に、老人の部屋の壁に貼ってあった巨大戦艦の写真をフィルムに収める。 老人は大日本帝国海軍の高官で、戦艦はまほろばという第二次世界大戦中秘密裏に建造されたという幻の巨艦であった。その後、謎の美女・羽黒妖の誘いを受け、豪華客船リベンジ・オブ・アース号で行われた大戦関係者たちの戦闘を記録するカメラマンとなる。 その激戦の中、まほろばに救助され、ここでも記録班カメラマンとして活動することになる。

羽黒 妖 (はぐろ よう)

リベンジ・オブ・アース号のクルーズ企画実行委員会の秘書室長として大山歳郞の前に現れた謎の美女。出身も年齢も歳郎には明かしていない。アース号で行われた第二次世界大戦関係者による戦闘では、秘書団の一員として参加し、持ち前の戦闘力の高さを披露する。実は、戦艦まほろばの重要なクルーの一人で階級は大尉。 まほろばには、妖そっくりの女性が複数名乗り組んでいるようである。

加賀 (かが)

沈着冷静な、まほろばの老艦長。紳士的で穏やかな物腰であり、無用な戦闘は行わない。ただし、まほろばの聖地と呼ばれる沈没艦武蔵に介入する者は断固として許さない。事実、怒国のヘルゴースト級重装甲原子炉搭載艦が、警告を無視して武蔵に接近した際には、まほろばの巨体を用いて容赦なく圧砕した。

佐渡 (さど)

まほろばの艦医。医師としての技量は高く、重傷を負った大山歳郞の一命を救った。かなりの酒豪で、艦内で唯一自由に飲酒できる特権を有する。また、乗組員の精神面にも気を配っており、巨大な酒保である休養区の設置は佐渡のアイディアによるものである。

摩耶 (まや)

クラブ蜃気楼の女主人。なぜか、その容貌は羽黒妖によく似ている。摩耶自身もまほろばの乗組員の一人であるはずなのだが、その階級や職務は不明である。まほろば艦内の広大な居住区にある休養区は仮想現実技術も相まって、昭和の飲み屋街を忠実に再現している。その一角に彼女の店・蜃気楼はあり、乗組員の憩いの場になっているはずなのだが、大山敏郎が訪れる時は、いつも客はいない。

大山 巖右衛門 (おおやま がんえもん)

まほろばの密航者。軍刀を所持し、第6機関室の非常制御室に潜んでいた。食料も尽きる頃になり、穏便に潜伏場所から連れ出すために、なぜか大山敏郎が説得役を加賀艦長直々に命じられる。その容貌は、歳郎と兄弟のようによく似ている。実は、現代に蘇った歳郎の母方の祖父。 大日本帝国海軍大尉で戦艦武蔵搭載の水上偵察機のパイロットであった。戦死したはずの彼がどのようにして復活を遂げたのかは謎である。

足立 登 (あだち のぼる)

元練馬工科大学教授。副業のスクラップ工場の方に熱心になり教授職をクビになった。軍事兵器の権威で、第二次世界大戦型の武器については豊富な経験を持ち、全てに精通しており、並ぶ者はいない。だが、現代兵器については外見上の権威でしかない。元軍人としてリベンジ・オブ・アース号で行われる戦闘に参加する。 大山敏郎の祖父に戦時中、命を救われたことがあるという。

島井田 始 (しまいだ はじめ)

リベンジ・オブ・アース号船内での戦闘における日本人クルーの総隊長。構成員は、戦闘員の坂田忠一、南郷次郎、亀山雄造、大鳥敬、黒田耀子、秘書団の羽黒妖、北山遙、田島澪、そして足立登教授が加わっている。

ヘルゴースト

怒国大統領。強大な軍事力と経済力を掌握したエリート主義の権化。地球の覇者を自任するものの、唯一、自らの自由にならない存在であるまほろばを目の敵にしている。

場所

怒国 (どこく)

『超時空戦艦まほろば』に登場する国家。世界中から志を同じくする者が集まった結束の固い新国家。南太平洋洋上に巨大かつ広大な機械人造島を無数に建造し、組み合わせて、アメーバのように増殖している。海上・海中を移動する巨大な機械構造体で、機動帝国とも呼ばれている。軍備は陸海空全てにおいてアメリカ合衆国の3倍強を誇り、経済力は日本とアメリカを足したほどもある。 国際条約で抑止されているはずの核兵器や化学兵器、生物兵器を開発・保有し、他国を圧倒。特に強力な海洋兵力は地球海軍を名乗り、地球上の七つの海の全てを領海と宣言している。その国力に支えられた国民も選民意識が熱狂的に高く、他民族を蔑視している。

その他キーワード

まほろば

『超時空戦艦まほろば』に登場する戦艦。第二次世界大戦中に大日本帝国海軍によって秘密裏に建造された超大型戦艦。大和、武蔵、信濃に続く大和型第四号艦として計画されたが、正確にはまほろば型一番艦である。大和型の次代が紀伊型と伝えられているのは、まほろば型の存在を隠蔽する海軍によるカムフラージュ作戦であった。 当時の仕様は、満載排水量10万800トン、51センチ主砲15門、出力26万馬力、速力33ノットと伝えられている。現在活動しているのは、戦時中のまほろばの大改装改良発展型であり、潜水能力と飛行能力を兼ね備えた万能艦である。未知の動力で航行し、海上では200ノット、潜水時には100ノットの速度を叩き出し、その艦体はレーダーに感知されないステルス機能を有している。 武装も電磁砲、曲線レーザー砲、真空魚雷など現代科学を超越した技術が数多く使用されている。ゆくゆくは、過去と未来の間に広がる無限大の時空海を航海する戦艦、超時空戦艦としての運用も考慮されているらしい。 艦体中央部には町を思わせる広大な居住区が設けられ、乗員6000名の長期生活に耐えられるようになっている。ちなみに艦名の「まほろば」は、『古事記』の一節「やまとはくにのまほろば」からとられている。

武蔵 (むさし)

『超時空戦艦まほろば』に登場する戦艦。第二次世界大戦中に沈んだ大日本帝国海軍の戦艦。大和の同型艦だが、現在はフィリピン近海のシブヤン海海底に身を横たえている。だが、その内部からは、何者かの生命反応が検出されている。まほろばの加賀艦長は、武蔵を聖地と呼び、そこへの接近を禁じる警告を再三発している。 まほろばのメインドックのある根拠地地下には、幸運にも身体の原型をとどめた武蔵乗組員の遺体が葬られており、まほろばが根拠地を後にした際には、長い航海を共にするために艦底の特別倉庫に移送され、密封されている。

リベンジ・オブ・アース号 (りべんじおぶあーすごう)

『超時空戦艦まほろば』に登場する船舶。世界最大最速の超豪華客船。満載排水量99900トン、船客定員5600名で超電導電磁推進により水上最高速度は45~48ノットを誇る。所属する国籍も船主も無く、機関室や客室は主要各国によって分割管理されている。艦内では、第二次世界大戦の主要参戦国の軍人、市民、外交官、諜報員など、戦時中に個人的、あるいは国家的な恨みを抱く者同士が激戦を繰り広げ、心ゆくまで恨みを晴らし合っている。 それにより、地球上の過去の憎悪を忘却するために定期的に航海をしている。実は、怒国所属の地球海軍第八艦隊情報戦闘指揮艦で、緊急時には外郭を外し、本体の潜水艦が露出、戦闘を開始する。

カゼット2000 (がぜっとにせん)

『超時空戦艦まほろば』に登場する戦艦。怒国所属の地球海軍第四太平洋艦隊旗艦。艦長はホワイタリオン中将。地球上最大最強を自称する原子力戦艦。巨大な双胴艦で、その甲板は大小多数のミサイル発射機で埋め尽くされている。後部に飛行甲板が設けられていることから艦載機を収納していると思われる。 怒国所属の駆逐艦の頭上をまほろばが飛び越えたことへの抗議として、東京湾へ向かうべく派遣された。

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